結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年09月30日(月曜日)

滅茶苦茶ポジティブな秋シリーズとスタバのポジショニング戦略

Everybody! Good Monday!
[2013vol39]

2013年の第39週。
明日から10月、神無月。
「かんなづき」は、
神のいない月。

昔々、今月は出雲大社に全国の神様が集まる月だった。
だから出雲以外の地方には神様がいない。

そこで「神無しの月」。

逆に出雲地方は「神在月」と呼ばれた。

俗説だが、多神教の日本らしいお話で、
私は大好きだ。

一方、英語のOctober。
あまり面白くはない。

Octoberは、
ラテン語とおなじ綴り。
ラテン語では「第8の」という意味。

紀元前46年、
ユリウス・カエサルがつくったカエサル暦が、
現在の暦の原型となっている。
その前は、ローマ暦が使われていた。

この暦は現在でいえば3月が年の初め。
だから3月から数えて8番目が今の10月。

日本の神無月の方が、
由来があって面白い。

しかし秋めいてきた。

秋冷やひたひたと満ち家つつむ
〈朝日俳壇 東京都・廣川風韻〉

「しゅうれい」と読んで、
秋の冷え込みのこと。
それが「ひたひた」と満ちて、
家を包んでくる季節。

これもよし。

何かと批判を浴びるJR北海道の旧愛国駅から、
絵葉書が届いた。
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立教大学院結城ゼミ3期生の佐藤康祐君から。
「キップのように幸福をお祈りします」
添え書きがついている。

ありがとう。

読者のみなさんにも、
幸福がやってきますように。

さて10月の販促は、
商人舎magazine
Weekly商人舎の日替り連載に。
「今週の販促企画はこれだ」

プロモーションテーマは、
滅茶苦茶ポジティブな「秋シリーズ」。
それがいい。

秋はいい。

一冊の本と林檎と柱かな
〈同 彦根市・阿知波裕子〉

柱は家のなかの一番太い柱。
大黒柱か。
本と林檎と柱。
そこにいて、
静かに本を読む。

いいなあ。

さて、大阪維新の会。
朝日新聞は一面トップ。
「堺市長選、維新敗北」。
二面では「橋下維新、崩れた足元」。

日経新聞は『総合・政治』欄で、
「橋下氏、求心力に陰り」

毎日新聞の社説は、
「堺市長再選
橋下構想に厳しい審判」

小売業にたとえると、
ローカルチェーンがいきなり、
ナショナルチェーンを志向した。
ユニークなプロモーションで、
はじめは大いに受けた。

しかしプロモーションだけの大風呂敷は、
肝心要の地元顧客からの支持までを失わせた。

世のため、人のため。
お客様のため、従業員のため。

商売も政治も、
その意味では同じである。

天高しなにはともあれ深呼吸
〈日経俳壇 立川・西遙〉

結城義晴も橋下徹さんも、
ローカルチェーンのみなさんも
もちろんナショナルチェーンも、
リージョナルチェーンも、
天は高い。
何はともあれ、
深呼吸。

いい季節です。

9月17日、
スターバックスコーヒージャパンが、
1000店達成。

名古屋自由ケ丘店。

17年前の1996年、
東京・銀座へ1号店を出店。
1000店をほぼ直営だけで達成。

最高経営責任者(CEO)は関根純さん、
66歳。

日経新聞に関根さんが語る。
「ここからが大変なんだ」。

外食産業で1000店以上を展開するは約10ブランド。
マクドナルド(3228店)、
モスバーガー(1433店)、
ケンタッキーフライドチキン(1180店)、
すき家(1913店)、
吉野家(1193店)、
CoCo壱番屋(1323店)、
ミスタードーナツ(1376店)、
サーティワンアイスクリーム(1174店)、
ドトールコーヒーショップ(1100店)、
そしてガスト(1335店)。

いずれも決算期の店舗数だが、
マクドナルドが3000店超で、あとは、
いずれも1000店台。

すき家が2000店目前だが、
モスバーガー、ガスト、ミスタードーナツ、
1500店を目指している。

スタバと同じカフェ・ビジネスでは
ドトールコーヒーが1100店。

関根さんの「これからです」には実感がある。

リーマン・ショック後、
スタバにも停滞期があった。

対策は、脱画一化。
立地にあわせた店別の内装や什器を導入。
専任デザイナーがゆったりとした空間を設計し、
本来の「サードプレイス」を追求。
これは家庭でも職場・学校でもない第3の場所。

これこそスタバのポジショニング。

既存店改装に新店の2倍の投資をして、
13カ月連続既存店増収。

しかし今、コーヒー戦争勃発。

セブン-イレブンの参入がその最大の敵。
昨2012年秋、
関根さんはシアトル本社で、
ハワード・シュルツに進言した。
伝説の創業者にして現CEO。

「住宅地に限定した新型店を出したい」。
コーヒーは450円、
アルコールや焼きたてパンも品揃え。
いわゆる高級店。

1000店を超えるところでの、
新フォーマット戦略。

シュルツは即答。
「いいじゃないか」

そのシュルツも、アメリカで、
2008年に飽和状態に直面、
既存店大量閉鎖を断行した。

シュルツのバナー(店名)提案。
「インスパイアド・バイ・スターバックス」

今年4月、東京・二子玉川に1号店開店。
コーヒー価格2倍は、
業界でも驚かれた。

「今のところ客足は絶えない」

関根さんは言う。
「2020年を見据えないと生き残れない」

しかしポジショニング戦略と新フォーマット開発。
それは確かな足取りを示している。

ローカルチェーンも、
リージョナルチェーンも、
ナショナルチェーンも、
何はともあれ深呼吸だ。
では、みなさんも、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2013年09月29日(日曜日)

ジジと「自らの強み」[日曜版2013vol39]

ジジです。
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ねむい。
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だから、
いつものところで、
ねてます。
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おとうさんも、
きょうは、
よくねてます。
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ボクは、こんどは、
ハコのなか。
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おとうさんは、
すごくいそがしくて、
つかれた。

ボクもつかれた。
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でも、日ざしが、
かわってきた。
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すこしずつ、
やさしい日ざし。
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おうちのなかも、
すこしずつ、
かわってきた。
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こうして、すこしずつ、
すずしくなっていって、
やがて、さむくなります。
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だからハコのなか、
だいすきです。
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今週のおとうさん。

湯河原にいった。
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ミドルマネジメント・セミナー。
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三日間、はなしつづけた。
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それから、長岡というところにも、
いきました。
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インタビュー。
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rikkyoにも、
二度、いった。
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みどりも空も、
きれいだった。

あっ、おとうさんも、
おきてきた。
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きょうは、
これから、
ゲンコー書き。

いそがしいですね。
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そういえば、
新聞にもかいた。
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あっちこっち、
うごきまわるのはいいんですけど、
もっと、ゆっくり、
やすんでください。
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それには、よく、
ねむることです。
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まあ、うごきつづけるエネルギーが、
ユウキヨシハルの強みですからね。
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しかたないかもしれませんね。
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ドラッカー先生も、
「自分の強みを伸ばせ」って、
いってますしね。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2013年09月28日(土曜日)

東北イーグルスのパリーグ優勝、立教結城ゼミと商人舎座談会

東北楽天ゴールデンイーグルス。

2005年、
50年ぶりに日本プロ野球に新規参入。
6年後の2011年、
東日本大震災。

震災の復興支援試合。
嶋基宏捕手のコメント。
「今、野球の真価が問われている。
見せましょう、野球の底力を」

そして2年後の今年、
震災から3シーズン目、
パリーグ初優勝。

東北のプロ球団初の快挙。

おめでとう。
東北の人たち。

おめでとう。
野球を愛する人たち。

野球の底力と、
野球の真価が、
東北で示された。

さて、長岡から帰って、
今日は朝から東京・池袋。

立教大学。
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伝統の校門。
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そして蔦の絡まる本館。
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秋の光のなかで、輝く。
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空も美しい。
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名物の中庭の銀杏。
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日本を代表する素晴らしいキャンパス。
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キャンパス内の木々が輝く。
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私たちはビジネスデザイン研究科。
その結城ゼミ。

ほとんど全員が、
自分の研究のピークに差し掛かった。

いま、研究の真価が問われる。
まさに東北ゴールデンイーグルスと同じ。

結城ゼミは今年、7人。
ホームセンターの業態とフォーマット論。
食品の賞味期限と返品、廃棄問題。
有機食品のコーポレート・ブランディング。
カタログ通信販売のタイムラグ問題。
韓国化粧品ショップのプライス問題。
医療機器卸売業の流通革新。
そして生命保険のチャネル問題。

私の専門領域そのものの研究テーマと、
それに関連する他産業の流通チャネル課題。

全員がそれぞれに、
自分のキャリアを活かしつつ、
焦点となるテーマに真剣勝負で取り組む。

すべてのテーマが関連し合っている。
それが現代の日本の産業界を表わしている。

今、そのピークに差し掛かっている。

頑張れ。

私はそれぞれを指導、応援しつつ、
ともに考える、闘う。

来週、再来週の土曜日は、
ヨーロッパ。

その後の土日曜が、
また、新座での合宿。

それまで、頑張ってほしい。

ゼミを終らせて、
横浜の商人舎オフィスに直行。

浅香健一さんと茂木衛さん。
㈱リテール・マーケティング研究所社長と会長。
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月刊『商人舎』の座談会。

ありがとうございました。

今週は、
ほんとうに忙しかった。
疲れた。

それでも、燃える仕事。
強みを伸ばすオペレーション。

だから疲れは、
すぐにとれる。
回復する。

週末も、原稿書き。
休みはしない。

肉体的、精神的な疲労感はあるが、
それはストレスにはならない。

だから、元気です。

みなさんも、
お元気よう。

白石冬美。
ちと、古いか。

〈結城義晴〉

2013年09月27日(金曜日)

原信ナルス原和彦社長と対談、ドラッカーの「組織の使命と信念」

日経MJに寄稿しました。
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毎月1回、
2000字の原稿を書いている。

マーケティングのSTP
フィリップ・コトラーが
提唱している基本中の基本。
セグメンテーション(Segmentation)、
ターゲティング(Targeting)、
ポジショニング(Positioning)
その頭文字をとってSTP。

ただしSTPの前に
市場調査が必須となる。
これをResearchの頭文字をとってRと略し、
R-STPと関連づけるのが常道。

まず市場における顧客と需要の状況や
競争環境を調査し、
自社自店を取り巻く情勢を分析する。
そのうえで、市場の細分化を試みる。

一般的なマーケティングでは、
性別や年代、所得や人種、
さらに地理的条件などで
細分化は行われる。

これがセグメンテーションだ。

小売業やサービス業で、出店の際、
立地調査をし、商圏を設定するが、
これがリサーチと
セグメンテーションということになる。

次に、細分化した市場の中から、
自社自店が最も
「強み」を発揮できる領域に
絞り込んで、ターゲットを決める。
競争を優位に
展開できるマーケットを選択する。

これがターゲティングである。

しかしターゲティングしても、
まったく競争が起こらないわけではない。
同じマーケットを同じように
ターゲティングする企業や店は存在する。

そこで、ターゲットとする市場において、
競争相手と違った考え方、
方法で顧客を獲得し、
営業を展開していくことになる。

それがポジショニングである。

流通サービス業では、
このポジショニングがとりわけ重要になる。

ポジショニングとは、
ターゲットとするマーケットで、
コンペティターの戦略戦術を分析し、
コンペティターができない作戦、
しかも自社自店の強みが
生きる政策を講じ続け、
競争を優位に展開することだ。

この一連の戦略がSTPといわれるものだが、
小売りサービス業ではこれまで、
やや冷やかにこの考え方を見ていた。

とりわけ大衆品を扱うチェーンストアでは、
マーケティングの概念が
否定されたほどだったから、
セグメンテーション作戦など、
自ら市場を狭めてしまって、
それではハナッから
商売にならないと考えられていた。

総合スーパーや食品スーパーマーケット、
ホームセンター、ドラッグストア、
そしてファストフードやファミリーレストラン。

STPではなく、
エブリボディ・グッズ、
エブリデー・グッズを対象に
マス・マーチャンダイジングをすればいい。
そう考えられてきた。

しかし20世紀の高度成長期のように、
すべてをごっそりと奪い取ることはできない。

アメリカでは、
圧倒的に強いウォルマートを
中心にした激しい競争の中から、
小売りサービス業やチェーンストアでも
STPマーケティング抜きには、
サバイバルできないという状況が生まれた。

日経MJのご愛読もお願いしたい。

ただし、パソコンやスマホから情報や知識、
モノの見方や考え方、
技術やノウハウを得たい方は、
商人舎magazineを。

流通サービス分野のWebでは、
商人舎magazineが最高最大です。

さて今日は朝一番で、
東京・大門。
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プリンスホテルの上に、
ニョッキリと東京タワー。

カスタマー・コミュニケーションズ㈱の、
定例役員会。

重要な報告と決議。

ピーター・ドラッカーを思い出した。

堂々と成果を上げよう。
仕事を楽しもう。
自分の強みを伸ばし、
燃えるものを見つけよう。
いつまでも挑戦しよう。
尊敬する人と仕事をしよう。

会議が終わると、
東京駅に直行。

上越新幹線に乗り込んで、
約1時間半。

新潟県の長岡に到着。

㈱原信ナルスホールディングス本部を訪問。
代表取締役社長の原和彦さんのインタビュー。
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その原信ナルス・ホールディングスは、
10月1日に、
フレッセイホールディングスと統合して、
アクシアルリテイリング㈱となる。

120店2000億円、
新潟県・群馬県を中心にした、
リージョナルチェーンとなる。

月刊『商人舎』10月号では、
「M&A」特集を企画している。

その、目玉インタビュー。

私も随分、持論を展開して、
語りたいことを語った。
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専務取締役の山岸豊後さん
ずっと付き添って、サポートしてくれた。
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1時間半も、実にいい対談ができた。

感謝したい。

同社は、ナルスと合併する前の原信時代から、
TQM(トータル・クォリティ・マネジメント)の活動を、
30年以上も続けている。

それが今回も、新しい会社の背骨となる。

まさにTQMを、
ポジショニング戦略の核にしてほしい。
私はそう思った。
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新しい会社はアクシアルリテイリング。
名前にちなんで、握手。
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原信一会長の像の前で、
再び握手。
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原信一さんには、2008年4月17日、
商人舎発足の会の発起人になっていただいた。

心から感謝しつつ、
新生アクシアルの健全な発展を祈念した。

その後、原信川崎店を訪問。
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つまみの惣菜やビールを買い込んだ。

いい店だった。

最後に再び、ドラッカー。
「組織に働く者は、
組織の使命が
社会において重要であり、
他のあらゆるものの基盤であるとの
信念をもたなければならない。
この信念がなければ、
いかなる組織といえども、
自信と誇りを失い、
成果をあげる能力を失う」

〈結城義晴〉

2013年09月26日(木曜日)

オリックス宮内義彦「遅々として進む」と上田惇生「堂々と成果を上げよ」

日経新聞最終面の『私の履歴書』。
今月はオリックス会長の宮内義彦さん。
オリックス㈱は国内最大の総合リース企業。
売上高は1兆円を超える。

意外にも総合商社のサラリーマンから、
企業内起業して、
長らくトップマネジメントの座にある。

こういった人が、
最初からのオーナーよりも、
長続きし、しぶとい。

小売業界でいえば、
アークス社長の横山清さんが、
同じようなキャリアの人だ。

さてその宮内さん、
1994年、経済同友会副代表幹事になって、
規制緩和に取り組む。

はじめは民間経済活動の規制緩和。

1999年、小渕政権の時、
総合規制改革会議議長に任じられ、
直後に小泉純一郎首相が登場。

この時には、社会的規制がテーマ。

そして「規制の岩盤」にぶち当たる。

「社会的規制は経済的規制とちがい、
人びとのくらしを守るために存在する。
だから経済原理を優先させて
ゆるめるのはまかりならん」

猛烈な反対運動。

記者会見で発言。
「遅々として進んでいる」

宮内さんの反骨精神の真骨頂。
私はこういった言い回しが好きだ。

「遅々として進まず」
これが慣用句。

それを引っ繰り返して、
「遅々として進んでいる」

既得権益者たちの必死の反抗に、
慣用句を逆用して、
意外さを出す効果を発揮させている。

私は「マス・カスタマイゼ―ション」
「特定多数」と表現した。

もちろん慣用的な言い回しは、
「不特定多数」。

そこを「特定」の「多数」と表現することで、
意外性を出す。

しかしこれが21世紀のビジネスにおいて、
中核となるコンセプトだと思う。

さて湯河原での三日目。
第4回商人舎ミドルマネジメント研修会。

会場は、ニューウェルシティ湯河原。
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静岡県にあるが、
神奈川県との境目が、
ホテル入り口真ん前の橋の上。
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温泉街に川は流れる。
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駿河の國と相模の國の境目。

三日目の今日も、
朝一番で理解度テスト。
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昨日の怒涛の講義を復習し、
最終チェックに余念がない。

そしてスタート。
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濃密な時間。
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今回は、筆記式の設問を多くした。
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自分で考察して、
自分の言葉で表現する。
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その光景を後ろからしずかに見ている。
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時間がやってきて、
答案用紙を回収。
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空気が和む。

そして私の第1回理解度テスト講評。
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中国の「科挙」制度の功罪について話した。
功も大いにあったという話。

今回は前回より、
全体として少し点数は上がった。

最終日の第1講座、第2講座は、
高野保男講師。
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テーマは「作業システムの概要」。
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レイバースケジューリング・システムの第一人者。
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現場での直接指導で、
全国を飛び回っている超売れっ子コンサルタント。

各地の各社で高い実績が上がっている。

パワーポイントやビデオを駆使して、
わかりやすい講義を展開。
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高野さんとも次を約して、
固い握手。
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高野さんの講義中に、
上田惇生先生ご到着。
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上田先生は俳句が好きだとか。
俳句を作るように、
「ドラッカーを訳してきた」

私は上田惇生のドラッカー本の魅力を、
この瞬間に理解した。

最終日第3講座は、
その上田先生の特別記念講演。
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ご存知、ドラッカーの分身。
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着座して、右手にマイクをもって、
とつとつと語りながらも、
一気呵成に90分。
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今でも、1日に多い日で10時間、
少ない日でも2時間、
ドラッカーの原文を読んでいる。

そして必ず新しい発見がある。

その上田先生の今、
いちばん語りたいことを、
存分に語っていただいた。
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最後の五つの助言。

第1に、堂々と経営して、
堂々と成果をあげてください。

第2に、仕事を楽しんで下さい。

第3に、そのために、強みを伸ばしなさい。
自分が燃えるものを見つけなさい。


第4に、いつまでも挑戦を続けなさい。

第5に、尊敬する人と仕事をしなさい。

時間をはるかにオーバーしたが、
ここから質疑応答。
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「教育担当として、
若い人たちを生き生きわくわくさせるために
必要なことは?」
グッド・クェッション。

上田先生は、虚空を見ながら考え、
一つひとつに丁寧に答えてくださる。
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「成果が上がらない時に、
生き生きと仕事してもらうには
どうしたらいいのでしょうか」
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そして、「共産主義と資本主義の次に、
マネジメントが重要な時代が来ると見抜いたドラッカー。
その点を丁寧に教えてください」
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みんな、自分の質問のように
真剣に答えを待つ。
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上田先生が丁寧に、
言葉を選んで答える。
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本当にありがたいことだ。

その全員の気持ちを込めて、
スタンディング・オベーション。
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盛大な拍手に応えて、
上田先生からの最後の言葉。

「組織に働く者は、
組織の使命が
社会において重要であり、
他のあらゆるものの基盤であるとの
信念をもたなければならない。
この信念がなければ、
いかなる組織といえども、
自信と誇りを失い、
成果をあげる能力を失う」

ありがとうございました。

付き添ってくれた川勝利一さんと、
三人で写真。
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川勝さんは、
商人舎エグゼクティブコーディネーター。

上田先生がこの世で、
最も信頼を寄せる人物だ。

上田先生と川勝さんを見送って、
最後の総括講義。
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テキストの未説明部分を、
全部おさらいして、
そして総括。
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「自ら、変われ!」
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私は上田先生の言葉を噛みしめていた。

堂々と成果を上げよう。
仕事を楽しもう。
自分の強みを伸ばし、
燃えるものを見つけよう。
いつまでも挑戦しよう。
尊敬する人と仕事をしよう。

帰途、相模湾の向こうの水平線に、
光が見えた。
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今年のミドルマネジメント研修会、
大きな成果を、堂々とあげて、
終了した。

すべての人々に感謝したい。

〈結城義晴〉

2013年09月25日(水曜日)

「No History! No Future!」と商人舎ミドルマネジメント研修会

日経新聞の巻頭コラム『春秋』。
イギリスのサッカー・プレミアリーグ。

「古豪だが最近は成績のあがらないクラブ」
「新興財閥の金の力で有名選手を集めたクラブ」

この両チームの試合。
サポーターたちの野次り合い。

前者が後者を煽る。
「ノーヒストリー(歴史なしだろが)!」

後者が前者を揶揄する。
「ノーフューチャー(未来なしだろが)!」

コラムニストは、これを、
ドイツのメルケル首相と欧州連合とに結び付ける。

EU加盟国28カ国、
単一通貨ユーロ圏に属する17カ国。
「ばらつきがあるメンバーを
励ましと叱咤でまとめていかねば、
とたんにノーフューチャーの烙印」

「メルケル主将の役どころは
なかなかしんどい」

というのもEUの図体が大きいからだ。
小さい方がリードしやすい。

メルケルはドイツを導くことはできるが、
EU全体となると「ノーフューチャー」となってしまう。

そう考えると、
わが商人舎は「ノーヒストリー」だが、
「ノーフューチャー」では全然ない。

私の出身母体㈱商業界は、
倉本長治先生がつくった「ヒストリー」の会社だが、
その「フューチャー」は果たしてどうなのか。

先日の商業界九州沖縄ゼミナール佐賀で、
壽屋創業者の壽崎肇さんに会って話を聞いたら、
そのことがちょっと心配になった。

さて、昨日から湯河原。
商人舎ミドルマネジメント研修会。
第4回を迎えて、好調。

商人舎が、
そのフューチャーに期待を寄せる人財が、
集った。

二日目の今朝は、
まず理解度テストから。
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みんな直前まで、復習。
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テキストをチェックして、
テストに備える。
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8時15分スタート。
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緊張した静寂が訪れる。
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この必死の時間が、
フューチャーをつくる。
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30分で終わり。
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すぐに今日の第1講座。
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鈴木哲男講師。
「重点商品と販促計画との連動」
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「仕組みとしてのプロモーションを確立するために」
これがサブタイトルだが、
実に丁寧に実践資料豊富な講義だ。
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鈴木さんが講義するのは、
浅薄なトレンドや思い付きの提案ではない。
実践に裏打ちされた仕事のセオリー。
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今日の第2講は、
「競合店対策の実際」

ベンチ・マーキング発想で、
店を見る→視る→観る。

素晴らしい講義だった。

次の講師の白部和孝先生が、
顔を見せてくれた。
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三人で写真。
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鈴木さんとは次を約して、
固い握手。
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来年はマーチャンダイジング研修会を、
新設する予定。

よろしく。

今日の第3講座、第4講座、第5講座は、
白部和孝講師。
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計数の基礎・応用。
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日本小売業の計数管理の先生。
まず故川崎進一先生。
それから藪下雅治先生。

白部先生は、
そのお二人を後継する人だと、
私は考えている。

熱い講義は、
私同様の九州人だから。
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設問を出して、演習をする。
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順番に答えを発表し、
白部先生は会場を回って、
ひとり一人指導。
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ランチを挟んで3時限。
いい講座だった。
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ミドルマネジメント研修会必須の講義だ。

その白部先生とも、
次を約して握手。
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今日の最後は、結城義晴。
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5時半から8時まで。
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このミドルマネジメント研修会の中核講義。
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ミドルマネジメントの方法から、
ストラテジック・マネジメントまで。

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後半はパワーポイントを使って、
ビジュアルな講義。
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語れば語るほど、
熱く熱くなってくる。
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午後8時5分。
今日の全講義終了。

そしてすぐに夕食。
このホテルの食事は、
素晴らしい。

食事を堪能するやいなや、
全員が今日の復習。

自習室にも集まった。
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他の受講者は各自の部屋で勉強。

3日間の缶詰研修会。

集中しなければ、
成果はない。

成果を上げるために、
講師陣は全身全霊で教授し、
受講者も全力で受け止め、
学習し、考察する。

満足。
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ピーター・ドラッカーは、言う。
「仕事が出来る者は、集中する」

「集中するための原則は、
生産的でなくなった過去のものを
捨てることである。
過去を捨てなければ、
明日をつくることは出来ない」

これ、ヒストリーとフューチャーを語っている。

「あまりにわずかの企業しか、
昨日を捨てていない。
あまりにわずかの企業しか、
明日のために必要な資源を
手にしていない」

明日のための勉強、
明日のための研修。

だから満足。

豊かなフューチャーが、
私たちを待っている。

〈結城義晴〉

2013年09月24日(火曜日)

半沢直樹の最高視聴率と第4回ミドルマネジメント研修会の「倍返し」

テレビドラマ『半沢直樹』。
最終回に視聴率は、
関東地区の平均で、
なんと42.2%。

平成時代最高の視聴率だった。

瞬間最高視聴率は、
関東地区で46.7%、
関西地区で50.4%。

時刻は午後10時17分。
最後のシーンだった。

私自身は、
マネジメント論の歴史を講義し、
その中でファヨールの管理過程論の弊害を説明するときに、
ずいぶんと楽になった。

それだけは、ありがたい。

今日は朝、新横浜から
新幹線こだま641号に乗って
熱海へ。

今日24日から26日までの3日間、
第4回商人舎ミドルマネジメント研修会。
湯河原で開催する。

日本の小売サービス業の、
ミドルマネジメントのためのセミナー。

ドラッカーのマネジメントを基礎にする。
だから半沢直樹の属する世界は、
その正反対のマネジメント理論の真っただ中にあって、
だから説明しやすい。

このマネジメントを中心に、
マーチャンダイジングとプロモーションから、
計数管理、作業システムまで、
日本の超級講師陣によって、
缶詰方式で学んでもらう。

熱海から湯河原までの車中、
海を見ながら、研修会の成功を祈る。
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秋の光を穏やかに反射する相模湾。
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海岸沿いの真鶴道路を走ると、
湯河原の海岸沿いの街並みが見えてきた。
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そして千歳川沿いにある会場、
ニューウェルシティ湯河原へ。
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「歓迎 商人舎ミドルマネジメント研修会御一行様」
立て看板の前で、成功を祈念しつつ、記念ショット。

研修会場は天井が高く、
ゆったりと作られた「大観の間」。

今回も札幌や福岡といった全国から、
中堅幹部精鋭が集った。
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今日は午後13時から20時までの研修。
第1講座、第2講座は、
結城義晴が担当。
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最初のテーマは、
「私たちの小売・サービス産業」。
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商業の近代化と現代化の違いを明らかにし、
その「現代化の担い手」になってほしいと訴えた。
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コーヒータイムを挟んで、
第3、第4講座は、
鈴木哲男講師。
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㈱REA代表。
52週マーチャンダイジング指導の、
正真正銘のトップコンサルタント。
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鈴木さんの講義は
実務に即した資料がふんだんに用いられ、
マーチャンダイジングの本質が語られる。
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だから、みな真剣にメモを取り学ぶ。
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そして今日の最後の講義は、
再び私、結城義晴。
「ナレッジ・マネジャーのためのマネジメント」
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日本のマネジメントの欠陥がどこにあるのか、
なぜ否定されるマネジメントシステムが、
チェーンストアやスーパーマーケットの、
組織DNAになってしまったのか。
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ミドルマネジメント研修会で、
最も強調したいこと、
正すべきことを、
この時間に訴える。
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時間は19時半をまわった。
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それでも、受講生はみな、
ほんとうに真剣に聞いてくれる。
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最後は力が入った。
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20時05分。初日の講義を終了。
朝早くに出発してきたにもかかわらず、
最後までのご清聴に、感謝。

盛りだくさんの料理が並んだ夕食を済ませると、
早速、自習室にはいって復習する3人。
この3人が一番乗り。
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明日朝一番に、
第1回理解力テストが実施される。

自らが何を学び、学び足りなかったかを、
自ら把握するためのテスト。
それがこの研修会の特徴。

テストを控え、
皆、自室や自習室で復習する。
そして、23時をまわったころ。

自習室に残っていたのはこの3人。
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学んだことはたくさんある。
本質を理解すれば必ず、
答えられる。

明日のテスト。
健闘を祈りたい。

万一、失敗しても、
明後日の朝、
第2回理解度テストがある。

「倍返し」のチャンスは、
全員に残されている。

〈結城義晴〉

[追伸]
今日の商人舎magazine。
Weekly商人舎に、
[集中目玉講義]
日記調査と生活導線マーケティング⑥

Daily商人舎に、
クローガー年明けに新CEO就任

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コロナは時間を早める

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流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

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