結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年03月26日(火曜日)

立教大学院学位授与式と「言葉で仕事・言葉で思索・言葉で成長」

朝と晩、通う道。
そこに咲く満開の桜。
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何気なく楽しませてくれる。
時にはハッと感動させてくれる。

花冷えの今日も。

「ありがとう」
桜の木に、そう言葉をかけた。

いつも通う川沿い。
ここにも桜が満開。

鳩が三羽、止まって、
桜を楽しむ。
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鳩には「ご苦労さん」
声をかけた。

今日は朝から、
東京・大門。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱。
通称CCLの月例の取締役会。

次々に問題は発生する。
米倉裕之社長以下、
合理的に、的確に、民主的に、
その問題を解決していく。

気持ちがいいほど。

㈱プラネット会長の玉生弘昌さんと、
ランチミーティングして、
横浜・商人舎オフィスに戻る。

そして訪問者、お二人。
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新妻健治さん(右)と福本良介さん。
新妻さんは、UAゼンセン流通部会副部会長、
イオングループ労働組合連合会会長。
福本さんは同流通部門執行委員、
総務・財政部長。

新妻さんは、労働界きっての理論家。
しかも小売流通業にも精通していて、
私は「日本商業の現代化」に欠かせない人物だと考えている。

そのUAゼンセン流通部会で、
4月下旬に、講演する。
その打ち合わせ。

新妻さん、福本さんとは、
もっともっと議論したかった。

月刊『商人舎』と『商人舎Magazine』で、
いずれたっぷりやりましょう。

昨日は、立教大学池袋キャンパス。
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大学院の学位授与式が挙行された。

小雨模様のキャンパスには夜桜。
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タッカーホール壇上には、
聖歌隊と総長をはじめとする首脳陣。
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吉岡知哉総長は法学部政治学科教授でもある。
立教大学の理念「リベラル・アーツ」を語った。
「知性、感性、そして身体の全人格的バランス」を最重視するもので、
これが1874年の創立以来の理念。

リベラル・アーツ教育が目指すのは、
「教養ある専門人の育成」ではなく、
「専門性に立つ教養人の育成」である。

「私の位置は何か、
私は何をするために、
ここにいるのか」

吉岡総長は問いかける。

「そのためには自由がなければならない」

「東日本大震災と福島原発の事故のあと、
私たちは自由を忘却してきたのか、
自由を放棄してきたのか、
そもそも自由でなかったのか」

大学院を修了する者だけでなく、
この学位授与式に参列した者全員に、
問いかける言葉だった。
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式典が終ってから、
ビジネスデザイン研究科結城ゼミ第4期生と、
写真。
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みんな、おめでとう。

私は1年間一緒に研究してきて、
彼らの修了の雄姿をこの目に収めておきたかった。

その後、学位記授与が行われ、
さらに第一食堂で懇親会。

ここで、結城ゼミ全員が揃った。
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右から、大塚英里、
香川耕太郎、
武藤麻代、
松井亮一、
内田憲一郎。

素晴らしい1年だった。
素晴らしい研究だった。

いずれも、
「専門性に立つ教養人」となった。

心から、おめでとう。

さらに二次会。
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結城ゼミに、
亀川ゼミ、高岡ゼミのメンバーも加わって、
最終電車近くまで盛り上がった。

特に堀田直樹さん、
優秀論文賞、
ほんとうにおめでとう。

さて、論文と言えば、言葉。

『ほぼ日刊イトイ新聞』の巻頭言は、
「今日のダーリン」。
糸井重里が自ら、
毎日書いている。

「『ことば』を発せずにできることのほうに、
さまざまなサービスは
向ってきたような気がします。

自動販売機もどんどん増えて、
さまざまな無言のままで済むしくみが発達してました。
なにもしゃべらないまま、一日暮らせてしまいます。
他人に対して、どこの誰かわからないようにして
匿名のままで、かなりなんでもできてしまいます」

しかし自動販売機だけでなく、
インターネットやソーシャルネットワークが発達した。

「ネットの世界では、声帯を使わず、
タイピングだけでいくらでもおしゃべりができますから、
頭や、目や指は、『ことば』を使ってますね」

「そうか‥‥
声がいらなくなってきたのかな?

声って、肉声というくらいで、
身体と、分けられないくらいに関わっています」
タイピングした『ことば』は、身体的ではなく記号です。
声と声で『ことば』をやりとりするって、
ちょびっとずつでも、身体を感じあってるんですねー」

ネット販売は別にして、
小売業、サービス業は、
肉声をもとにお客様と接する。

私はネットでブログを書いて、
主張を発信しているが、
肉声の講演をとても大切にしている。

「そういえば、ぼくは、声でじぶんの体調を確かめます。
いい声、確かな声は、受けとめるほうにも快感があるし、
うまく声が出ていないときには、
伝えたい『ことば』も、届きにくくなっています。
声って、出してないと出なくなるものなんだよなぁ」

毎日、店に立つ。
商売をする。

会社で会議をする。
ミーティングをする。

言葉と声は、
知識商人にとって、
とても大切な商売道具だ。

最後に、結城義晴著『メッセージ』より、
「言葉」。

瞬間、言葉を失う。
言語シンドロームか。
会話イップスか。

言いたいことが言えない。
私にもある。
だからこれは許そう。

しかし、商売に言葉は欠かせない。
仕事に専門用語は不可欠だ。
取り引き・取り組みに会話の手はぬけない。

難しいけれど、それでしか表わせない深い意味。
そのまま英語だが、新しい魅力的な概念を込めた用語。
記号だけれど、何度も使うに便利なもの。

商品という単語。
売場という文章。
店という思想。

半面、疲れ果てた古い言葉。
心のこもらない接客七大用語。
口先だけのマニュアル常套句。

独り善がりのひけらかし修飾語。
売り言葉に買い言葉。
体系のない借りもののカタカナ羅列語。

はじめに言葉あり
言葉は神とともにあり
言葉はすなわち神なりき
(ヨハネ福音書)

言葉で仕事し、
言葉で思索し、
言葉で成長する。

新人諸君、先輩諸氏。
社長も部長も店長も。
モノ言わぬ者は、去れ。

評論家も、コンサルタントも。
識者も、学者も、編集者も。
考えぬ者は滅びることを知れ。

桜にも、鳩にも、
言葉をかけてあげよう。
それが春の人間の仁義です。

もちろん、同じようにお客様にも。
それが春の商人の仁義です。

〈結城義晴〉

 

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