おなか、すいた。
おとうさんは、いないし。
ユウキヨシハルのおとうさん、
また、アメリカです。
サンフランシスコのピア39。
ネプチューン・パレス。
きれいなお店。
ゴールデンゲート・ブリッジがみえる。
アルカトラズ島も。
こんなに、ちかい。
おわかれパーティ。
ナツハラさんが、おはなし。
そして、カニ。
ダンジネスクラブといいます。
おとうさんは、タンノウ。
ボクも、いただきます。
シーバ。
ボクはカニは、
たべません。
ただただ、シーバ。
そしてお水。
ビールやワインではありません。
それで、タンノウ。
マンゾク。
あ~あ、おいしかった。
おとうさんと、おんなじ気分。
うれしい。
つぎの朝、つまり今日ですね。
バスのなかでさいごの講義をして、
サンフランシスコの空港へ。
みんなは、かえります。
ナツハラさんとかたいシェイク・ハンド。
事務局のみなさん、
ごくろうさまでした。
ロサンゼルス経由で、ナリタへ。
アメリカン・エアライン。
ちょっとさみしかったけれど、
ひとあんしん。
みんな、ありがとう。
おとうさんは、ひとり。
バートにのった。
ベイエリアをぐるりとまわる鉄道。
サンフランシスコでは地下鉄になる。
パウエル・ストリート・ステーション。
地上にあがると、
人がならんでいる。
ケーブルカーが、おりかえすあたり。
そのケーブルカーが坂をのぼる。
ユニオン・スクエアのむかい。
それがおとうさんのホテル。
ウェスティン・サンフランシスコ。
やっと、つきました。
おとうさんは、ちょっと、つかれたみたい。
へやにもどって、
サンポして。
またへやにもどって。
窓からサンフランシスコ湾がみえる。
きょうは、ほんものの快晴。
すこしずつ、陽がかたむいてきた。
そして西の空に、陽がしずむ。
月がでる。
夜景がうつくしい。
おとうさん、ひさしぶりに、
ゆっくり。
夕方から、
メジャーリーグのワールドシリーズ。
サンフランシスコ・ジャイアンツ三連勝。
ひとしごと、おわって、
おとうさんは、マンゾク。
帰国したひとたちの無事をいのりつつ、
これからビールでものみにいきます。
おとうさん、おつかれさま。
<『ジジの気分』(未刊)より>