結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年08月24日(土曜日)

陸前高田・釜石のイオン「実験」と日本最大・最高「大曲の花火」

毎日新聞一面トップ。
「イオン『実験』」

東日本大震災の後遺症の残る陸前高田と釜石に、
イオンが出店するという記事。
市川明代記者の取材、執筆。

「被災地で一からまちを作る」
村上教行イオン専務執行役東北代表のコメント。

岩手県の陸前高田市では、
来春、「イオンスーパーセンター」がオープン。
延べ床面積は従来の半分の6000㎡のコンパクト版。

場所は水田のど真ん中。

1キロ先の海辺の中心市街地は、
津波の被害を受けて今、更地。

村上さんは、「中心商業施設を目指す」と語る。

「まちそのものを作る覚悟だ」

村上さん自身、宮城県気仙沼市出身。
「兄の営む商店は津波で流された」

今回の出店に関して、
イオン関係者は「実験」と呼ぶ。

「大型小売りが都市部で飽和し、
隣の宮城沿岸部でも他社との競合が強まる中、
より人口の少ない空白地帯へ
どう展開していくかに存続がかかる」

しかしこの実験、
着々と打ってきた布石がなければ実現しなかった。

震災2カ月後の2011年5月、
「被災者の買い物環境を整えたい」と、
市から3カ月の期限で施設を借り、
翌月に出張販売を開始。

この出張販売継続を求める署名も集めた。

その後、11月に仮設店舗を建て、
正式出店の用地探しをした。

その用地が水田の一角。

釜石市にはイオンタウンがオープン。
こちらは新日鉄釜石跡地。

釜石の人口はピーク時に9万人台だった。
1989年、高炉休止、
その後、震災を経て、現在約3万7000人。

釜石市は「出店で再び人を吸い寄せる側になる」。
イオンの街づくりに「再生を委ねる」と記者はまとめる。

震災後の商業施設は、
グランドデザインが必須である。

私はそう、主張し続けている。
グランドデザインのなかに、
商業施設が位置付けられる必要がある。

それだけは確かだ。

さて今日は朝から、
東北新幹線はやてに乗り込む。

凄い混みようで、
ちょっと贅沢してグランクラス。
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ゆったりして、気分がいい。
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軽い朝食は和定食。
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ワイン、ビール、飲み放題。
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食後はコーヒー。
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そして仕事。

盛岡でこまちに乗り換える。
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チケットが取れなかったから。

田沢湖を過ぎ、
角館を越えると、
秋田の田園が広がる。
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そして大曲。
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「日本一の花火のまち」

その花火の日が今日。

ホームには、お客がごった返す。
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みんな、今夕の花火に、
ドキドキワクワク。
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JR大曲駅。
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駅前の交差点。
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花火通り商店街。
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日本三大花火がある。
江戸時代からあった。
当時は、
①水戸藩の「水戸の花火」、
②甲府藩「市川の花火」、
③三河吉田藩 「吉田の花火」。

現在は、
①「大曲の花火」(全国花火競技大会)
②土浦全国花火競技大会
③長岡まつり大花火大会

私はその大曲の花火に来た。

㈱タカヤナギ社長の高柳智史さんから、
ご招待いただいた。

高柳恭侑会長がご案内くださる。

楽しみ。

その前に、ちょいと店を訪問。
タカヤナギのグランマート白金店。
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花火会場までの道のりのなかで、
最後のスーパーマーケット。
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浴衣姿の買い物客やファミリーが、
入り口付近で休んでいる。
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店に入ると花火大会用のおにぎりの大量販売。
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入り口右手のインストアベーカリー部門も
焼きたてのパンでプロモーション。
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お客は次々に花火会場に持っていく弁当や飲料を買い込む。
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500ミリペットボトルの大陳。
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どの売場も、
花火の腰巻を張った平台で盛り上げる。
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鮮魚売場もごらんのプレゼン。
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この日は県外のお客さまで大いに賑わう。
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これから夕方の花火と、
夜の花火。

商売も書き入れ時。

ドキドキワクワク。

では、行ってきます。

〈結城義晴〉

2013年08月23日(金曜日)

ひとまず「完成度を求めない」とイオン葛西店のG.Gモール

ヤンキースのイチロー。
4000本安打達成後の記者会見でコメント。
「こういった区切りのいい数字は
1000回に1回しかこない。
4回重ねられたことに
とても満足している」

この日本語の表現の仕方は、
極めて英語的だ。

イチローは日本人離れしてきた。
それがよくわかる。

「僕の場合、8000回以上
悔しい思いをしている。
その悔しさと常に向き合ってきた事実は
誇ることができる」

この言い回しも、ひどく、
日本の野球人離れしている。

「8000回以上の悔しい思い」とは、
4000回ヒットを打っているが、
8000回アウトになっているということ。

これも3回に1回、
安打を打っているのだから、
野球の世界ではもの凄いことで、
イチローはその8000回も、
許せないと考えている節がある。

このコメントに対して、
まったく同期させた如く、
『ほぼ日』で糸井重里が発言。

「ほーんとに、
今日はね、いいこと言うよ。
ほんとに、ほんと。
ほんとにほんとのこと言うときには、
あんまりほんとを強調しないものなんだけど、
これは、ほんとだってば」

大発見をしたかのごときイントロ。

「炎天下、出勤途中の
いつもの路地を歩いているときに、
『そういうことだぁああああっ!』
とひらめいたんだ」

まだまだもったいをつける。

何にひらめいたか。

「『完成度』が100%
なんてことは、ない」

「完成度100%とか、完璧とか、
人びとは、ことばには出すけれど、
そんなものはない」

言い切る。

「だとしたら‥‥だよ。
ひとまず『完成度』のことは、おいといて、
いろんな判断をしたほうがいいんだ、
と思った」

・・・・・「完成度」のことを考えなければ、
世の中には綺麗な人が
いーーーっぱいいるよ。

・・・・・「完成度」のことさえおいといたら、
あちこち、あれこれ、うまいものだらけだよ。

・・・・・「完成度」は30%でも、
魅力的なものは山ほどあるよ。

・・・・・みんな、「完成品」の価値を基準にして、
あれこれ判断し過ぎてるんじゃないか‥‥と。
・・・・・「完成度」を先に考えちゃうと減点法になる。
ひとつもいいものなんか見えなくなっちゃうんだ。

・・・・・逆に、「いい点」をどんどん加算して見るのが、
世の中をイケメンだらけ、
美女だらけにする方法だ。

コンテスト型競争の時代の、
これは一つの在り方だと、私も思う。

糸井重里言うところのコツは、
「ひとまず完成度のことは考えないことだぜ~」。

イチローのコメントは、
イチローだけのものとして、
賛美するのはいいけれど、
自分はひとまず、
「完成度」を考えない。

小売業・サービス業、
売場は常に変化する。

そこでひとまず、
完成度は考えない。

だから「完全作業」などという言葉は、
使わない、考えない。

「完全作業」は工業化のなかで、
機械がやること。

人間さまは、ひとまず、
「完成度」を考えない。

いかが?

さて今日は朝から、
東京・江戸川区の西葛西駅へ。
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それからイオン葛西店へ。
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この店が、今、凄い。

月刊『商人舎』9月号の取材。

応じてくれたのが、
杉原博文店長。
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イオンリテール㈱南関東カンパニー
東京山梨事業部 葛西店店長。

杉原さんこそ、
情熱のある知識商人。

おりしも、ダイエーがイオンの子会社になる。
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昨日から、
総力祭が展開されている。

葛西店は、
イオンリテールやダイエー全店の、
モデルになっている。

私も十二分にモデルたりえると思う。

90分以上もインタビューに答えてくれて、
その後、90分以上店内をご案内くださった。

心から感謝。

この店は、4フロアの既存店。
しかし1日も休まず、
見事にリニューアルを果たし、
前年比120%の成績を収める。

そのコンセプトは、
グランド・ジェネレーション
ターゲティングすること。
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だから4階は、
「グランドジェネレーションズモール」と、
名づけられている。
略してG.Gモール。

杉原店長の言葉では、
「アクティブ・シニア」。

そしてこのターゲットに対して、
アウトスタンディングな、
ポジショニングを確立すること。

4階の未来屋書店のスペース。
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1階の惣菜コーナー。
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これでもかこれでもかと、
丁寧にていねいに、
アクティブ・シニア対策が展開される。

そしてそれがファミリー客まで引き込む。

「素晴らしい」
私は何度もなんども、
この言葉を発してしまった。

そして杉原店長と固い握手。
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詳細は月刊『商人舎』9月号。
9月10日発売。

総合スーパーの復活は、
この店のサクセススタディによって、
確かに裏付けられた。

もちろんこれを、
古典的チェーンストア理論で、
そのまま水平展開できるものではない。

各店が、各店長が、
自分の顧客を見て、聞いて、
自分のマーケットを知って、
自分で考えること。

現場取材は、いい。

感動の取材が終って、
横浜に戻り、
港北区役所へ。
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8月25日(日曜日)に、
横浜市長選挙がある。

その期日前投票。
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私は明日から、秋田県の大曲に出張。
だから、期日前投票。

選挙に行こう!
投票しよう。

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「投票証明書」も貰ってきました。
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しかしイオン葛西店。
素晴らしかった。

ひとまず「完成度」は考えない。
しかしひたむきに顧客を見る、聞く。
そしてひたむきに努力する。

それが杉原博文の仕事ぶりだ。

おめでとう。
ありがとう。

〈結城義晴〉

「追伸」
今日の商人舎magazineのお知らせ。
Weekly連載
「売れ筋&リピート品目がわかるABCL®ランキング【つゆ】2013年5-7月」
Weekly Special
「要因はみな一緒」7月の小売業販売統計
Daily商人舎
「Wal-Martがアフリカに3年間で90店舗」
よろしく。

2013年08月22日(木曜日)

まど・みちお「セミ」と「大企業を元気に」と「ヘルスノミクス」のアホか!

暑い暑い夏が、
おわりに近づいた。
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横浜商人舎オフィスの裏の遊歩道。
蝉の亡骸。
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うつ伏せで死んでいる。
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小蟻が近づいている。
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『セミ』

土の中から けさでてきて
もうセミが うたえてる
ならったことも ない
きいたことも ない
とおい そせんの うたを
とおい そせんの ふしで

たいよう ばんざい ざい ざい ざい
たいよう ばんざい ざい ざい ざい

うたは もえて もえて
こずえへのぼり くもへのぼり
くも つきぬけて そらへと のぼり

たいようの てに すくわれて
そのゆびに あそんで ちりこぼれ

きらめき ながら
ゆらめき ながら
またふるさとの うみやまかわへと
しんしん しんしん まいおりてきて
つちのなかへと しみとおっていく
(まど・みちお)

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あんなに暑かった夏が、
終わろうとしている。

甲子園は、群馬県の前橋育英高校が、
延岡学園高校を破って初優勝。

海の向こうでは、
イチローが日米通算4000本安打。

アメリカ大リーグでの記録でも、
ルー・ゲーリックに並んだ。

考えてみると8月下旬は、
野球とベースボールの季節。

しかし日本の高校生の夏は終った。
お疲れ様。
ゆっくり休みなさい。

さて日経新聞『私の履歴書』。
今月は狂言師の野村萬。

「〇〇師」という呼び方、
なかなかに、よい。

医師、薬剤師、看護師、
楽師、能楽師。
宣教師に、伝道師というのまで、
ある。

ただし人間国宝の「師」はめったにない。

その人間国宝の狂言師・野村萬。
日本洋画壇の重鎮・中川一政画伯から可愛がられた。
初めて中川画伯主催のお茶会の席に招かれた。

その茶会の席に、
世阿弥の言葉を書いた軸が掛かっていた。
「上手はへたの手本也
下手は上手のてほんなり」

素晴らしい。

これ、マネジメントに通じる。

同じく日経新聞経済コラム『大機小機』。
今日のタイトルは、
「大企業を元気にしよう」

「経済活性化の決まり文句が
ベンチャー育成である」

安倍晋三政権の第3の矢でも、
成長戦略の柱にベンチャー育成が掲げられる。

だがコラムニストの指摘は、
「大企業の圧倒的な存在感」。

日本の企業数は421万社余り、
大企業は1万社ほど。

企業数でわずか0.2%のシェア。

利益では70%。
納税額では約50%、
従業員数も30%超。
設備投資では70%。
特許出願のシェアは90%。

だから、
「第3の矢の果実を効果的に得るためには、
大企業の元気を引き出すことが不可欠」

そこで、大企業の活性化策が羅列される。

事業再編の促進、
設備投資促進税制、
企業統治の強化。

社外取締役の活用、
法人税をはじめ企業の税負担の軽減。

労働市場の流動化一辺倒ではなく、
長期雇用を促進していく。

良い意味で、
「日本型企業文化の再活性化」も有益。

私は大企業も中小企業も、
どちらも大切だと考えている。

「商業の現代化」のためには、
自然界の森のように巨木も雑木・雑草も、
どっちも必要だ。

手っ取り早くアベノミクスを実現させるならば、
「大企業活性化策」を打てばいい。

しかし私たちの最終目的は、
アベノミクスではない。

アベノミクスも一時の一手段だ。

アベノミクスで思い出したが、
今週の日経は、特徴的な連載をしている。
「へルスノミクス 健康の経済学」

今日はその第3回。

「食事は抜いてもサプリメントは抜かない」。
そんな馬鹿な食生活をしているのが、
和洋女子大学教授の三浦俊彦さん。

54歳にもなって、朝、
次々とサプリを飲んで大学へ向かう。

1日の量は300錠。
購入費は月10万円超。

「1日3食全てがカップ麺ならよい方で、
ポテトチップスだけの日も」。
東京近郊で一人暮らし。
自宅にはサプリの瓶が山積み。

食への関心は薄く、
睡眠時間は不規則で運動もしない。

が、サプリだけは「飲まないと不安」。

健康とは程遠い生活で、
健診でもしばしば再検査。

アホか!

そう罵倒したくなるが、
「サプリ依存症」人間は増加中。

2012年の統計。
単身世帯の健康食品支出額は1万3018円。
これは1万0367円のコメを上回る。

コメと健康食品は2011年に「主従逆転」。

その理由を記事は「手軽さ」に求める。
「つまりコンビニエンスストアの存在」。

コンビニには、
菓子のような袋入りサプリがずらり。

富士経済の調査。
13年の健康食品市場は、
1兆9000億円。

しかし意外にも、
特定保健用食品(トクホ)は伸び悩む。
2007年がトクホのピーク。

それ以降、2割以上の減少。

主因は「広告の表現」。

トクホは曖昧な表現でしか、
効果を訴えることができない。

トクホ以外の一般の健康食品は、
効果が認められていないにもかかわらず
個人の体験談をアピールする。

消費者は安易に、
サプリなどの一般健康食品へと流れる。

アホか!

行動経済学で、
「認知的不協和」
と呼ばれる行動。
人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、
またそのときに覚える不快感。

一方、国民生活センターには、
2012年度に健康食品による健康被害が、
536件寄せられた。

「粗悪な商品や過剰摂取」が害をもたらす。

健康食品で不健康になり、
市場拡大の裏側で医療費が膨らむ。

「『健康』の看板が泣 く」
とコラムニスト。

アホか!
と、結城義晴。

蝉ですら、
ならったことも ない
きいたことも ない
とおい そせんの うたを
とおい そせんの ふしで
歌うのに、
自分で自分の食生活や健康を守れない。

もちろん産業界も、
大企業に限らず、
「健康の看板」を泣かせてはいけない。

〈結城義晴〉

2013年08月21日(水曜日)

野越え山越え「ベニマル商法十二章」と「栴檀は双葉より芳し」

朝晩の心地よさ。
8月下旬の素晴らしさ。

国立天文台から発表されている。
2013年の新月・満月の時刻表。
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そのうちの満月の日。
2013年8月21日(水)
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つまり今夜。

満月の日が毎月ある。
2013年9月19日(木)
2013年10月19日(土)
2013年11月18日(月)
2013年12月17日(火)
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月に叢雲。
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これもよし。

満月を楽しみたい。
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さて今日は一日、横浜の商人舎オフィス。

その商人舎に、
月刊『商人舎』のお申し込み、
殺到。

心から感謝したい。

今月の特集。
「ベニマル・サミット・そしてヤオコー」
大・大・大好評です。

3社のトップ、および広報のみなさんに、
これまた、心からお礼申し上げたい。

大高善興社長のインタビューは、
私自身も大変勉強になった。

間違いなく、
日本の小売業、スーパーマーケットを
先導し続けてきたベニマル。私は「第一世代」と呼んでいる。

その根底を流れる社是。
「野越え山越え」の精神と、
「ヨークベニマル商法十二章」
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善興社長の父上・大高善雄さんは、
商業界ゼミナールで、
はじめて1億円を達成。
Heroだった。

しかし、極めて謙虚。

それが人々の尊敬を集めた。

その後、大高善兵衛、善二郎、善興と、
三兄弟による経営が進むが、
ベニマルはずっと、
日本のスーパーマーケットを、
リードし続けた。

サミットは第二世代。
関西スーパーとともに、
イノベーションを起こして、
これも日本のスーパーマーケットを引っ張った。
第二世代。

そして今、第三世代として、
ヤオコーが革新を見せる。

この三世代をとらえ、
さらにフォーマット戦略と、
ポジショニング戦略をテーマとした。

ご愛読、感謝したい。

月刊『商人舎』、
お申し込みは、
⇒こちら。


さて、連日取り上げて恐縮だが、
『ほぼ日』の糸井重里。

今日、話題にしたのは、
写真家の篠山紀信、
イラストレーターの和田誠、横尾忠則。

三人ともそうだったが、
「無名の青年」。

コピーライターとしての糸井の才能がほとばしる。
「いい匂いのする青年、
輝きのある青年」

横尾や篠山をこう表現する。

しかし青年は、
しだいに錆びていく。

「栴檀は双葉より芳し」

「双葉のころの香りを、
年をとるごとに、残念ながら、
失ってしまう人もいるだろうと思う」

そうなってはいけない。

「それは、なにより
『じぶん』のしたことじゃないかな。
このごろ、そう思うようになった」
正直な糸井重里。
最後にポツリ。
「じぶんのなかの香りや輝きって、
取りもどせると思うな」

同感。

商売をする人は、
「野越え山越え」の精神を持ち続けることで、
青年の「双葉」を維持できる。

自分の中の「香りや輝き」を、
取り戻すことさえできる。

私は固く、そう信じている。

〈結城義晴〉

2013年08月20日(火曜日)

アベノミクス・消費増税「7合目・胸突き八丁」と「雨が降ったら傘をさす」

日中は暑い。
しかし、朝夕は、
本当に秋らしくなった。

昨日午前中に、
紀文食品の山本真砂美さん来社。
執行役員営業推進室副室長。
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そして商人舎MagazineのMonthly連載筆者。
「商売の暮らし歳時記」を毎月、
丁寧に書き続けてくれている。

ありがたい。

今日の商人舎Magazine。
Weekly連載は、
「常盤勝美の2週間ウェザーMD予報」
天候異変の時には必読。

Daily商人舎は、
「スーパー769社調査 中小の減収赤字鮮明」
帝国データバンクの衝撃的なリサーチだ。


月刊『商人舎』。

購読者がどんどん増えています。

⇒お申し込みはこちら。

さて、その山本さんの依頼で、
9月4日(水曜日)と5日(木曜日)、
「紀文お正月フォーラム2013」で、
連続講演する。

山本さんも登壇してレクチャーする。

場所は、東京・東銀座時事通信ホール。
おいでください。

さらに昨日は午後、
日中商会㈱社長の吉居憲治さん(中央)が、
リテイルマネジメントオフィス代表の高木和成さんと、
ご一緒に来社。
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髙木さんは商業経営問題研究会代表世話人。

日中商会のひたちなか工場開設記念行事が、
9月3日に開催される。

その基調講演をお引き受けした。

日中商会はカットたこの商社。
その新工場を見学したあとで、
講演会が開催される。

四條隆彦さんの庖丁儀式と、
結城義晴の講演。

これも吉居さんが、
呼びかけをしている。

ご参加ください。

9月に入る前の8月31日から、
毎日、講演講義の連続。

そして9月6日から12日まで、
ニューヨークとラスベガスに出張。
三井物産主催のトップセミナー。

商人舎主催USA研修会は、
10月22日~29日。
Specialコースで、
ダラス・ワシントンDC・ニューヨーク。

私は9月に入っても、
体調に気を付けつつ、
頑張ります。

さて、消費税とアベノミクス。
新聞各紙の巻頭言がとり上げる。
私たち自身の生活にも、
小売りサービス業の営業にも
大きな影響を与える。

朝日新聞『天声人語』。
「来春に消費税を上げても、
赤字を減らす第一歩にすぎない」。

野田毅自民党税調会長の『文芸春秋』9月号発言。
「いまある制度を前提にしていけば、
消費税はあっという間に25%までいきますよ」

コラムはイソップ物語を引く。
「日本人は自らをアリのように思っていたのに、
気がつけば国全体でキリギリス化していた」。

「刹那(せつな)的でない長い目が必要な時だ」

日経新聞の『春秋』。

甘利明(あまりあきら)経済再生担当相の月例経済報告。
「デフレ脱却は富士登山で言えば7合目(まで進んだ)」

コラムは「アベノミクスはある意味胸突き八丁」。

7合目か胸突き八丁か。

「確かに物価は動き出したが、
本番はこれからだ」

そして「消費増税の処理、成長戦略の策定
……いくつも難所が控えている」

これが私たちの生活にも、
私たちの仕事にも強く影響を与える。

7合目で胸突き八丁。
そのとおり。

これに対して、
『ほぼ日刊イトイ新聞』の糸井重里。
巻頭言の「今日のダーリン」

「雨が降ったら傘をさすんです」
この言葉に、糸井、やたらと感動。

「たしか松下幸之助さんの講演録かなんかで知りました。
そうかぁ、すっごいなぁと思いました」

雨が降ったら・・・・・・。

・・・・異常気象についてしゃべり出すのでもなく、
天気予報の当たり外れを語りだすのでもなく、
「まったくあいにくの雨で」と文句言うのでもなく、
いつごろ止むんだろうと話し合うのでもなく、
雨を研究しはじめたり雨の本を書くのでもなく、
「傘をさして、どこへでも出かける」んですよね。

・・・・つい、人って、雨にとらわれちゃうんですよね。
雨そのものを見たり考えたりしちゃうんです。
でも、雨だろうが、風だろうが、雪だろうが、
やらなきゃならないことがあるなら、
やりたいことがあるなら、
それをしなきゃならないし、するべきでしょう。
だったら、「傘をさすんです」よね。

・・・・傘がない?
買うなり、借りるなり、つくるなりしろよと。
ちょっとくらいなら相合い傘で、行こうかね、と。

・・・・ついでに言えば、動き回る用事がないのなら、
室内で静かにしてたら、
もともと雨なんか気にならないだろうし。

「雨が降ったら傘をさすんです」と言いたいこと、
あちこち、ずいぶんたくさんあります。

私も今、それを言いたい。

「この問題が根本的に解決するまでは、
ほんとうの解決にはならない」
そんなことはいくらでもある。

しかし「雨が降ったら傘をさす」

腹が減ったら飯を食う。
これと同じ。

「大問題が解決しないと
すべては虚しい」わけじゃない。
どんな場所、どんな時代でも、
「やらなきゃならないこと」
「やりたいこと」
それをやる。

雨が降ったら傘をさす。

糸井重里、やたらに感動。
「ぼく自身、とにかく
このことばには衝撃を受けました」

アベノミクス、
消費増税。
「雨が降ったら傘をさす」

競合出現、
客数減少。
「雨が降ったら傘をさす」

傘は・・・・・
買うなり、
借りるなり、
つくるなりしろよ。

自分で考えろよ。
そのくらい。

小売業サービス業は、
「雨が降ったら傘をさす」
その裁量がいくらでも利く仕事。

いや、仕事というものは、
どんな裁量も利くもんだ。

学校のお勉強ではないんだよ。

それが面白いんだよ。
遣り甲斐があるんだよ。

人間の人生も、
いくらでも裁量を働かせることができる。

これも学校のお勉強ではないんだよ。

〈結城義晴〉

2013年08月19日(月曜日)

商人舎USA&ミドルマネジメント研修会、イオン&セブンPBの季節

Everybody! Good Monday!
[2013Vol33]

2013年の夏も、
そろそろ終わり。
その2013年第33週。
8月第4週。

ああ、夏も終わり。
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猛暑日だの真夏日だの、
厳しい、辛い、大変だ、と騒いでいたのに、
終りとなると感傷的になる。

いい加減なもんだが、
それも人間だもの。

さてお盆や夏休みが終わったら、
お知らせふたつ。

まず商人舎USA視察研修会。
もう第14回目になる。
秋はスペシャルコース。
ダラスからワシントンDC、ニューヨーク。
10月22日~10月29日。

ダラス・フォートワース地区の、
ウォルマート、クローガー、HEBなどの激戦。
HEB元副社長メリッサ・フレミングさんの講義、
その後、東海岸でウェグマンズ、
ホールフーズ、

さらにトレーダー・ジョー、
そしてスチュー・レイナードとイータリー。

結城義晴と商人舎が主張している内容を、
現場・現物・現実に当たりつつ解説。

「目から鱗」間違いない。
一度、ご一緒した人も、
再度ご参加ください。

結城義晴の理論は、
どんどん深化している。

今年はクローガーを特に、
注目していきたいと思っている。

それからプライベートブランドに関しても、
フレミングさんと組んで、
深く解説したいと考えている。

先週土曜日17日の日経新聞。
「イオン、高級PB5割増」の記事。

時期は2014年春。
高付加価値の「トップバリュ セレクト」の品目数を、
現在の200品目強から300品目に拡大する。

これは「クォリティブランド」と分類されるPB。
日経新聞の表記は「高付加価値ブランド」

石川県能登半島で手で収穫した天然の岩もずく、
生乳100%のヨーグルト、
国産豚肉の赤身にこだわった豚まん(3個入り298円)
国産の生の鶏肉を原料にしたペットフードなどなど。

犬用ペットフードは、1㎏798円。
エコノミーブランドの3倍の価格だが、
NBの高級品より2割以上安い。

エコノミーブランドは、
ナショナルブランド(NB)より1~3割安い。
日経新聞では「標準PB」と呼ぶ。
イオンの名称は単に「トップバリュ」。

昨年10月の日経新聞一面トップで、
「格安PB」を増やすと報じられたが、
これは「コンペティティブブランド」。
包装などを簡素にしてNB3~5割安くする。
「トップバリュ ベストプライス」。

イオンPB売上高は2012年度6816億円。
前年比約3割増。
現在進行中の2013年度は1兆円の計画。

だからコンペティティブブランドも、
クォリティブランドも、拡充する。

通常のエコノミーブランドの「トップバリュ」も、
もちろん力を入れて開発・リニューアルするが、
要は体系のなかでPBを増やしていこうというのが、
イオンの基本政策。

記事には、最後に、
こう書かれている。
「英テスコの場合、
格安、標準、高付加価値と3つの層に分けて、
PBのラインアップ」

しかしテスコもイオンも、
厳密に言えばもう一つ、
「ライフスタイルブランド」をもつ。

高級・高額、低級・低額ではなく、
ライフスタイルを絞り込んだPB。

環境や安全、コンビニエンスや即食、
さらにフェア・トレードなど、
コンセプチュアルなPB。

トップバリュの共感宣言、グリーンアイ、
ヘルシーアイ、レディミールなど。

4つの体系で、
品揃えを強化して、
独自のポジショニングを築こうというのが、
イオンの基本戦略である。

それに対して、
セブン&アイ・ホールディングスは、
単品志向だ。

それがセブン&アイのポジショニング。

もちろん商品開発とは本来、
単品志向でなければいけない。
その意味でセブン&アイの開発は、
セブン-イレブン御チーム・マーチャンダイジングの時代から、
王道を行っている。

同じ日の日経新聞、
「流通2強、
高付加価値で顧客満足競う」。

イオンとセブンが、
「価値重視のPB開発」競争を展開し始めた。

2012年度のPB売上高。
イオンは6816億円
セブンは約5000億円。

イオンは2013年度に1兆円、
セブンは2015年度に1兆円。

そのための政策の一つが、
付加価値型のPB企画。

セブンは現在の約20品目を、
2015年度までに300品目に拡充予定。

そのためにメーカーにも、独自技術を提供してもらう。
代表例がセブンプレミアムゴールドの「金の麺」。
製造委託先は東洋水産。
大ヒット商品「マルちゃん正麺」にも使われていない、
コシを強くする製麺技術を供与した。

こうした取組みは今後ますます増える。

アメリカやヨーロッパでは、
さらにこの上を行くPB開発が行われている。

今年の商人舎USA研修会は、
PBの「現場・現物・現実」研究も中心課題となる。

さてさて、もう一つのお知らせは
第4回ミドルマネジメント研修会。
こちらは9月24日(火)~26日(木)の2泊3日。
会場はニューウェルシティ湯河原。
完全缶詰合宿。

上田惇生先生の講演がハイライトだが、
結城義晴も目いっぱい講義するし、
鈴木哲男先生、高野保男先生、白部和孝先生も、
満を持してご登壇くださる。

店長、バイヤー、中堅幹部、将来の幹部候補生。
自分で考え、自分で行動し、
会社や店を甦らせる人財を養成する。

第1回、第2回からすると、
内容もずっと改善、改革され、
教育効果はさらに上がった。

上田先生もこのミドルマネジメント研修会には、
「這ってでも出る」とおっしゃるほど。
是非のご参加をお願いしたい。
そしてドラッカーの真髄を、
学び取っておいていただきたい。

さて、全国高校野球選手権大会。
いわゆる「夏の甲子園」。

今日がベスト8の激突、準々決勝。
一日休んで、明後日が準決勝、
木曜日が決勝。

実は今日が一番おもしろい日。

自分の県代表が姿を消し、
残った県を除けば、
一億総評論家化。

それはそれで、
夏の風物詩。

今週は盆休み、夏休みのあと。
消費減退、節約・倹約志向。

北海道や北東北、長野は、
今週から授業が始まる。

関東では来週が多い。

関西以西は再来週からか。

公立の小中学校は、
市町村の教育委員会が定めている。
だから夏休み期間はまちまち。

ちなみに立教大学は今年、
9月21日土曜日から授業開始。

大学や大学院はスタートが遅い。
あと2週間で9月。

秋の気配を感じさせられる。

熊蝉に明け蜩(ひぐらし)に暮るる駅 
〈朝日俳壇 奈良市・上田秋霜〉

そんなひなびた小さな駅もある。

蜩の風になるまで鳴きにけり
〈朝日俳壇 横須賀市・佐藤博一〉

カナカナという声が風になって消えていく。

そしてこの時の食べもの。

堅物と云はれやうとも冷奴
〈同 青梅市・青柳富也〉

同感です。

おはようと
いただきますとごちそうさまと
おやすみを
積み上げて行く

〈日経歌壇 奈良市・杉田菜穂〉

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

今週の私のスケジュールは、
総合スーパーの取材。

土曜日と日曜日は秋田出張。

来週、再来週は講演が目白押し。
そして9月上旬にアメリカ出張。

急に忙しくなる。

今週来週の節約志向。
それが顧客とともに、
小売りサービス業が、
英気を養うためにある。

その後、忙しくなる。

それまで、ぼちぼちと。

では、みなさん、
Good Monday!

〈結城義晴〉

[追伸]
今日の商人舎magazine。
Weekly商人舎の月曜朝一。
「8月4週の販促企画はこれだ」
お忘れなく。

2013年08月18日(日曜日)

ジジとお父さんの夏休み[日曜版2013vol33]

ジジです。
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まだまだ、
あついですね。
でも、ちょっとだけ、
秋のけはい。

おとうさん、
いません。
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おでかけ。
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さいごの夏休み。
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青い空、白い雲。
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ボクは、まってます。
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寝ながら。
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日暮れて、
ディナー。
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いいなあ。
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フレンチ。
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テーブルにナイフとフォーク。
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いただきます。
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うらやましい。
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まずはサラダ。
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そしておさかな。
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おいしそう。
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お肉はラム。
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そしてデザート。
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ごちそうさま。
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ここは、このひとがつくったところ。
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ジャック・ニクラウス。

そしておとうさんは、
これです。
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ゴルフ。
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それがおとうさんの夏休み。
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おおきな空、
ひろいコース。
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いいですね。
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ここでおとうさんは、
秋をかんじた。
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もう、そこに、
秋がやってきている。
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あついあつい夏がおわって、
秋がやってくる。
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不思議です。

なにごとも、
移り変わっていく。

時とともに、
かわっていく。
20130818195152.jpg

なぜ、ときはすぎていくのでしょう。
なぜ、かわっていくのでしょう。
20130818201519.jpg
夏のおわりには、
そんなことを考えます。

そうして夏は、
すぎていきます。

もうすぐ秋です。
〈『ジジの気分』(未刊)より〉

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