日経新聞の巻頭コラム『春秋』。
イギリスのサッカー・プレミアリーグ。
「古豪だが最近は成績のあがらないクラブ」
「新興財閥の金の力で有名選手を集めたクラブ」
この両チームの試合。
サポーターたちの野次り合い。
前者が後者を煽る。
「ノーヒストリー(歴史なしだろが)!」
後者が前者を揶揄する。
「ノーフューチャー(未来なしだろが)!」
コラムニストは、これを、
ドイツのメルケル首相と欧州連合とに結び付ける。
EU加盟国28カ国、
単一通貨ユーロ圏に属する17カ国。
「ばらつきがあるメンバーを
励ましと叱咤でまとめていかねば、
とたんにノーフューチャーの烙印」
「メルケル主将の役どころは
なかなかしんどい」
というのもEUの図体が大きいからだ。
小さい方がリードしやすい。
メルケルはドイツを導くことはできるが、
EU全体となると「ノーフューチャー」となってしまう。
そう考えると、
わが商人舎は「ノーヒストリー」だが、
「ノーフューチャー」では全然ない。
私の出身母体㈱商業界は、
倉本長治先生がつくった「ヒストリー」の会社だが、
その「フューチャー」は果たしてどうなのか。
先日の商業界九州沖縄ゼミナール佐賀で、
壽屋創業者の壽崎肇さんに会って話を聞いたら、
そのことがちょっと心配になった。
さて、昨日から湯河原。
商人舎ミドルマネジメント研修会。
第4回を迎えて、好調。
商人舎が、
そのフューチャーに期待を寄せる人財が、
集った。
二日目の今朝は、
まず理解度テストから。
みんな直前まで、復習。
テキストをチェックして、
テストに備える。
8時15分スタート。
緊張した静寂が訪れる。
この必死の時間が、
フューチャーをつくる。
30分で終わり。
すぐに今日の第1講座。
鈴木哲男講師。
「重点商品と販促計画との連動」
「仕組みとしてのプロモーションを確立するために」
これがサブタイトルだが、
実に丁寧に実践資料豊富な講義だ。
鈴木さんが講義するのは、
浅薄なトレンドや思い付きの提案ではない。
実践に裏打ちされた仕事のセオリー。
今日の第2講は、
「競合店対策の実際」
ベンチ・マーキング発想で、
店を見る→視る→観る。
素晴らしい講義だった。
次の講師の白部和孝先生が、
顔を見せてくれた。
三人で写真。
鈴木さんとは次を約して、
固い握手。
来年はマーチャンダイジング研修会を、
新設する予定。
よろしく。
今日の第3講座、第4講座、第5講座は、
白部和孝講師。
計数の基礎・応用。
日本小売業の計数管理の先生。
まず故川崎進一先生。
それから藪下雅治先生。
白部先生は、
そのお二人を後継する人だと、
私は考えている。
熱い講義は、
私同様の九州人だから。
設問を出して、演習をする。
順番に答えを発表し、
白部先生は会場を回って、
ひとり一人指導。
ランチを挟んで3時限。
いい講座だった。
ミドルマネジメント研修会必須の講義だ。
その白部先生とも、
次を約して握手。
今日の最後は、結城義晴。
5時半から8時まで。
このミドルマネジメント研修会の中核講義。
ミドルマネジメントの方法から、
ストラテジック・マネジメントまで。
後半はパワーポイントを使って、
ビジュアルな講義。
語れば語るほど、
熱く熱くなってくる。
午後8時5分。
今日の全講義終了。
そしてすぐに夕食。
このホテルの食事は、
素晴らしい。
食事を堪能するやいなや、
全員が今日の復習。
自習室にも集まった。
他の受講者は各自の部屋で勉強。
3日間の缶詰研修会。
集中しなければ、
成果はない。
成果を上げるために、
講師陣は全身全霊で教授し、
受講者も全力で受け止め、
学習し、考察する。
満足。
ピーター・ドラッカーは、言う。
「仕事が出来る者は、集中する」
「集中するための原則は、
生産的でなくなった過去のものを
捨てることである。
過去を捨てなければ、
明日をつくることは出来ない」
これ、ヒストリーとフューチャーを語っている。
「あまりにわずかの企業しか、
昨日を捨てていない。
あまりにわずかの企業しか、
明日のために必要な資源を
手にしていない」
明日のための勉強、
明日のための研修。
だから満足。
豊かなフューチャーが、
私たちを待っている。
〈結城義晴〉