通称『店ドラ』。
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』
(㈱イーストプレス刊)。
台湾で発刊されました。
『假如杜拉克是店長』
(時報文化出版企業股份有限公司)
著者 結城義晴、訳者 連宜萍。
嬉しいものです。
お陰様で、『店ドラ』は、
昨年5月末に発刊されて以来、
現在、6刷。
まだまだ読者が増えていますが、
それがまず台湾で出版され、
いま、中国語にも翻訳作業中。
台湾・中国の小売サービス業の、
店長やミドルマネジメントに、
愛読してもらえるなんて、
この上ない喜びです。
さて昨日の『ほぼ日刊イトイ新聞』。
巻頭言は「今日のダーリン」
糸井重里さんがちょっと疲れ気味で、呟く。
じぶんで「やる」とか「やりたい」とか言ったことを、
順番にやっていると、くたびれることになります。
ややよくばりな人の「バイキング形式の食事」
みたいになっちゃってるんですね。
このたとえ話がよい。
トレイやらお皿やらに山盛りになった料理は、
よろこびの象徴のように見えたはずなのですが、
やがては「強迫するもの」のようになってきます。
うんうん、わかる。
そして仕事の話につながる。
ぼくの仕事のやり方は、昔とちがって、
できるだけ「よくばらないように」しているつもりです。
「たのまれたこと」があったら、
それをある期間寝かして考える。
そして、じぶんのほうからの「やりたいこと」として
考えられたらお引き受けする。
結城義晴も見習いたい。
これが基本なのですが、ただ単に
じぶんの「やりたいこと」を増やしてしまうと、
無責任にはならなくても、
消化不良になってしまいます。
ほどほどというのは、
ほんとにむつかしい。
同感。
「できることをしよう」というのは、
自らを戒める意味もあって言ったことばだと思います。
「できること」をちゃんとやるだけでも、
しっかりとらせん階段を上っていけるんだもの。
「やりたいことをしよう」だと、ナマすぎるんだよなぁ。
他人やじぶんにとばっちりがきてしまうかもしれない。
以上は糸井重里さんの深夜の「くったびれた~」というグチ。
糸井さんはいつも自分に言い聞かせる。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」でも、
まだ多すぎる。
「腹八分目に病気なし」くらいが
肝要なんだと思います。
私もまったく同感。
安請け合いは怪我の元。
小沢一郎さんも、いかがです?
この考え方。
若い人は、無理でもチャリでも走ってください。
熟年の方は、道理をわきまえて通りを行きましょう。
歩く速度で、ちゃんと進むんだからね。
日曜日に立教大学鉄道研究会50周年行事で、
貸切お座敷列車「華」に乗って、
上野⇔越後湯沢を楽しんだ。
その急行列車レベルのスピードに、
「腹八分目」を感じた。
「歩く速度」を実感した。
「ほどほど」は、なかなかによい。
最後に上田惇生先生の最新刊は、
『P.F.ドラッカー完全ブックガイド』
(ダイヤモンド社刊)
この本の巻頭対談に、
糸井重里×上田惇生が掲載されている。
タイトルは「初めてのドラッカー」
2009年9月17日から29日まで、
『ほぼ日刊イトイ新聞』に連載されたものが、
再編集されて収録されている。
その後に、
ドラッカーの20代~30代の著作、
40代~50代、60代~70代、
そして80代~90代と、
年代別に全著作が並ぶ。
最初の20代~30代はたった3冊。
40代~50代は12冊。
この本の270ページに、
上田先生が激賞する言葉がある。
出典は、2007年、
『P・F・ドラッカー―理想企業を求めて』
エリザベス・ハース・イーダスハイム著。
経営者の皆さんに。
「堂々と経営して、
堂々と成果をあげてください」
全てのビジネスマンに。
「仕事を楽しんでください」
「そのために、強みを伸ばしなさい。
自分が燃えるものを見つけなさい」
いいですね。とても。
「いつまでも挑戦を続けなさい」
そして最後に、
「尊敬する人と仕事をしなさい」
ドラッカー先生も上田先生も、糸井さんも、
人生の達人です。
「腹八分目」と「ほどほど」。
しかし糸井さんも、
引き受けたら絶対に手を抜かない。
私もこれには自信がある。
つまり、
「細かく・厳しく・しつこく」
今月の商人舎標語とは矛盾しない。
そうやって、ほどほどに、
年をとってゆくのでしょう。
<結城義晴>