結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年12月15日(土曜日)

明日こそ「公民権行使」! そして北大の研究「1割の働かない働き蟻」

とうとう明日に迫った。
1890年の第1回衆議院議員選挙以来、
123年目の第46回総選挙。
有権者数1億0436万人。

毎日新聞巻頭コラム『余禄』が書く。
第1回の衆議院選は、
「男子多額納税者の制限選挙とあって
有権者は全国で約45万、
東京は人口1000人あたりわずか4人だった」

しかしというかだからというか、
「人々の選挙熱はすさまじかった」

全国の投票率は実に93.9%。

当時の英国公使夫人メアリー・フレーザーのコメント。
「日本人は法にかなう国民です」

現在も、そうありたい。

今回最後の呼びかけ。
選挙に行こう!
投票しよう!

小売りサービス業は、
投票日に店を開け営業し、
従って相対的に投票率が低い。

その従事者が投票率を上げれば、
社会は変わる。

誰に投票してもいい。
どの党でもいい。

自分の責任として、
投票行為を行うことで、
政治への関心は高まる。

それが社会を変える。

アメリカ合衆国第35代大統領。
ジョン・F・ケネディの1961年の就任演説はあまりにも有名。
「国が諸君のために何ができるかを問うな。
諸君が国のために何ができるかをこそ問え」

Ask not what your country can do for you
ask what you can do for your country!

それはまず、
公民権を行使すること。

公民権とは、読んで字のごとく、
「公民としての権利」のこと。
それは公職に関する選挙権・被選挙権を通じて、
政治に参加する地位・資格のことを言う。

「参政権」や「市民権」とほぼ同意。

1890年には45万人にしか与えられなかった権利。
今こそ、一人ひとりが行使したい。

さて今日の日経新聞夕刊の一面。
「働かない『働きアリ』の正体は」の記事。

北海道大学・長谷川英祐准教授チームの発見。
北海道などにいるシワクシケアリが研究の対象。
研究班は7つの巣を観察した。
1つの巣に約150匹のアリが暮らす。

そのアリの行動を、
1匹ごとに、1カ月間、観察し、分析した。
都合72回ずつの行動分析。

そこで行動を大きく「労働」とそれ以外に分類。
この切り口が、とてもいい。

幼虫のエサやりや掃除など周囲の役に立つ行動を「労働」。
自分の体をなめるなどを「労働以外」。
働きアリの行動を観察し、数えあげた。

結果の第1は、ほとんど働かないアリが、
10%いる
ことが分かった。
これは労働の回数が1割以下(7回以下)のアリ。

一方、第2に特に熱心に働くアリは10%以下だった。
こちらは労働の回数が4割以上(28回以上)。

「働きアリのはずなのに、
一部はほとんど働かない」

さらに、「同じ働きアリでも、
仕事に向かう反応の強さが、
1匹ずつでわずかに違う」
これも新しい性質の発見。

「真っ先に働きだすアリが多くの仕事を片付け、
出遅れたアリがのんびりしているように見える」

人間のようで楽しいというか悲しいというか。

長谷川准教授の読み。
「群れの全員が働くと、
同時に疲れ切ってしまうので、
誰かが休んで余力を残しているのかもしれない」

さらに、
「よく働くアリと働かないアリを別々にしても、
再び同じ割合で、
働くアリと働かないアリに分かれた」

これはニッパチの原則と言われたりして、
人間に当てはめられることがある。
今回の発見では、イチキュウなのかもしれないが。
さらに、「働きアリの年齢は様々」という発見があったり、
「生まれてからの日数や卵巣の育ち具合などで
働き方が変わる」との見解は無関係と判明したり、
人間に置き換えて考えると面白い研究結果ばかり。

イソップ物語の「アリとキリギリス」をはじめ、
私たち人間社会にたとえられることが多い蟻。

その実態が科学的に検証されていくのは、
とても愉快なことだ。

研究者の長谷川先生とそのグループ、
きっと楽しい仕事をし、
豊かな人生を歩んでいるんだろうなどと、
想像してしまう。

では、公民権行使。
よろしく。

〈結城義晴〉

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