『月刊商人舎』プレ創刊号、
出来上がりました。
チーフエディター渋木克久と、
発行人・結城義晴。
これから㈱商人舎は、
三つのメディアを、
世に問うていきます。
第1が「商人舎サイト」。
これは従来通りの商人舎ホームページと、
[結城義晴のブログ毎日更新宣言]。
無料です。
第2が『月刊商人舎』。
紙の月刊雑誌。
有料です。
年間購読料1万8000円(本体価格)。
第3が『商人舎magazine』。
網のMonthly&Weekly&Daily Magazine。
これもウェブサイトですが、
『月刊商人舎』の年間購読者と、
そのチームメンバー4人に、
IDとパスワードを提供。
いつでも、どこでも、
見る、読む、使う。
したがって、ひとり、
ひと月に300円也。
商業現代化のためのオピニオンを主張し、
知識商人養成のための知恵と情報を提供し、
しかも利益の上がる会社と店をつくる。
ただし、グランドオープンは5月号。
ご購読はこの実質的な創刊号から。
よろしくお願いします。
自分がどんなに苦しくとも、
どんなに忙しくとも、
どんなに追い詰められていても、
常に周りを見ていたい。
世界を感じていたい。
顧客の動向を知っていたい。
仕事とはそんなもの。
どんな時にも手を抜きたくはない。
マーガレット・サッチャーさん、逝去。
脳卒中で、87年の生涯を閉じた。
1979年から1990年まで、
11年間、イギリス首相。
アメリカのレーガン大統領、
ソビエト連邦ゴルバチョフ大統領とともに、
東西冷戦の幕を引いた。
別名「鉄の女」。
どんな時にも絶対に、
手を抜かなかった女性。
「小さな政府」を標榜し、
市場原理と競争原理を導入して、
経済の自由化を実現する政策。
これが『サッチャリズム』。
国営企業民営化や規制緩和を進め、
英国病に陥った経済を復活させた。
1925年、リンカンシャー州グランサム生まれ。
実家はグロサリーストア。
父・アルフレッド・ロバーツは、
市長経験者。
「人間として必要なことは
全て父から学んだ」
その父はもちろん、
小売業者。
自由主義経済学者ハイエクに影響されたが、
その著書を読む前から、
「父の商売を通じ、
自由市場のなんたるかを
心得ていた」。
つまり、小売り商業者の哲学と、
その寄って立つ市場競争原理が、
マーガレット・サッチャーを通して、
英国病を立ち直らせたことになる。
オックスフォード大学卒業後、
59年に下院議員に初当選。
75年に保守党党首、
79年、イギリス史上初の女性首相。
1982年のフォークランド紛争では
力による外交を展開。
私は映画『The Iron Lady』で、
フォークランド紛争後のサッチャーの言葉に感動。
メリル・ストリープが見事に演じた。
「いまこそ、
イギリス国民であることに
誇りを持つ時です」
そのサッチャーの実家が、
グロサリーストアであったことは、
忘れられない。
世界各国からの声を、
日経新聞の記事から拾った。
中曽根康弘元日本国首相。
「第2次世界大戦後、自由世界で
レーガン元米大統領とともに
記憶されるべき政治家」
レーガンはアメリカ国民からは、
本当に驚くほど人気が高い。
「旧ソ連に対抗し、自由世界が
協力団結すべきことを訴えた
傑出した政治家だった」
ゴルバチョフ元ソ連大統領。
「初めて1984年に会って以来、
サッチャー氏とは人間関係をはぐくみ、
それにより高まった相互理解が
東西冷戦の終結につながった。
歴史に残る大きな政治家だった」
キッシンジャー元アメリカ国務長官。
「米国にとって信頼できる心強い盟友だった」
「冷戦終結への先見の明を持った
最初の指導者の一人だった」
「一般的なイメージとは異なり、
非常に暖かい人物だった」
オバマ米大統領。
「世界は偉大な自由の闘士を、
米国は真の友人を失った」
実に巧いコメント。
「彼女は破れない『ガラスの天井』はない
という見本を我々の娘たちに示した」
これも上手。
「レーガン元米大統領と共に、
我々は信念と不屈の勇気、鉄の意志によって
歴史の潮流を作ることができるのだと
世界に知らしめた」
これもいい。
安倍晋三首相。
「意志の力を身をもって示した
偉大なリーダーであり、
国家国民のためにすべてをささげた
尊敬すべき政治家だった。
英国民と深い悲しみを共にしたい」
オバマに比べると、
ありきたり。
多くを望みはしないが。
さて昨日の日経新聞。
「ファミマ、コンビニ+ドラッグ店拡大」
ファミリーマートは、
2014年度末までに
コンビニとドラッグストアの融合店舗を。
約200店出す。
その手法は、
ドラッグストアのローカルチェーンと、
フランチャイズ契約を結び、
既存のドラッグ店を転換するというもの。
現在のところ、
4社とFC契約を結んでいる。
九州の大賀薬局、
北陸のコメヤ薬局などは、
FCの既存店を改装し、6月にも、
コンビニとドラッグ店の融合店舗を開く。
今回の提携でファミマの融合店舗は
首都圏・近畿圏以外にも広がる。
今後2年間、
FCのドラッグストアを、
20社に増やす。
融合店舗は売り場面積が500~600㎡、
通常のコンビニの4~5倍。
取扱商品はほぼ2倍の5000品目。
医薬品以外に、
日用品や化粧品も大幅拡充。
既に昨2012年からファミリーマートは、
ヒグチ産業と組んで、
「ファミリーマート+薬ヒグチ」を、
出店している。
現在は東京都内などに2店。
アメリカでも、
ウォルグリーンやCVSファーマシーが、
食品の強化を図っている。
ウォルグリーンは食品部門を、
「Up Market」などとネーミングしているが、
これは日本のコンビニ機能そのものである。
もともとアメリカはコンビニ発祥の国だが、
そのコンビニは一度、ほとんどの企業が、
倒産状態に陥った。
その代りにドラッグストアが、
日本のコンビニの便利機能を果たした。
だから必然的なラインロビングで、
ドラッグストア+コンビニが、
出来上がった。
日本でも2009年に薬事法が改正されると、
徐々に相性の良いコンビニ&ドラッグ店舗が、
登場し始めた。
24時間営業のコンビニが、
医薬品需要への対応小売業として、
最適だからだ。
日本の薬事法の改正も、
いわばサッチャー同様、
市場競争原理に対応したもの。
月刊『商人舎』も基本的には、
市場原理と競争原理を支持するものだ。
すなわち、
「競争はあなたの仕事です」。
〈結城義晴〉