一昨日の10月3日、
アメリカ合衆国大統領選挙のための、
第1回テレビ討論会が開かれた。
選挙は11月6日。
現職の民主党バラク・オバマ大統領と、
共和党のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事。
今、私が滞在しているテキサス州の知事リック・ペリーは、
共和党候補だったが、退いた。
オバマ、ロムニー両候補ともに、
特に中間所得層に訴える作戦。
アメリカでは3割くらいが中間層。
そして民主党支持でもなく、
共和党でもない無党派層。
この年収3万~7.5万ドル程度の中間無党派層が、
次の合衆国大統領を決める。
共和党の支持者は高所得者層の約7割、
低所得者層は民主党支持が圧倒的。
ちなみにウォルマートは一貫して共和党を支持しているが、
その商売のターゲットは民主党支持の低所得者層。
不思議なことのように見えるが、
生活と政治とは全く関係ないという事実。
米ギャラップ社の世論調査では、
オバマ支持派は49%、
ロムニー支持派は45%。
「オバマ有利」の状況から変化して、
少しずつ接近してきた。
このテレビ討論会は、
あと2回。
日本の民主党野田佳彦首相と、
自民党安倍晋三総裁のテレビ討論よりも、
盛り上がることだけは確実。
さて、昨日になるが、
成田空港から11時間ほどかけて、
ダラス・フォートワース国際空港に到着。
気候は温暖で、快適。
早速、店舗視察へ。
まずHEBセントラルマーケット。
テキサスのローカルチェーンの雄HEB。
全米チェーンストアランキング第26位。
スーパーマーケット順位では、第6位。
ローカルチェーンが第6位というところが、
アメリカの特長。
そしてこれが日本のローカルチェーンやリージョナルチェーンを、
ほんとうに勇気づけてくれる。
しかもHEBは、
非上場のインディペンデント・カンパニー。
しかし年商は、168億ドル(100円換算で1兆6820億円)。
その伸び率は前年対比で、11.9%。
米国内というかテキサス州内の店舗数308。
1店当たり54億円のスーパーマーケット企業。
そのHEBのアップスケールタイプがこのセントラルマーケット。
店頭には10月31日に迫ったハロウィンの演出。
店内のエンドでも、ハロウィン・プロモーション。
レジ前の島陳列でもハロウィン。
自慢の青果売り場は相変わらず見事。
オーガニック商品も、
いたるところに陳列されている。
約2000坪の店舗面積ながら、
ワンウェイコントロールで顧客を誘導しきる。
そしてバナナの売り場。
1ポンド(454グラム)46セント。
アップスケールタイプでも、
バナナは46セント。
バナナ売り場で、
その店の実力は、
ほぼ判明する。
シーフードもRケースの対面方式。
対面のサービス・デリは、
こういったアップスケール型では、
必須の部門だが、
もちろん良好。
積極的に試食提案をしていた。
私は、機内で朝食を食べたばかりだったので、
昼時ではあったが、「サンプル・ライフ」。
ごちそうさまでした。
そしてHEBのフード&ドラッグ。
レギュラータイプの新店舗。
HEBの主力フォーマットで、
ダラス地区の1号店。
オースティン市とその周辺、
サンアントニオ市とその周辺は、
それぞれ50%ほどのマーケットシェアをとる。
さらにヒューストンでも15%まで占拠率をあげてきた。
次の「票田」はこのダラス。
だからこの店、すごい力の入れよう。
店頭のハロウェイン。
日用雑貨の売場のハロウィンコーナー。
店舗入り口では、オレンジの島陳列が出迎えてくれた。
店の実力を図ることができるバナナ売り場。
まず、オーガニックバナナ。
1ポンド68セント。
通常のバナナ売り場。
1ポンド42セント。
一本一本太いバナナ、
左サイドが完熟もの、
右が青くて1週間後に食べられるもの。
最下段は、ケースから商品が覗いている。
そしてレギュラー売場の隣に、
バラエティ・バナナ。
1ポンド89セントと99セント。
この品ぞろえの深さ。
主通路沿いには、
クッキングコネクションのブース。
インカムをつけたシェフが、
語ったり、口笛を吹いたりしながら、
メニュー提案をしている。
そして価格政策。
HEBはエブリデーロープライス政策を採っている。
そのうえで、「価格比較をしてください」と謳っている。
Compare HEB prices to anyone!
このAnyoneは明らかにウォルマートのこと。
もちろんクローガーも含まれている。
それからレジ。
当然のごとく、
サッカーサービスは展開される。
そのうえで、望む顧客に対しては、
車までカートを運び、
トランクに詰め込むサービス。
このダラス地区では、
ローカルチェーンのマーケットストリートがやっている。
東海岸のウェグマンズもやっている。
しかし彼らはアップスケールタイプの店だ。
「HEBがここまでやるか?」
そんな印象。
「ウォルマート完全復活」
それがこの夏のアメリカ小売業最大の話題。
HEBは早くもそのライバルへの「解」を出して、
動き始めている。
さてクローガー。
ウォルマートに次いで全米第2位の小売業で、
全米トップのスーパーマーケット企業。
年商854億9100万ドル、8兆5491億円。
これは前年比9.1%のプラスで、店舗数は3574。
新店のシグニチャータイプだが、
まだ地域になじんでいない分、
ハロウィンには積極的だ。
店頭でも大々的に展開。
店舗入り口でも、
見事なプレゼンテーション。
非食品強化型のスーパーマーケットで、
だからノンフーズ売場で、
ウォルマートに負けないハロウィン展開。
オーガニック・コーナーも鮮度にあふれている。
しかしバナナは、
ご覧の島陳列のみ。
1ポンド52セント。
ちょいと、高い。
売場でテキサス在住の日本人親子に遭遇。
なんと東大阪市出身。
その東大阪に本部を置く㈱万代の山下和孝副社長と写真。
若奥さん、感激して、
東大阪のお母さんに写真を送るとか。
不思議な出会いだった。
そして最後の店は、
トレーダー・ジョー。
ダラス1号店で、
1万2500平方フィートの意欲店舗。
店頭のハロウィン・プロモーションも、
トレーダー・ジョーらしい。
ここでは、クルー・メンバーのドニーさんにインタビュー。
今回のコーディネーター兼通訳は清水雄造さん。
質問が活発に出て、ずいぶんと聞きにくいことも聞いて、
みんな満足。
この店の差別化の武器はなんですか?
間髪を入れず、
「People!」
言うことなし。
全員でドニーさんを囲んで写真。
それからホテルに戻って、
私の講義。
95分ほどで終わりにしたが、
まだまだやりたかった。
それでも講義が終わった時点で、
前日から27時間起きっぱなし。
機中で2時間ほど仮眠をとったきりで、
私もへとへと。
団員もへとへと。
このあと、テキサスのポーターハウスステーキと、
ビールのシャイナーボック、そして赤ワインを堪能。
私はサーロインのところを3分の1ほど残したが。
みなさん、お疲れ様。
明日につづきます。
<結城義晴>