結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年07月04日(水曜日)

上場企業四半期決算と「昭和な時代」の「流通革命終わらない」

「中山政男のPOP語り」
商人舎ホームページの人気ブログ、
今日から第2弾スタートです。

中山先生は日本のPOP指導の第一人者。

2009年1月に逝去された今津次朗さんと並んで、
日本流通業界のPOP広告や販促のイノベーションを推進してきた。

今津さんは、「ピンキーとキラーズ」の今陽子さんの父上。
広告販促・手作りPOP広告・陳列ディスプレイなどの理論と実践で、
全国を講演・指導して回っていた。

中山先生ももちろん現役で、
全国指導の旅をつづけておられる。

私は特にセルフサービス方式を採用する店舗では、
「POP」広告は必須のツールであると考えている。

だから「この店にしかないPOP」こそ、
あってしかるべきだと思う。

『組織は戦略に従う』
〈『Strategy and Structure』〉
アルフレッド・チャンドラー・ジュニア。

「組織は戦略に従って決まり、
事業拡大の道筋が異なれば、
マネジメント上のニーズも異なり、
結果として別タイプの組織が生まれる」

販促も広告もPOPも、
戦略に従う。

戦略が「この店だけ」とならねばいけない。

アメリカのウェグマンズ、HEB 、
ホールフーズ、トレーダー・ジョー。

一方、ウォルマートやターゲット、コストコ、
アルディやウィンコ。

どんな企業も、どんな店も、
我が社しかないPOPを持っている。
それは我が社の戦略に従っている。

中山先生はそれを指導している。

㈱バウコミュニケーションズ会長の池内勝司さんも、
「POPの学校」校長の山口茂さんも、
同じ道を歩いているのだと思う。

立教大学院の今年の結城ゼミ生・大塚英里さん、
修士論文・調査研究レポートのテーマに、
「POP広告」を取り上げた。

1年間かけて、日米欧の先行研究を調べ上げ、
そのうえで仮説を立てて、
店頭実験をして、それらを検証する。
本格的な研究、
ほんとうに楽しみです。

「中山政男のPOP語り」
ご愛読をお願いしたい。

今日もまた横浜の商人舎オフィス。
お昼ご飯は、岡野町交差点の八起。
20120704143718.jpg
「七転び八起き」の八起。

そのサンマー麺。
20120704143728.jpg
絶品。

一日一麺』のtanichanほど、
うまく写真は撮れないが、
味は絶品。

焼きそばも、よろしい。
20120704143739.jpg
私はあまり食べないが。

さて、商人舎ホームページ上段を流れるテロップ。
「流通ニュース」
現在、メール読者数1万2533人。
商人舎と同志的提携をする「流通」に関する最大のネット・メディア。

Google検索で「流通」と打ち込むと、
第1位は、「流通 – Wikipedia」 ja.wikipedia.org/wiki/流通
第2位は、「日経MJ(流通新聞)」 www.nikkei.co.jp/mj/
そして第3位が、「流通ニュース」 ryutsuu.biz/

その流通ニュースの「決算」のカテゴリーを見ると、
今日現在では以下のように見出しが並ぶ。

(2012年07月03日配信)
ローソン/3~5月は売上高8.4%増、営業利益8.4%増
スギHD/3~5月は売上高6.2%増、営業利益4.9%減
イズミヤ/3~5月は売上高1.8%減、営業利益2.1倍
ケーヨー/3~5月の売上高4.7%減、営業利益45.4%減
井筒屋/3~5月は売上高2.4%増、営業利益14.2%増
ハニーズ/5月期は売上高7.6%増、営業利益43.9%増

(2012年07月02日配信)
ユニー/3~5月の当期利益206億円
フジ/3~5月は黒字化
カスミ/3~5月期の売上高4.3%増、営業利益44.5%減
サークルKサンクス/3~5月期の売上高15.6%減、当期は黒字化
レデイ薬局/3~5月は増収増益

(2012年06月29日配信)
しまむら/3~5月は売上高11.6%増、営業利益34.0%増
オークワ/3~5月は売上高0.7%増、営業利益9.5%減
DCMHD/3~5月の売上高0.1%減、営業利益21.2%減
ポイント/3~5月は売上高7.8%増、営業利益6.7%増
タキヒヨー/3~5月は売上高15.4%増、営業利益203.9%増

(2012年06月27日)
ニトリHD/3~5月は売上高11.0%増、営業利益42.4%増
平和堂/3~5月は売上高2.8%増、営業利益1.9%増

(2012年06月26日)
アオキスーパー/3~5月は売上高227億円、営業利益4億円

(2012年06月25日)
J.フロント/3~5月は売上高1.6%増、営業利益77.6%増
高島屋/3~5月は売上高6.5%増、営業利益68.7%増
イオンモール
/3~5月は売上高8.6%増、営業利益6.4%増
マックスバリュ西日本
/3~5月は営業利益27.2%減
イオン九州
/3~5月は売上高0.2%減、営業損失4億6400万円
イオンクレジット
/3~5月は売上高8.5%増、営業利益37.6%増
マックスバリュ九州
/3~5月は売上高311億円、営業利益2億7800万円
CFSコーポレーション
/3~5月は売上高2.1%増、営業損失1億4400万円
マックスバリュ東北
/3~5月は売上高4.6%増、営業利益21.4%減
サンデー
/3~5月は売上高12.8%減、営業利益74.4%減

(2012年06月22日)
キリン堂/3~5月は売上高3.1%減、営業利益46.2%減

(2012年06月20日)
アークランドサカモト/3月~5月の売上高0.9%減

(2012年06月15日)
西松屋チェーン/3~5月の当期利益35.4%増

今朝の日経新聞の見出しは、
ABCマート、経常益最高82億円 3~5月
ローソン、3~5月 経常益が最高 生鮮強化など寄与
ハニーズ、純利益2倍 前期26億4000万円 東北地区の販売伸びる
スギHD、3~5月 純利益が25%減 花粉関連が低迷
イズミヤ、3~5月 最終黒字に コスト削減が奏功
ケーヨー、経常益が38%減

全て2012年度第1四半期決算。
「微増収減益」が全体のトレンドか。

昨日の日経新聞には、
「マルヤ 3~5月単独最終赤字1億9800万円」の記事。
こちらは大幅減益どころか、2億円に近い損失。

私が懸念するのは、
四半期決算という短サイクルに、
各企業が心を奪われ過ぎていないか、

この一点。

もちろん本決算は、
4つの四半期決算の合計・集積である。
だから良好な四半期を積み重ねていかねばならない。

しかし企業が上場していなければ、
そして四半期決算のサイクルが、
証券業界を中心に、
こうもクローズアップされなければ、
経営者も幹部もミドルマネジメントも、
余裕をもって経営に当たれる。

昨日のブログで書いたが、
ピーター・ドラッカー先生は言う。
「堂々と経営して、
堂々と成果をあげてください」

そして、さらに、
「仕事を楽しんでください」

さてさて、日経新聞一面コラム『春秋』。
「昭和時代」と「昭和な人」を取り上げる。
民主党分裂劇の主役、小沢一郎さん。
幹事長の輿石東さん。

「昭和時代の悪いところばかり再現したような政変だから、
昭和オヤジも昭和を知らぬ若い人もげんなりなのだ」

昭和への認識は、大事だと思う。

私の古巣㈱商業界。
小売流通サービス業の経営出版社。
その月刊『販売革新』が50周年を迎えた。

私は昭和52年(1977年)4月に商業界に入社し、
『販売革新』編集部に配属され、5年ほど仕事した。
その後、取締役編集局長になって、
平成10年(1999年)10月に、
『販売革新』編集長を兼務した。

いわば、『販売革新』OB。

長らく、巻頭言の「editor’s voice」を、
書いてもいた。

だからお許しいただけると思うが、
この日本のチェーンストア産業づくりに大いに貢献したメディアが、
その50周年に掲げた特集。
「流通革命はまだ終わらない」

私は「流通革命」の意義を、
高く高く評価したうえで、
2012年の今、再びみたび、
「流通革命」を掲げることは、
「昭和時代の昭和な発想」だと思う。

「商業の近代化から現代化へ」
寝ても覚めても、私が考えているテーマ。
それは私のライフワークだから。

昭和は「流通革命の時代」だった。
それが近代化をもたらした。
しかし、今、現代化を目指す。

その現代化の条件で、
確かなこと
のひとつは、
「流通革命」ではないことだ。

『販売革新50周年記念号』の特集の中で、
ファーストリテイリングの柳井正さんが、
何度も語る。
「小売業が主導権を握るとか、
メーカーが握るとか、
そういう発想は古い」

「お客さまのニーズをどう実現するかが大切だ」

「どっちが主導権を握ってもいい。
もう小売業とか製造業とかいうことを
考えない方がいい」

「われわれは製造業でもあるし、
小売業でもある」

20世紀のイデオロギー革命は、
完全に過去のものとなった。

「昭和な時代」へのノスタルジーは、
実務の世界や政治の世界には、
ふさわしくない。

<結城義晴>

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.