お盆期間の今日、8月14日。
夏の休暇中の人々は、
ちょっと一息つく日。
お盆商戦の人々も、
ちょっと一息か。
各社の売場にも、
ちょっと一息の気配が漂う。
年末年始にたとえれば、
今年のお盆商戦は、
8月11日(土曜日)と8月12日(日曜日)が、
12月30日、12月31日大晦日だった。
明けて、8月14日、15日、16日が、
正月三が日のような位置づけ。
だから先週末の11日、12日が、
商売上、ひとつのピークだったはず。
今週末までは、お盆商戦、
あるいは夏休み一家団欒商戦。
「ロンドン・オリンピックも終わったし」の観あり。
新聞各紙もロンドン五輪総括に忙しい。
なぜか日経新聞が、
巻頭コラム『春秋』から社説、
さらに総合欄やスポーツ欄で、
総がかりでオリンピック総括に勤しむ。
オリンピックには金の臭いがする。
そんなことを感じさせる。
その日経の社説は。
「五輪が示した『成熟国』への道」。
「日本は金7、銀14、銅17のメダルをとった。
総数の38はこれまでで最多である」
特徴の第1は、「史上初」「何十年ぶり」。
第2は、女子選手の元気が目立った。
第3は、団体競技で強みを発揮した。
第4は、金メダルに比べて銀、銅の数が多かった。
しかし第5に、全26競技のうち、
半数の13競技でメダルをとった。
そこから日経社説は主張する。
「スポーツの『大国』ではなくても、
『成熟国』なら目指せる」
この視点、とてもいい。
私も賛成。
朝日新聞の巻頭コラム『天声人語』。
「日本選手団のメダルは過去最多の38個。
これにて彼らは重圧から、我らは寝不足から解放される」
アーチェリーで銀を取った古川高晴(たかはる)選手。
「肩に掛かっていたものが今、
首に掛かっています」
座布団三枚。
そして、「スポーツの祭典に水を差す出来事」の指摘。
「男子サッカーで日本を下した韓国の一選手が、
『独島(トクト)はわが領土』という紙を掲げた件だ」
そして、韓国の政治にも言及。
「大統領の竹島(独島)上陸に呼応したナショナリズムは、
政治を持ち込まないという五輪精神にもとる」
「次の聖火がリオの空にともる頃、
世界は少しは前に進んでいるだろうか。
日韓はうまくやっているか」
結論。
「それもこれも、人の肉体ではなく意思一つにかかる。
例えば100メートルで9秒5を切るより、
ずっと易しいはずだ」
スポーツ成熟国日本と、
領土問題への対応。
人間の意思一つにかかる。
その通り。
ここで、もう少し、モンゴル報告。
ワンアジアクラブ・ウランバートル交流会。
何の政治的・宗教的制約もない。
経済的な打算もない。
民間・アカデミズムの純な交流。
そのモンゴルの大平原。
馬でその草原を走る人々。
米粒のようにしか見えないが、
気持ちよさそう。
放牧の羊や牛や馬が、大自然に溶け込んでいる。
その家畜を追って、馬を駆る。
観光客だけれど。
山並みと草原。
なだらかで美しい草原。
草原のなかの家並み。
ゲルが散在する。
しずかに息づく草原。
山際がくっきり。
この環境に触れているだけで、
領土などという感覚がなくなる。
私は10日の午後、
ウランバートルから5時間かけて、
保養地テレルジに到着。
ホテルはUB2。
テレルジ唯一のゴルフクラブハウスを兼ねている。
部屋も快適。
窓の外にはゲル。
ここにも宿泊できる。
今回のウランバートル交流会は、
「ワンアジア・ゴルフ・トーナメント」が主イベント。
その歓迎の懇親会。
挨拶はガンボルドさん。
主催のザアン・テレルジ・ゴルフクラブ・プレジデント。
ガンボルドさんはXac Bank 会長。
堪能な英語のスピーチは、
素晴らしかった。
日本からは、
ワンアジアクラブ大阪会長の国澤良幸さん。
㈱大商会長。
日本からはワンアジアクラブ東京、札幌、福岡、
そして大阪からメンバーが参加した。
もちろんワンアジア財団理事・監事・評議員も参加。
私は財団評議員としての出席。
今回はモンゴル、日本、韓国の三国から参加があった。
代表者が前に出て、挨拶。
ワンアジアクラブ・ウランバートルからは、
挨拶をしているガンボルドさん(左)、
エルヘンバヤ会長(右端)、
ワンアジア・ソウルからはキム・キュウ・テック会長(右から2人目)、
キム・ヨン・ポク名誉会長(真ん中)、
日本からは、国澤さん(右から三番目)と、
中島基之さん(PCSA専務理事、左から三番目)。
懇親会は和やかに進んだ。
最後に、主催のザアン・テレルジ・ゴルフクラブ会員が、
グリーンジャケットとグリーン帽を被って登場。
一夜が明けて、
ワンアジア・ゴルフ・トーナメント当日。
前日の雨は上がって、
曇り空。
参加者は30人。
10のチームに分かれて、
スクラッチプレーで、
団体戦を争う。
その10チームは、
モンゴル・日本・韓国からの一人ずつで構成されている。
ゴルフ・プレーは別の3人ずつのパーティに分かれた。
一人のプレイヤーに一人ずつキャディがつく。
オレンジ色のジャンパーを着ているのがキャディ。
一人ずつのキャディなしでは、ロストボールが量産される。
私が一緒に回ったのは、
テレルジ・ゴルフクラブ会長のガンボルドさんと、
ワンアジアクラブ・ソウル会長のキムさん。
ザアン・テレルジは、モンゴルきっての、
ワイルド&ナチュラルなコース。
レンタル・クラブの結城義晴は、
モンゴルの雨と自然の中、
史上最低の成績で、
チームに貢献できず、
まことに残念。
しかしオリンピックと同じ。
「参加することに意義あり」
9ホールのハーフを回ると、
ゲルがある。
その中で休憩し、
クッキーとコーヒーやお茶がふるまわれる。
日本のコースでいう「お茶屋」。
ガンボルドさん、キムさんと、
一息ついて、後半のハーフへ。
お蔭で、私のプレーも後半は持ち直した。
それぞれのパーティのプレーが終わり、
ホテルの部屋に戻ってシャワーを浴び、
昼食をとりながらの成績発表。
冒頭あいさつは、やはり、
ガンボルドさん。
優勝、準優勝、三位のトロフィー。
オリンピックで言えば、金銀銅メダル。
その優勝者はチーム3。
モンゴルのドルジさん、韓国のヤンさん、
そして日本の末木博さん(真ん中、㈱コア建設事務所社長)。
心から、おめでとう。
モンゴルの大平原と大自然のなかでの、
ワンアジア・ゴルフ・トーナメント。
ロンドン・オリンピックと比べると、
ほんとうに小さな大会だった。
しかし同じ時期に開催された国際交流会として、
参加した私たちは、充実し満足した。
ワンアジアクラブは、
7月に韓国・仁川で、
アカデミズム中心のフォーラムを開催した。
84カ国の大学から教授や研究者が参加して、
アジア共同体ビジョンの研究成果を、
発表し、議論した。
7月のフォーラムと8月のゴルフ・トーナメント。
どちらも有意義なことだ。
異なる国の人間と人間が、
交流を深めつつ、
やがてひとつの共同体となっていく。
それはヨーロッパ連合とはまたまったく違うものだろう。
まだまだずいぶん時間がかかるに違いない。
けれど、今回の交流を含めて、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
この精神であることは間違いない。
日本は、スポーツ成熟国として、
オリンピックに参加するとともに、
国家としても成熟性を求められてくるに違いない。
ロンドン・オリンピック開催中のワンアジアクラブに参加して、
私はそんなことを感じていた。
<結城義晴>