結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年10月04日(金曜日)

伊藤園大陳コンテスト審査会と消費増税後の価格据え置き対策

訃報です。

平村文男さん。
75歳。

㈱大阪屋ショップ代表取締役会長。

10月に入って1日の午前10時、
ご逝去。

「感謝の商い」と「薄利多売」をミッションにして、
ユニークなスーパーマーケット経営を展開。

富山県に27店舗、石川県に3店舗。
年商540億円。

2010年の10月25日、
私は富山を訪れて、
大坂屋ショップの取引先の会で、
記念講演をした。
「清文会」と命名された会。

そこで平村さんには、
お世話になった。

独特の哲学をもつ創業経営者が、
また一人、その充実した人生を全うした。

心からご冥福を祈りたい。
通夜は今日、午後7時から行われた。
葬儀は明日、午前11時から。
オークスセレモニーホール富山。

喪主は平村秀樹代表取締役社長。
故人のご長男だが、
秀樹社長に創業者の遺志が引き継がれる。

健闘を祈りたい。

私は今日の午前中、
伊藤園「夏の大陳コンテスト」の審査会。
20131004182136.jpg
東京・清水橋の伊藤園本社、
地下1階の会議室が審査会場。

全国のスーパーマーケットやドラッグストアが、
応募してくれた売場の陳列写真をみる。
そして各審査委員がこれはと思った店舗に投票する。
20131004182146.jpg
右から本庄大介社長、
綱島秀夫『食品商業』編集長、
本庄周介副社長、
そして松井康彦さん。
商人舎エグゼクティブブ・プロデューサー。
私の隣は江島祥仁副社長。

すべての審査が終わったら
事務局や商業界スタッフも一緒に、
全員での写真撮影。
20131004193010.jpg
この毎日更新宣言ブログ用。
恒例になってきた。

もう一つ、恒例となっているのは、
副社長の江島さんの部屋での情報交換。
本庄社長も加わり、
食品産業界の動向についてディスカッション。
20131004182325.jpg
さらに美味しい天丼をいただきながら、
江島さんと1時間。

審査会の後のこの時間は本当に有意義。
江島さんは、そのあと富山へ。
平村文男さんの通夜に参列。

私は成田のエクセル東急ホテルへ。
明日朝からドイツへ出張。
その前泊。

さて日経新聞は、
こういったニュースに敏感だ。
「ダイエーやユニー、
税込み価格維持『努力』」

消費増税後の対応策。

イオンの子会社となったダイエー。
プライベートブランド、メーカー品など、
本体価格を引き下げて、
税込みの総額で据え置きを目指す。

ダイエー村井正平社長はイオンリテール前社長。
「顧客が支払う価格は
変えないよう最大限努力する」

イオンとの共同調達を拡大し、
原価を抑制。

ユニーグループ・ホールディングス。

中村元彦社長のコメント。
こちらも「できるだけ据え置く」。

そのためにこの9月以降、
加工食品や菓子、酒などの仕入れ先を集約。

大量調達によって、
仕入れ原価と物流コストを削減。

この動き、
リージョナルチェーンやローカルチェーンでも、
広がるに違いない。

一方、セブン&アイ・ホールディングス。
こちらは一線を画する。
村田紀敏社長の見解。
「価格競争に陥らない付加価値商品を投入する」
これが基本方針。

つまり競争しないブルーオーシャン商品、
ノンコモディティに力点を置く。

しかし「競争が激しい一部商品では考える」
つまりレッドオーシャンのコモディティは、
据え置きを検討する。

いつもの私の主張だが、
コモディティは価格据え置きの対象となり、
ノンコモディティはその限りではない。

ますます、
コモディティとノンコモディティの見極めが、
重要になってくる。

大衆品、実用品も、
そして高付加価値品も、
現代の顧客には必須のものだ。

店にとっては、ともに必需の商材だ。

私は消費増税だからといって、
価格据え置きすることはないと思う。

顧客には税金を払ってもらうということを、
政府とともに訴えるべきだ。

だから、ずっと変わらない。
それが筋だと思う。

企業によっては、
据え置きするところも出てくるだろう。

しかしそんな企業も、
他社にない高付加価値品まで、
価格据え置きはしないだろう。

コモディティは市場にあふれていて、
競争が厳しい。

だから据え置きでもしなければ、
売れはしない。

ノンコモディティは、
顧客の側が欲しがる商品。

だから税金アップ分まで、
小売業がかぶる必要はない。

これも現金な商売の考え方だと思うが、
それがやりたい企業はそうすればいい。

小売り側のコスト削減の努力は、
いつもいつも続けられねばならない。

それは消費増税の時だけ、
突然のようにやるものではない。

顧客は、いつも、しっかりと、
企業努力を見ていてくれる。

ロイヤルカスタマーは、
特にそれに敏感だと思う。

〈結城義晴〉

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