日本は今日で10月の終わり。
そしてハロウィン当日。
10月の商人舎標語は、
「お客という名の友人をつくろう」
果たして小学一年生ではないが、
「ともだち100人できたかな?」
アメリカはこれから、
ハロウィンの当日が始まる。
そのアメリカのハロウィン前日。
HEBとウォルマートが、
まったく好対照の展開を見せてくれた。
HEBはご存知テキサス州最大の非上場企業。
180億ドルの年商のローカルスーパーマーケット。
店頭に子供たちを集めて、イベント。
夕方、陽が暮れるまで、
こどもたちがカボチャにペインティングして、
自分の作品を創っていた。
本当にうれしそうで、
なかなかやめない。
これを明日のハロウィン当日に使う。
地域やファミリーとの交流。
とてもいい試みだ。
一方のウォルマート。
ハロウィンのデコレーションは、
きれいさっぱり撤去。
もう、秋の雰囲気一色。
そしてそれは、
11月第4木曜日の感謝祭に向けられている。
リーチインケースにも、
秋の紅葉のデコレーション。
しかしハロウィン商品だけは、
しっかり品ぞろえされて、
エブリデーロープライスで売り込まれる。
店内演出は、顧客の心理を、
盛り上げることを目的としている。
だから一番の早仕掛けで、
直前まで「煽りにあおる」。
その代り、当日や直前は、
顧客はもう十二分に知り尽くしているから、
商品だけきっちり並べておけばいい。
売場全体は次の展開に向けて、早仕掛け。
さすが、ウォルマート!
私はうなってしまった。
そのウォルマート効果を、
サンリオ江森進常務が語っている。
今日の日本の日経新聞。
「ウォルマート効果は予想以上だった」
サンリオはウォルマートとライセンス契約を結んで、
昨2011年6月から、店頭に、
「ハローキティ」をプリントした服や靴を並べた。
今年2012年上半期の4~9月期連結決算、
ウォルマート効果で経常利益が13%増。
ウォルマートと契約を結ぶと、
ライバルのターゲットなどが、
「ウォルマートに負けるなと、
キティの商品の種類を増やした」。
それがライセンス収入の拡大につながった。
「ウォルマート完全復活」を、
感度のいいメーカーは上手に活用する。
さて、私のアメリカの旅もいよいよ大詰め。
大トリは商人舎主催のspecialコース。
私は、29日にサンフランシスコからダラス入り。
現地コーディネーターの浅野秀二さん、
現地参加の安島英城さんも一緒に、
一行を待った。
その一行は、30日9時半に成田に集合し、
12時発のAA176便で一路ダラスへ。
11時間あまりのフライトで、
全員無事に、
ダラスフォートワース国際空港に到着。
専用バスに乗り込み、
研修会の初日をスタート。
はじめに訪れたのは、空港にほど近い
セントラル・マーケット。
HEBのアップスケールタイプのスーパーマーケット。
アメリカで初めて見る店のファーストインプレッションが大事、
セントラル・マーケットの青果売り場に目を輝かせるメンバーたち。
HEBが直接、産地から仕入れ、
HEBにしか売っていないぶどう。
HOLIDAY種無しぶどう。
それが一丁目一番地にある。
店長のポールさんが、
店内ツアーをしてくれた。
ホールフーズマーケットで15年間仕事し、
その手腕を買われてHEBにスカウトされた。
「セントラルマーケットはSpecialtyなフォーマット。
健康に良いだけではなく、
美味しさ、楽しさを商品とサービスで提供している」
セントラルマーケット・フォーマットは現在9店。
そのうち5店がダラスにある。
しかしもうセントラルマーケットは、
この店で打ち止め。
つぎはセントラルマーケット・ミニの出店に移る。
つまり大商圏型の店舗はもう立地が残っていない。
だから小型店で商勢圏を埋めていく。
HEBはテキサスを出ることは考えていない。
青果売場から始まった丁寧な解説に、
参加者はメモを取り、質問する。
HEBで「アイス・ウォール」と呼ぶ野菜売り場。
両サイドに「氷の壁」売場が並ぶと圧巻。
感謝祭に向けた「スモークドターキー」は55ドル。
この店だけでシーズンに1500個を売る。
ウォルマート同様に、ハロウィンの前日に、
11月末の感謝祭のターキーを先取りして、島陳列。
箱売りで、容量は通常の商品の2倍、
セントラルマーケットでしか売られていない商品。
「GREENBERG」のスモークド・ターキー。
HEBのレギュラータイプの客単価は25ドル。
それに対してセントラルマーケットは40ドル。
ワインは核売り場で、ここでも、
セントラルマーケットでしか売られていない商品がたくさんある。
ワインを購入する客の客単価は2倍に跳ね上げる。
店内はいたるところで試食販売を行っている。
我々にもアップルジュースやチーズをどんどん試食させてくれる。
チーズは700アイテムを品ぞろえ。
主力の100アイテムで売上げの80%を占めるが、
そのほかに600アイテムを揃えることが、
スペシャルなチーズ売場を実現させる。
この「BEEMSTER」は5年物のビンテージチーズ。
これもセントラルマーケットでしか売られていない。
新しい商品を仕入れてくる。
それがセントラルマーケットのプライベートブランド。
そしてフーディーズたちが、
カスタマーとコミュニケーションしながら、
それらをしっかりと売り切る。
フーディーズは、この店で6人ほどが活躍する。
これまでにない1時間に及ぶツアー解説。
ポール店長に心から感謝したい。
商人舎Specialコースは、
ダラスからワシントンDC、
そしてニューヨークへと展開される。
私の旅は11月に入っても終わらない。
<結城義晴>