結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年07月24日(火曜日)

大リーガー・イチローのヤンキース移籍と「Retail is Detail」の哲学

まったく突然の話。
メジャーリーグ・シアトル・マリナーズのイチローが、
ニューヨーク・ヤンキースに移籍。

プロの世界にはこんなことがある。

イチローは移籍会見から2時間後、
シアトル・セーフコ・フィールドで行われた試合に、
「8番・ライト」で先発出場。

もちろんヤンキースの選手として。

第1打席でセンター前ヒット、
すかさず二盗、三盗を決めた。

イチローらしい意地が表れた瞬間。

この3回裏の初打席では、
シアトルのファンから、
スタンディングオベーションで迎えられた。

お客様は本当にありがたい。
「ここでは長い時間にいろいろなことがあった。
ああいう反応を目の当たりにすると、真っ白になる。
あの瞬間に感激した」

「一番勝っていないチームから一番勝っているチーム」への移籍。
現在最下位のマリナーズから、
ほんとうの常勝軍団ヤンキースへ。
イチローにはこれで、
ワールドシリーズ出場の新しい道が開けた。

ワールドシリーズ制覇27回、
アメリカン・リーグ優勝40回。

そんなヤンキースにイチローは、
「怖い。不安です」

率直過ぎるが、
「それを断ち切れるように進んでいきたいし、
その覚悟は持っているつもり」
あくまで謙虚。

イチローの哲学。
「小さなことを重ねていくことが、
とんでもないところへ行くただ一つの道だ」

まったく小売りサービス業に通ずる哲学。
ウォルマートの創業者サム・ウォルトンの言葉。
「Retail is detail」
小売りの神は細部に宿る。

そして商人舎標語。
「細かく・厳しく・しつこく」

これは「徹底すること」の意味。

イチローの野球人生はまさに、それだ。
ところで、2011年度コンビニエンスストア調査。
日経新聞が毎年、行っている。

コンビニの市場規模が、
9兆1771億円。
9兆円を突破し、10兆円間近。
前年度比伸長率8.2%。

総店舗数4万8139店、
こちらの前年度比は4.3%プラス。

売上高の伸び率が、
店舗数の伸長率を上回る。

つまりは1店ごとの伸びも大きくなっていることになる。

セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートの3強、
それにサークルKサンクス、ミニストップを加えた大手5社。
その店舗純増数は、1780店。
これは過去最高。

比較可能な43社の伸び率は、
近年では10%増の97年度に次ぐ。

市場規模は百貨店の6兆1525億円の1.5倍の拡大。
単体企業では、
第1位セブン-イレブンが、
年商3兆2805億円。

日本最大の小売業。

コンビニ業界の35.7%を占める。

第2位のローソンも、
年商1兆8258億円で、
19.9%。

第3位のファミリーマートは、
1兆6612億円。
こちらも18.1%。

断トツのセブン-イレブンはもとより、
3強がいずれもクリティカル・マスの17%を超えている。

日本のコンビニは世界最高の小売業で、
上位三社の寡占状況が続く。

その意味でコンビニはグローバル・ビジネスの水準にある。

その証拠にプライベートブランドの売上げは、
上位3社で年商5000億円規模に成長。

本格的に生鮮食品のうちの野菜を扱う店も、
2013年3月期には上位5社で2万4000店になる。

スーパーマーケットの最大の競争相手は、
コンビニである。

この調査では、性別の客数が出ている。
男性客数の伸び率は5%増、
たいして女性客数は12%増。

つまりはスーパーマーケットの顧客を、
コンビニが奪っていると解釈することができる。

さらにセブンーイレブンでは、
60代以上の比率が17%。
これは1年間で2ポイントの上昇。

2012年度の新店・改装投資は、
セブン-イレブン1100億円、
ローソン、ファミリーマート500億円以上。
上位5社で2541億円、
前年比22%増。

出店数の見込みは約3700店で、
純増数は約2100店の予定。

イチローではないが、
「小さな店の積み重ねが、
とんでもないところへ行くただ一つの道」

それが日本のコンビニである。

最後に昨日の行動日記。
朝から埼玉県川越へ。
3店のスーパーマーケットを視察。
まずヤオコー川越的場店。
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今年3月22日オープンの新店。
売場面積2676㎡(809坪)と、
23年連続増収増益のヤオコー最大の意欲店舗。

広報の内藤さんに対応していただいて、
視察・研究。
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心から感謝。

その後、歩いて400mのところにあるベルク的場店へ。
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こちらは1992年オープンの1573㎡(477坪)。
極めてオーソドックスな伝統型スーパーマーケット。

さらに車でオーケー川越店。
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島忠ホームズ川越店の1階左翼に入居している。

2010年オープンの2414㎡(730坪)。
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こちらはディスカウントタイプ。

三者三様のポジショニングで、
極めてアメリカ的な競争を繰り広げている。

分析は機会を見て。

その後、昨日は池袋の立教大学に戻って、
フード&ベバレッジ・マーケティングの補講。
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18時30分から21時過ぎまで、
前期最後の講義で、力が入った。
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講義終了後、有志が集まって、懇親会。
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楽しいひと時で、帰宅は午前様だったが、
炎天下、店回りをして、ちょいと疲れ気味。

「健康法は?」と問われたが、
「これといって、ありません」と答えた。

「小さなことの積み重ねです」なんぞと、
カッコよく即答できればいいのだが、
イチローの域にはまだ達していない。

<結城義晴>

2012年07月23日(月曜日)

チェーンストアはアダム・スミスの「社会的分業」を体内化した仕組みだ!

Everybody! Good Monday!
[2012vol30]

2012年を1月第1週から数えて第30週。
7月の第4週です。

ほとんどの学校が今日から夏休み。
立教大学院も先週金曜日で前期授業が終了。

結城ゼミ夏合宿は、
その翌日からの二日間だったのです。

お疲れ様でした。

そして今日は、夕方から、
F&Bマーケティングの補講。
いつも通り、14号館602号室で、
18時30分から行います。

さてもうひとつお知らせ。
この商人舎ホームページ巻頭に掲載。
秋の米国視察Specialコース募集開始。
商人舎USA研修会も、おかげさまで、第12回。
ダラス・ワシントン・ニューヨークで、
10月30日から11月6日までの6泊8日。

アメリカ最大の激戦地ダラスと、
ニューヨーク・ワシントンという最もエキサイティングな街。

まず、私が評価しているWWWTCA。
WWWTCAは、
ウォルマート、ホールフーズ、ウェグマンズ、
トレーダー・ジョー、コストコ、アルディ。

それにローカルチェーンの雄HEバット、
内食&外食融合型未来店舗イータリー、
さらにドラッグ&コンビニ結合型フューチャーストア・デュアンリード、
それに伝統のスチュー・レオナード、フェアウェイマーケットなどなど、
見どころ、聞きどころ満載。

訪問先は、全米に名の通った企業や店舗ぞろい。
そして今年はたっぷり結城義晴の講義。
ダラスではHEB元上級副社長メリッサ・フレミングさん、
全旅程を通じて浅野秀二さんのコーディネート。

自分で言うのもなんですが、
現時点で最高のコンセプト、
最高の教授陣、最高のコース。

Specialコースは、
基本的にビジョンと経営戦略を学び、
競争対策・商品政策を考える。

もちろん目指すは経営のイノベーション。
そして自己革新。

お早目のお申し込みを。

さて今週のプロモーションは、
第1に、夏休み。
児童・生徒・学生が夏休みに入れば、
そんな家族がいる家庭は、
生活が一変する。

暑さのなかで涼しいこともある。

涼しさや席をゆずりて去る少女

<日経俳壇 さいたま・佐々木力>

いいですね。

くちづけをしてとトマトのいざなふに
ぼくは刃(やいば)を差し入れるのみ

<日経歌壇 東京・嶋田恵一>

短歌は最近、ユーモアを主題のひとつとするようになった。

生活の変化のあるところに、
商売のチャンスがある。

第2は、今週金曜日27日の土用の丑。
土用の丑の日に鰻を食すという風習だといっても
金曜日1日だけのことではない。
今週はウナギの週。
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もう十分にわかっていることだけれど。

私自身、昨夜、今朝と、
鰻づくめ。

㈱セイミヤ社長の加藤勝正さんからお贈りいただいた鰻。
今週はウナギ尽くしとなりそう。

第3は、ロンドン・オリンピック。
開会式は金曜日27日だが、
25日から女子サッカーのゲームが始まる。
日本対カナダ戦。

オリンピックが開幕すると、
日本中の外食産業は、
際だった売上げダウンの傾向を示す。

過去のオリンピックとワールドカップの実績が表している。

その分、小売業が稼ぐ。
つまりはすべてのスーパーマーケットやコンビニにとって、
今週からの19日間が書き入れ時ということになる。

オリンピックを思い描きつつ、
私の今週のスケジュール。

やっと、落ち着き始めた。
今日は朝から川越。
ヤオコー、ベルク、オーケーなど、巡って勉強。

夕方、池袋に戻って、立教ビジネスデザイン研究科の講義。
フード&ベバレッジ・マーケティング。
9時過ぎに終わりたい。

明日は、午後から、商業経営問題研究会。
通称RMLC。
午後1時半から虎ノ門の日本チェーンストア協会会議室。
私がアメリカ・中国小売競争論を語ります。

水曜日は、イオンリテールワーカーズユニオンで講義。

そして木曜日、
久しぶりに商人舎オフィスに顔を出す。
ちょっと体と気分を休めることができる。

金曜日は、名人会ゴルフ。
1989年からずっと続けている会。
浅香健一さん、鈴木國朗さん、
そして土井弘さん。

しかしこういった時間は、
ほんとうに久しぶり。

そのゴルフ。
今朝、第141回「The open」全英オープン、
英国ロイヤルリザム&セントアンズでの最終ラウンド。
時差ぼけが直らず、深夜に目が冴える。
だから最後の瞬間まで見てしまった。
南アフリカのアーニー・エルス(42歳)が逆転優勝。
通算7アンダー。
4大メジャー通算4勝目の強豪の復活。

しかし32歳のオーストラリア人アダム・スコットが、
最後の緊張感に負けて、6打差を逆転されて自滅した試合。

ゴルフの恐ろしさをまざまざと見せつけられた。

注目のタイガー・ウッズは、
これも復活はならず、それでも3位。

さて、日経新聞『やさしい経済学』で、
京都大学名誉教授の西村和雄先生が
「危機・先人に学ぶ アダム・スミス」を論じている。
先週から始まって、今日はその第5回。
「分業が富を増やす」

1776年出版の『国富論』の序文では、
「富が消費する必需品と便益品の量である」ことが述べられ、
本文は「分業について」の章から始められる。

「分業が生産量を高める方法であり、
それが富の増加につながるからである」

小売りサービス業にとって、
とりわけてチェーンストア・システムは、
富を増大させる仕組みである。

その最初の提言者がアダム・スミス。

「分業には生産物の生産過程での作業内分業と、
それぞれの職業への特化、すなわち社会的分業がある」

チェーンストア・システムは、
本部と店舗との分業からスタートする。

ゴドブリー・レブハーは、
「チェーンストアとは、
卸売業と小売業の機能を併せ持つこと」と指摘しているが、
これはアダム・スミスの「社会的分業」を、
一つの組織体の中に取り込む
ことを意味している。

「分業によって生産量が増大し、消費量が高まるのは
国内経済と同様に世界経済についても当てはまる」

「国内経済では、それぞれが異なる職業に特化して、
分業することで皆が利益を得る。
家庭では、自分が作るほうが買うよりも高くつくものは、自分で作らない」

「スミスによれば、それと同じ理屈が、
国際貿易においても成り立つ」

もうひとつ日経新聞から『起業の軌跡』。
スタートトゥデイの前沢友作社長が登場。

アパレル通販サイトの「ゾゾタウン」は、
会員数450万人、2013年3月期売上高見込み417億円。
これは前期比31%の伸び。
そのゾゾタウンを運営する会社がスタートトゥデイ。

前沢さんは、もともとミュージシャン。
そのバンド活動の傍ら輸入CDのカタログ販売を始めた。
1998年にスタートトゥデイを設立して、
2000年からアパレル・ファッションを売り始め、
2004年にゾゾタウン・サイトを開設。

「全商品を統一基準で採寸したり
商品写真を増やしたり」、

ユニークな顧客目線のサービス。

その前沢さんはこの5月から、
全社員を対象に6時間労働制を導入。
これが面白い。

午前9時~午後3時までの6時間勤務。
ただし昼休み抜き。

労働時間が1時間30分短縮されたが、
基本給は変わらず。

「日本人は世界で一、二を争うほど働き過ぎ。
それなのに労働生産性が低く経済状況もよくない」
そこで働き方を根本から見直した。

「朝から夜まで会社にいても
集中している時間は正味で数時間。
仕事を短時間で終わらせて早く帰った方がいい」

「お日様の出ている時間に帰れば、
もう一つの人生が始められる」

私はゴルフも、スルーで回るのが好きだ。
つまり昼食休憩を取らない方式。
スコアも、こちらの方がずっといい。

かつて、私の先輩のあるコンサルタントは、
朝7時から事務所を開き、
午後3時に閉じるというやり方をとっていた。
この場合、昼食休憩を1時間とる。

しかし3時に仕事が上がると、
事務所のメンバーはその後の生活が本当に豊かになった。
「アフター3方式」は一日が長い。

前沢さんのスタートトゥデイ経営、
アメリカの靴のネット通販「ザッポス」に通じる。

私はこういった涼やかな経営発想、大好きだ。

では、みなさん。
暑いときですが涼しいお話を共有しつつ、
Good Monday!

<結城義晴>

2012年07月22日(日曜日)

ジジと清里合宿[日曜版2012vol30]

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ジジです。

ユウキヨシハルのおとうさん、
また、でかけてます。
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キヨサト。
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rikkyoユーキ・ゼミの合宿。
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ボクはねてます。

キヨサトの駅の機関車。
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モ~、モ~のウシさん。
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駅のなかには、
こんなのも。
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おとうさんたちがとまったのは、
清泉寮本館。
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第2期生の人たちとフォト。
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まえはコダマさん、イノマタさん、
うしろはヤマモトさん、シブキさん、ニシワキさん。

ふるいふるい建物。
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あかいじゅうたん。
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ポール・ラッシュさんの応接室。
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ラッシュさんのつくえ。
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食事とおふろは新館です。
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ここでは第1期生の皆さんとフォト。
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ひだりから、タカハシさん、ナゴヤさん、
ホシヤマさん、カキヌマさん、タムラさん。

新館のげんかんにも、これ。
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ここにもポール・ラッシュさん。
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ボク、おなか、すいた。
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食堂もあかるくて、ひろい。
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ひろいひろい清泉寮。
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そとでみんなで、フォト。
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エンドーさんが、おくれたけれど、
わざわざやってきてくれた。
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でもきのうときょう、
えんえんとゼミをやった。
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はっぴょうとぎろん。
ぜんぶで12時間くらい。
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そのあと、みんなでフォト。

おつかれさま。
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よるは11時から3時くらいまで、
コンシン会。
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そしてサプライズ。
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第3期生からおとうさんに、
プレゼント。
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これです。
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おとうさんは、
ほんとうに、よろこんだ。
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ひだりからオカモトさん、ヤマグチさん、
アサカワさん、サトウさん。

みなさん、ありがとう。
卒業生のみなさん、ありがとう。
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おとうさんは、
こころから感謝しました。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2012年07月21日(土曜日)

清里・清泉寮で結城ゼミ夏合宿進行しつつ「百貨店/都心集中」を考察

昨日、サンフランシスコから帰国して、
今日は、山梨県清里高原へ。

横浜線で八王子へ、
中央線あずさに乗り換えて小淵沢。
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さらに小海線で清里へ。
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小海線は日本最高度の鉄道。
単線の線路のまわりは林に包まれている。
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清里の駅には、鉄道模型が飾ってある。
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この清里に、立教大学の寮がある。
名づけて「清泉寮」。
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この清泉寮で、
立教大学大学院2012年度
結城ゼミの夏合宿

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この施設は財団法人キープ協会が保有しているが、
その開発者のポール・ラッシュ博士の銅像。
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清里駅に着いたら、
結城ゼミ第1期生が待っていてくれて、
昼食。

毎回必ず行く店ROCK。
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ウッディな店内内装のカレーハウス。
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そのSpecialカレー。
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カロリーが高いメニューだが、
おおいに満足。

私が教授に就任するとともにゼミを持ってから4年目。
初年度2009年のゼミ生を結城ゼミ1期生と呼び、
2期生、3期生、そして現在の4期生まで、
合わせて24人。

夏の合宿には、
その21人が参加してくれる。
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第2陣くらいまで揃って、
ゼミのスタート。

清里高原の清泉寮での合宿。
私自身は、
安らぎます。
癒されます。

それでも、
ひどく肩が凝っている。
私は肩が凝りやすい。
運動不足になると、すぐに肩凝り。

だから講演や講義のとき、
語り始めて10分くらいしたら上着を脱ぐ。
これが落語家がマクラを語ってリラックスさせてから、
本文に入るのと似ている。

ちなみに落語は、
「マクラ⇒本文⇒オチあるいはサゲ」で構成されている。
講演、講義も、これに似ているが、
「マクラ」を語る者も、
「オチやサゲ」を語って劇的に終わることをする者も、
多くはない。

まあ、落語、「落とし噺」というくらいだから、
「オチ」のために本文を語っている節がある。

講演・講義にも、
「オチ」があったら面白いし、
オチはあるべきだと思う。

さて日経新聞の『企業総合』欄の記事。
「百貨店、都心で集中投資」
これは本質的に正しい経営判断だと思う。

シンプルに言えば、
都心の主力店舗に投資し、
郊外のサテライト店舗は撤退、
または業態転換する。

東武百貨店池袋本店は91億円の本格改装。
20年ぶり。
三越伊勢丹は100億円強を投じて伊勢丹新宿本店を改装。
高島屋も総額140億円の投資で横浜店を改装。

売上高上位5社2012年度の総設備投資額は、
1249億円。
前年度比なんと5割増。

一方、郊外店、地方店は「専門店ビル」化を進める。
素早い意思決定の場合、「専門店ビル化」が進む。
そごう・西武の西武東戸塚店は、2009年から段階的に
「ユニクロ」「アカチャンホンポ」など専門店を導入。
12年2月期まで2期連続増収、
3~6月も6%の伸び。

その代り、近隣のイトーヨーカ堂能見台店に、
その影響が出る。

大都市の主力店をそのまま小型化した旧来型郊外・地方百貨店は、
郊外大型ショッピングセンターの総合スーパーと競合する。
しかしその総合スーパーも全体では衰退業態。
こちらも衰退してくるということは、
専門店で乗り切るしかない。

さらに対応遅れの百貨店は淘汰と閉鎖。
J・フロントリテイリング傘下の博多大丸長崎店は昨年7月に、
そごう・西武もそごう呉店と西武沼津店を来年1月に閉鎖。

百貨店の1店当たり商圏人口は、100万人。
現在はもっと広くなっている。

現在、270店ほど残っている百貨店は、
100万人で単純計算しても、日本の総人口1億2770万人では、
120店ほどが適正ということになる。

百貨店の社会的機能を、
安土敏著『日本スーパーマーケット原論』(パルス出版)は、
「良いもの何でも屋」と短く易しく表す。

しかし成熟化社会では、
「良いもの」の質が格段に高まる。

コモディティ化現象とは、
「品質が向上するのに価格は下がる」
こと。
コモディティ化現象は成熟化社会で起こる。

アメリカも、西ヨーロッパも、
そして日本も成熟化社会となっている。

そこでは「品質」に対する要求が高い。
だから「良いもの何でも屋」の百貨店は、
より希少性の高い商品を得る条件を整えた店舗しか成り立たなくなる。

希少性の高い商品やサービスを用意することができる広い面積、
希少性が高いから高額となる商品・サービスで採算が取れる
広い商圏人口の立地。
希少性が高い商品を売るための高頻度の高額投資。

つまりは都心の一番立地の広い面積の百貨店。

しかしこういった条件を満たす店は、
他の百貨店の淘汰によって、
逆に、好成績を収め続ける。

その頂点に各社の本店や主力店がある。
伊勢丹新宿店、日本橋三越、
日本橋高島屋、大阪高島屋、横浜高島屋、
池袋西武、横浜そごう、
そして改装中の梅田阪急&阪神百貨店。

これらはますます繁盛するに違いない。
これらに準じる百貨店もますます繁盛する。

その分、地方・郊外総合スーパーは、
ショッピングセンターでの専門店導入を加速しつつ、
一方は百貨店のニーズの取り込みへ、
一方は米国のハイパーマーケット型ディスカウントへ。
こちらは二極化していくだろう。

アメリカで言えば、
前者はコールズ型、
後者はウォルマート&ターゲット型。

こうやって総合スーパーが追い詰められつつ二極化していくと、
アメリカ同様に、GMSと呼ばれたシアーズ型・JCペニー型は、
中途半端になってしまう。

消費の高度化の頂点に立つ百貨店の変貌は、
その隣の業態といえる総合スーパーに影響を与える。

そして総合スーパーが変貌すると、
食品スーパーマーケットや衣料スーパーに、
影響が出てくる。

日本全体は少子高齢化で、
市場が縮んでいる。

縮みつつ、小売業の勢力図に変化が訪れる。

これが業態間競争の本質である。

業態は社会的機能である。
だから業態間競争はない。

この理論は、
マーケットの縮小のなかで、
適用されにくくなってきている。

まだ時差ボケがある。

ゼミをやりつつも、
頭は混迷。

そんな中で、
日経新聞の記事から考えた。

みなさん、良い週末を。
私は明日まで清里で、
安らぎます。
癒されます。

< 結城義晴>

2012年07月20日(金曜日)

マザー・テレサの「思考」とマーガレット・サッチャーの「考えること」

帰国しました。

今回は、いつも以上に、
短く感じられた1週間でした。

なぜなんだろう。
自問してみますが、
よくわかりません。

お店が繁盛したり、
不振になったりするのは、
様々な要素のシナジー効果によるものです。

それと同じことなんでしょうが、
短く感じる私自身が、
少しずつ年をとっていることは確かで、
それが大きな理由なのかもしれません。

最初の講義の前の団長・高橋弥雄樹さんの挨拶。
㈱平和堂生鮮食品部精肉課課長。
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実務の人で、視察も調査も受講も率先垂範。
みんなを引っ張りました。

全員の受講ぶりも、
平和堂らしい誠実さにあふれていました。
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ストアコンパリゾンも、
元気いっぱいでした。
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レクチャーしてくれるアメリカ側も、
いくら感謝してもし足りないくらい真剣でした。
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ウォルマートのスティーブさん。

質問も礼儀正しく、しかも的確でした。
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〝Good question!”
トレーダー・ジョーの店長ジョシュアさんは、
何度もこの言葉を口にしました。

ホールフーズでも私たちの礼儀正しさは、
際立っていました。
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最後の講義の前の副団長・橋本光正さんの挨拶。
AP堅田店店長。
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そしてあっという間に、
最終日のお別れパーティ。
サンフランシスコ中華街の皇后酒楼。
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景色と料理が絶品。
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大いに楽しんだ。

そして最後のサンフランシスコ空港。
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アメリカンエアーライン1915便で、
ロサンゼルスへ。
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サンフランシスコのベイエリアが美しかった。
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私たちが活動した地区が一望のもとに見える。

そしてロサンゼルスの高速道路網。
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アメリカ人が開発した大ロサンゼルス。
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この空港で、全員写真。
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充実感がみなぎっている。

今回の私のパートナー五十嵐ゆう子さんとは、
ここでお別れ。
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「小鳩のような心臓」の五十嵐さんは、
旦那さんと息子さんと三人で、
このロサンゼルスに住んでいる。

私たちは、それからすぐに、
アメリカンエアーラインの169便に乗り換えて、
11時間半、東京成田空港に到着。

最後のバスのなかでも成田空港でも、
私は、「イノベーション」への挑戦と、
その実現を誓った。

そのために必要なこと、
「自ら、変われ!」。

自分が変わらねば、
仲間を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
店を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
会社を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
社会を変えることは出来ない。

この背景にはマザー・テレサのことばがある。

Be careful of your thoughts,
for your thoughts become your words;
思考に気をつけなさい、
それはいつか言葉になるから。

Be careful of your words,
for your words become your deeds;
言葉に気をつけなさい、
それはいつか行動になるから。

Be careful of your deeds,
for your deeds become your habits;
行動に気をつけなさい、
それはいつか習慣になるから。

Be careful of your habits,
for your habits become your character;
習慣に気をつけなさい、
それはいつか性格になるから。

Be careful of your character,
for your character becomes your destiny.
性格に気をつけなさい、
それはいつか運命になるから。

しかしまずは行動を変えたい。
そのために思考に気をつける、
言葉に気をつける。

しかしそうしながらも行動を変える。

行動を変えると、
習慣が変わる。

習慣が変わると、
性格が変わる。

性格が変わると、
運命が変わる。

マーガレット・サッチャーはつぶやく。
「今の人たちは、
考えることを忘れ、
感じることばかり」

私たちはアメリカの小売業とアメリカの知識商人から、
マザー・テレサの思考と、
マーガレット・サッチャーの考えることを学んだ。

私は一貫して、
それを強調していた。
ナレッジ・マーチャントとは、
自ら見て、自ら聞いて、
そして自ら考える人だからだ。

横浜の街が疲れた私を迎えてくれた。
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サンフランシスコも涼しかったが、
横浜もなぜか小雨模様で涼しかった。

心から、感謝したくなった。

<結城義晴>

[追伸]
ホームページ巻頭で、
商人舎秋のUSA研修会、
第12回Special視察コース、

募集開始しました。

2012年07月19日(木曜日)

糸井重里の『選ぶ基準』とウィンコ&フード4レスの新しい安売り哲学

『ほぼ日刊イトイ新聞』。
糸井重里の毎日巻頭言「今日のダーリン」
いつも同感させられることばかり。

ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、
「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。
「より脅かしてないほう」を選びます。
「より正義を語らないほう」を選びます。
「より失礼でないほう」を選びます。
そして「よりユーモアのあるほう」を選びます。

まったく同感。
新聞でも雑誌でも、
インターネットのニュースでも、
ブログでもfacebookでも。

「スキャンダラス」な情報は、人の注目を集めます。
人のこころを激しく波立たせます。
そういう情報を伝えるということには、まずは、
慎重であるべきだと考えるのがおとなの知性でしょう。
「そんなにすごいこと」を、次々に発信する人の意見は、
ぼくは信じる前に、しばらく置いて「待ち」ます。
待っている間に、錯覚や誤情報だと判明する場合が、
いままでのところでは、とても多かったです。

「脅かし」ている情報は、判断の選択肢をせばめます。
「これしか方法はない」と追い込まれると、
人間は考えを停止して、行動せざるを得なくなります。
「もっといい方法」を探すことも、
「いまは、それどころじゃない!」の怖れのなかで、
できなくなってしまいますから。

「正義を語る」をことさらにするということは、
「自己批評」の余地がないということになります。
「おれもダメなんだけどさ」という部分がないと、
どこまでも持論を押し付けることになりやすいです。

「よいことをするときには、
わるいことをしているくらいに思ってちょうどいい」
と、ぼくはそう考えています。

「損得より先に善悪を考えよ」
これは正義について語っています。
しかし「ことさらにする」ということではありません。
ここ、とても大事なところ。

最後に。
「失礼」ということについては、
‥‥誰だって、
失礼な人の話は聞きたくないでしょう?

そして「ユーモア」は知性そのもの。
文章の最後に「(笑)」など入れればユーモア、
などと勘違いしている人もいますが、
それはよく、「失礼」をごまかすときに使ったりされます。

さて、日本は蒸し暑いみたいだが、
サンフランシスコは夏服では寒い。

昨日は研修最後の日。
朝一番で、私の講義。
みんな、元気に集まってきた。
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ホテル日航25階の会議室。
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サンフランシスコの街が見おろせる。

テキストのすべてを語るけれど、
今日は一番大切な理論の部分。
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途中で、調査報告をしてもらう。
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発表者は小田島孝さん
ウォルマートとコストコで、
牛乳のPFグラフをつくった。

全員が7つの班に分かれて、
それぞれ、異なるカテゴリーで調査を行う。
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それをまとめて、PFグラフにする。

私が講評しつつ、
店長の売場点検と売り場管理の方法を伝授。
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2時間きっかり、
「フォーマット」と「ポジショニング」
そして「コモディティ」に関する肝となる講義を終わる。
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それからすぐにバスに乗って、
最後の視察。

ウィンコ・フーズ
いま最も注目すべき企業。
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店舗面積はほぼ94,000平方フィート(7,500㎡)
天井はむき出し、ノンフリルの低投資型店舗。

広い店内を約150人のアソシエーツが、
効率よく運営・管理。
だから床はピカピカで、清潔感がある。

入り口を入ると、「The Wall Of Values」
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巨大なラックに陳列された超特売品売り場。
並んでいる商品の関連性は全くない。
むしろ「意外!」と思われるくらいがいい。

品目ごとに競合店価格比較POPがついている。

ウォールが終わると青果部門。
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壁面売場も、クレート陳列。
鮮度はいい。
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バナナの売り場。
最も安い。
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600品目のバルク売り場。
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冷蔵平ケースと対面売り場のデリ、ミート部門。
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そして長い長い平冷凍ケース。
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両サイドはリーチインケースが並ぶ。
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グロサリー部門は、
店舗両サイドから一番向こうまで見渡せる可視率の高い売り場づくり。
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品目は絞り込まれていて、単品大量販売。
コカコーラ2リットル1ドル08セント。
アメリカ中で一番安い。
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クレジットカードは受けず、現金決済
回転差資金を生み出すキャッシュフロー経営が、
ウィンコの安さの秘密のひとつ。

まだまだ研究余地がある企業だ。
何しろウォルマートが一番厄介な存在と考えているくらい。

次はナゲットのフード4レス
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これもディスカウント・スーパーマーケット。
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店長のティムさんが、また、
迎えてくれた。
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入り口はウィンコと同じ巨大な壁。
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床はウィンコ以上にピカピカ。
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それからワンウェイで青果部門へ。
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安売りしながらこの陳列。
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ミートはUSDAのチョイス・グレード。
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牛乳もウォークインクーラー。
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ラックに陳列されたドライグロサリー。
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前進立体陳列と突き出し陳列の配置が、
これ以上ないというくらい原則的。

ウィンコとナゲットのフード4レスを訪れると、
アメリカのディスカウント業態が
明らかに変化を遂げたことがわかる。

安いから悪い。
安いから汚い。
安いからノーサービス。
これでは、まったく競争に勝てない。

安くて良い。
安くてきれい。
安くてホスピタリティ。

この次元に到達している。

恐ろしいことだが、
それができなければ生き残れない。

<結城義晴>

2012年07月18日(水曜日)

トレーダー・ジョーのアーティストと故渥美俊一先生3回忌の集い

ロンドンオリンピック。
日本ではいまひとつ、盛り上がらない。

7月27日に開会式。
しかしその前の25日から、
女子サッカーなどの試合はスタート。
8月12日までの19日間。

世界中が沸き上がる。

日本でも、その時になれば、
瞬間湯沸かし器のように盛り上がる。

しかし今から、少しずつ、
気分を出しておいた方がいい。

トレーダー・ジョーのエンド・トップパネル。
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クッキー、チップス、ナッツなど、
フットボールやベースボールの重要ゲームでは、
爆発的に、アメリカ一、売れる。

だからオリンピックも。

トレーダー・ジョーらしく、
うつくしくて、シンプルで、洗練されたパネル。
見本にしたいくらいだ。

さて、サンフランシスコでの研修。
この人口438万人のサンフランシスコ・オークランド地区では、
セーフウェイが、
30.0%のシェアでトップ。

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だからセーフウェイを訪れることは不可欠。

アップスケール型のニューライフスタイル店舗が、
いい出来栄えで、立地さえ良ければ、
セーフウェイの実力が高いことを示してくれる。
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二番目のシェアの地位にはなんと、
コストコが座る。
16.8%。

三番手は12.6%のセーブマート。

そして4番目に、
8.3%のトレーダー・ジョーが入ってくるし、
次の5番目に5.9%で、ホールフーズがいる。

だから今日は、トレーダー・ジョーとホールフーズの日。

しかしテスコのフレッシュ&イージーも、
マークしておかねばならない。
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もちろん147店舗のチェーンストアとして、
新しいフォーマットを完成させたスプラウツも。
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高級スーパーマーケットのドレーガーからも、
学ばねばならない。
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ただしドレーガーは反面教師。

高級スーパーマーケットは完全に負け組。
「高質」と言葉を変えようとも、
「高い低い」で消費を見ていたら、
アメリカでは生き残れない。

それがドレーガーを反面教師にして、
くっきりと見えてくる。

その高級でも高質でもないトレーダー・ジョー。
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入り口の花売り場もすばらしい。
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バナナ1本19セントが、
これだけ並べられているということは、
それだけ売れるということであり、
客数が多いことを意味する。
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エンドのトップパネルも、
ショーカードもPOPもプロフェッショナルの仕事。
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こんなプレゼンテーションをつくり上げるには、
社員・スタッフを美術学校に通わせる必要がある。

キャプテンのジョシュアさんからレクチャーを受ける。
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この男、すばらしい。

冷蔵庫、冷凍庫に全員が入る。
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そして販促物作成ルームへ。
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人員体制、制作の仕組み、その制作方法など、
レクチャーしてもらう。

全員がこの部屋にはいってきて、
それから質疑応答。
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パムさんがその専門アーティスト。
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制作テーブル。
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油性のサインペンも使う。
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制作ルームの壁には、
作品が飾られている。
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プロフェッショナルの仕事。

ジョシュア店長に感謝。
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店内では、HEMS役のボニーさんと写真。
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ココナツ・ネックレスをしていて、
「お客様お声かけ係」。

1時間交代で、この係を受け持つ。

全員で写真。
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満足そうな顔、顔、顔。

次はホールフーズ。
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もちろん素晴らしい店づくり。
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ANDIスコアのトップ5を掲示している。

ストア・リーダーのセレステさん。
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様々な質問に的確に答えてくれた。

ホールフーズは「チームワーク」トレーニングを施して、
「チームワーク」マネジメントを採用している。

これ、第1回商人舎ミドルマネジメント研修会で、
私のテキストに入れて教授した考え方。

セレステさんを囲んで、写真。
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ただし、ホールフーズから、
日本の視察団体に一言。

先月来店したある団体が、
ずいぶんしつこく、
失礼な質問をしたらしい。

その苦情が寄せられた。

学ぶ姿勢は大切。
しかしそこに礼儀がなければいけない。
品のない行動は慎まなければいけない。

ホールフーズには、
多くのことを学んだ。
心から感謝したい。

夕方、小型店を訪問。
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これだけの省略、カットをして、
一つの完成された店をつくり上げることのできるこの会社。

CEOジョン・マッケイはただ者ではないし、
チームワーク・マネジメントの成果も上がっている。

最後に、バークレーボウル。
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2店舗で120億円のインディペンデント。

オーガニック青果部門。
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その後ろに広大な青果部門。
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ただただ圧倒される。

バナナの売り場。
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ホールフーズもトレーダー・ジョーも、
ウォルマートもセーフウェイも、
脱帽しているに違いない。
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キノコ類も、この品揃え。
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平和堂の青果部門バイヤーたちも、
言葉が出ない。

日系二世のグレン・ヤスダさんが築いた世界最高峰の店。
私も、拍手喝采。

そしてこの店で、
バークレーボウルで研修中の安島英城さんに再会。
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何だかずいぶんたくましくなったし、
精神的にも成長の跡が見られた。

心から祝福したいし、
グレン・ヤスダさんにも感謝したい。
< 安島さんとは夕食を共にして、語り合った>

最後に団員全員で写真。
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満足し、納得した一日だった。

さて日本では、昨日、今日、
2012年ペガサス下半期政策セミナー。
㈱日本リテイリングセンター主催。
場所は東京・椿山荘。
510名が参加した。
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初日のセミナー後、
同じ椿山荘のジュピター会場で、
「渥美俊一先生を偲ぶ集い」が開かれた。
渥美先生の3回忌追善供養。
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渥美先生は2010年7月21日に亡くなられた。
あれから丸2年が過ぎた。

「追善」とは曹洞宗で、
「故人の残した言行を偲び、慕い追い求めること」を意味する。
会場には渥美先生のお元気なころの写真。
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渥美先生を慕い学んだチェーンストア企業、
そのそうそうたる方々が参列。
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写真は、横を向いた㈱ライフコーポレーション清水信次会長、
イオン㈱岡田卓也名誉会長、
㈱平和堂の夏原平和社長、
㈱ヨークベニマル大高善興社長。

はじめに発起人を代表し、
㈱コメリ捧賢一会長がご挨拶。
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そして㈱日本リテイリングセンターを代表し、
渥美田鶴子さんのご挨拶。
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献杯の挨拶は㈱アルペン水野泰三社長。
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今回の発起人は、捧会長、水野社長のほか、
㈱AOKIホールディングス青木擴憲会長、
㈱カインズ土屋裕雅社長、
㈱サイゼリア正垣泰彦会長、
大黒天物産㈱大賀昭司社長、
㈱西松屋チェーン大村禎史社長、
㈱ニトリ似鳥昭雄社長、
北辰商事㈱太田順康副社長、
六花亭製菓㈱小田豊社長。

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献杯の後は、渥美先生を肴にそれぞれ懇親。
会場では、お元気なころの講演風景が流された。
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会場の前には、渥美先生の愛用の品が並べられた。
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スノーケリングが大好きだった。
イルカと戯れる写真の前には、潜水用の眼鏡。
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化粧品と洗面小物入れ。
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シャツとネクタイ。
きれいな色が好きだった。
おしゃれで粋だった。
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向こうからセブン&アイ・ホールディングス伊藤雅俊名誉会長と、
岡田名誉会長と清水会長。
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清水会長、伊藤名誉会長の前では、
一歩下がる現役社長・会長。
大高善興ヨークベニマル社長、
似鳥昭雄似鳥社長、
AOKIホールディングス青木擴憲会長。
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今日の日経新聞社の2011年度「専門店調査」では、
専門店の「成長の主役交代」が報じられた。

家電量販店とカジュアル衣料品店の勢いが衰え、
ドラッグストアやホームセンターが増収幅を広げた。

399社から回答を得、昨年と比較可能な373社の総売上高は、
0.6%減。21兆6947億円。

「減収は1973年の調査開始以来初めて」

専門店は総合スーパー、スーパーマーケットから、
顧客を奪って伸びてきた。

上の写真の顔触れを見ていると、
それがよくわかってくる。

しかしその専門店も、
既存市場が縮む中で成長を続けるために、
まだまだInnovationが要求される。

閉会の挨拶は、
AOKIホールディングス青木さん。

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渥美先生がお亡くなりになった日
私はアメリカに発った。
そして追善供養の今回も、
アメリカにいる。
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私の父は渥美先生と同年の大正15年生まれ。
大学のゼミの壽里茂先生も大正15年。
だから渥美先生、壽里先生は私の父の如き存在。

「亡き父よ店見るたびにみるたびに」 合掌。

どこにいても、学び続けます。

<結城義晴>

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