結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年02月23日(土曜日)

イオンPB1兆円・米国セブン1万店、学習院DSCMと食品ヒット大賞

日経新聞の「パソコン離れ急加速」。

電子情報技術産業協会発表の1月の国内出荷台数。
前年同月比なんと13.4%マイナス。
3カ月連続の前年割れで、
それでも64万8000台。

2012年全体のパソコン出荷台数は前年比で微増。
しかし出荷金額は7.1%マイナスの8090億円。
これは価格競争の激化で販売単価が落ち込んだため。

2012年度の販売計画に関して、
ソニーは販売計画を期初目標から200万台以上下方修正、
富士通も出荷計画を100万台引き下げた。
東芝は売上高を当初の8200億円から7380億円にダウンさせた。

「ウィンドウズ8の販売が想定を下回った」
ソニー加藤優最高財務責任者のコメント。

スマートフォンやタブレットに、
その座を奪われつつある。

私にとってパソコンは毎日必需の道具だが、
全体ではスマホやタブレットに移行中。
このスピード感、実感せずにはおれない。

さて日経新聞にイオンとセブン-イレブンの記事。
まず「イオン、PB販売1兆円」。

2012年度のPB販売額は約7000億円。
前年度比3割アップ。

イオンリテールは約340店、
この総合スーパーではPB比率は約20%。
だが、2013年度は25%に高める。

グループの食品スーパーやコンビニでもPBを拡販して、
イオン全体の2013年度計画では、
プライベートブランドの売上高を1兆円の大台に乗せる。
2012年度比4割増。

1980年、ダイエーが日本初の売上高1兆円を達成したが、
イオンはプライベートブランドだけでそれを果たす。

このうち「格安PB」の品目数は1.5倍となる。
コンペティティブ・ブランドの
「トップバリュ・ベストプライス」の強化で、
消費税増税前の1年間、
価格リーダーシップを握ろうという作戦。

これは一般メーカー品より3~5割安い商品。
2013年度中に現在の400品目から600品目に増加。

2013年度のトップバリュ総品目数は、
衣食住で現状の約6000品目から微増。

従って、1アイテムあたりの売上げを3割増やして、
価格訴求力をさらに上げる計画。

イオンのトップバリュを筆頭に、
今年も低価格旋風が吹き荒れる。
一方、「セブン-イレブン、北米で『復活』」。

米国セブン-イレブンは、
セブン&アイ・ホールディングスの完全子会社。
「日本流の店舗運営で業績を拡大、
北米1万店体制が視野に入る」

アメリカのコンビニは、約15万店。
そのうちの8割がガソリンスタンド併設型。

米国で8000店強のネットワークを敷くセブン-イレブンも、
その4割がスタンド併設店だが、
日本流のデリを強化して好調。

例えば冷蔵ピザを90秒で焼くグリルシステムを、
2000店強に導入。
これを数年で全店に拡げる計画。

2012年12月期は売上高1兆2465億円、
営業利益は400億円(1ドル=80円想定)の見込み。

ジョセフ・デピント社長は語る。
「今後は都市部で日本のような小型店を集中出店する」

鈴木敏文会長はコメントする。
「各国で販売力を引き上げる体制が整う」

つまり日本で成功したコンビニモデルを、
アメリカで成功させ、
さらにアジアでも展開させる。

私は明日からタイのバンコクで、
セブン-イレブンを視察する。

セブン-イレブンは現在、
世界で約5万店、
年間売上高6.5兆円。

それを2015年度には10兆円という構想を描く。

その先陣を切るのがコンビニ発祥の地アメリカとなる。
これも3月末のアメリカ出張では、
見てこようと思う。

さて今日は正午に、
東京・秋葉原のライフコーポレーション東京本社。
清水信次会長のインタビュー。
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実にいい対談だった。

4月発刊の月刊『商人舎』のトップインタビュー。
その模様は来週月曜日のこのブログで、
詳細は月刊『商人舎』で。

今日のブログは昨日の行動日誌。
二元中継。

まず東京・目白の学習院大学。
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2012年度『DSCM基礎コース』最終講義と、
桜実会講演会。
学習院マネジメント・スクールが主催。
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毎年5月にスタートし、
10月までほほ半年にわたって
21世紀の流通業の実態と課題を学ぶ。
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私は例年、開講の最初の講義「流通概論」を受け持っている。
そして2月のこの時期には、
13回目の特別最終講義が行われるが、
いつも、実務家の経営トップを講演者に迎える。

今年は、私のお願いで、
㈱たいらや社長の村上篤三郎さんが、
引き受けてくださった。
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開会のあいさつは上田隆穂教授。
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学習院マネジメント・スクール所長、
学習院大学経済学部長。

講師紹介の役目は私の仕事。
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村上さんのテーマは、
「ローカルSMとして生き残りをかけて」
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たいらやの前身はエーリズウエノ。
営業譲渡された㈱エコスは、
100%子会社として「たいらや北関東」を設立。
村上さんは2000年に社長として着任。
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栃木県の激戦区の中で、
現在に至るまでの取り組みを、
丁寧に話してくれた。
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最後に学生からの質疑応答。
上田先生からも質問。
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とてもいい講義だったし、
なにより、たいらやが着実に改善、改革をしていることが分かった。
お願いした私もうれしかった。

講義の後は、修了式。
コーディネーターは松川幸一さん。
学習院マネジメント・スクール顧問。
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学生全員が壇上に上がって授与式。
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そして修了証授与は上田教授。
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参加していた大塚明さんからお祝いの言葉。
日本スーパーマーケット協会専務理事。
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閉会のあいさつは、湯沢威名誉教授。
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上田先生と私で、
村上さんを囲んで記念写真。
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そのあとは場所を移して、
修了生の集い「GMS桜実会」の懇親会。
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代表幹事の三菱食品㈱柳沢孝之さんが桜実会の説明。
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そして乾杯のご挨拶は、
学習院院長の波多野敬雄さん。
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学生たちが所属する企業からの、
美味しいお酒とスナックの差し入れで
1時間半ほど、懇親を深め合った。
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中締めは結城義晴。
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社会人がアカデミズムで学ぶことの意義は大きい。
最後に贈る言葉は、
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」。
そして一丁締め。

みなさん、修了、おめでとう。

最後の最後は全員で記念写真。
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それがこの写真。
顔が小さくて恐縮。
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でもみんな、いい笑顔でした。
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今日の二元中継のもうひとつは、
昨日午後2時からの明治記念館。
「2013年 食品界・経営者の集い」
主催は日本食糧新聞社。

そしてその場で、
平成24年度第31回「食品ヒット大賞」と、
第26回「新技術・食品開発賞」の贈呈式。
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『日本食糧新聞』は、
創刊70年の歴史ある食品業界を代表する最大の専門紙。
「食品ヒット大賞」は昭和57年、
その創刊40周年を記念して制定された。

スーパーマーケットやコンビニ、卸売業者、生協等の
109社がモニターとなって商品を推薦する。
選考委員は食品業界や卸売業界を代表する経営トップ。

一方、「新技術・食品開発賞」は昭和63年に、
創刊45周年を記念して創設された。

技術力を駆使した今後の成長が期待できる商品に授与される。
いずれも需要や価値を創造する商品に贈られるものだ。

贈呈式では、最初に、
日本食糧新聞社会長CEOの今野正義さんから主催者あいさつ。
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続いて、「食品ヒット大賞」の選考経過について、
選考委員長の亀井昭宏さんが報告。
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亀井さんは早稲田大学名誉教授。
「一般加工食品部門の善戦が顕著だった」

今年の大賞は、ふたつ。
キリンビバレッジの「キリン メッツ コーラ」と、
東洋水産の「マルちゃん正麺」
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「キリン メッツ コーラ」は特定保健用食品、いわゆるトクホ。
コーラとトクホは従来、相容れない。
それを実現し、新市場を創出した。

「マルちゃん正麺」は、一昨年11月の発売以来、
1年で累計出荷数量が2億食に達した大ヒット商品。
コモディティ化した日本の食品市場でも、
真のイノベーションによって、
まだまだ成長できる可能性がある。
そのことをマルちゃん正麺は示した。

その他にも今回は、
「ロングセラー賞」3社、
「ロングセラー特別賞」5社
「優秀ヒット賞」20社が選ばれた。

もう1つの「新技術・食品開発賞」は、
選考委員長の岩元睦夫さんが経過報告。
岩元さんは(社)農林水産・食品産業技術振興協会参与。
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「あらためて日本の高い食品技術力を示した商品」と講評。

その受賞商品は4つ。
越後製菓「日本のごはん」
ネスレ日本「ネスレ クレマトップ ゼロ」
森永乳業「濃密ギリシャヨーグルト PARTHENO(パルテノ)」
雪印メグミルク「雪印 こんがり焼ける とろけるスライス」
雪印メグミルクはロングセラー特別賞とのダブル受賞。

受賞会社を代表して2人の経営者が謝辞。
1人目は東洋水産社長の小畑一雄さん。
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「会社創業60周年の記念すべき年に
食品ヒット大賞を初受賞でき光栄です」
カップ麺の登場後、ダウントレンドだった袋麺市場で、
「新価値創出に取り組んだ」と語った。

2人目は森永乳業社長の宮原道夫さん
森永乳業は5度目の「新技術・食品開発賞」受賞。
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「新商品のために数年間かけて
製造設備・機器の開発から取り組んだ」

日本の食品産業の技術力は非常に高い。
そのことを自ら証明した。
みなさん、おめでとうございます。

贈呈式が終わると、祝賀・交流パーティー。
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乾杯の発声は国分会長兼社長の國分勘兵衛さん。
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「日本経済に明るさが見えてきた。
消費者の財布のひもがゆるみ始めた」

國分さんの前向きな言葉とともに乾杯。
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来賓も次々と駆けつけた。
最初に元衆議院議員の島村宜伸さん。
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そして、衆議院議員の赤松広隆さん。
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おふたりとも農林水産大臣経験者。

続いて現・農水大臣の林芳正さん。
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「エーファイブという新しい官民ファンドが立ち上がり、
これから日本食市場を活性化していく」

自由民主党幹事長の石破茂さんもあいさつ。
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「アベノミクスだけではなく、
民間企業の創意工夫があって、
はじめて日本経済はよくなる」

日本の食品製造業のイノベーション力は
日本だけではなく、世界の食市場で輝く。

イオンのプライベートブランド1兆円、
世界のセブン-イレブン5万店10兆円。
そして製造業の技術革新力。

パソコンからスマホ、タブレットへと急激な変化が訪れる中でも、
日本の消費産業の未来は捨てたものではない。

〈結城義晴〉

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