ロンドン・オリンピックが始まった。
日本は、なでしこジャパンに続いて、
男子サッカーがスペインに勝利。
私もリアルタイムで見た。
女子のカナダ戦も、リアルタイムで観戦。
アメリカから帰って1週間。
その間、働きづめではあっても、
時差ぼけは治る気配を見せず。
スペインを破ったゲームは、
選手たちが堂々としていて、
「勝利は当然」といった印象さえ受けた。
マスコミは「歴史的勝利」と絶賛。
しかし当事者たちは「当然の勝利」。
そのギャップが痛快。
得点した大津祐樹は、
「奇跡じゃなく実力だと思っています」と発言。
ドイツ・ブンデスリーガのボルシア・メンヒェングラートバッハで活躍中。
日本の若者たちも、捨てたもんじゃない。
ますますロンドン・オリンピックが楽しくなった。
日本時間の明日、早朝、開会式が行われ、
日本列島は猛暑とともに、
1億総観戦へと突入する。
事前の盛り上がりにはいくぶん欠けたが、
熱しやすく冷めやすい国民性をいかんなく発揮して、
一喜一憂する。
外食産業やサービス業の売上げはダウンするが、
小売業は書き入れ時となる。
さて今日は、
土用の丑の日だった。
ウナギ原価は高騰。
しかし客離れ回避のために、
利益を削って「値下げ作戦」に出た企業が多かった。
日経MJは、サミット、東急ストア、
そごう西武、西友、イオンが、
それぞれ値下げに踏み切ったと報じている。
これはある意味で当然の顧客対策。
「価格高騰」が喧伝されればされるほど、
食べたくなる、欲しくなる。
だからウナギは安値を打ち出し、
「利は他の品にあり」で、
売上げと利益を稼ぐ。
結城義晴『メッセージ』より、
「利益を上げる五つの法」
「うまいよ、うまいよ」
利は元にあり。
仕入れ・調達説。
「安いよ、安いよ」
利は売りにあり。
薄利多売説。
「つましく、つましく」
利は内にあり。
コスト説。
「お得です」
利はこの品にあり。
商品開発説。
「豊かさをどうぞ」
利は他の品にあり。
マージン・ミックス説。
利益を生み出す五法。
これらをすべて組み合わせる。
そしてまっ正直に商売する。
「まけろよ、まけろよ」
利は外にあり。
優越的地位の濫用説。
断じて滅びよ。
<商業界刊 第4章・戦略と政策より> 「この5つの方法以外にない」などと講義したら、
立教大学大学院生の塩谷健君が、
F&Bマーケティングの授業のあとで、
「利は明日の品にあり」という第6説を考え、
報告してきた。
ピーター・ドラッカーの「既に起こった未来」を読み取り、
「未来の商品」に「利益」を求める。
特にメーカーには必須の思考回路だ。
座布団三枚献上しよう。
さてウナギ高騰の今年、
「値引きしつつマージン・ミックスする」方法以外に、
面白い発想がある。
ヤオコー川越的場店で見つけた。
うなぎチョコパン。
「土用丑の日 うなぎチョコパン130円」とPOP。
こちらは「うなぎDEフランク」
左は「う巻きパン」(ホイップとカスタードがある)
右は「かばやきパン」(シュガーとチョコの2種類)
ヤオコー川越的場店にも座布団三枚。
それ以外の商品もこの店のベーカリーは充実。
広告の品「紙焼きオレンジブレッド」
「紙焼きくるみパン」
「フィッシュバーガー」
さらに「ジャーマンポテトドーナツ」
私、大好き。
焼き立てを提供する。
オーソドックスなパンコーナーも充実。
広告の品「イギリス食パン」
多段ケースのステージには、
「厚切りイギリスブレッド」
こちらは「はにかむオレンジチーズパン」
このアイランドにはフランスパンが集合。
左から「イチジクのフランスパン」
「大きなチーズフランス」
「レトロフランスバケット」
いちばん右が「バタール」
インストアべカリーの充実は、
洋風素材や冷凍食品、洋日配、
さらに乳製品、ワインへと関連付けが行われて、
ライフスタイルアソートメントは豊かになる。
もちろんこういったノンコモディティのライフスタイル商品と共に、
コモディティのエブリデーロープライスも展開。
「食パンエブリデイ88円均一」のエンド。
58円均一の「菓子パン」
ヤオコーのコモディティとノンコモディティ。
そのマージン・ミックス。
「利はこの品にあり」と「利は他の品にあり」。
その組み合わせこそが、商売の真髄といえるものだ。
みなさん、良い週末を。
<結城義晴>