結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年03月24日(日曜日)

ジジと花見ごろ[日曜版2013vol12]

ジジです。
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そとはサクラの花が満開。
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花見ごろです。
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でも、「花冷え」です。

ひるまのサクラ。
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夜のサクラ。
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ユウキヨシハルのおとうさん、
夜桜がすきです。
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かがやくほどに、
うつくしい。
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ボクは家のなかにいます。
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だから、みられません。
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公園のサクラ。
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満開です。
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ボクも、みたい。
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ボクも、いきたい。
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花冷えだけど。
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ハトもサクラの木に、
とまってる。
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まあ、ボクは、
フォトでがまんします。
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そとは、にがてだから。
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サクラの花。
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ネストのかたまり。
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みていたら、
なんだか、かゆくなてきた。
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サクラの木のした。
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空にむかって。
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ボクも、花粉症?
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でも、ことしは、
さむいさむい冬から、
真夏日の春になって、
サクラはパッとさいて、
すぐに、ちってしまう。
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それは、ちょっと、
さみしいものです。
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でも、うつくしいことに、
かわりはありません。
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ボクもおとうさんと、
おなじきもちです。
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みなさんも、
たのしんでください。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2013年03月23日(土曜日)

スティグリッツ「サービス業の生産性」と常盤文克「サプライネスト」

東京・横浜は、
桜が八分咲き。
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花の下を歩く。
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あと何年、この喜びを味わえるのか。
いつもそんなことを考える。

春の選抜高校野球大会2日目。
21世紀枠出場校同士の1回戦。
福島県立いわき海星高校が、
惜しくも敗退。

福島県いわき市の小名浜に学校があって、
東日本大震災で被災。

将来の水産業を担う人材を育成する水産高等学校で、
練習船「福島丸」を所有し、海に挑む。

2001年開催の第73回大会から、
21世紀に設けられた出場枠。

部員不足、練習グランド無しなどの困難を克服した学校、
模範となる学校が選出され、
推薦されて甲子園大会に出場する。

いわき海星は津波でグランドが使えなくなっている。
その困難を克服して、
2年連続で県大会ベスト16に進出。

福島原発の被害にさいなまれているいわき市民に、
元気を与えてくれる闘いだった。

さて昨日の横浜商人舎オフィス。
米倉裕之さんと田窪伸郎さん。
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米倉さんはカスタマーコミュニケーションズ㈱代表取締役社長。
私はこの会社の非常勤取締役を務めている。

田窪さんは㈱コーポレイト ディレクション パートナー。
経営戦略コンサルティングを専門とする。

小売業界の最先端の動向、
カスタマーリレーションシップマネジメント、
さらに日本のFSPに関する情報などを交換。

私は月刊『商人舎』と『商人舎Net Magazine』を説明。
ご協力をお願いした。

さて日経新聞の政治欄。
米国コロンビア大学ジョセフ・スティグリッツ教授が語る。
1997年から2000年まで世界銀行上級副総裁、
2001年、ノーベル経済学賞受賞。
来日して、日経新聞編集委員のインタビューに答えた。
まず、「安倍晋三政権の成長志向の経済政策を歓迎」

そして日米のデフレの差異を分析。
「日本のデフレは長期にわたり、
企業や家計が抱える債務の実質負担を増してきた。
ただ、大不況下で米国が経験したような
年10%もの物価下落ではなく、
マイルドなものだ」

日本の将来を予測。
「企業や家計の先行きへの期待が変化すれば、
デフレを克服し、物価目標を実現できる」

そして重要なこと。
「財政支出するなら、
所得の低い層に手を差し伸べた方がよいと思う。
所得のうち消費に回す割合である消費性向が高いからだ」

これも小売りサービス業にとっては、
ありがたい提言。

公共事業へのばらまきでは、
デフレ克服はできない。

そして結論。
「日本の課題は労働力を増やし、
サービス業の生産性を高めること」

同じくノーベル経済学者のポール・クルーグマン教授も、
「サービス業の生産性を向上」させることを、
アメリカ経済再生のかなめと主張している。

ここでいう「サービス業」は広い意味での概念で、
小売業とサービス業、消費産業が含まれる。

小売りサービス業の頑張りこそが、
日本経済再生の基礎となる。

「さあ、やろう」
そんな気になるスティグリッツ教授のコメントだ。

同じく日経新聞朝刊の「福島経済特集」。
Web版には残念ながら掲載されていない。
この中で花王㈱元社長の常盤文克さんが、
ていねいに語ってくれている。
常盤さんは、福島県浪江町で少年期を送った。

東日本大震災でサプライチェーンが分断された。

常盤さんは、いいことを言う。
「チェーンではなく、『ネット』、
そして『ネスト』が重要です。

線ではなく面で横ともつながる。
さらに鳥の巣のように立体的に
いろんな企業が絡まり合ってモノを作るという考え方です」

ネット[Net]は「網」、
ネスト[
Nest]は「巣」。
網のように、巣のように、
広く、重なり合い、絡み合って、
私は、モノを「作り、流し、売る」のがいいと考える。

「世界は震災後の日本の工場の
立ち上がりの早さに驚いた。
中小企業が上手に助け合ったわけです。
今後は中小同士がもっともっと横に連携し、
大企業と縦にもつながる」

常盤さんは、
そういった『サプライネスト』を、
構築するべきだという。

東京都の蒲田、長野県の諏訪、大阪府の東大阪、
そんな産業集積地、産業団地のサプライネストを、
福島の浜通り、中通り、会津にひとつずつ、つくる。

まったくもって、同感。

ただしサプライネストには、
小売りサービス業や卸売業が、
多数、参画しなくてはいけない。

私はそう思う。

さらに常盤さんの提言は、
「真手(までい)の精神文化」。
浪江町に疎開していたころ、
まわりの大人からよく言われたのが、
「真手にやれよ」という言葉。
東北の方言で「丁寧に」とか「心を込めて」の意味。

「サプライネストを真手につくれ」
いいですね、このキーワード。

小売りサービス業の生産性向上も、
真手」にやりましょう。

いわき海星高校も、
真手に試合したが、
残念ながら惜敗。

それでも真手な働きぶりは、
印象に残る。

真手に、真手に。

良い週末を。

〈結城義晴〉

2013年03月22日(金曜日)

「権力を手中にして気持ちよくなった者」と消費税還元セールの禁止

今朝の日経MJに寄稿しました。
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毎月1回、
マーケティングスキル欄に、
2000字書く。

考えてみると1年に12回しかないので、
出し惜しみせず、
その時点で最高の内容を盛り込む。

今回は、プライベートブランドの最新動向。

ご愛読ください。

ところでこのマーケティングスキル欄、
春の人事異動で編集担当者が変わった。
これまでは竹蓋幸広さんだった。
ありがとう。

これからは白鳥和生さん。
デスク自ら、担当してくれる。
よろしく。

さて今日から、
第85回選抜高校野球大会。
全慶應義塾大学野球部監督の鬼島一司さんも、
NHK解説者として長期出張している。

開催期間は今日3月22日から13日間。
もちろん甲子園球場での野球だから雨天順延。
順当ならば4月3日に終わってしまう。

この大会が始まると、
「春休みが始まった」と期待したものだ。
そしてそれが終ると、
「春休みが終った」と実感した。

日本のプロ野球は、
来週の金曜日3月29日開幕。

甲子園とプロ野球が重なり合って、
「球春」は本格化する。

昨日はファイターズの新人・大谷翔平が、
二刀流を披露して夢を抱かせてくれた。

この時期、桜も満開で、
日本人として、いい季節。

朝日新聞『オピニオン』欄に、
鳩山由紀夫元総理登場。
「実現できもしない理想を語ったあの人。
そんなあの人に期待を寄せた私たち。
甘かった。だまされた・・・・・」

ずいぶん失礼なリード文だが、
「いま、あえて、
鳩山由紀夫さんに語ってもらいました」

写真が出ているが、
鳩山由紀夫、ちょっと太った。
「巨人、大鵬、卵焼き、
そして自民党なんですよね。

強い者には強くあってほしい。
巨人が弱いとプロ野球自体が
面白くないというのと同じで」

鳩山さん、巨人ファンなんだ、きっと。

この認識自体、
ずれていると思うが。

「権力を手中にすると気持ちよくなるという
人間の本性を軽く見過ぎていたのかもしれません」

鳩山由紀夫、反省の弁だが、
「権力を手中にすると気持ちよくなる」
これは、覚えておいた方がいい。

春。

人事異動や昇格人事で、
「権力」を手中にする人、
「権力」が少しだけ強くなる人、
そんな人が増える。

しかし、絶対に、
「気持ちよく」なってはいけない。

さてその権力を手中にした自民党政府。
今日、特別措置法案を閣議決定。
日経Web刊。

まず、小売り現場での価格表示は、
「総額表示義務」を時限措置として緩める。
目的は事務負担を軽減するため。
これは素晴らしい。

だから「100円+税」のように、
本体価格と税を分けて表示することを、
「認める」らしい。

「認める」というのも変な話で、
「気持ちよくなっている者」の論理だ。

もともと総額表示だけというのが、
消費者や国民には不親切だ。

「本体価格+税」というわかりやすい商売を、
認められるのは、これはおかしい。

総額表示義務を果たしたうえで、
「勝手に外税表示もしよう」
それが私の主張。

そう、オーケーの考え方。

それが「外税表示を認める」措置が取られた。
これは総額表示をしなくてよいということでもある。

さらに「気持ちよくなっている者」の決定では、
来年4月の消費増税に合わせて、
小売業「消費税還元セール」が禁止される。
消費増税分をポイント還元することも認めない。

私は本来、消費税還元セールは、
商売として邪道だと思う。

税金は納めるもの。
それが国民の義務。
国民の義務を小売業が肩代わりするのは、
僭越すぎる。

謙虚さが足りない。

義務は義務として国民に果たしてもらい、
本体価格の部分は企業努力で引き下げ、
お客様にご奉仕する。

これが正論。

しかし、どんなものであれ、
「セール」を禁止するのは、
権力の行き過ぎた行為だ。

「仕入れ側が納入業者に値下げを迫り
増税分の上乗せを拒んだ場合は
公正取引委員会が是正を勧告する」

これは公取委の本来の仕事。
「しっかりせんかい!」と言っておこう。

今回は、「消費税価格転嫁等対策室」を設置。
「転嫁拒否の実態を調べる調査官を各省庁に置き、
書面調査や立ち入り検査などで調べる」

特措法案の目的の一つは、
「商取引で立場の弱い中小企業などの納入業者が、
仕入れ側の企業に商品を納める際、
増税分を価格転嫁できない事態を招かないようにする」こと。

だから、納入業者が資本金3億円以下の中小企業の場合、
仕入れ側企業が増税分の価格転嫁を拒否することを禁じる。
価格転嫁と引き換えに商品を購入させるといった行為も禁止。

違反した場合は、
業界を所管する省庁などが指導する。
公正取引委員会は悪質な場合に是正を勧告し、
企業名を公表する。

さらに「中小企業が価格転嫁をしやすいように、
独占禁止法で禁止されているカルテルを一部容認」。

カルテル(Kartell)とは、
企業事業者間で価格や生産数量、販売地域などを、
協定することだが、
消費増税分を価格転嫁するカルテルに関して、
参加企業の3分の2以上が中小企業であれば、
独禁法を適用しない。

特措法の期限は17年3月末まで。

麻生太郎副総理・財務・金融相。
「消費税を転嫁できないという話は、
本人たちが努力してもなかなかできない」

公取委担当の稲田朋美行政改革相。
「中小事業者等が消費税を的確に転嫁しやすい環境を
整備していくことが極めて重要な課題だ」

商業者をずいぶん、
下に見ているもんだ。

商業などという遅れた世界では、
恒常的に「公正な取引」が行われていなくて、
だから「消費増税」のように税金が絡むときだけでも、
不公正な取引をやめさせよう。

「士農工商」の序列感覚が、
「権力を手中にした者たち」から
感じられる。

現実的に公正な取引が行われていないとしたら、
それはそれでこちら側が襟を正さねばならないことは、
もちろんだが。

鳩山由紀夫が、
朝日新聞に貶められつつ登場したことも、
まったく意味がないわけではない。

〈結城義晴〉

2013年03月21日(木曜日)

5・31「ハーバード・リテール教室」と「俺の株式会社」業界への逆行

横浜商人舎オフィスの裏の遊歩道。
日当たり良好。
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桜が満開。

その桜の花を小鳥がついばむ。
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なんというか、
のどか。

今日はその商人舎オフィスに来客多数。
午前中は杉山潮さん。
イオンリテールワーカーズユニオン中央執行局次長。
来週のアメリカ研修会の打ち合わせ。

「しゃしん忘るべからず」
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その写真撮影を忘れた。
ゴメン。

午後は、まず、
㈱プログレスデザインのおふたり。
代表取締役の西川隆さんと、
ゼネラルマネージャーの福田真由美さん。
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私とジジのポートレートをプレゼントしてくれて、
感激。

ありがとうございました。

業界トレンドなどの情報交換をし、
香港のスーパーマーケット事情を教授いただき、
さらにプログレスデザインの経営戦略を語り合い、
そして『商人舎Magazine』へのご協力をお願いした。

西川さんとプログレスの仕事は、
着実に成果をあげている。

私が掲げる小売業の『ポジショニング戦略』に、
絶対に欠かせない要件を、
プログレスが提供してくれる。

「店づくり」の専門集団。
それも飛び切りのスペシャリスト揃い。

西川さんの連載、
ご期待ください。

入れ替わるように、
㈱ゴードン・ブラザーズ・ジャパンのおふたり。
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代表取締役社長・CEOの増田春彦さん(右)と、
管理部総務人事グループ・マネージャーの石井麗さん。

最終決定しました。
「Retail Seminar 2013」
在庫と小売を科学する

ハーバード・ビジネススクールのアナンス・ラーマン教授を迎えて、
小売業トップ向けのセミナーを開催。
私流に通称すれば、
「ハーバード・リテール教室」

ラーマン先生は、
リテール・ビジネスの第一人者。
専門はサプライチェーンマネジメント、
オペレーショナルマネジメント、
インベントリーコントロール。

基調講演は、そのラーマン教授。
「リテール・サプライチェーンとインベントリー」

次に、矢ヶ﨑健一郎さん。
㈱ジョイフル本田代表取締役社長。
「ジョイフル本田の在庫・物流戦略について」
矢ケ﨑さんは東京大学法学部卒業、
ハーバード・ビジネススクールMBA取得。

三番手が、結城義晴。
「日米チェーンストアの最新動向とポジショニング戦略」
ご存知、㈱商人舎代表取締役社長、
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授。

四番手は、ゴードン・ブラザーズ・ヨーロッパのニック・テイラーさん。
「欧米における余剰在庫問題解決手法の発展と現状」

最後にラーマン教授への質疑応答がある。

無料の「ハーバード・リテール教室」
主催はゴードン・ブラザーズ・ジャパン。

現在、ご招待者を厳選しつつ、
パンフレット発送準備中。

5月31日金曜日、
帝国ホテル本館鶴の間。

ご期待ください。

もちろん内容に関しては、
このブログや月刊『商人舎』で、
ご報告します。

さて、今朝の日経新聞『国際』欄「Voice」。
ドイツのBMWノーベルト・ライトホファー社長の発言。
「流れに逆らう決断が必要だ」
ミュンヘンの松崎雄典記者が報告。

BMWは、高級車販売台数、世界首位。

私もそのオーナーの端くれだが、
いちばんささやかな車種に乗っている。

ライトホファー社長が表明したのは、
今年度は「利益を追わない意向」

2013年12月期も増益の維持は可能。
しかし「新型モデルの開発」に投資して、
利益は前期の横ばいの計画。

利益追求ばかりの世界の自動車業界。
そのなかで、異色の決定を下すことが、
「主流の上を行く『高級』」のポジショニングを維持するために必要。

電気自動車「BMWi3」を今年末に発売。
環境に良いとともに、加速力を備える。
それが「高級感」を保つコンセプトとなった。

「流れに逆らう決断」
これはウォルマート創業者のサム・ウォルトンと同じ。

サムは言い残している。
“Swim upstream!”
上流に向かって泳げ。
つまり、世間に逆行せよ。

ノーベルト・ライトホファーと同じ。

一方、日経新聞3月18日の『経営の視点』。
「外食揺さぶる『俺の』革命」
編集委員の中村直文さんが書く。

「不振が続く外食業界」の「型破り企業」。
俺の株式会社。
経営はVALUE CREATE株式会社。

2011年9月、1号店を開業。
現在、14店。
低価格の高級割烹店もある。

店舗バナーは「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」、
それに「俺のやきとり」「俺の焼き肉」「俺の割烹」など。
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出店立地は東京の銀座や新橋、神谷町付近。
「低価格で高級メニュー」を提供するのが特徴。
イタリアンやフレンチは、
フォアグラやキャビアなど、
贅沢な素材をふんだんに使ったメニュー、
それが一皿980円などで提供される。
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一流レストランの3分の1ほどの値段。
内容は一流レストランに負けない。

平日から行列ができ、
1カ月後の予約も即日満杯となる。

社長は坂本孝さん。
ブックオフコーポレーション創業者として有名。
再販制度にがんじがらめの書籍流通に、
業界に逆行して風穴を開けた。

坂本さんは外食市場に参入して、
「不況を打破する条件」を熟考。

「ミシュランガイドに載るような腕のいい料理人と
質の高いメニューを持つ店は客足が途絶えない。
家庭やネットで手に入らないからだ。
それに人気の立ち飲み店の要素を加えてみた」

いちばんの政策は原価率の低下。
外食業界では原材料の仕入れコストを通常、
売上高の3~4割に設定する。

「俺の」シリーズは原価率6割を目安とする。

そのうえで、第2に料理人は、
ミシュランガイドに載る有名レストラン出身のシェフばかり。
メニューづくりもすべて、これらのシェフ任せ。

第3に、「立ち食い中心」の提供方法。
客の回転が速い。

まさしく薄利多売の原則。

第4は、まずは銀座周辺への集中出店のチェーンストア方式。
だから高級食材の店間融通が可能となった。

「開業2カ月以上の店はすべて黒字」。
だから今後も出店を加速する予定。

坂本さんは意気軒高。
「業界の常識は分からないことが功を奏した。
株式上場も目指す」

私は㈱商業界の千葉哲幸さんから、もう1年も前に、
この会社のことを教えてもらった。

千葉編集で発刊された『俺のイタリアン、俺のフレンチ』、
坂本孝著、㈱商業界刊。

外食産業の原価率6割。
これからはやるに違いない。

しかしこの商法。
業界に逆行するとともに、
歴史的に見れば、実は、
インベーションの定石。

アリステッド・ブシコーの百貨店ボン・マルシェから、
マイケル・カレンのスーパーマーケット、
ハリー・カニンガムのKマート。
サム・ウォルトンのウォルマート、
中内功のダイエーや柳井正のユニクロも、

初期の頃はこの定石を使った。

結城義晴の『商人舎Magazine』も、
実はこの考え方を採用している。

業界に逆行し、
薄利多売を貫く。

その根底にはローコスト・オペレーションが、
なくてはならない。

〈結城義晴〉

2013年03月20日(水曜日)

春分の日、日銀は白川から黒田へ、そしてローソンの有機商品対策

春分の日。

祝日法の趣旨。
「自然をたたえ、
生物をいつくしむ」

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自然は正直。

春を表現する。
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横浜・岸根公園の桜は、
五分咲きくらいか。
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それでも桜はいい。

七分咲きも八分咲きも、
桜は桜。

今日の祭日は、岸根公園まで、
ジョギング。

その後、鬼島一司さんと一献。
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前慶応義塾大学野球部監督。
「慶応魂」を熟知し、
しかも現場感覚を失わない指導者。

鬼島さんは明日から関西に出張して、
明後日から甲子園高校野球選抜大会のNHK解説をする。

鬼島さんのご自宅を訪れて、
野球の話から、スポーツ、経済、経営、政治まで、
議論しつつ、意見交換。

4月から鬼島さんは毎月、
神奈川新聞にエッセイを連載する。

慶応義塾大学と神奈川の論客の一人。
有意義な交流だった。

さて、白川方明日本銀行総裁が退任
「最善の対応と判断した。
悔いるところはない」

「中銀は市場に振り回されてはいけない。中銀が
言葉で市場を
思い通りに動かすという政策観には
危うさを感じる」
これはきわめて教訓的な言葉。

私も同感。

全ての知識商人が、
肝に銘じておくべきだ。

言葉で、
市場や消費を動かせるものでは、
断じてない。

言葉だけで商品が売れることは、
絶対にない。

それでも現代においては、
「沈黙は金」ではなくて、
「雄弁こそ金」である。

だから言葉は大事。
しかし小売り商売においては、
まず、商品に語らせよ。
次に、言葉で語れ。

これ、時代を越えた大原則。

白川総裁も、
そのことを述懐している。

白から黒へ。

白川さんの退任のあと、今日、
第31代日銀総裁に、
黒田東彦(はるひこ)さんが就任。
前アジア開発銀行総裁の68歳。

慶應義塾大学の小幡績准教授が語る。

「彼は、知的で好奇心が旺盛で幅広い。
主税局の経験が長いが、
主税局は理論派であり、
悪く言うと原理主義」

「黒田氏は、国際金融界でも評判が高く、知的だ。
だが、妥協せず、交渉も黙って手の内を見せず、
しかし、信念を貫く。手強い相手だと思う。
つまり、日銀総裁には、人格的にはぴったりだ」

春分の日の就任、
期待しよう。

毎日新聞の巻頭言『余禄』。
「ワニのジレンマ」を紹介。

「子どもをさらったワニがその母親に
『これから俺がどうするか予言してみろ。
当たったら子どもを無事返してやる。
外れたら食うぞ』と言う。
母親は考えて答えた。
『あなたは子どもを食べるでしょう』
すると子どもを食おうとしたワニが
『あ、予言が当たる、こりゃまずい』と口を閉じ、
今度は『あ、予言が外れる、食わなきゃ』と口をまた開く。
口を開いたり閉じたりが止まらなくなったワニは
とうとう死んでしまった」

皮肉なワニの話。

これに対して、
ロバート・マートンの「予言の自己破壊」
「予言が人々の行動を促し、
結果それが外れることをいう」

「理不尽なワニと渡り合った賢い母親よろしく、
最悪の予言もここは恐れるより
的中を阻む知恵を絞らねばならない」

「最悪を覚悟して、最善を尽くす」
それが「予言の自己破壊」をもたらす。

さて日経新聞に記事。
「ローソン、野菜宅配で提携」

「ローソンは野菜宅配大手の大地を守る会と資本・業務提携」
大地を守る会の株式33.4%を取得、
その取得額は10億円前後。
取締役も派遣する予定。

その「大地を守る会」は約2500人の農家と契約。
その農家から、野菜や畜産物、加工食品を、
首都圏の会員宅に宅配サービスする。

2012年3月期の売上高は142億円。

大地を守る会の年商は、
らでぃっしゅぼーやに次ぎ、
オイシックスと並ぶ。

この3社が御三家。
ローソンは、
らでぃっしゅぼーや、
大地を守る会と連携を組む。

ローソンは2011年に、
らでぃっしゅぼーやと共同出資会社を設立、
NTTドコモが昨2012年、
らでぃっしゅぼーやを完全子会社化。
共同出資会社はらでぃっしゅが吸収合併。

昨年末、ローソンはドコモから、
らでぃっしゅの株式10%を取得し、
さらに保有比率を20%まで引き上げている。

何しろローソンの背景には三菱商事がある。

ローソンは現在、
らでぃっしゅから調達した有機野菜などを
スマートキッチン㈱で販売。
従って、らでぃっしゅ、大地を守る会の2社と組んで商品調達し、
スマートキッチンでネット事業を展開。

今後はナチュラルローソンはじめリアル店舗でも、
有機野菜を販売する。

アメリカ合衆国のオーガニック商品は、
2007年に2兆円を超え、いまや3兆円に迫る。

2010年段階の市場規模は、
食品だけで、267億0800万ドル。
1ドル100円換算で2兆6708億円。
これは前年比7.7%のプラス。

非食品オーガニックも19億7400万ドル、
100円換算すると1974億円で、こちらは9.7%の伸び。

トータルで、286億8200万ドル。
全体で7.8%の成長。

ちなみにアメリカの食品非食品の市場規模は、
この段階で1兆0506億2400万ドルだから、
2.73%のシェアにまで拡大してきた。

私は有機商品に関しては10年くらい、
日本が遅れていると断じている。

市場規模だけの問題ではない。

日本は野菜中心の開発、普及だが、
アメリカは精肉から乳製品、冷凍食品、
加工食品・菓子、酒まで、
品揃えが充実している。

もちろん非食品も
パーソナル・ケア、花、ペット
フード、衣類家庭用洗剤、サプリメントなどまで。

オーガニックだけで、
スーパーマーケットが出来上がってしまうほど。

オーガニックに関しての話だが、
その遅れた日本の先頭に、
コンビニのローソンが立っている。

〈結城義晴〉

2013年03月19日(火曜日)

スーパーアルプス松本清さんのお別れの会と「人生の3点セット」

今日の天気は最高気温25度、
初夏並みの夏日。
フェーン現象の影響。

商人舎ホームページの人気ブログ。
「常盤勝美の2週間天気予報」
常盤さんが書いている。
「先週はサクラの開花ラッシュとなった」
九州から東京まで。

今週も北に向かって、
桜の「開花ラッシュ」が続く。

「関東以西の太平洋側の花見のピークは、
今週末から来週末」

私は来週末は米国テキサス州ダラス。
だから今週末に花見をしよう。
そう決意しよう。

来週からの3月の渡米につづき、
今年は4月、5月にツアーがあり、
それから9月、10月、11月。
それ以外に10月にヨーロッパ、
6月と7月に東南アジアのタイ。

これ以外にもいくつか、
海外視察コーディネートの仕事が入っていて、
忙しい。

そのなかで、皆さんにお勧めしたいのが、
5月の商人舎USA研修会Basicコース。

もう定評のある中身。
商人舎として第13回目の視察研修となる。

ラスベガスでの5泊7日。
5月14日(火)~20日(月)
「基礎知識・原理原則を徹底的に身につけ、
高い志と仕事へのロマンを実感する」
小売業・サービス業の新入社員から、店長、
メーカー&卸の若手~中堅向け。

海外視察にはいくつかの目的がある。
成績優秀者の慰労、
新しい情報や技術の収集、
時にはコーディネーター自身の勉強や好奇心のため、
といった邪道の目的まであるが、
商人舎Basicコースは、
その名の通り「研修」を目的にしている。

だから今回のbasicコースでは、
始めの3分の1の行程が終った頃に、
「理解度テスト」をする。

これは商人舎ミドルマネジメント研修会の成果。
こちらは理解度テストを2回敢行する。

テストした結果を本人と会社に知らせる。
研修後の本人の「モチベーション」は、
これ以上ないというくらい高まって、
いつも私は感動させられる。

もちろん「理解度テスト」をするためには、
アメリカ流通業や経営に関する「理論体系」が、
なければならない。
それを的確に、わかりやすく教授し、
理解させておかねばならない。

その上で「理解度テスト」をする。
これまでのミドルマネジメント研修会では、
平均60点くらいの成績だった。

理解が足りないところは、
すぐに復習するというメリットがある。

これも商人舎研修会の特徴。
今日も、関西スーパーマーケットの井上保社長から、
「よろしく鍛えてください」と声をかけられた。

しっかり勉強してもらう。
それが商人舎USA研修会。

参加者枠はあと10人ほどになってきました。
ご検討ください。

さて朝日新聞の『天声人語』。
メタンハイドレート開発の明るい話。
「『ガス田』は静岡から紀伊半島、九州沖に横たわる」。

「近海には世界屈指の埋蔵量があり、
うまくやれば天然ガス消費の100年分を賄える」。

「不毛の砂漠に石油が眠り、
貧困と戦乱のアフリカにはダイヤモンドや金が埋まる」

最後のフレーズがいい。
「あらゆる地にバランスシートがあるのなら、
日本は太平洋に無限の貸しがある」
「無限の貸し」とは、
言わずと知れた東日本大震災の津波。

「自然を畏れつつ、
正当な恵みは追い求めたい」。

今日は、東京・ホテルニューオータニ。
「松本清 お別れの会」
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㈱スーパーアルプス代表取締役会長。
2月8日、満63歳で逝去。

葬儀委員長は松本英男さん。
スーパーアルプス代表取締役社長。

献花の後、その松本英男さんの挨拶で始まった。
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英男さんの父上の利夫さんが、
清さんの前の社長。

英男さんは清会長の信条を、
「正直な商売」と評した。
しかしそれは故利夫社長の信条でもあったし、
スーパーアルプス全体の特徴でもある。

利夫さんも確か、59歳で亡くなった。

その利夫さんは、
商業界リテールマネジメントスクール第1期生で、
校長だった川崎進一先生からいつも、
高く評価されていた。

利夫さん、清さんと、
スーパーアルプスは、
この誠実さと正直さを貫いてきた。

まさにintegrity。

今日のお別れの会では、
三人の人たちの弔辞があった。

業界を代表して、
荒井伸也さん。
オール日本スーパーマーケット協会会長。
松本清さんを「まっすぐな人」と表現した。

友人代表は、伊奈源喜さん。
君沢サンヨー㈱代表取締役社長。
松本清さんとの付き合いは、
いつも「3点セット」だった。
「スーパーマーケットの見学とゴルフと、
地元のおいしい店」
清さんの素顔を実によく表していた。

社員代表の取締役第三商品部長・栗原稔さんも、
「正直な商売」の遺志を継ぎたいと決意表明。

そして献杯は井上保さん。
関西スーパーマーケット代表取締役社長。
「きよっさんは私の戦友でした。
それも勇敢な戦友でした」

「無念です、残念です」

「それにしても、きよっさん、
はよ、いきすぎや!」
20130319141723.jpg
「献杯!」

私は泣きそうになった。

井上さんの献杯の言葉、
心にしみた。
感動した。

そしてまったく、
同感だった。

スーパーマーケットの多数のトップ、
メーカー、卸売業、関連産業のあまたのトップ、
多くの人々がお別れに集まった。

心から哀悼の意を表したい。

私はその後、
虎ノ門の日本チェーンストア協会。
会議室で商業経営問題研究会。
通称RMLC。
20130319195646.jpg
3月例会は、小規模だが、
ネクストステージの議論。

それから消費税問題に話が及んで、
とても有意義な内容が展開された。

この研究会の初代座長杉山昭次郎先生が、
久しぶりの講義をしてくださる予定だったが、
体調がすぐれないとのことで中止。
これは残念だった。

杉山先生は商人舎最高顧問、
飯能の流通仙人、85歳。
単行本『マス・カスタマイゼ―ション』が、
発刊を待ち構えている。

その杉山先生の盟友が上野光平先生。
西友の実質的な創業者で、
まさに業界の理論をリードした先駆者だった。

私は密かに、
現代の上野光平たらんと志している。

だから「理論体系」を構築し、
それを進化させることに注力する。
誰にも負けたくないと考えている。

その上野先生の逝去も、
1987年12月2日、
63歳だった。

上野先生はずいぶん、
お年を召した逝去だったと記憶しているが、
松本清さんと同じ。

松本さんご自身が一般年齢に比べて若かったし、
日本人全体が若返ったとも考えられる。

しかし上野さんはこの会社特有のストレスの中で、
カティサークとショートホープとクラシック音楽を嗜みつつ、
燃焼して、亡くなった。

上野さんも「人生の3点セット」を持っていた。

松本清さんは、
「きよっさん」らしい「3点セット」を充実させて、
自らの信条の「スピード」で逝ってしまった。

だから人間のバランスシートは、
間違ってはいない。

ふたたび黙祷し、合掌して、
ご冥福を祈りたい。

〈結城義晴〉

2013年03月18日(月曜日)

新卒採用数イオン2位、小売りサービス業の平均在職期間と離職率

Everybody! Good Monday!
[2013vol12]

2013年、第12週。
3月に入って、第4週目は、
週中の水曜日20日が春分の日。

今年は土・日・月の三連休が10回もあって、
それはそれで営業効果はあるが、
人間、だんだん飽きてくる。

だから週中・水曜日の祝日、
その意味は大きい。

春分の日、
だいじに大事に、
商いしたい。

どの企業も、
今年に入って、1月・2月と、
業績が思わしくなかった。

それはあの清水信次さんが嘆くほど。
ライフコーポレーション会長にして、
日本チェーンストア協会と生団連会長。

だからこそ、
3月20日の春分の日、
ていねいに丁寧に仕事し、
それを春本番の4月商戦につなげたい。

それにしても、
ワールドベースボールクラシック。
決勝ラウンドの準決勝で、
日本代表が敗退。
相手はプエルトリコ、
スコアは3対1。

勝てば20日が決勝の予定で、
これは春分の日が盛り上がると考えていたが、
ちょっと消沈。

惜しまれるのは、8回裏の攻撃、
3対0でリードされていたのもかかわらず、
1点返してランナー1塁2塁、
打者は4番。

ここで盗塁にサイン・ミス。
本当に惜しかった。

こういったちぐはぐな失敗が起こるときは、
何でもうまくはいかない。

朝日新聞に載った日本代表の山本浩二監督。
「素晴らしい選手たちとともにできて、
私は幸せでした」

プエルトリコのロドリゲス監督。
「多くの国民が我々の試合を見ていたと思うし、
スポーツだけでなく(プエルトリコの)社会的にも喜ばしい結果だと思う」

興奮しているときのインタビューと発言だから、
監督のコメントも冷静ではなかったと思う。
しかし、「私の幸せ」を言う監督と、
「国民や社会的な喜ばしさ」をコメントする監督。

ちょっと差があった。

三連覇の偉業は残念ながら、
成し遂げられなかったが、
世界ランキング4位の韓国が第1ラウンドで敗退し、
1位のキューバと2位のアメリカも、
第2ラウンドで姿を消したこの大会。

世界ランク3位の日本は、
なんとか準決勝まで顔を出した。
12位のプエルトリコと、
13位のドミニカ
の決勝となりそうだが、
ちょっとさみしい結果で、
今後のこの大会そのものの開催が心配となる。

ベースボールファンとしては、
ずっとずっと続いてもらいたいものだ。

さて千葉県知事選挙で、
森田健作二期目の再選。
現職、無所属の63歳。
あっぱれ。

相手は、共産党推薦の千葉大学名誉教授・三輪定宣氏ら。
投票率31.96%、
前回の知事選から13.6ポイント・ダウン。

頻繁に利用させてもらっている東京湾アクアラインは、
森田知事の「通行料引き下げ」政策が奏功。

さて日経新聞と朝日新聞が、
同じ趣旨の特集。
2014年春新卒採用
調査

日経の調査対象は、
上場企業と有力な非上場企業、合計4588社。
回答企業数は2275社。

結果は、「企業の採用意欲改善が浮き彫り」。

主要43業種のうち32業種が、
昨年春入社よりも大卒者を増やす。

ただし、高卒者採用は5年連続で減少。

新卒者全体の採用人数1位は、
日本郵政グループ約2745人。
2位にイオングループと三菱東京UFJ銀行、
ともに1500人。

12位にコスモス薬品が800人、
19位、ファーストリテイリング620人、
23位、セブン-イレブン・ジャパン約570人、
27位、AOKIホールディングス540人、
32位、ゼンショーグループ450人、
35位、ライフコーポレーション、ノジマグループ、コメリ、
それぞれ約400人、
46位、スギ薬局360人、
47位、ウェルシアホールディングスグループ355人、
そして48位の350人に、
バロー、サンドラッググループ。

小売業・サービス業を拾っていくと、
各業態ナンバー1企業の名前が並び、
あとはドラッグストアの大量採用が特徴。

特にコスモス薬品は、
その食品販売パワーや出店スピードが驚異的だが、
人材採用にも積極的だ。

就職の不採用メールばかり来て
スマホ持つ娘の震える右手

〈日経歌壇より さいたま・池田びん〉

娘さん、小売り流通・サービスに来なさい。

良い世界ですよ。
良い世界になりますよ、
良い世界にしますよ。

挫折には音があるとふ人ありて
息子は春のベランダにゐる

〈同 大分・阿南尚子〉

ベランダにいる息子の挫折の音が、
聴こえるようだ。

しかし春という季節はそれを許してくれる。

採用大卒者、
文科系3.0%増、
理工系8.0%増。

この理工系増加は、
ドラッグストアの薬剤師採用に押し上げられている。

文部科学省・厚生労働省の調査、
今春卒業する大学生の就職内定率は81.7%。
想像以上に高い。

前年同期比1.2ポイント上昇。

来年春も「高い水準」が維持されそうで、
これは嬉しいニュース。

しかしみなさん、
小売流通・サービス産業においでください。

良い世界ですよ。
良い世界になりますよ、
良い世界にしますよ。

一方、朝日は主要100社へのアンケート。
答えた小売リ・外食企業は、
髙島屋・三越伊勢丹ホールディングス、
イオングループ、イトーヨーカ堂、
セブン-イレブン、ローソン、ファーストリテイリング、
それに日本マクドナルドとすかいらーく。

そして正社員の平均在籍期間と、
3年以内の離職率を調べた。

業種別離職率は、
全産業平均28.8%。

高い順に並べると、
宿泊・飲食サービスが48.5%、
不動産・物品賃貸が38.5%、
小売りが35.8%。

小売りサービス業の一流企業の離職率が、
この数字だから全体は推して知るべし。

回答してくれた企業の3年間離職率は、
すかいらーく35%、
日本マクドナルド33%、
ローソン23%、
セブン-イレブン・ジャパン16%、
イトーヨーカ堂12%、
三越伊勢丹8.4%。

固有名詞が入ると、
妥当な線と考えられるだろうか。

平均在籍期間は、
髙島屋の20年8カ月から、
セブン-イレブンの9年7カ月まで。

こちらは想像よりも長い。

シャツの裾をズボンの外に出すように
なったころからデフレが続く

〈日経歌壇 掛川・村松建彦〉

働く人たちの雇用と収入の安定、伸長が、
最大のデフレ対策となる。

政府・日銀こぞって唱えるインフレターゲット2%は、
それ自体、勇敢な政策で、
その勇敢な行為を敢行しなければ、
日本経済は蘇生されない。

しかしよく知っておかねばならないのは、
安倍晋三ラッパで為替レートと平均株価が動いても、
「円安」は国民生活にとって、
必ずしもいいことではない点だ。

ガソリン代が上がる、
そして物価が上がる。
海外旅行で同じものが高くなる。

それに応じて、
雇用が安定し、
若年層の収入が上がらねば、
生活は苦しくなるばかり。

インフレを意図的に引き起こす政策が、
デフレを解消する保証はどこにもない。

だから「国民の生活を守る」小売りサービス業は、
インフレターゲット論よりも、
絶対に確かな仕事を続けねばならない。

需要を創り出しつつ、
顧客の暮らしを守り、
向上させること。

その小売り流通サービス業、
良い世界ですよ。
良い世界になりますよ、
良い世界にしますよ。

では今週も、みなさん、
Good Monday!

〈結城義晴〉

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