結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年02月21日(木曜日)

日航再建・稲盛和夫「綻びは向こうから数字が目に飛び込んでくる」

安倍晋三首相がアメリカに出発。
明日22日、バラク・オバマ大統領と首脳会談。

環太平洋戦略的経済連携協定、
Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement、
通称TPPに関する対応が焦点の一つ。
太平洋周辺地域の国々の間で、
経済の自由化を目的として、
多角的な経済連携の協定を結ぶ。

それがTPP。

私はワンアジア財団の評議員となっているが、
これはひとつのアジアを目指して活動する財団。

自分だけ、自分の国や地域だけ潤えばいい。
この発想は20世紀に置いてくるべきだ。

「全体最適」こそ、
21世紀のコンセプト。

これがグローバリズムの本質だと思う。

新聞やテレビでTPPのメリット、デメリットが指摘される。
そのほとんどは、自分にとって、自国にとって、
利があるかないかばかり。

アジアや環太平洋、その全体にとって、
最適の状況をつくることが、
アジアや環太平洋の人々全員のメリットになる。

そのために、アジアや環太平洋のリーダーであるわが日本が、
どう行動するか。

それがすべての判断の基準になるものだと思う。

今日は東京・芝。
東京タワーの赤い姿が、
真っ青な空、真っ白な雲に映える。
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東京スカイツリーに最高テレビ塔の座は譲ったが、
まだまだ外国人観光客も多い。

なんといっても、
日本人の心の中に占める存在感は、
東京タワーの右に出るものはない。

皆がスカイツリーに目を向けるからかもしれないし、
ノスタルジーと判官びいきによるかもしれないが、
東京タワーを見ると懐かしさがこみあげてくる。

その東京タワーの真向いのビル。
機械振興会館。
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6階の会議室で、
商業経営問題研究会の2月例会。
リテール・マネジメント・ラーニング・サークル。
略称RMLC。
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今年初めての例会で、
「ネクスト・ステージ・スーパーマーケット」を、
整理し、その成果のまとめ方を議論した。
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3時間半、議論は展開される。
真剣そのもの。
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折を見て私がまとめ、総括し、意見を集約する。
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隣は㈱セイミヤ社長の加藤勝正さん。

議論が終って、
懇親会をしてから、
残ったメンバーで写真。
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東京タワーは、
ことのほか美しかった。
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今年のRMLCに期待してください。

メンバーの研究成果は、
商人舎ホームページに、
それぞれのブログ・コーナーをつくって、
随時発表していくつもり。

つまりは、このブログの読者がRMLCに、
オーディエンスとして参加できることになる。

これもTPPに対する私の考え方と同じ。
積極的なご参加を歓迎したい。

さて、今日、
ユニーグループ・ホールディングス発足。
チェーンストア業界第3位の純粋持ち株会社。
17社を傘下に置く。

総合スーパーのユニー、
コンビニのサークルKサンクスが核。

第1位のイオン、
第2位のセブン&アイ・ホールディングス
に比べて、
注目度はずっと低い。

しかし私は、ずっとそれを、
「ユニーグループの強み」にせよ、と言っている。

会長兼最高経営責任者の前村哲路さんは、
今後3年間で大型店の出店・建て替えに711億円を投じる。

2014年2月期の出店・建て替え計画は、
総合スーパー2店、食品スーパー3店、
それにホームセンター1店。
半数が愛知県内。

これはとても良い政策。

愛知県や中京地区中心のリージョナルチェーンとして、
マルチ業態でそれぞれ充実させ、
全体では国内第3位のリージョナルチェーンとなる。
ここに、ユニーグループの強みが出る。

そのコンビニ事業は、
「屋号の統一」を図る。
日経新聞には書かれていないが、
むしろ統一ロゴは「サンクス」にして、
米国ロイヤルティのサークルKを外したほうが、
利益貢献できるかもしれない。

ここは超リアリズムで行くべきだ。

さてさて、昨日も紹介したが、
日経新聞の連載『日航・稲盛和夫』。
第4回の「これが経営か」も、すごくいい。

日本航空の「経営の要」の月1回の業績報告会。
役員約30人が1人ずつ、
その月の予定、実績、来月の見通しを説明する。

これは他社でも当たり前の光景。

しかし稲盛さんは、一つひとつの報告を聞きながら、
細かい数字がビッシリ書き込まれたA3用紙の報告書を読んで、
次々に質問を繰り出す。

答えられない場合には、
「容赦のない叱責」が飛ぶという。

A3の報告書は毎月80~100枚。
それを驚くべき集中力で読み込み、
他の役員が見逃すような「ほころび」を見つけ出す。

「それにしても、何で
あんな細かい数字を見つけられるのですか」。

稲盛さん、笑いながら答えた。
「おかしなところはな、
向こうから数字が
目に飛び込んでくるんや」

現社長の植木義晴さんは、
パイロット歴34年のキャリア。

植木さんの見解。
「ベテランの域に達したある日、
無数の計器に囲まれたコックピットの中で、
異常な数値は探さなくても
目に飛び込んでくるようになった」

私にも同じ経験がある。
㈱商業界で編集記者12年、編集長12年、
その後、専務取締役、代表取締役社長となったが、
編集長の最後の頃には、
出張校正で印刷所に行くと、
ゲラの間違いが「目に飛び込んでくる」ようになった。

当時私は、
「手かざしで誤植が見つけられる」
と、
豪語していた。
今はその職から離れ、
手かざしは利かなくなったが。

稲盛さんの経営数値の「ほころび」の発見、
植木さんのコックピットの異常な数値の発見、
結城の編集長時代の誤植発見。

みな、同じ。

ただし、パイロット出身で「新米社長の植木は
資料を見ても数字が浮かび上がらない。
細かい数字から経営の問題点を言い当てる稲盛を見て思う。
『これが経営か』」

そうです。

これがプロです。

熟練の店長は、
売場を歩くだけで、
異常が目に飛び込んでくる。

これです。

プロフェッショナルの仕事。

2010年2月にJAL会長になった稲盛さん。
まず空港や営業所などの現場を回り、
その後、全子会社の社長約100人と1人1時間ずつ面談した。

朝9時から夕方6時まで。
週末込みの2週間、
ぶっ通しで話を聞いた。

「細部を見なければ全体は見えない」
これが稲盛和夫の50余年の経営者としての「境地」。

「おかしなところは、
向こうから数字が
目に飛び込んでくる」

私たちが目指すのは、
この境地。

数字だけではない。
店舗状態、売場状態、
商品状態、鮮度状態、
働き方状態、などなど。

向こうから目に飛び込んでくるようにならなければいけない。

そしてこれは、
他人に任せていてはいけない。
他人から褒められて喜んでいてもいけない。

自分でできなければ。

そうでなければ、
自分の存在価値がない。

そしてこれが「自分の強み」となる。

〈結城義晴〉

2013年02月20日(水曜日)

丸紅・国分文也「逆境では楽観」とWalmart流出メール「2月は悲惨」

ほぼ毎朝、毎晩、
長光山妙蓮寺の山門前を通る。
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日蓮宗池上本門寺が本山。

とは言っても、この山門前には、
東京急行東横線妙蓮寺駅の踏切があって、
そこに立って踏切が開くのを待つ間、
門前に掲示してある言葉を読む。
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1週間ごとに変わる標語は、
おそらく住職の達筆によるもの。

今週の言葉はこれ。
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佛法は眼前なれど
機なければ顕れず

仏の道は目の前にあるのに、
機会がなければ意識されない。

メーテルリンクの『青い鳥』のような言葉。

幸せはいつも目の前にあるのに、
それが見えない、感じられない。

この妙蓮寺の言葉、
私流にいくつかに分類できる。

第一は説教型。
第二は運命型。
第三は真理型。

私は第三が好きだ。
真理を語り、それを追求しようという呼びかけ型。

第一の、頭から説教を垂れるタイプは、
はっきり言って嫌いだ。

第二の、運命を語り、
それに従えというのもあまり好きではない。

ということで今日の言葉は、
好きなタイプ。

いかが?

さて、株価は、今日、
日経平均で1万1500円をつけた。
4年5カ月ぶり。

3月には1万2000円の節目が見えたとして、
証券業界は浮足立つ。
『よみがえる日本株』なる本まで出版されて、
前景気をあおる。
著者は日本経済新聞電子版マーケットの記者二人だが、
ご丁寧に「日経平均2万円への道」とサブタイトルがついている。

単行本としては、
一瞬のうちに過ぎていくような息の短いもので、
だから税込600円。
雑誌のような単行本。

私はいつも言う。
虚業が先行し、
実業がそれに続く。

先物取引や株式の市場が失礼ながら「虚業」、
小売りサービス業・消費産業などが「実業」。

実業が成果をあげなければ、
国民の生活は向上しないし、
経済もまわらない。

しかしその実業が大きく変わりつつある。

日経新聞の「けいざいじん」に、
丸紅次期社長の国分文也(こくぶ・ふみや)さんが登場。
私と同じ60歳。

丸紅は現在、総合商社第5位。

その国分さん、
「課長昇進は40代前半」で同期の中で「最後くらい」。
しかし彼のその信条が彼を社長まで押し上げた。
「逆境ではひたすら楽観し、
順調な時には楽観しない」

「状況が悪い時にも逃げず、
先頭に立って部下に背中で見せる」
理想のリーダー像をこう示す。

一方、これも日経新聞の連載『迫真』。
「日航・稲盛和夫」の第3回目。
今週月曜日に始まったが、
毎日、面白い。

2010年に経営破綻した日本航空(JAL)の会長に就任、
現在は名誉会長。
ご存知、京セラ・第2電電(現KDDI)の創業者。

稲盛さんの手腕もあって、
JALの営業利益は2011年3月期に1884億円、
2012年3月期には2049億円に回復。

その稲盛和夫、
「独占は悪」という確信がある。

だから、それに挑む者は、
「負けるはずはない」。

KDDIもJAL再生も同じ。
「失敗するかも、と
考えたことは一度もない」

国分文也の「逆境では楽観」と、
稲盛和夫の「失敗は一度も考えたことがない」。

今の私の心境です。
何よりも信念が支えてくれる。
その信念をまた、
支えてくれるのは真理である。

もうひとつのニュース。
ウォルマートの流出メール騒動。
日経新聞の米州総局編集委員・藤田和明さんのレポート。

先週金曜日の2月15日。
ウォルマートの社内メールの内容が、
アメリカのメディアに流出、一気に市場を駆け巡った。
「ここまでの2月の売上高は
全く悲惨な状況だ」

株価は急落、
一時的に4%の下げ。

メール発信者は財務・物流担当者。
「こんなに悪い出足の月は、
自分の勤めた7年間で見たことがない」

米国ブルームバーグ・コムには、
こんなメールが掲載されている。
ウォルマートUSの上級副社長キャメロン・ジーガーのもの。
“Where are all the customers?
And where’s their money?”

「顧客はいったいどこにいるんだ?
彼らの金はどこにあるんだ?」

「財政の崖」を一応、回避し、
楽観ムードが広がる。

しかしここで大切なのは国分文也、
「順調なときには楽観しない」

ウォルマートの広報談。
「社内情報は正確でなく、
適切な文脈を欠いたり、
個人の意見にすぎなかったりすることがよくある」

明日、2月21日の決算発表で、
全体像とともにコメントが発表されるに違いない。

ウォルマート社内メール騒動の前日の14日、
ナスダック上場のホールフーズ・マーケットの株価も、
10%の急落。

「グレート・ローテーションというよりは、
グレート・ディスコネクトではないか」。

藤田さんは最近の声を紹介する。

グレート・ローテーションとは、
債券から株式への大きな転換。
だから株式が買われる時代が到来した。
強気派はこう、唱える。

しかし慎重派はこれに同意しない。
グレート・ディスコネクトは、
「株価ばかりが、楽観へ振れる大きな乖離(大分断)」

藤田さんは、総括する。
「ウォルマートの流出メール騒ぎは、
そんなほころびの始まりになるか。
少なくとも、いったん要注意のサインが灯った」

これに対して、
私のメールに㈱USEI社長の朝川康誠さんがコメント。
立教大学大学院・結城ゼミの第3期生。

「真に見え隠れしているのは、
『店舗という装置産業の未来』ではないでしょうか」
鋭い指摘だ。

小売業の世界では今まで、
店舗をたくさん持つことが良しとされてきた。
「ネットの侵食でそれらがすべて
『負の遺産』に変わる恐れまで出てきました。
先生の言われる『後発の優位性』であり、
今までのモノの売り方を根本的に変える『ゲームチェンジャー』の登場は、
そう遠くない未来に日本で起きる現象です」

全てが「負の遺産」とはならないと思う。
しかし実業における物の売り方が根本的に変わりつつある。
これは確かだ。

私は、「リアルとネットの融合」こそ、
最終的な到達点であると思う。

なぜならばそれが一番、
顧客にとって便利だから。

これは稲盛和夫の確信と似ている。

〈結城義晴〉

2013年02月19日(火曜日)

「メーカー≠作り手」とアマゾン日本年商78億ドル・小売業10位の勢い

今日は朝から、
横浜商人舎オフィス。

「KamiとAmiの融合」
月刊『商人舎』発刊を控え、
その企画とオペレーション会議。
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いちばん左がご存知、結城義晴、
その隣は商人舎チーフエディター渋木克久、
商人舎Special MemberのWeb担当・猪股信吾さん、
グラフィック/Webデザイナー田中翔太さん、
㈱プラージュ代表取締役社長・磯浩一郎さん、
同テクニカルチームWebデザイナー長谷川温子さん、
そして商人舎ゼネラルマネジャー亀谷しづえ。

新しい若い仲間と、
新しい仕事を始め、
新しいメディアをつくる。

こんなにワクワクすることはない。

次々に新しいアイデアが提案され、
次々に新しい発想が湧いてくる。

今日は特に猪股さんに、
座布団三枚。

みなさん、期待してください。
従来型の雑誌では、
ありません。

しかし必ずや、
みなさんのお役にたって、
それが商業現代化を推進することにも、
貢献する。

そんなメディアを生み出します。
還暦を回った結城義晴の新しいチャレンジ。

あの三井財閥をつくった三井高利も、
52歳から江戸で越後屋を始めた。

私もまだまだこれからです。

しかし体のメンテナンスは必須。
今日は午後から、東京・池尻の東邦大学大橋病院。
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北幸喜先生の診察で、
眼圧は右が15、左が13。
「アイファガンの効果が出ていますね」
前回から始めた新薬の効用を、
執刀医と二人して確かめ合った。

ありがたい。

病院の帰り道に、
42階建て155メートルの高層ビル。
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クロスエアタワー。
総戸数689のタワーレジデンス。

目の前は国道246号線。
上は東名高速につながる首都高3号渋谷線。
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クロスエアタワーの1階に、
スーパーマーケットのライフ。
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隣は7000㎡の大橋ジャンクション屋上公園。
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ジャンクションループ内に、
イベントなどに利用できる「オーパス夢ひろば」がある。

ライフ目黒大橋店は、
2月13日オープン。
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売場面積1364㎡、駐車場は33台。

ライフコーポレーションのアップスケールタイプ。
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米国セーフウェイの新フォーマットを、
イメージさせ、それとシンクロするような店。
つまり「ニューライフスタイル・タイプ」。
店全体に良くできていて、
デリカテッセン売場、酒売り場が、
フューチャーされている。

インストアベーカリーがあってよかっただろうが、
それには制約があって、
ちょっと面積が足りない。

残念。

あらためて、取材を申し込もう。
月刊『商人舎』への掲載になるだろうか。

いい店を訪れると、
気分は爽快。

雪と霙の池尻大橋だったけれど。

さて、日経新聞『電子版 この1本』に
「時代遅れな『メーカー』という呼称」。
まったくの同感。

「鴻海(ホンハイ)精密工業が受託専業から転換、
自社製品販売で日本勢のライバルに」のニュースが発端。

この会社はEMS/ODM世界最大手企業。
EMSとはElectronics Manufacturing Serviceの略。
「電子機器製造受託サービス」と訳す。
製造業企業から受注した電子機器の受託生産を専門に行なう企業。
従って基本的に自社ブランドでの生産はしない。

ODMはOriginal Design Manufacturerの略。
相手先ブランドによる設計・生産をする企業のこと。
ホンハイは120万人の従業員を持つ。

「ソニーや任天堂などのブランドを持つ顧客企業」と、
EMS/ODM企業が機能分担しているのが実情。

メーカーのなかにも機能分化はすでに起こっている。
それを日経は「時代遅れなメーカーという呼称」と称する。

「コモディティー化が進んだ民生機器では、
ブランドを持つ企業は商品企画のみを手掛け、
それ以降の設計や生産といった業務は、
EMS/ODM企業に任せる」。

「メーカー=作り手」
従来のこの概念は現実とは離れつつある。
「メーカー≠作り手」

小売業の「業態」が分化して、
「フォーマット」となった。
こう理解したほうが、
小売業の実情に合うことと、
酷似している。

もうひとつの日経新聞のニュース。
「アマゾンのネット通販売上高、
日本で最大」

米アマゾン・ドット・コムの2012年12月期、
全社売上高は610億9300万ドル、
現為替レートで約5兆7400億円。
これは日本のイオンやセブン&アイ・ホールディングスを上回る。
伸び率は前年比27%プラス。

日本での売上高は78億ドル(7300億円)。
これは前期比18.6%プラス。

日本をマーケットにしたネット通販企業最大。
もちろんアメリカでも最大で、世界でも最大。

日本小売業界で7300億円の売上高は、
家電チェーンのエディオンの上を行って、第10位。
ちなみにエディオンは、2013年3月期予想で7200億円。

さらに日本国産ネット通販企業では、
2012年12月期売上高は、
2858億円の楽天
が最大。

もっとも楽天は、
通販モールに出店した小売店から得る手数料が、
売上げの中心。

その楽天モール総売上高は、
1兆3000億円
で国内最高。

アマゾンは直接仕入れ販売だから、
楽天とは異なるビジネスモデル。

アマゾンが小売業ならば、
楽天はショッピングセンター。

アマゾンの設立は1995年で、
なんと5000万品目を超える圧倒的品揃え。
日本進出は2000年。

野村総合研究所の調査では、
2012年度の日本国内のネット通販市場は、
もう10兆2000億。
前年度比15.9%プラス。

アマゾン日本の18.6%は、
日本全体の15.9%を凌ぐ。

先週土曜日の日経新聞は、
「セブン&アイなど小売り40社、
ネット通販1兆円」
の記事。

こちらは総合小売業7社、
ヤマダ電機など家電量販店7社、
ファーストリテイリングなどアパレル専門店5社、
千趣会などカタログ・テレビ通販6社、
トータル40社の実績や計画のまとめ。

2012年度合計売上高実績は約8600億円、
2013年度計画は約1兆1200億円。
前年比は前者が23%増、
後者も30%増の見込み。

リアル店舗は伸び悩み、
ネットは成長分野。

40社の総売上高に占めるネット比率、
2012年度3.4%、
2013年度で4~5%。

2013年度ネット販売額最大は、
セブン&アイの約1500億円。
これはなんと5割増し。
イトーヨーカ堂ネットスーパーの営業利益は、
2012年度に約20億円で、1割増。

グループ全体売上高で、
2015年度に5000億円が目標。

その他、三越伊勢丹ホールディングスは早期に200億円、
ヨドバシカメラは13年度に500億円を目指す。

ネット通販は、
「固定費負担が軽く収益性が高い」。
この面でもリアル店舗に比べてメリットがある。

月刊『商人舎』も、融合を目指す。
Kami(紙=リアル・メディア)と、
Ami(網=ネット・メディア)。

さていかなる展開となるか。
お楽しみ、お楽しみ。

私の眼圧は、
極めて良好。

視界は広くて、明るい。

〈結城義晴〉

2013年02月18日(月曜日)

PINK・DAISO心斎橋店のオーソドックス化は由緒ある業態の証拠だ

Everybody! Good Monday!
[2013vol8]

2013年第8週。
2月の第4週で、
来週金曜日には3月。

春はもうすぐ、そこ。

青春の日日は来ずとも春来たる
〈朝日俳壇 山梨県市川三郷町・笠井彰〉

過ぎ去った青春は戻ってこないけれど、
毎年毎年、春は来る。
しかしこんな句もある。

春を待たずいつも行く店廃業す
〈日経俳壇 平川・田口昭子〉

悲しい話。
「いつも行く店」がいい。
中小企業金融円滑化法期限切れの影響か。
さすが日経新聞の俳句欄。

風花を追ひかけてくる日ざしかな

〈朝日俳壇 松原市・加藤あや〉

「風花」は、晴れたときに雪が、
風に舞うようにちらちらと降るさま。
だから「日ざしが追いかけてくる」。

百本の白梅にして一つの香

〈朝日俳壇 島原市・中川萩坊子〉

今、梅見ごろ
桜はもうすぐ。

今週は、そんな日々。

しかし、今日は全国的に雨。
そして二十四節気の「雨水」(うすい)。
『暦便覧』から引用すれば、
「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」。

その雨が一歩一歩、
春が近づきつつあることを教えてくれる。

店の中はもう、ひな祭り一色。
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」
これは今年も効き目のある標語。

その3月3日のひな祭りは、
今年は日曜日。
雛人形を飾りつけるのは、
節分の次の日の立春の2月4日から、
2月24日ごろまでとされる。

それを外すと、
その女の子が、
嫁に行くのが遅れる。

今週はだから、
雛人形飾りつけの「際の勝負」のときでもある。

ひな祭りよりも、
雛人形飾りつけが、
今週の真のテーマとなる。

しかしこんな話題、
いいですね。
平和ですね。

商売繁盛ですね。

日経MJ第5面『みせどころ』に、
DAISO心斎橋店が紹介されている。
七五調の見出しで「華やか色調 女子集う」

昨年12月1日オープンの3フロア990㎡の100円ショップ。
今後のモデル店と位置付けられているが、
「ピンクを基調として内装、
カラフルな独自商品で華やかさを演出」。

1階入り口の「一丁目一番地」の売場には、
季節ごとに商品を変えて、
「シーズンコーナー」が設けられる。

これは世界中のオーソドックスな手法。
ウォルマートもターゲットも、
クローガーもセーフウェイも、
HEBもウェグマンズも、
ホールフーズもトレーダー・ジョーも。

アルディだけは違うけれど。
DAISO心斎橋店、
通路幅は180cm、
陳列棚の高さも180cm。

通路は従来店の2倍に広く、
陳列棚は30㎝高い。

従来はゴンドラを迷路のように異なる向きに配置したが、
心斎橋店では、すべて売場に対して平行に設けた。

「顧客がほしい商品を探しやすいように工夫」とある。
工夫ではなくて、原則的に、オーソドックスに、
変わっている。

㈱大創産業は全国に、
「2600店を展開し、
7万品目の品揃えが強み」。

今しがた、大創社長の矢野博丈さんと、
携帯電話で話したばかりだが、
ダイソーは小売業の歴史上、
伝統ある正統派業態の系譜を引く。

1879年にアメリカでフランク・ウールワースが、
バラエティストアをオープンさせたが、
これがワンコインストアだった。
店名は「The Great Five Cent Store」。
つまり19世紀のアメリカでは5セントストアだった。

その前の業態の登場は、
第1に1852年、フランス、
アリステッド・ブシコーによる百貨店「ボン・マルシェ」誕生。
「良い市場」という意味が転じて、「安く」が店名。

第2に1859年、アメリカ、
ザ・グレート・アメリカン・ティ・カンパニー創業。
この会社の登場は「グロサーズ(総合食品店)」の誕生を意味した。
1869年、通称「A&P」に社名変更。
「ザ・グレート・アトランティック&パシフィック・ティ・カンパニー」。

このグロサリーストアが1930年に業態転換されて、
スーパーマーケットが生まれる。

その後、1893年にシアーズ・ローバック社開業。
ダイソーのワンコインストアは、
総合スーパーのGMSよりも食品スーパーマーケットよりも、
古い歴史を持つ由緒あるビジネスモデルということができる。

そのダイソーがオーソドックスになっている。
私はこの方向性は間違いないと考えている。

やがて現在のアメリカのダラーストアの如く、
1ドル売価以外の商品がどんどん増えていく。
生活ストア、ターゲティングストアとなる。

米国ダラーストアの3強のチェーンストアランキング。
第28位Dollar General。
年商148億0700万ドル(100円換算1兆4807億円)、
伸び率13.6%、店舗数9937店。

第44位Family Dollar。
年商85億4800万ドル(8548億円)、
伸び率8.7%、7023店。
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第60位Dollar Tree。
年商65億3100万ドル(6531億円)、
12.5%、4252店。
20130218192512.jpg
対してDAISO。
年商3415億円(2012年3月期)、
国内に約2680店舗、国外28カ国658店舗。

凄い会社になりつつある。
その意味でも、
DAISO心斎橋店は必見。

もっともピンクの色調の店舗はすでに、
東京・原宿の竹下通りにある。
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心斎橋店は、
12月1日にオープンして、
クリスマスからバレンタインデー、
そしてひな祭りと若い女性をターゲットにして、
意気上がる。

原宿店も、
土日祭日を限らず、
若い女性がわんさか押しかける。

大阪に行けない東京近辺の人は、
原宿竹下通りでも、
このピンク・ダイソーの気分を味わうことができる。

春、来たる。

商売人がそんな気分を先取りせずして、
誰がそれを創り出すのか。

みなさん、今日は雨水です。
もうすぐ、春です。
Good Monday!

〈結城義晴〉

[追伸]
先週末、トップ及び担当者の皆さんに、
ダイレクトメールを発送しました。

商人舎5月の研修会。
①第13回USAベーシック・コース
イン・ラスベガス。
5月14日~20日。

業界内でどのツアーよりもベーシック。
どのツアーよりもオーソドックス。
どのツアーよりも勉強させる。
〈何しろ理解度テストまでする〉
どのツアーよりも情熱がある。
間違いない!


②第3回ミドルマネジメント研修会。

イン・新宿。
5月28・29・30日。
ドラッカー思想をベースに、
これまたオーソドックスなマネジメントを教授。
最新の考え方と偏りのない技術を伝授。

ご参加を呼び掛けます。

2013年02月17日(日曜日)

ジジとサム君と川奈ホテル[日曜版2013vol7]

こんにちは、
ジジです。
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サムくん、
かえってきました。
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サムくんは、
環境ロボット。
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なまゴミをたべてくれます。

おかえりなさい。
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サムくんは、
ぐあいがわるくなって、
病院にはいっていました。
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ひさしぶりです。
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ちょっと、はずかしい。
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でも、なおってよかったね。
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また、ここにくるんでしょう?
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そとはまだ、さむそうです。
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でも、サムくんは、
へいき。
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だまって、
ベランダに、
たってる。
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これからもよろしく。

ところで、
ユウキヨシハルのおとうさん。
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スーパービュー踊り子号。
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伊豆の川奈ホテル。
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まいとし、
2月にいきます。
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あたたかい伊豆のホテル。
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しずかな海。
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朝日がのぼって、
雨にはなりません。
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土曜日のゴルフ。
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おとうさんのたのしみ。
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おとうさんのよろこび。
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すばらしいコース。
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マンゾクしたみたいです。
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カワズ桜もきれいだった。
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梅もうつくしかった。
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すっかり、つかれもとれた。
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おとうさん、
サムくん、
かえってきましたよ。
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みんなで、
なかよく、
春をまちましょう。

〈『ジジの気分』(未刊だけれど、いつか写真集?)より〉

2013年02月16日(土曜日)

日本スーパーマーケットシステムの父・北野祐次逝く

訃報、再び。

北野祐次、逝く。
享年90。

2月12日午前3時46分。
肺炎のため逝去。

関西スーパーマーケット名誉会長、
オール日本スーパーマーケット協会名誉会長。

それよりなにより、
日本の食品スーパーマーケット産業に、
これほど重大な影響を与えた人はいない。

北野さんが創り出した「システム」が、
日本のスーパーマーケット全体に普及し、
それをここまで進化させた。

いや、「システム」の概念を、
悪い意味での職人の世界であったスーパーマーケット業界に、
はじめて定着させたのが北野さんだった。

鮮魚部門を筆頭とする日本の鮮度管理システムは、
間違いなく世界最高峰である。

アメリカやヨーロッパのそれよりも、
はるかに完成度が高く、
世界一厳しい目を持つ日本の消費者に、
満足を与える仕組みは、
北野祐次によって生み出された。

それはまったく、
信じられないほどのイノベーションだった。

私は1977年4月1日に、
㈱商業界に入社し、
『販売革新』編集部に配属された。

そしてすぐに関西スーパーに取材に出かけ、
当時の北野祐次社長に面会した。

とにかく何でも公開して、
包み隠さず教えてくれた。

翌1978年の初めに、私は、
「関西スーパー1週間研修」を体験した。

伝説の店「関西スーパー広田店」がオープンした直後で、
この店は日本中のスーパーマーケットのモデルだった。

私はそのモデル店で、
1日ずつ、青果・鮮魚・精肉・グロサリーの4部門を学び、
さらに店長実務の研修を受け、取材をし、
『販売革新』誌に、連載特集を書いた。

大ヒットした。
それがもととなって別冊『関西スーパースタディ』が生まれた。
これは日本のスーパーマーケットの教科書になった。

そしてこれが、私の原体験となった。
結城義晴に、
スーパーマーケット応援団となる決意をさせた。

北野さんは大正13年の生まれ。
20歳で徴兵され、幹部候補生となる。
しかし終戦。
戦後、すぐに国鉄に入る。
北野さんの仕事の体験はここから始まる。
本当によく働いた。

その後、結婚し、国鉄を辞め、
鰹節の卸売の商いに転職。

その取引先がスーパーマーケットだった。

北野さんは卸売業の掛け売りの苦しさを味わっていた。
その売掛金を回収に行った先で、
スーパーマーケットを目撃した。
福岡県小倉の丸和フードセンターだった。

スーパーマーケットでは、
顧客がわざわざ現金で買い物に来てくれる。
セルフサービス方式で自分で買って帰ってくれる。

衝撃を受けた北野さんは、
自分もスーパーマーケットを起業する。
1959年(昭和34年)12月のことだった。

最初は苦労の連続だった。

しかし活路を求めて、1967年(昭和42年)、
初めてハワイに赴く。

「タイムズ」という店の店長に言われた。
「食べるものだけ売るのが、
スーパーマーケットだよ」  

これが、北野さんの原点となった。
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「今晩のおかず屋」というわかりやすいコンセプトも、
ここから導き出された。

コンセプトが固まれば、
あとはシステムづくりに邁進するだけ。

それが「関西スーパー・システム」となった。

私は2009年の夏、
北野さんにインタビューした。

北野さんは、
スーパーマーケットへの「愛」を、
語ってくれた。
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スーパーマーケットを語れば語るほど、
北野さんは元気になっていった。
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「最後は『人』です。
その人の『和』です」
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北野さんはそう言って、
大きな額の書を、指さした。

私たちは並んで写真を撮った。
22

その後、2010年2月19日、
関西スーパー創業50周年感謝の集いが、
開催された。

私は記念講演をした。
「スーパーマーケットの100年を考える」

記念式典の後の懇親会の冒頭で、
北野さんはご挨拶をされた。
7
それが最後の公のスピーチとなった。

今は、静かにご冥福を祈りたい。

「日本のスーパーマーケットは、
大丈夫ですよ。
立派な産業として、
現代化を果たします。
関西スーパーも井上保社長を中心に、
北野さんの遺志を継ぎますよ。
みんなで応援しますよ。
安らかにお眠り下さい」

合掌。

〈結城義晴〉

2013年02月15日(金曜日)

オンワード馬場彰「人生不如意十常八九」とトレードショー交友録

今朝の日経MJ『マーケティングスキル』欄に、
寄稿しました。
「エクスプレス店、世界で拡大」
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Express Storeの現状と、
その4つの特徴、そして課題。
私なりの見解。

詳しくは記事を読んでください。

一方、日経新聞本紙の『私の履歴書』。
オンワードホールディングス名誉顧問の馬場彰さんが、
毎日書いていて、面白い。

先月の作家・渡辺淳一よりも、
断然いい。
今日はその馬場さんの人生のハイライトのひとつ。

オンワード樫山に入社し、
1970年に部長、72年に取締役とトントン拍子で、
「昇進の階段を駆け上った」。

そして38歳のとき、樫山純三社長から、
「次期社長を引き受けてほしい」との内示。

9人の取締役会で末席だった。

この時、馬場さんの父上が贈った書には、
この言葉が書かれていた。
「人生不如意十常八九」
人生は十のうち八か九は、
思い通りにならないのが常である。

現在も馬場さんの座右の銘となっている。

「最悪を覚悟して最善を尽くす」

ある意味で、ここに通ずる。

さて日経尽くしだが、
日経Web版の『ソーシャルメディアの歩き方』。
ブロガーの藤代裕之さんが、昨日の日付で書いている。
「ネット選挙解禁で問われる政治家の『情報発信力』」
藤代さんは立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了。

日本でも「インターネット選挙」が始まる。
与野党11党が一昨日の2月13日、
ネットを利用した選挙活動を解禁する方針で合意。

実質的には、
今夏の参院選から、
がらりと選挙戦が変わる。

安倍晋三首相はフェイスブックで情報発信しつつ、
ネット選挙の解禁に積極的。

首相就任後に新経済連盟代表理事の三木谷浩史・楽天社長に、
「次の選挙までに解禁する」と約束。

今後は、「ネットで情報発信ができる政治家と、
できない政治家との差が大きく出てくる」。

政治家の「情報発信力」が問われるが、
これは政治家だけではない。
店や企業、実務家にも当てはまる。

ネットによる情報発信

商人舎も4月に「KamiとAmiの融合」を図って発刊する。
Monthly Magazine 商人舎

今日まで行われているスーパーマーケットトレードショーでも、
展示ブースがいいだけでは人は集まらない。

ネットやペーパーによる情報発信と連動して、
人々が寄ってくる。

そんな時代の波が、
とうとう選挙にまで及んでくる。

さて昨日は、
スーパーマーケット・トレードショー2日目。
私は午後、会場視察とレセプションパーティへ。

会場のビッグサイト入口で、
㈱ハローデイ社長の鍛冶敬通さんとバッタリ。
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久々の対面に、二人で握りこぶし。

東館2棟を借りきっての会場は、
今日も来場者でいっぱい。
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すぐに川野幸夫さんと遭遇。
日本スーパーマーケット協会会長、
㈱ヤオコー社長。
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いつものように、
入口に最大面積で出展するTERAOKAブースから視察。
テーマは「チェックアウト・レボリューション4.0」
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㈱寺岡精工常務の山本宏輔さん。
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㈱九州テラオカ社長の川越純一さん(中)と、
営業推進企画部シニアアーキテクトの三木桂さん。
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大川水産㈱社長の大川三敏さんも、
テラオカブースを視察。
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大川さんは立教大学大学院修了生で、
私の講義をしっかりと履修してくれた。

パナソニックES産機システムのブース。
高さ1800の冷蔵ケースが今年の提案。
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丁寧に説明してくれたのがコンシェルジェ担当の阿久澤光明さん。
マーケティングプロモーショングループマネジャー。
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社長の柴田康祐さん。
頑張っている。
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大崎公司さん(中)、阿久澤さんと。
食品流通第1グループ営業第1チームシニアアドバイザー。
大崎さんは、今年の商人舎年賀状を宝物にしてくれている。
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㈱折兼社長の伊藤崇雄さん(中)と秋田豊晴さん。
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折兼は容器包装商社。
2種類の食品が楽しめるコンビパックが一押し商品。
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オカムラのブース。
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大高愛一郎さんに遭遇。
現在、三井物産㈱勤務。
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コーネル・ジャパン第1期の事務局長で、
私が信頼する人物。
我々の後ろでは川野幸夫さんと
ヨークベニマル社長の大高善興さんが話しこんでいた。

オカムラはLED冷蔵ケースが一押し。
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フェイスブック仲間の南都隆道さん。
下仁田納豆社長。
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菓子グループのNSグループブース。
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私の左隣りは㈱外林社長の佐藤治男さん、
右隣は㈱アイワ・フィット社長の花森清重さん。
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後は左が㈱エヌエスの今西二郎さんと
右が大本高広さん。

高さを活かしたブースは㈱高山。
専務の高山時光さんと。
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ふっくら揚げの実演。
できたてのは揚げせんは、
おいしかった。
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スーパーマーケットのライブ販売で、
人気を博している。

アイリスオーヤマも出展。
力を入れるLED照明をプレゼン。
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日進工業のブース。
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辛島修治社長の顔は見えず、残念。

酒問屋の徳岡のブース。
海外からの来場者も多かった。
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三菱食品の巨大なブース。
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フリーデンのブース前で。
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流通科学大学理事長の中内潤さん
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学生たちが研究しているベトナム流通を報告。

その並びには書籍販売コーナー。
私の本籍地、商業界も出展。
この日は石川尚さんが仕切っていた。
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北辰商事㈱副社長の太田順康さんとばったり。
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ロヂャースの弁当が特別賞を受賞したと聞き、
すぐに「お弁当・お惣菜大賞2013」コーナーへ。
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事務局特別賞。
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ありました。
ロヂャースのお弁当。
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何と、焼きそばもパスタも100円。
そして、このボリューム。
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ロヂャースらしい商品だ。

㈱リブネット取締役の竹内憲太郎さん。
コーネル・ジャパン伝説の1期生。
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プログレス・デザインのブースで、
㈱リウボウストア社長の茂木正徳さん(右)と、
プログレス代表の西川清さん。
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西川さんはスーパーマーケットの店舗設計の若手第一人者。

茂木さんは商人舎のアメリカ視察で団長を務めてくれた。
今年こそぜひ、沖縄で会いたいものだ。

イシダのブースもよく人が入っている。
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私の右隣は㈱イシダアイテス会長の吉岡典生さん。
その横は笠井剛さん。
㈱イシダマーケティング商品企画室長。
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左は私の相棒・松井康彦さん。
商人舎エグゼクティブ・プロデューサー、アドパイン代表。

夕方、㈱阪食社長の千野和利さんと出会って、
通路で思わず話しこんでしまった。
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サミット㈱常務執行役員の服部哲也さん
コーネル・ジャパン第1期生でフェイスブック仲間。
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久々に会ったが、フェイスブックをしているとそんな気がしない。

日本製粉㈱執行役員営業企画部長の内田宗司さん。
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そしてこんな人たちとも遭遇。
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元横綱大乃国の芝田山親方。
いまでも現役の弟子たちより大きい。

2日目は6時からレセプションパーティが開かれる。
水戸の着物美人が入り口で出迎えてくれた。
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初めに実行委員長の横山清さんのあいさつ。
新日本スーパーマーケット協会会長、
㈱アークス社長。
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早速、報道記者たちがカメラを掲げて駆け寄る。
横山さんのあいさつは的確に現況認識を示し、
そのうえでトレードショーの意義を語って、
とても良かった。
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乾杯は、今年も川野幸夫さん
日本スーパーマーケット協会会長。
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そして懇親。
㈱マルト社長の安島浩さん
マルトは今年50周年を迎えた。
2月28日には記念式典が行われる。
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その安島さんのご子息の英城くん。
このとき、成田に到着したという報が入った。

英城くんは2年のカンザス州立大学留学と、
1年間の米国スーパーマーケット研修を終えて帰国した。
安島さんも安堵しただろうし、本当にうれしそうだった。

㈱紀伊国屋ファウンダーの増井徳太郎さん
増井さんの笑顔を見るとなぜか、私もうれしくなる。
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㈱プラネット会長の玉生弘昌さん
一般社団法人流通問題研究協会会長。
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スーパーマーケットの会合でも毎回、
お会いするようになった。

独立行政法人産業技術総合研究所理事の河津司さん。
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コーネル・ジャパン伝説の1期生にして、その講師。

コーネル・ジャパンの教え子たちもたくさん参加していた。

㈱ショッピングセンター丸正総本店専務の飯塚正彦さん
伝説の1期生。
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㈱成城石井社長の原和彦さん
奇跡の第2期生。
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同じく2期生の花牟礼真一さん
現在はアークス社長室長。
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㈱いかりスーパーマーケット社長の行光恒夫さん
実行の3期生。
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実行委員の皆さんと。
左から、㈱あおき会長の青木巌さん
九州電力㈱監査役の村山紘一さん
そして実行副委員長の太田順康さん。
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そしてこの人、清水信次さん
日本チェーンストア協会会長、
国民生活産業・消費者団体連合会(生団連)会長、
㈱ライフコーポレーション会長。
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清水さんには、4月創刊の月刊『商人舎』第1号で、
ご登場いただくことになった。
今からインタビューが楽しみだ。

㈱東北シジシー会長の遠藤須美夫さん
㈱ベルプラス会長。
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遠藤さんはシジシージャパンの重鎮にして、その頭脳。
1月に東北シジシー賀詞交歓会で、
記念講演をさせていただいた。

「結城さんの話は実務とアカデミズムが融合して、
本当に良かった」と、
あらためて褒めてくださった。

遠藤さんに褒められるのは、
妙にうれしい。

トレードショー実行副委員の三科雅嗣さん
㈱いちやまマート社長。
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私と同年の還暦。

その三科さんが中締め。
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見事に決まった。

最後に、横山清さんとじっくりと話しこんだ。
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横山さんと写真を撮ろうとしたら横から「私も」の声。
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遠藤さんが加わり、
三人で記念の写真。
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そして、㈱静鉄ストア社長の望月広愛さんとも。
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でも、交友録の最後を飾るのは、
この写真。
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あぁ、楽しかった。
あぁ、疲れた。

「人生不如意十常八九」
人生とはこんなものだから、
そのための心構えも必須だし、
楽しむことももちろん必要。

私はケセラセラの気分も持つし、
絶対に譲らないことには執着もする。

その按配が大切だと思う。

「最悪を覚悟して、最善を尽くす」
それが私の人生だ。

みなさん、ありがとう。

〈結城義晴〉

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