3月2日。
明日はひな祭り。
売場はどの店も、
桃の節句一色。
春ですね。
さて今日から、
ワールドベースボールクラシック(WBC)開幕。
日本代表は三連覇を視野に入れる。
ナショナリズムを煽り立てることもできるだろうが、
野球ファンにとっては「球春」がいち早くやってくる。
今日から水曜日6日までが一次ラウンド。
日本はブラジル、キューバ、中国と闘って、
2番手までが二次ラウンド。
それが8日から12日まで。
WBCには16カ国が参加。
一次ラウンドは、4カ所に分かれて行われる。
福岡、台中(台湾)、サンフアン(プエルトリコ)、フェニックス(米国)。
上位2カ国が東京とアメリカのマイアミで二次ラウンド。
日本チームは一次が福岡、二次は東京。
地元で試合をするのだから、
これは盛り上がる。
そして決勝ラウンドが17日から19日まで。
こちらはアメリカ・サンフランシスコで開催される。
一方、春の甲子園大会は3月22日から13日間。
第85回選抜高校野球大会。
プロ野球はセパ両リーグともに、
3月29日金曜日開幕。
だから甲子園の最後のピークと、
プロ野球開幕が重なって、
野球ファンには堪えられない春が展開される。
その先駆けが、今夜のWBC。
野球ファンは大いに楽しみたい。
それを商売に結び付けることも、
積極的に試みたい。
さて、来年4月の消費税増税に対して、
最初の動き。
それは全国の生活協同組合。
日経新聞の昨日の記事。
プライベートブランドの主力商品において、
消費税込みの販売価格を、
消費増税後も据え置く。
そのために日本生活協同組合連合会(日生協)が、
供給しているコープブランドの卸値を約5%引き下げる。
それを原資として各生協が消費増税後も、
増税前と同じ価格で提供する。
消費税の問題のひとつは、
「総額表示」の義務付けにある。
つまりは内税方式。
2004年から、これが義務付けられた。
私はそれを外税にすべきだと思う。
納税者にも税を納めていることを、
しっかり認識してもらって、
むしろ納税の義務を果たす行為に、
誇りを持ってもらうのがいいと思う。
それを生協が増税が正式決定する前から、
据え置きと発表するのは、
消費税対策を産業レベルで考え、対応することに対して、
なし崩し行為となる。
据え置き対象は、
「コープベーシック」310品目。
コープブランド約3800品目は年商4100億円。
ベーシックは500億円。
ちなみに全国の生協の年間売上高は3兆3000億円。
シジシージャパングループが4兆円を超えるから、
総年商では、イオン、セブン&アイ・ホールディングス、
そしてCGCの次に位置づけられる。
政府が軽減税率を導入しそうもないから、
「生協が自らそれをやろう」といった意図もあるのだろうが、
私はこの時期に、困った独断専行だと思う。
軽減税率とは、商品を「生活必需品と贅沢品」とに区分けし、
それを非課税にしたり、低税率にする方式。
当然、ベーシックな食料品はその筆頭になる。
生協は生協らしい考え方で、
自らコープベーシックを軽減税率化しようというのだろう。
セブン&アイの鈴木敏文会長は、
「増税分はそのまま転嫁できない」と発言しているが、
この「生協に追随する動き」が出る可能性があると、
日経新聞は書く。
しかしこれが大勢を占めるとなると、
「三方1%損」となりかねない。
大岡政談の「三方一両損」はよくできた話だが、
消費増税の三方損は、
製造業、卸売業、小売業。
それぞれが1%ずつ損をして、
増税前と同じ値段にする。
これを私は「三方1%損」と呼ぶ。
しかしそんなことを続けていたら、
消費税率が10%、15%、20%と上がって行った場合、
「三方3%損」から「三方5%損」まで、
エスカレートしていくことになる。
私は基本的に外税にして、
一般消費税を納めるという義務を、
国民に明確に意識しつつ、
誇りにしてもらうことが筋だと思う。
社会保障・税一体改革関連法案の趣旨を、
あくまで貫くためにもそれは必要だ。
小売業や卸売業、製造業は、
税とは関係なく、日常的にそれぞれの努力でコスト削減をし、
それを顧客に還元する。
こちらはこちらで、
正々堂々の競争をすればいい。
消費増税に絡めて、
「自分だけ、あるいは自分が最初に」という根性は、
よろしくないと考えるが、いかが?
球春に胸躍る3月。
水を差す行為は、ふさわしくない。
〈結城義晴〉