10月に入った。
安倍晋三首相が今日、
消費増税を表明する。
ちょうど半年後の来年4月1日から、
日本の消費税率は8%に引き上げられる。
それに応じて、
与党が税制改正大綱で合意。
減税も実施される。
企業の設備投資を促す減税7300億円、
賃上げ促進税制の拡充1600億円、
住宅ローン減税の拡充1100億円、
それに復興特別法人税の1年前倒し廃止で
約9000億円。
トータル2兆円が、
12月までには減税される。
個人の消費増税しておいて、
法人税などで減税する。
まあ、それが個人に戻ってきて、
消費と経済が活性化し、
好循環になるという計算。
安倍さんに委ねよう。
その今日、
セブン&アイ・ホールディングスが、
グループ全体で、
外税表示に統一する表明。
日経新聞が、
12時04分のWeb刊で速報。
セブン&アイは、
本体価格を目立つように示し、
税込みの総額(内税)も併記する。
当初は、同社内でも、
従来通りの総額を大きく表示し、
本体価格を小さくする案だった。
それが、
[本体価格&総額]
となった。
まあ、これが、
総額表示に慣れてきた顧客にとって、
わかりやすいことはわかりやすいか。
セブン&アイは、
価格表示をグループで統一する。
コンビニのセブン-イレブン、
スーパーマーケットの、
ヨークベニマルとヨークマート、
総合スーパーのイトーヨーカ堂、
百貨店のそごう西武、
セブン&アイ・フードシステムズ、
それ以外の業態。
今後、システム変更など徹底しつつ、
来春までに表示を刷新する。
セブン&アイの発表のタイミング、
安倍首相の表明と合わせて、
しかも日経新聞を活用して絶妙。
このタイミングにだけは、
座布団一枚。
さて、毎日新聞巻頭コラム『余禄』。
「あなたはうんと
詩を読んだらいいですね」。
毎日新聞大阪本社学芸部デスクが、
女性記者に語った。
デスクは後の作家・井上靖、
女性記者が山崎豊子。
井上の代表的短編「猟銃」の原稿を読んで、
「詩のような小説ですね」と山崎の感想。
そういえば、ドラッカー翻訳の上田惇生先生、
「俳句のようにドラッカーを訳す」
「あなたはおそらく生涯、
原稿用紙と万年筆だけあればいい人なんだ。
臆せず書くことですよ」
週刊新潮の名編集者・斎藤十一の助言。
日経新聞の巻頭言『春秋』。
『花のれん』で直木賞をとった山崎に、
井上靖からお祝いの言葉。
「直木賞受賞おめでとう。
橋は焼かれた」
後戻りする橋はない。
朝日新聞はなぜか、
巻頭コラムではとり上げなかった。
日経の「評伝」。
「君も小説書いてみては」
井上のアドバイス。
「自分の生いたちと家のことを書けば、
誰だって一生に一度は書ける」
それが「暖簾」や「花のれん」など、
山崎豊子の大阪モノと、
実を結んだ。
「禿山に木を一本、一本、
植林していくような、
いわば“植林小説”を書いて行きたい」
直木賞受賞時の言葉。
山崎豊子さん、88歳。
ご逝去を悼み、
ご冥福を祈りたい。
さて10月。
第3週月曜日が体育の日で、
土日と続く三連休。
これが第一のピーク。
あとは、10月31日のハロウィン。
アメリカから伝わるイベントだが、
おおいに楽しむべし。
プロモーションも盛り上げよう。
その10月の商人舎標語。
「商人の本籍地に誇りを持て!」
商人には本籍地と現住所がある。
私たちはみな本籍地をもっている。
そのDNAを大切にして、
しかも誇りを持ちたい。
本籍地に誇りを持つからこそ、
「自ら変わる」ことにも積極的でいられる。
イノベーションにも取り組める。
10月はそんな月にしたい。
最後に昨日のこと。
夕方から立教大学。
サービスマーケティングの講義。
終ったらもう、日が暮れている。
研究室のあるマキムホール。
そして伝統のチャペル。
校門も閉鎖されている。
毎週月曜日は、
この立教大学にやってきて講義。
それから1週間が始まる。
今月も、来月も、再来月も。
この時に思った。
「朝に希望、昼に努力、
夕に努力、夜に感謝」
そう、現代人は、
夕にも働く。
夜にも努力、
深夜に感謝。
これかもしれない。
山崎豊子さんも、
そうして身を削って、
取材をし、自分の目と耳で確認し、
小説を書いてきたんだろう。
10月も頑張ろう。
そう思った。
〈結城義晴〉