朝一番で、ベイブリッジを越えた。
横浜の街に、
しばらくお別れ。
成田空港は、
ずいぶん込み合っていた。
今回は、全日空。
飛びあがってすぐの千葉県の上空。
日本列島は、
厚い雲に覆われている。
しかし東シナ海は、
あくまで青い。
インドシナ半島上空に入った。
ここでは雲が高い。
そしてタイ王国。
約6時間で到着。
バンコクのスワンナプーム国際空港。
ドイツ人建築家ヘルムート・ヤーン設計で、
2006年9月28日に全面開港。
国際空港は、どこの国も快適で斬新。
バスで市内に入り、
インペリアル・クイーンズパークホテル。
その9階会議室で、早速セミナー。
万代ドライデイリー会恒例の海外研修。
今回はタイの小売流通業を学ぶ。
初めに趣旨を話し、
ゲストスピーカーの紹介。
講師はチャチャイ・トングラタナハンさん。
タイ小売業協会の専務理事。
通訳は阿部俊之さん、
アセアンジャパンコンサルティング㈱社長。
チャチャイさんは博士で、
タイの小売業に精通している。
こちらのセブン-イレブンをはじめ、
ビックC、セントラル、ワトソン、マクロなどで、
小売実務を経験し、
現在、専務理事。
その小売理論は、
私とも通ずるものがある。
タイの小売業と卸売業は、
GDPに占める割合が13.5%、
従業者数が15.5%で609万人。
対して、製造業はGDPシェア39.0%で、
従業者数13.6%。
農業は、これが8.6%と38.2%になる。
農業と製造業が対極的で、
商業がその中間といった概要。
とくに小売り卸売業全体の成長。
2009年がマイナス1.2%だったものの、
2010年は4.0%、
2011年は4.8%のプラス。
そして2012年予測は、6.5~7.5%。
日本から見ると、
うらやましいかぎり。
業態別に見れば、
スペシャルティストアが20%、
コンビニエンスストアが18%の成長、
ハイパーマーケット(総合スーパー)と、
スーパーマーケットは、
ともに10%の伸び率。
タイのGDPは1人あたり5000ドルを超え、
2011年で5394ドル。
もう5500ドルのラインに乗ってくるが、
こうなるといくつかの変化が見られる。
チャチャイさんの分析では、
コンビニ業態が三つに分化してきた。
つまりフォーマット化現象が起こってきた。
そしてここに、
最新のExpressstoreのトレンドが、
入り込んできている。
実に実に面白い。
この後、さらに業態別の動向や、
新しいトレンドなど、
分析と解説が加わって、
レクチャーは終了。
素晴らしかった。
そして質疑応答。
ここからは、
タナポン・タングカナナンさんが参加して、
誠実に丹念に、質問に応えてくれた。
タナポンさんはタイ小売業協会名誉顧問で、
セントラルの経営者。
日本からの参加者は、
関西地区のメーカー・卸売業の精鋭揃いで、
質問も実に的確だった。
このあたりの詳細は、
商人舎magazineで再現したい。
チャチャイさん、タナポンさん、
そして阿部さんに、
心から感謝したい。
セミナーが終了すると懇親会。
乾杯の音頭は、
ドライデイリー会会長の今津龍三さん。
今津株式会社代表取締役社長。
ホテルの中華料理を囲んだが、
食事中もずっと情報交換や交流が続いた。
最後に、㈱万代社長の加藤徹さん、
監査役の黒田智さん(右)と、写真。
私の隣は、
左にチャチャイさん、
タナポンさん、
阿部さん。
今年5月下旬に、
タイのインラック・チナワット首相が来日した。
第36代でタイ史上初の女性首相。
2011年のタイ大洪水の際にも、
洪水対策の陣頭指揮で、大活躍した。
今回の来日では、
第19回国際交流会議「アジアの未来」で講演。
日本経済がアベノミクスで成長することを、
「称賛したい」としたうえで、
「タイ経済は日本と密接な関係があり、
日本の経済が地域全体に影響を与える」
こちらでは、円安がバーツ高につながっている。
これに関しては、
「単なる資金の流入ではなく、
実質投資につながることを期待する」
円安をバックに、
日本企業のタイへの投資を要請した。
そしてその投資を、
「地域の連結強化に使うべきだ」と強調。
今回のような研修や国際交流は、
その一助となるに違いない。
意義あるツアーが始まった。
(つづきます)
〈結城義晴〉
[毎日の追伸]
今日の商人舎magazine。
Daily商人舎は、
「米国アマゾン・コム広告料37%の伸びの意味」
連日の「アマゾン」ネタで恐縮。
しかし凄い。
Weekly商人舎は、
金曜日のWeekend news summary。
「米国Y世代・ミレニアル世代と
日本小売サービス業の高齢化イノベーション」
ご愛読、ありがとうございます。