小売業の7月8月は、
ひどく厳しかった。
こんな時、どうしたらいいのか。
日経新聞一面トップ記事。
「主力企業、金融が収益源」のタイトル。
金融事業を展開する主力企業40社の2011年度決算。
全体の営業利益に占める金融事業部門の比率が27%。
4年前の2007年度が7%だった。
その中で小売業は、
イオンとセブン&アイ・ホールディングス。
イオンの2013年2月期決算では、
金融事業の営業利益が290億円で、
前期比約3割増える見通し。
2007年から始めた電子マネーWAONが、
これをけん引。
セブン&アイも特に、
セブン-イレブンのATM利用者が着実に増え、
営業利益356億円で全体の11%。
物販の販売事業が主力の小売業が、
その売上高に深刻なダメージを受ける時、
こういった金融事業のようなサービス事業が、
その減損部分を補う。
トヨタ自動車は東日本大震災勃発の2012年3月期、
営業利益の8割超を金融が占めた。
今期の2013年3月期も、
約3割の3000億円近い利益。
ソニーは1979年に米社と合弁で生命保険事業に参入。
ソニー銀行は本業の赤字を一部埋めるまでに成長し、
2011年度営業利益1314億円。
何が本業かわからなくなる。
しかし時代が変わるとき、
何が本業かわからないことは、
時に企業を救う。
すると企業には、
新しい「何屋か」が問われることになる。
もしかしたら超巨大企業はみんな、
それぞれ出自の異なる「金融屋」になってしまうかもしれない。
昨日は、商人舎オフィスに、
アンデルセンの皆さんが来社。
左から、㈱タカキフードサービスパートナーズ社長の松本貞夫さん、
㈱広島アンデルセン改装プロジェクト担当の高木明子さん、
㈱アンデルセン・パン生活文化研究所のPプロジェクトリーダーの岡村美則さん。
高木さんは、コーネル・ジャパン「実行の第三期生」。
久々の対面でうれしかった。
「パン屋」のアンデルセンにとっても、
ただのパン屋というだけでは、
乗り越えられない時が来ている。
「パン屋」の強みを活かして、
新しい「何屋」になるか。
Innovationが求められている。
今日はAJSの創立50周年記念式典。
オール日本スーパーマーケット協会。
私自身にとっても、ことさら感慨は深い。
私は昭和52年の㈱商業界入社のときから、
AJSには本当にお世話になっている。
ところは東京台場のグランドパシフィック・LE・DAIBA。
会場の地下1階の「パレロワイヤル」の前には、
記念の生け花の設え。
そしてホワイエにはさまざまな記念の大型パネル。
これはAJS50年のあゆみ。
記念式典は、三部構成。
第一部は、記念式典~AJS50年の軌跡~。
ハワイ音楽の第一人者・山内雄喜さんのギターの調べにのせ、
AJS50年の軌跡が大型スクリーンに映し出された。
現名誉会長北野祐次さんの功績。
AJSの二代目会長だが、
実質的には北野さんがつくり、推進・発展させた協会。
その北野さんを中心にしたアメリカ・ハワイ視察を起点に、
日本にスーパーマーケットを創り上げようとした。
協会創設時の会員の活動も紹介された。
そして主催者代表として、
会長の荒井伸也さんのご挨拶。
荒井会長は
「普段のおかず屋としての本物のスーパーマーケットづくり」を
変わらず続けていくことを宣言。
さらに式典では、
創立50周年記念論文の優秀者3名の表彰式。
右から㈱かましんの大越鉄夫さん、
㈱マルダイの佐藤成樹さん、
㈱ヤマナカの小林眞奈美さん。
おめでとう。
第二部は、パーティ。
ステージの緞帳が大きく開かれると、
なんと!その先には、パーティ会場が現れた。
これには一同、びっくり。
出席者はステージに上がるようにして、階段を登っていく。
ステージ上からパーティ会場を見下す。
めいめいにお酒と八寸の料理が配られる。
粋なはからい。
そして全員が次々とステージを降りてくる。
900名の出席者がどんどん降りてくる。
みな、なんだか別世界に臨むような顔つきで楽しそう。
しかし、壮観。
パーティ会場はごらんの通り、身動きできないほど。
予定以上の出席者で、ホワイエも会場に使用。
乾杯のあいさつは、賛助会員を代表し、
味の素㈱社長の伊藤雅俊さん。
さまざまな協会・団体の代表の面々も、
多くお祝いに駆けつけた。
こちらのテーブルは、3人の重鎮が鎮座。
日本チェーンストア協会会長・清水信次さん、
㈱ライコーポレーション会長。
日本スーパーマーケット協会会長・川野幸夫さん。
㈱ヤオコー会長。
新日本スーパーマーケット協会会長・横山清さん。
㈱アークス社長。
そしてパーティでの懇親のあとは、
再び、第一部の会場に移り、
第三部、フィナーレ~未来への宣言、そして結束~。
はじめにスーパーマーケット川柳の表彰式。
会場が盛り上がったのが、
よねや商事㈱の佐々木隆一さんの表彰。
もちろん、よねや商事の代表取締役社長。
プレゼンターはサミット㈱社長の田尻一さん。
「大地震 ふだんの店に 助けられ」
東日本大震災のときのスーパーマーケットの役割を詠んだ。
佐々木さん、お見事でした。
そしてフィナーレへ。
躍動的な太鼓のパフォーマンスと静かな生け花の演出。
締めは4人の副会長がステージにあがる。
そして㈱関西スーパーマーケット社長の井上保さんが、
お礼のあいさつ。
右から、田尻さん、井上さん、
㈱ヤマナカ社長の中野義久さん、
㈱とりせん社長の前原宏之さん。
井上さんの挨拶は、
とても井上さんらしくて、よかった。
次代のAJSを背負う副会長の皆さんには、
大いに期待したい。
さて、この日の結城義晴の交友録の一端を、
写真でご紹介しよう。
真っ先はこの人、
AJS前専務理事の油座栄さん。
川柳で話題をさらった佐々木隆一さんと、
ご令嬢の乃扶子さん
㈱ダイイチ会長の小西保男さん。
今年、AJSの会員になった台湾・全聯実業の皆さん。
私の隣から董事長の林敏雄さん、
商品部生鮮課の林弘斌さん、
特別助理の初貴民さん。
私の著書『店ドラ』の台湾翻訳本を持ってきてくれた。
こころから、ありがとう。
右から㈱マツモト社長の松本隆文さん、
㈱セイミヤ専務の加藤雄一さん、
社長の加藤勝正さん。
㈱千葉薬品社長の神崎彰道さん。
右から㈱キョーエイ社長の埴渕一夫さん、
旭食品㈱副社長の竹内信夫さん。
西山寛商事㈱社長の西山進さん(右)、
同社監査役でアジア社会経済開発協力会会長の菅沼光弘さん。
紅谷商事㈱社長の秦勝重さん。
㈱いちやまマート社長の三科雅嗣さん。
右から紀ノ国屋ファウンダーの増井徳太郎さんと、
三菱食品㈱会長の中野勘治さん。
㈱関西スーパーマーケット取締役の柄谷康夫さんと
国分㈱の山崎桂介さん。
ふたりは、コーネル・ジャパン奇跡の二期生。
同じく関西スーパーマーケット取締役の福谷耕治さん。
コーネル・ジャパン伝説の一期生。
さらに㈱キョーエイ常務の森雅之さん。
コーネル・ジャパン実行の第三期生。
同じくコーネル・ジャパン二期生の稲田雄司さん。
三井食品㈱執行役。
第一屋製パン社長の細貝理栄さんと常務の細貝正統さん。
㈱伊藤園の皆さん。
左から副社長の本庄周介さん、
社長の本庄大介さん、副社長の江島祥仁さん。
そして商人舎エグゼクティブ・プロデューサーの松井康彦さん。
㈱イチケン社長の土屋忠彦さん。
私の隣から㈱サンプラザ副社長の山口力さん、
㈱スーパーナショナル取締役の中村裕佳さん、
取締役商品部長の中村健二さん。
国分㈱専務の國分晃さん。
左は㈱商業界社長の中嶋正樹さん。
私の三代後の社長。
顔と名前、憶えてやってください。
赤じゅうたんで出席者をお見送りする会長・副会長。
㈱とりせん社長の前原宏之さん。
サミット㈱社長の田尻一さん。
お二人には本当に頑張ってもらいたい。
そして最後に皆さんと。
右から㈱セブンスター社長の玉置泰さん、
田尻一さん、井上保さん、
荒井伸也会長と夫人の恭子さん、
後ろが㈱ダイイチ社長の鈴木達雄さん、
前原宏之さん、中野義久さん。
そして締めは、
協会専務理事の松本光雄さんを囲んで。
皆さん、おめでとうございます。
そして最後に、
この記念式典を裏方として支えた事務局の皆さん、
ご苦労様でした。
北野祐次さんの顔が見られなかったのは、
ほんとうにさみしい。
北野さんが、50年前に、
「おかず屋」と見極めたスーパーマーケット。
「おかず屋」の本質は永遠に変わらないだろうが、
それぞれの企業が「どんなおかず屋」となるのか。
それは「知恵の共同仕入れ」をさらに進め、深め、
「知恵の化学反応」を引き起こし、
1社1社、1店1店が、自分の顧客を見定め、
自分らしさを発揮するところから始まる。
各社の店を見ていると、
もうそれはくっきりと見えている。
その差異は、例えば、
アメリカのスチュー・レオナードとイータリーのごとし。
スチュー・レオナードの「Our Policy」。
The Customer is Always Right!
顧客はいつも正しい。
イータリーの「Our Policy」。
The customer is not always right!
顧客はいつも正しいわけではない。
どちらも日本流にいえば、「おかず屋」。
そして正反対のことを主張する。
しかしこれが企業や店舗の存在価値。
知恵を共同仕入れしつつ、
知恵を化学反応させ、
おのおの独自の世界を創り出す。
その差異を否定してはいけない。
むしろ奨励しなければならない。
自由闊達で、切磋琢磨する。
ほんとうの大学や大学院のような風土。
AJSメンバーの次の50年が、
今、始まった。
<結城義晴>