トヨタ自動車・酒井一繁さんのfacebookより。
中国の「微博」で流れていた記事から採った写真。
今回の反日デモに、
このようにポスターを自作して参加した女性。
酒井さんは「勇気ある女の子がいました」と書く。
デモの途中、
中年男性に罵声と共に破り捨てられ、
涙を流していた。
ポスターに書いてある中国語の日本語訳。
「私たちは戦争も地震も水害もすべて経験した。
今はファシストじゃない。
私たちの領土は、殴ったり、壊したり、
燃やしたりすることで守るものではない。
今は文化大革命じゃない。
北京のオリンピックは全世界がみていました。
お願いだから傷つけるのを止めてください。
私たちの祖国は、
愛で満ち溢れていることを思い出してください」
中国にもこういった人たちがたくさんいるはず。
「お願いです。痛めつけないで。
傷つけるのをやめてください」
私もそう叫びたい。
『ほぼ日刊イトイ新聞』の巻頭言。
「今日のダーリン」は、
「生きていること」を考える。
「生きている」ということの、
危うさや、はかなさも含めての意味は、
なかなかわからないものです。
そうは言いつつ、いま、
これを書いているぼくは、
「生きている」わけです。
そして、それを読んでいるあなたも、
きっと「生きている」んだと思います。
長いようで短い時間、ぼくらは「生きている」。
そのことを「いいね」とか、「おもしろいね」とか、
感じられるか感じられないかで、
なにかがガラッとちがうように思います。
いや、強いメッセージがあるわけじゃないんです。
ただ、「生きている」っていうことが、
なかなかたいしたことだよなぁと、
ちょっとうれしい気持ちとともに思えてね。
どこで、どう終るのかは知りませんけれどさ、
そのときには、「よかった」とか
「おもしろかった」とか言ってやりたいなとね‥‥。
「くっそぉ!」とか「くやしいっ」とかじゃなくね。
ろくでもないことばかりだったとしても、
「ろくでもなかったなぁ。でも、おもしろかったぜ」と、
笑って言えたらいいなぁとね‥‥。
中国人の若い女性も、
「生きていること」を考えている。
だからやむにやまれず、
反日デモにまで出かけて行って、
罵倒されても、主張する。
「殴ったり、壊したり、
燃やしたりすることで
守るものではない」
例えば私たちの店は、
開けることで守るものだ。
売ることで守るものだ。
役割を果たすことで守るものだ。
平和と泰平の日本のなかでも、
私たちは真に、
自分の店を守らねばならない。
自分の会社を、自分の家を、
そして自分の国を。
殴ったり、壊したり、
燃やしたりではなく、
会社として、家として、
国家として、
社会で、世界で、
真の役割を果たすことによって。
さて流通のニュースを二つ。
まず今朝の日経新聞から。
「全国の生協、4年ぶり増収増益」
日本生活協同組合連合会が、
全国590の生協の2011年度決算を集計。
総売上高は3兆3453億円、
2010年度比0.7%増。
経常剰余金(経常利益)は451億円、
なんと前年比50.6%増。
4年ぶりの増収増益。
理由は、ふたつ。
①利益率が高い宅配事業の利用が増えた
②店舗事業は不採算店を閉じて業績が回復した
その証拠に、140生協の店舗事業供給高は、
1.7%マイナスの9190億円。
全国で計30店舗を閉鎖し、
経常赤字が154億円に縮小。
前年は233億円の赤字だった。
一方、宅配事業の供給高は、
1兆6345億円で2.5%プラス。
さらに529億円の経常黒字。
宅配事業は「共同購入」と「個配」(各家庭への配達)。
特に個配の売上高は5.7%プラス。
初の1兆円突破。
「首都圏や関西圏の都市部の高齢者」の利用が増加。
私はネットスーパーの成功に一番近いのは、
生協だと考えている。
これはずっと主張していること。
宅配の物流費、人件費の経費において、
生協が一番優位に立っているからだ。
それがよく出た日生協の2011年度決算だった。
一方、昨日の日経新聞の夕刊。
「スーパーの販売、苦戦続く」
こちらは日本チェーンストア協会の統計。
売場面積1㎡当たりの年間売上高は、
2011年度は約54万円。
これは、1990年代前半の半分。
市場規模は15年連続で前年割れ。
その反面、新規出店で総売り場面積が4割増。
だから1㎡当たりの売上高は、
54万円となった。
1000㎡のスーパーマーケットならば、
年商5億4000万円。
2000㎡ならば、
10億8000万円。
1万㎡の総合スーパーならば、
年商54億円。
これでは辛いが、これがまさしく、
日本チェーンストア協会加盟企業の平均値。
「生命線である生鮮品や総菜の品ぞろえを
コンビニエンスストアが強化する」など、
「異業態も含め、客足の奪い合いが激しくなっている」
大手スーパー首脳のコメントを載せるが、
生協の個配などからも奪われている。
生協の宅配は2.5%の増加、
個配は5.7%の伸び。
店の真の役割を果たさねば、
店を守ることはできない。
<結城義晴>