結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年02月01日(金曜日)

商人舎第2クール突入と平成24年経済センサス「商工農士」の逆転

2013年2月1日。

私たちの㈱商人舎は、
6年目の新しい年度に入る。

2008年2月1日に設立し、
4月17日に発足の会を開催。

「商業の現代化」を標榜した。
そのために「知識商人の養成」を誓った。

それから5年。

主催する海外研修会は都合12回を数え、
業界内でも定評をいただいている。
この5年間で、467名の参加者。

今年は春の第13回basicコース、5月14日~20日、
秋の第14回Specialコース、10月22日から29日、
2回の開催となる。

さらに昨年から、
商人舎ミドルマネジメント研修会をスタートさせ、
これも年2回開催で定着。

お陰様で今年も、
春の第3回(5月28・29・30日)、
秋の第4回(9月24・25・26日)と、
回を重ねる。

もちろん結城義晴自身は、
昨2012年、9回の海外セミナーをコーディネートし、
海外研修会参加者はトータルで380名。

一昨年の2011年も同じく9回の研修引率で379名。

この5年間に、豚インフルや東日本大震災で、
海外渡航が中止となった期間があるにもかかわらず、
海外研修会で私の講義を聴き、解説を受けた人数は、
延べ1162名に及ぶ。

アメリカだけでなく、ヨーロッパや中国を加えて、
この9回が1年のスケジュールとなっていて、
これは限界に近い。

そして商人舎事業として、
今年新たに取り組むのが、
出版、Publishing。

1977年に㈱商業界に入社し、
30年間、結城義晴は出版人として、
「読んでいただく」活動をしてきた。

商人舎ではむしろ、
大学院教授や研修会指導者として、
「教える」仕事を中心に展開してきた。

もちろん単行本は書いたし、
雑誌や新聞にも寄稿したし、
ネット上では毎日更新宣言を発信してきた。

これらの役割は今後も、
さらに充実させ続けたいと思っている。

しかし今年からの第2クールで、
㈱商人舎として出版事業を展開する所存。

まず、3月1日に、
『マス・カスタマイゼ―ション』を、
㈱商人舎刊として発売。
著者は商人舎最高顧問の杉山昭次郎先生。

ご期待いただきたい。

次に、4月1日、
待望の月刊『商人舎』発刊予定。

実は2011年5月1日から、
非売品の月刊『商人舎』を発刊している。

今日も2013年2月号を発刊し、発送した。
20130201142534.jpg
それを市販しようという構想。

逆転の発想、
内容の刷新。

商人舎と結城義晴にしか、
つくれない月刊誌。

ご期待いただきたい。

さらにその後も、順次、
単行本などを発刊し、
出版事業を細く長く続けていく。

私の目指すものは、初めから、
ネットとリアルのフュージョン。
つまり「アミ(網)とカミ(紙)の融合」。

小売りサービス業の経営に対しても、
そして商人舎の事業においても、
コンセプトはシンクロナイズしている。

そのために今日から、
㈱商人舎にチーフエディターが加わった。
渋木克久。

よろしくお願いしたい。

私は5年周期で、
商人舎経営を考えている。
中期計画といってもよい。

最初の5年は、助走。
コーネル大学RMPジャパン副学長や、
立教大学大学院教授という仕事が入ったこともあって、
商人舎事業は緩やかに展開。

しかし、
5年ずつの計画を、
6回連続させて、
30年。

私は85歳になっているが、
そこまで続けるつもり。

㈱商業界で30年、
編集記者から始まって、
代表取締役社長で終わった。
㈱商人舎でも30年。
5年サイクルの6巡。

もちろん、毎日更新宣言ブログは、
1年ごとに更新しながら、継続される。

常に、体と脳の活性化を繰り返す所存。

小売りサービス業全体、つまり、
商業の現代化を標榜しつつ、
その歴史の証人として一生を捧げる。

これまでの5年間を感謝しつつ、
これからの5年、そして終点までの25年を、
あらためて、よろしくお願いしたい。

さてその2月の商人舎標語。
「志定まれば、気盛んなり」
ご存知、吉田松陰の言葉。

2008年に商人舎を発足させたときの、
年間標語として使った。

しかし心新たに第2クールに入るその2月の、
商人舎標語にしたい。

(こころざし)が定まれば、
気力・気持ちは盛んになる。
今、私の心境そのもの。

商人舎Special Member、
最高顧問・杉山昭次郎、
特別顧問・萩原政利、
海外特別顧問・浅野秀二。

エグゼクティブ・プロデューサー松井康彦、
エグゼクティブ・コーディネーター川勝利一、
チーフ・コーディネーター鈴木敏。
顧問税理士・宮田昇。

それにゼネラルマネジャー亀谷しづえ、
チーフエディター渋木克久、
エディタースタッフ鈴木綾子。

そして代表取締役社長・結城義晴。

いざ、2017年へ。

と、力んだところで、
「平成24年経済センサス‐活動調査」速報。
1月29日に発表され、
私はその日の立教サービスマーケティングで、
講義に使った。
20130131232441.png
経済センサスとは、
日本の全企業・全事業所を対象とする統計調査のこと。
いわば「経済の国勢調査」。
総務省・経済産業省が実施する。

これまでに存在したのは商業統計調査や工業統計調査。
私はこの「商業統計」をベースにして論述を展開してきた。

サービス産業が大きく発展したいまの時代、
商業統計、工業統計では実情に合わなくなっていた。

そこで、平成17年6月21日、
「骨太の方針」が閣議決定され、
「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」において、
「経済センサス」の実施が提言された。

「センサス」とは、
古代ローマで行われた人口登録調査のこと。
ローマが共和政、帝政と変わってゆく前の、
第六番目の王セルビウス・トゥリウスが始めた。

紀元前500年代半ばのこと。

後に、国勢調査や、
それに類する大規模な人口調査、
さらに大規模な悉皆(全数)調査のことを、
センサスと呼ぶようになった。

今回は日本の「経済センサス」の記念すべき第1回調査。
企業・団体に対する悉皆調査。
ただし、その速報値の報告。
だから日本標準産業分類の大分類での集計となる。

日本の企業の年間売上高は、
1302兆2523億円。

うち卸売業、小売業の売上高は、
400兆3043億円。
今回は大分類だから両者の分類分けは、
今年11月の発表となる。

小売業態別統計は、
来年2月を待たねばならない。

しかし小売り・卸売り業、
すなわち商業の売上高は、
全産業の30.7%を占め、
堂々のトップ。

従業者数も1198万4000人で、
全産業の21.3%。
こちらもトップ。

これは多くの国民が、
卸売業、小売業の恩恵にあずかっているということ。
つまり、基幹産業であることを証明している。

ちなみに製造業の売上高は、
342兆4426億円(同26.3%)
従業者数は942万2000人(同16.7%)で、
ともに第2位。

農業は売上高3兆4354億円、
従業者数35万0347人。

国家や地方自治体の政治家・役人は、
実質的な生産をしないから売上高はゼロ。

つまり経済センサスでは、
「士農工商」はすでに、
「商工農士」となっている。

声高に、
それを言っておきたい。

商業現代化の数値面は、
もう満たされている。

私たちがそのことを強く自覚することが、
現代化の第一歩となる。

日本の企業等の数は、
409万6578企業。
平成21年に行われた「経済センサス-基礎調査」と比べると、
8.6%のマイナス。

卸売業、小売業は92万9386企業。
平成21年基礎調査比で12.3%のマイナス。

日本全体で企業数は減少していて、
卸売業、小売業は、
全産業合計より減少率が大きい。

それでも卸売業、小売業の企業数は、
全産業の22.7%を占め、
ダントツのトップ。

第2位は宿泊業、飲食サービス業で、
54万1375企業(全産業の13.2%)

製造業は43万6646企業(同10.7%)で、
建設業に次ぐ第4位だ。

最後にもう1つ重要な数字。

「付加価値額」。
これは企業の売上高から原材料費を引いた残りの金額。
つまり、働く人の賃金と企業の利潤ということになる。

日本の企業等が生んだ付加価値総額は、
242兆6658億円。
対して平成24年度の国家予算は、
90兆3000億円。

私たちが一生懸命働いてつくりだした価値は、
国家予算の約2.7倍ということになる。

こうしたスケール感を、
常に意識すべし。

知識商人必須の心得。

そして卸売業、小売業の付加価値額は、
42兆3484億円。
全産業の17.5%で、
これは製造業に次いで第2位。

製造業の付加価値額は、
53兆2607億円。

その差、10兆9124億円。

たいへんな数字だが、
ここに商業現代化のポイントがある。

一方、売上高に対する割合「付加価値率」は、
商業が10.6%。

こちらは残念ながら、
全産業合計の18.6%を下回り、
最下位。

社会のインフラ機能を果たしているから、
付加価値率が低いとも考えられるが、
ここにも重要な視点がある。

付加価値率トップは、
教育、学習支援業の46.9%。
第2位は宿泊業、飲食サービス業の37.8%。

確報は今年の3月から来年の2月にかけて、
順次公表されていく。

商人舎30年計画の間に、
こういった数値は、
どう変化していくのだろう。

経済センサスも、多分、
5年おきに調査発表されるはず。

商人舎の5年サイクルと、
偶然にもシンクロしている。

歴史の証人・結城義晴としては、
商人舎経営を充実させつつ、
この経済センサスのサイクルごとに、
「商業現代化」を一歩一歩、
実感していきたいものだと考える。

〈結城義晴〉

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