中国の反日騒動。
私にも直接、影響が出た。
計画進行中の『店ドラ』中国本土版。
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』の中国語訳版。
仲介会社から、連絡があって、
「日中関係の現在の政治状況に鑑み、
正式契約を延期したい」
中国政府当局から直接、
日本書籍に関する出版禁止の通達は届いていない。
しかし、問い合わせやプレッシャーはあるようで、
出版状況の正常化を待って、
再度、正式契約締結となる。
『店ドラ』台湾版は、お陰様で好調。
『假如杜拉克是店長』
(時報文化出版企業股份有限公司)
著者 結城義晴、訳者 連宜萍。
余勢をかって中国本土に乗り込む算段。
それはしばらく、お預けとなった。
中国との国際関係、
何としても正常化してもらいたいものだ。
さて、「フードくるむ公開セミナー白熱教室」。
そのチラシ。
ご覧のとおり、
マイケル・サンデル教授の白熱教室を模した仕上がりで
少々こそばゆい。
しかし、良くできている。
担当の㈱折兼営業企画グループ秋田豊晴さん、
ありがとう。
㈱折兼が11月21日に、
名古屋のミッドランドホールで開催。
この日の公開セミナー午前の部が、
私の担当。
講演タイトルは、
「お客様のために
いちばん大切なこと」
午後の部では、
スターバックスの元CEO岩田松雄さんが、
「ミッション経営」について講演する。
講演タイトルにもなっている私の単行本では、
スターバックス日本の角田雄二さんのことを書いた。
その話も、もちろんする。
岩田さんとのハーモニー。
まことに楽しみだ。
皆さん、おいで下さい。
お待ちしています。
今日は、㈱電通の社内向け講演。
毎年、夏に1回、流通の最新動向を語る機会をもらうが、
今年は時間が取れずに、9月になってしまった。
会場は電通本社の25階会議室。
エレベーターからの東京の景色。
午後1時半からスタート。
いつものように、三々五々、
受講者が集まってくる。
進行役は中谷俊介さん。
CRプランニング・マネジメント局情報サービス部主任研究員。
私の今年のテーマは
「米国&中国小売流通業の
最新動向とポジショニング戦略」
はじめに、消費が成熟化し、寡占化が進むアメリカ流通業と、
経済成長著しいが流通後進国・中国流通の現状を整理。
さらに中国流通の近代化の歴史と外資企業の出店戦略、
日系企業の市場深耕の課題を、
店舗スライドを見てもらいながら解説。
最後は、今、私が関心を寄せる顧客マーケティングの考えを述べ、
100分を一気に語り終えた。
「ポジショニング戦略」はもともと、
広告業界で言い始められた言葉。
アル・ライズとジャック・トラウトが展開した。
だからこのあたり電通の皆さんには、
細々と説明はしなかった。
ご清聴に感謝。
最後にいつものように、
事務局の皆さんと記念ショット。
右は望月裕さん、
電通総研ナレッジ・センター情報サービス部長。
隣は土井弘さん。
今年電通を定年退職されたが、
現在もOBとして活躍中。
そして中谷さん。
お疲れ様でした。
講演が終わってから、4人で懇談。
その時に、土井さんから何度も出たのが、
「電通」4代目社長の吉田秀雄さんのこと。
電通は「日本広告」と「日本電報通信社」との合併によって誕生。
はじめはニュース通信部門も強かったらしいが、
吉田秀雄がマーケティングの概念を取り入れ、
広告取引システムの近代化を確立。
単体企業として世界最大の広告代理店となった。
その「電通マン」の行動規範が、
「鬼十則」
1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、
受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、
永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、
忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、
迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、
サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、
でないと君は卑屈未練になる。
要約すると、
①仕事は自ら創れ
②先手で働きかけよ
③大きな仕事と取り組め
④難しい仕事を狙え
⑤目的完遂まで放すな
⑥周囲を引きずり回せ
⑦計画を持て
⑧自信を持て
⑨八方に気を配れ
⑩摩擦を怖れるな
9月から始まる立教のサービス・マーケティング。
その前半は全員に課題を出す。
「モデルとなるクレドを探し、
それを参照しつつ自分のクレドをつくれ」。
この時、「電通鬼十則」、
必ずと言っていいほど、
誰かが、モデルのクレドとする。
インパクトの大きさは、
時代によって変わるものではない。
土井さんだけでなく、
㈱セブンスター社長の玉置泰さん、
それから大学の1年先輩の小杉賢二郎さんなど、
私には、電通およびそのOBに先達が多い。
先輩たちの前では、
電通に関することは書きにくいが、
全て「受け売り」と記しておこう。
しかしこの鬼十則は、
ポジティブ・シンキングそのものだ。
中国との関係是正が必須課題となった日本政治に、
私の本の発刊のためではないけれど、
ポジティブ・シンキングの「鬼十則」を、
あらためてお奨めしよう。
<結城義晴>