Everybody! Good Monday!
[2012vol41]
2012年第41週、
10月の第2週。
そして今日10月8日、
日本は体育の日。
もともとは、1964年10月10日が、
東京オリンピックの開会式の日で、
その翌々年の1966年に、
この日が「体育の日」の祝日と定められた。
そして2000年のハッピー・マンデー制度導入で、
10月第2月曜と改まった。
一昨日の土曜、昨日の日曜に続いて、
10月のピークの三連休。
成果はいかがだったろうか。
しかし、ここアメリカでも、
10月第2週は祝日。
「Columbus Day」
「コロンバス・デー」と発音する。
例のアメリカ大陸発見のクリストファー・コロンブスが、
1492年、北アメリカ大陸に到着。
その日を祝日にした。
こちらでも三連休、
四連休を楽しむ。
スーパーマーケットも小売業も、
書き入れ時。
ただし、祝日にしていない州がある。
カリフォルニア州、テキサス州、ネバダ州、
それにハワイ州、フロリダ州、サウスダコタ州。
ここニューヨークはコロンバス・デーの祝日。
図らずも日米同日祝日。
もちろん時差はあるけれど。
昨日は飛び切りの店を巡った。
まず、ニューヨーク州ならばウェグマンズ。
2011年度売上高61億9900万ドル。
1ドル100円換算で、6199億円。
1年間の伸び率10.7%。
二けた成長を続けている。
そして店舗数78。
単純計算すると、
1店当たり売上高47万ドル。
ざっと80億円。
相変わらず、素晴らしいの一言。
訪れるしかない。
見るしかない。
㈱万代の山下和孝副社長。
「うちの社員なら1日中、
この店を見せたい」
そのとおり。
スチュー・レオナード。
ご存知、「ディズニーランドのような店」。
コロンバス・デーの連休中の日曜日とあって、
駐車場は満杯。
客数も驚くほど多い。
特に子供客は、
はしゃぎながら店のなかを、
走りまわっている。
店内デコレーションも、
さらに強化されている。
しかしそれでも私には、
1人当たり買い上げ点数が、
ずいぶん下がっているように見える。
ホールフーズ・マーケット。
2011年度売上高101億0800万ドル。
100円換算で、 1兆0108億円。
その伸び率12.2%、
ホールフーズもウェグマンズ同様、
二けたの成長を続ける。
ウォルマートと合わせて、
WWW。
既存店伸び率が8.5%。
これがすごい。
純利益は3億4300万ドル。
その伸び率は39.4%。
期末店舗数 311。
期中新店が18で、
期中閉鎖店6。
1店当たり売上高3250万ドル。
約32億円。
6店スクラップし、
その3倍の18店をオープンさせている。
ノエルさんが出迎えてくれた。
青果部門でANDIスコアの説明を受け、
スコア1000点のケール入りジュースをいただく。
鮮魚部門では、
MSCとフィッシュワイズの説明。
さらに精肉部門では、
トッド君が登場。
5ステップ飼育法を説明してくれた。
動物にストレスを掛けずに肥育・飼育する。
それをホールフーズの契約畜産家に依頼し、
それを中心に販売している。
ベーカリーでも、
ノエルさんがサンプルを食べさせてくれて、
「ローカル」について解説。
最後に2階のウェルネスクラブで、
その運営方針や経営活動をレクチャーしてもらってから、
全員で写真。
私たち、例外なく、美人に弱い。
それからトレーダー・ジョーと、
デュアン・リード。
トレーダー・ジョーの2011年度売上高は、90億ドル。
100円換算で9000億円。
その伸び率5.8%。
期末店舗数は375。
1万平方フィート(280坪)の小型店で、
2500SKUのリミテッドアソートメントながら、
1店平均2400万ドル、24億円。
この会社もすごい。
ニューヨークの最新店は、
地下1階と地下2階。
私の予想通り、大繁盛。
朝8時オープンで、午後10時クローズ。
朝の8時半の段階で、
早くもレジには行列。
この店、もっともっと伸びるに違いない。
最後にデュアン・リードのウォールストリート店。
トランプビルの2階にあるゴージャスな店。
最高レベルに部門強化したドラッグストアと、
これも最高レベルに磨き上げたコンビニエンスストアの、
コンバイン(結合)型。
売れているようには見えないが。
ウェグマンズは、
スーパーマーケットとフードサービスのコンバイン型。
ホールフーズはオーガニック・スーパーマーケットと、
ウェルネスクラブのコンバイン型。
トレーダー・ジョーは、
デュアン・リードと並んで、いわばコンバインに近い形。
そしてウォールストリートのデュアン・リードは、
ドラッグストアとコンビニのコンバイン。
機能強化とは、
完成されたフォーマットと完成されたフォーマットの、
完全なる結合によって果たされるものである。
今日も成果の多い一日だった。
欧米人ならイエスの神に感謝するところだろうが、
私は「仕事の神様」に感謝しよう。
あるいは「商売の神様」に感謝しよう。
多神教の日本人。
さてもうひとつご報告。
昨日、10月7日午後1時から。
日本の茨城県潮来市・潮来ホテルで、
故加藤榮一さんの葬儀が行われた。
㈱セイミヤ会長。
私は誠に申し訳ないのだけれど、
参列できなかった。
心から哀悼の意を表したい。
㈱セイミヤ・加藤家の合同葬。
小雨の中、会場には、
ヨークベニマル社長大高善興さんご夫妻をはじめ、
小売業のトップ、メーカーや卸、取引先などが参集。
潮来では例を見ないほどの数の参列者となった。
もちろん、セイミヤが加盟するAJSのトップの皆さんも。
全国から駆けつけた。
オール日本スーパーマーケット協会。
加藤さんは、1931年1月15日に、
漬物製造業を営む加藤家の長男として生まれた。
茨城大学文理学部政経科に進むも、中退。
志望校を変えて、ジャーナリストを志す。
しかしその1年ほど前に、
家業の工場が全焼したこともあり、
1950年4月、立て直しのために、
清見屋漬物製造小売業に就く。
1959年に、郡山のベニマルに商売を学び、
同年10月、9坪の食品店を開業。
1961年に、合資会社食品の清宮屋を設立し、代表社員、
1975年には、㈱セイミヤを設立。
代表取締役社長として、
茨城県のスーパーマーケットの基礎を築く。
そして1992年、
実弟の加藤勝正さんに社長を譲り、会長に就任。
亡くなる前日まで、
セイミヤの精神的支柱として、
活動してきた。
9月17日の早朝、大動脈りゅう破裂により急逝。
前日までお元気に会社に来られていたという。
享年81。
加藤さんは、六十数年、
食品販売業の商売に力を注いだ。
縁あって商業界精神を学び、
商業界エルダーとなってからも、
全国の商業者の指導に当たった。
その商業界精神「店はお客様のためにある」を社是とし、
一生涯、セイミヤで実践し続けた。
従業員にも、家族にも、
人としての心構えと礼儀を厳しく教えつづけた。
「思いを熱く語り、真っ正直な人」(加藤勝正社長)だった。
加藤さんは商人舎発足の会の発起人のおひとり。
渡米中の私はお別れもできず、残念でならない。
しかしきっと加藤さんも、
商売の神様に自分の生涯を感謝していると思う。
いい人生だった、と。
合掌。
では、セイミヤの皆さんも、
全国の小売サービス業の皆さんも、
ついでにアメリカの商業者の皆さんも、
Good Monday!
<結城義晴>