結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年03月21日(木曜日)

5・31「ハーバード・リテール教室」と「俺の株式会社」業界への逆行

横浜商人舎オフィスの裏の遊歩道。
日当たり良好。
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桜が満開。

その桜の花を小鳥がついばむ。
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なんというか、
のどか。

今日はその商人舎オフィスに来客多数。
午前中は杉山潮さん。
イオンリテールワーカーズユニオン中央執行局次長。
来週のアメリカ研修会の打ち合わせ。

「しゃしん忘るべからず」
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その写真撮影を忘れた。
ゴメン。

午後は、まず、
㈱プログレスデザインのおふたり。
代表取締役の西川隆さんと、
ゼネラルマネージャーの福田真由美さん。
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私とジジのポートレートをプレゼントしてくれて、
感激。

ありがとうございました。

業界トレンドなどの情報交換をし、
香港のスーパーマーケット事情を教授いただき、
さらにプログレスデザインの経営戦略を語り合い、
そして『商人舎Magazine』へのご協力をお願いした。

西川さんとプログレスの仕事は、
着実に成果をあげている。

私が掲げる小売業の『ポジショニング戦略』に、
絶対に欠かせない要件を、
プログレスが提供してくれる。

「店づくり」の専門集団。
それも飛び切りのスペシャリスト揃い。

西川さんの連載、
ご期待ください。

入れ替わるように、
㈱ゴードン・ブラザーズ・ジャパンのおふたり。
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代表取締役社長・CEOの増田春彦さん(右)と、
管理部総務人事グループ・マネージャーの石井麗さん。

最終決定しました。
「Retail Seminar 2013」
在庫と小売を科学する

ハーバード・ビジネススクールのアナンス・ラーマン教授を迎えて、
小売業トップ向けのセミナーを開催。
私流に通称すれば、
「ハーバード・リテール教室」

ラーマン先生は、
リテール・ビジネスの第一人者。
専門はサプライチェーンマネジメント、
オペレーショナルマネジメント、
インベントリーコントロール。

基調講演は、そのラーマン教授。
「リテール・サプライチェーンとインベントリー」

次に、矢ヶ﨑健一郎さん。
㈱ジョイフル本田代表取締役社長。
「ジョイフル本田の在庫・物流戦略について」
矢ケ﨑さんは東京大学法学部卒業、
ハーバード・ビジネススクールMBA取得。

三番手が、結城義晴。
「日米チェーンストアの最新動向とポジショニング戦略」
ご存知、㈱商人舎代表取締役社長、
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授。

四番手は、ゴードン・ブラザーズ・ヨーロッパのニック・テイラーさん。
「欧米における余剰在庫問題解決手法の発展と現状」

最後にラーマン教授への質疑応答がある。

無料の「ハーバード・リテール教室」
主催はゴードン・ブラザーズ・ジャパン。

現在、ご招待者を厳選しつつ、
パンフレット発送準備中。

5月31日金曜日、
帝国ホテル本館鶴の間。

ご期待ください。

もちろん内容に関しては、
このブログや月刊『商人舎』で、
ご報告します。

さて、今朝の日経新聞『国際』欄「Voice」。
ドイツのBMWノーベルト・ライトホファー社長の発言。
「流れに逆らう決断が必要だ」
ミュンヘンの松崎雄典記者が報告。

BMWは、高級車販売台数、世界首位。

私もそのオーナーの端くれだが、
いちばんささやかな車種に乗っている。

ライトホファー社長が表明したのは、
今年度は「利益を追わない意向」

2013年12月期も増益の維持は可能。
しかし「新型モデルの開発」に投資して、
利益は前期の横ばいの計画。

利益追求ばかりの世界の自動車業界。
そのなかで、異色の決定を下すことが、
「主流の上を行く『高級』」のポジショニングを維持するために必要。

電気自動車「BMWi3」を今年末に発売。
環境に良いとともに、加速力を備える。
それが「高級感」を保つコンセプトとなった。

「流れに逆らう決断」
これはウォルマート創業者のサム・ウォルトンと同じ。

サムは言い残している。
“Swim upstream!”
上流に向かって泳げ。
つまり、世間に逆行せよ。

ノーベルト・ライトホファーと同じ。

一方、日経新聞3月18日の『経営の視点』。
「外食揺さぶる『俺の』革命」
編集委員の中村直文さんが書く。

「不振が続く外食業界」の「型破り企業」。
俺の株式会社。
経営はVALUE CREATE株式会社。

2011年9月、1号店を開業。
現在、14店。
低価格の高級割烹店もある。

店舗バナーは「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」、
それに「俺のやきとり」「俺の焼き肉」「俺の割烹」など。
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出店立地は東京の銀座や新橋、神谷町付近。
「低価格で高級メニュー」を提供するのが特徴。
イタリアンやフレンチは、
フォアグラやキャビアなど、
贅沢な素材をふんだんに使ったメニュー、
それが一皿980円などで提供される。
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一流レストランの3分の1ほどの値段。
内容は一流レストランに負けない。

平日から行列ができ、
1カ月後の予約も即日満杯となる。

社長は坂本孝さん。
ブックオフコーポレーション創業者として有名。
再販制度にがんじがらめの書籍流通に、
業界に逆行して風穴を開けた。

坂本さんは外食市場に参入して、
「不況を打破する条件」を熟考。

「ミシュランガイドに載るような腕のいい料理人と
質の高いメニューを持つ店は客足が途絶えない。
家庭やネットで手に入らないからだ。
それに人気の立ち飲み店の要素を加えてみた」

いちばんの政策は原価率の低下。
外食業界では原材料の仕入れコストを通常、
売上高の3~4割に設定する。

「俺の」シリーズは原価率6割を目安とする。

そのうえで、第2に料理人は、
ミシュランガイドに載る有名レストラン出身のシェフばかり。
メニューづくりもすべて、これらのシェフ任せ。

第3に、「立ち食い中心」の提供方法。
客の回転が速い。

まさしく薄利多売の原則。

第4は、まずは銀座周辺への集中出店のチェーンストア方式。
だから高級食材の店間融通が可能となった。

「開業2カ月以上の店はすべて黒字」。
だから今後も出店を加速する予定。

坂本さんは意気軒高。
「業界の常識は分からないことが功を奏した。
株式上場も目指す」

私は㈱商業界の千葉哲幸さんから、もう1年も前に、
この会社のことを教えてもらった。

千葉編集で発刊された『俺のイタリアン、俺のフレンチ』、
坂本孝著、㈱商業界刊。

外食産業の原価率6割。
これからはやるに違いない。

しかしこの商法。
業界に逆行するとともに、
歴史的に見れば、実は、
インベーションの定石。

アリステッド・ブシコーの百貨店ボン・マルシェから、
マイケル・カレンのスーパーマーケット、
ハリー・カニンガムのKマート。
サム・ウォルトンのウォルマート、
中内功のダイエーや柳井正のユニクロも、

初期の頃はこの定石を使った。

結城義晴の『商人舎Magazine』も、
実はこの考え方を採用している。

業界に逆行し、
薄利多売を貫く。

その根底にはローコスト・オペレーションが、
なくてはならない。

〈結城義晴〉

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