夕方、東北新幹線で、
仙台へ向かう。
山には霧がかかり、
緑は濃い。
涼しい。
郡山では、
イオンタウンが見えた。
今日は朝から、
横浜商人舎オフィス。
私は商人舎magazineの原稿執筆。
Weekly商人舎のWeekly Special。
「イトーヨーカ堂・ダイイチ
資本提携の衝撃と再編加速の予感」
この問題には、
私なりの見解を示しておかねばと考えた。
だから2000字ほどのMessageを書いた。
㈱ダイイチの小西保男会長と鈴木達雄社長、
その判断を、私は支持する。
3月に鈴木さんと会って、
いろいろ話した時には、
こんな内容は一切出なかった。
しかしオール日本スーパーマーケット協会では、
「唯一の北海道企業」で、
だからいろいろ不利な点があると語っていた。
詳細は、Weekly Specialを読んでほしい。
8月1日13時から、商人舎magazineは展開する。
「24時間見放題キャンペーン」
今日のDaily商人舎は、
これまたロイター配信の衝撃的な記事。
「イオン、
香港SM1.4兆円企業売却に
応札か」
その額、40億ドル、4000億円。
ダイエー株の公開買い付け金額が、
403億円だからその10倍。
次々に凄いニュースが入る。
この件に関しては、
イオンのスポークスマンが、
否定しているそうだが。
さて、紹介しようと思っていて、
今日までそれができなかった記事。
日経ビジネスリーダー7月23日版。
流通の専門家・編集委員の中村直文さんが書く。
「活況! 格安店、
アベノミクス2つ目の効き目」
「アベノミクス」で百貨店などで
高級品ブームが起こっているが、
全く逆の動きにも「効き目」を発揮している。
それがディスカウンター。
まず九州のトライアルカンパニー。
「29円のコーラや50円台の即席カップ麺、
2リットルで69円の茶飲料――」
面白いのが同社の幹部のコメント。
「いつもより少し高い価格帯の商品が売れる
『ちょい高』人気を受け、
『一時的に当社としては
高めの商品も店頭に置いてみたが、
反応はいまひとつだった』」
トライアルではメーカー品でも低価格志向が強い。
「山崎製パンのランチパックより、
安めのフジパンの類似品の方がよく売れる」
面白い。
トライアルは2014年3月までに、
国内40店の新店出店。
今期中に200店体制になる。
次も、九州のコスモス薬品。
ディスカウント・ドラッグストア。
既存店売上高が、
前年比5%以上プラスの月が多い。
2014年5月期決算では、
過去最高益更新の見通し。
出店も今期65店。
ローコスト店舗づくりは、
出店スピードを生み出す。
首都圏のオーケーも、
2013年3月期の既存店売上高は、
前期比3.8%プラス。
なぜ今、ディスカウンターが元気なのか。
中村さんの分析。
第1は、「昨今の値上げの動き」だ。
「原料高と円安で仕入れ原価が上昇。
小麦粉、食用油、牛乳……と
食品メーカーを中心に値上げ表明が相次いでいる」
そこで消費者は、
「実態以上に物価が上がりつつある」とのイメージを持つ。
そこでディスカウンターに顧客が流れるという構図。
第2は、「消費増税」。
これは私も指摘し続けている。
「今のうちに家計を見直し、
出費を抑える消費者も増えている」
イオン社長の岡田元也さんの指摘。
「再びDSが成長する」
イオンはPBを充実させて、
低価格志向の顧客を取り込む。
100円ショップも、
既存店売上高がプラスに転じている。
業界トップは大創産業だが、
2位のセリアと4位のワッツは、
5月・6月、2カ月連続のプラス。
3位のキャンドゥも6月には13カ月ぶりのプラス。
中村編集委員の観察。
「高級品とDSを活気づけたアベノミクス」
「政策効果が広く行き渡るには
2~3年かかるといわれるなか、
『効き目』の二極化の流れは
しばらく続く可能性が強い」
私はこの二極化は、
コモディティ・ディスカウントと、
ノンコモディティ・ハイクォリティだ、
と断じている。
コモディティは限りなく安く手に入れたい。
ノンコモディティには値段を惜しまない。
それを同じ顧客が志向する。
アベノミクスのプラス・マインド、
値上げと消費増税のマイナス・イメージ。
そのなかで、
コモディティとノンコモディティの概念が生きてくる。
だからコストコは絶好調。
トイレットペーパーとダイヤモンドを、
同じ屋根の下で売る商売。
イオンもイトーヨーカ堂もダイイチも、
この現代の消費社会のなかにいることは、
確かだ。
〈結城義晴〉