本当に春めいてきた。
今日は二十四節気の「啓蟄」。
「けいちつ」と読む。
「啓」は「ひらく」という意味、
「蟄」は「虫が土中で冬籠りすること」。
従って「啓蟄」は、虫の冬籠りが明けること。
『暦便覧』はこう記す。
「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、
穴をひらき出ればなり」。
花粉症さえなければ、
これからの季節は、ほんとうにいい。
さて、米国の雑誌『Forbes』。
3月4日に恒例の2013年版世界長者番付を発表。
日本人トップのファーストリテイリング柳井正さんが、
第66位で133億ドル(100円換算で1兆3300億円)。
これが各所で大きく報じられた。
前年の88位から大きく躍進。
しかし柳井さんと同業の世界のファッション関係者は、
スペインのZARA創始者のアマンシオ・オルテガが、
第3位で570億ドル。
スウェーデンH&Mのステファン・パーションが、
第12位の280億ドル。
小売業では、ウォルマート関係者が上位を席捲。
第11位、クリスティ・ウォルトン282億ドル、
第14位、ジム・ウォルトン267億ドル、
第16位、アリス・ウォルトン263億ドル、
第17位、 ロブソン・ウォルトン261億ドル。
サム・ウォルトンの子供たちが、合計1073億ドルで、
第1位のメキシコ人カルロス・スリムの730億ドル、
第2位、マイクロソフトのビル・ゲイツ670億ドルを上回って、
断トツの一番。
サム・ウォルトンは1992年に亡くなっているが、
相変わらず第1位に君臨している。
10億ドル以上の億万長者の数を国別にみると、
米国は17人増の442人、
中国は27人増の122人。
ロシア110人(前年96人)、
ドイツ58人(前年55人)、
イギリス37人(前年37人)、
台湾26人(前年24人)、
韓国24人(前年20人)、
フランス24人(前年16人)、
そして日本は2人減の22人。
私自身は別世界過ぎて、
あまり悔しいとは思わないが、
日本は9番目となっている。
日本の100位以内のランクインは、
第66位の柳井正さん。
ファーストリテイリング会長兼社長、資産は133億ドル。
以下、第128位、孫正義さん(ソフトバンク創業者)86億ドル。
第215位、三木谷浩史さん(楽天社長)56億ドル。
小売業だけ拾ってみると、
第527位、伊藤雅俊(セブン&アイ・ホールディングス名誉会長)27億ドル。
第641位、三木正浩(ABCマート創業者)23億ドル、
第1342位、似鳥昭雄(ニトリ創業者)10億ドル。
同、安田隆夫(ドン・キホーテ会長)10億ドル。
小売業では10億ドル以上が5人。
これはちょっとさみしい。
さて、この億万長者のニュースに対して、
一般庶民の賃上げの報道。
日経新聞。
セブン&アイ・ホールディングスが、
5万3500人の社員の「賃金を引き上げ」を発表。
UAゼンセンに属する労組の要求に満額回答、
イトーヨーカ堂やそごう・西武などはベースアップも実施。
ヨーカ堂は組合員平均(41歳)の給与を、
5229円アップさせる。
前年比1.5%プラス。
内訳は定期昇給が4322円(1.24%)、
ベースアップ分が907円(0.26%)。
子育て中の社員には「子女手当」を増額支給、
子供がいる35歳の社員の給与は2%アップする。
鈴木敏文会長のコメント。
「景気回復効果が流通業に回るまで2~3年かかるので、
こちらから働き掛ける」
これには拍手。
先にローソン新浪剛史社長が、
社員年収3%引き上げを表明したが、
これは賞与によるアップ。
しかしセブンの賃上げは以後も続くし、
最終的には退職金にもつながる。
労働組合としては賃上げを評価する。
さらに今日、甘利明経済再生相が異例の発言。
「ローソン、セブンイレブン、
次はファミマという風に期待している」。
日経の記事では、
第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストが試算する。
「賃金が1%上がると、
個人消費は0.54%押し上げられる」
コンビニエンスストアは、
フランチャイズチェーンであるから、
賃上げといっても本部社員を対象とする。
多くの加盟店のオーナーや、
そこで働く従業員が実質的に所得が上がることこそ、
日本経済に貢献するものだろう。
億万長者と比べるとささやかなものだが、
それでも給料が上がれば希望も湧いてくる。
小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。
これが生きる活力となる。
ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ。
今月の標語。
東日本大震災だけでなく、
日本国民一人ひとりの所得が増えねば、
本格的な消費の活性化はないと考えるが、
いかが。
さて昨日から商人舎に来客が続々。
まず、アイダスグループ代表・鈴木國朗さん。
ご存知、スーパーマーケットコンサルティング第一人者の一人。
特にプロモーションとプレゼンテーションには定評があって、
㈱商業界時代、私は何度も鈴木さんの別冊号や単行本をつくった。
その鈴木さんと、
Webコンサルタントの猪股信吾さん(私の隣)。
そして商人舎チーフエディターの渋木克久。
ホームページやウェブサイトの活性化について議論した。
今日は、宝酒造㈱のお二人。
新野裕司さん(酒類事業本部流通推進部長、右)と、
井上善能さん(同副部長)。
7月11日、12日に京都で講演をします。
それから㈱紀文食品のみなさん。
営業推進室営業販促部部長の福本篤英さん(右)、
執行役員社長室副室長の山本真砂美さん、
そして㈱豊珠興産LSI事業部チーフマネジャーの中尾崇司さん。
営業活動の相談と、
9月4日、5日の「紀文正月フォーラム」の打ち合わせ。
もう夏や秋のプランをつくり、
その実行について検討している。
仕事は早仕掛け、そして、
ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
啓蟄の2週間後には、
3月20日の春分が待っている。
〈結城義晴〉