今回のアメリカの旅、
前半戦も大詰めを迎えつつある。
充実した5日間だった。
㈱平和堂のアメリカ研修。
朝から講義。
まず今回の団長の山本喜敬さんの気合のこもった挨拶。
そして全員でハイタッチ。
それから私の講義。
最も重要なテーマを語る。
すなわちフォーマット時代のポジショニング戦略。
日本で、いくら、
論理的に整理しても、
情熱的に語っても、
アメリカ流通業を目の当たりにして、
そのうえで解きほぐしていくことには、
かなわない。
目から鱗。
それがこの研修の目的。
私は最初に、標語を書いた。
こまかく、
きびしく、
しつこく、
なかよく。
これこそ「徹底する」ことの中身。
徹底のなかから、
イノベーションは生まれてくる。
講義2時間5分。
まだまだ語りたいがスケジュールは詰まっている。
すぐに出発し、
ナゲットマーケット。
全員で写真。
驚くべき回復力で、
ナゲットが甦りつつある。
バスのなかで「人間力経営」を語った。
そして二つのスーパーウェアハウスストア。
フード4レスとウィンコ・フーズ。
スーパーマーケットという業態は、
企業ごとの戦略行動に従って分化してきた。
1980年代から30年以上かけて。
そのひとつがこのスーパーウェアハウスストア。
日本で言えば、アークスのビッグハウスが、
スーパーウェアハウスストアの事例として最適。
その世界的な代表格が、フード4レス。
全米第1位のスーパーマーケット企業クローガーが展開する。
そのクローガーとフランチャイズ契約をして、
ナゲットマーケットが経営、運営している。
副店長がインタビューに応じてくれて、
熱心にポリシーを語ってくれた。
入り口にウォールと呼ばれる「一丁目一番地」が続く。
商品の関連性はないが、
この倉庫型ディスカウント・スーパーマーケットの、
最も主張したい商品と価格を、
これでもかと見せつける。
ナゲットのフード4レスの違いは、
この青果売り場。
見事な前進立体陳列。
グロサリーのディスカウントと青果の鮮度、品揃え。
それがナゲット・フード4レスの強み。
もちろんベーカリーからミートまで、
スーパーマーケットの商材は、
きちんとディスカウント販売されている。
冷凍食品部門の壮大でピカピカの売り場。
グロサリーはラック陳列。
そのアイルの床もピカピカ。
レジ前のスペースの床もウェット・ルック。
光や光景が映り込むほどにのクレンリネス。
「濡れたように見える」
それをWet Lookという。
現段階のディスカウント・スーパーマーケットは、
「安いから汚い、安いからノーサービス、安いから悪い」ではない。
安くてクレンリネス、
安くてフレンドリー、
安くて良い。
それがこのナゲットのスーパーウェアハウスストア。
続いてウィンコ・フーズ。
こちらもまず「ウォール・オブ・バリュー」の売り場。
価格比較が積極的に行われている。
青果はダンボール陳列またはクレート陳列。
バナナももちろん、圧倒的な量と価格、そして品質、鮮度。
スーパーウェアハウスストアにとって、
青果部門は生命線である。
バルク売り場、ミート売り場。
これらも、強烈な価格と的確な品ぞろえ。
ミルクも価格比較。
ウォルマートよりも安いことを強調。
冷凍食品売り場も壮大でピカピカ。
広大な店舗の端から端まで見通せる。
レジ前もピカピカ。
レジ外もピカピカ。
フード4レスと比べてほしい。
どちらもピカピカの床。
解放的な天井。
これがディスカウント・フォーマット。
安売り店舗。
現段階のディスカウント手法は、
「安いから汚い、
安いからノーサービス、
安いから悪い」
ではない。
安くてクレンリネス、
安くてフレンドリー、
安くて良い。
時代は大きく変わっている。(つづきます)
<結城義晴>