「いい笑顔は、
相手の心に素直に飛び込む」
朝日新聞の巻頭コラム『天声人語』。
朝日1面に載った安倍昭恵さんの笑顔。
ファーストレディー。
日本国首相・安倍晋三さんの奥様。
韓国のパククネ大統領の心に、
その笑顔で飛び込んだ。
パク大統領も、
白い歯で応じた。
「往く言葉が美しければ、
来る言葉も美しい」
商売もこうありたい。
一方、田中将大。
プロ野球楽天イーグルスのエース。
奇しくも24歳で、
今期24連勝、無敗の最多勝。
これは史上初の快挙。
「集中の積み重ね」
そして、
「平常心」「我慢」「ギアチェンジ」。
「どういう状態であろうと
自分のできることをやるだけ」
「調子が悪いときに投げやりになってしまうのか、
まだまだと思って前を向いて投げられるか、
だと思う」
これも商売に通ずる。
さて、日経新聞が1面で報じた。
経済協力開発機構[OECD]の
「大人の知力調査」。
3分野のうち、
日本は「読解」と「数的思考」で、
なんと1位。
「IT活用」は10位。
世界24カ国・地域の16~65歳が対象。
社会生活の中で求められる能力を測った、
初の国際成人力調査。
フィンランドが3分野で、
いずれも2位。
昨日まで私たちがいたドイツは、
3分野が15位、12位、8位。
今、私がいるスペインは、
22位、23位、―。
ちなみにアメリカは、
16位、17位、24位。
何だか、ちょっといい気分。
受験者へのアンケートの結果、
判明したこと。
「日本は仕事で文書を
読んだり書いたりする頻度が、
OECD平均よりも高い」
こうしたスキルをよく使う人は
読解力の得点も高い。
文部科学省の見解。
「教育の効果とは別に、
仕事でのスキル使用が
習熟度を高めることに
つながっている」
私も、思う。
仕事が日本人を、
成長させている。
これこそ、とてもいい気分。
さてドイツ滞在最後の日。
今日はドイツの主な企業5社の店舗を視察し、
夕方の便でスペインへ移動する。
最初に訪れたのは、
メトロのハイパーマーケットReal(レアル)。
デュッセルドルフにある古い店。
2層式の店舗で、1階が食品、2階が非食品。
スロープで結ばれているのは、
大型カートを使いつつ、
レジを集中管理するため。
これはフランスのカルフールが編み出したスタイルで、
都市型ハイパーマーケットの常道。
食品小売業としてのメトロは、
ドイツ国内の2012年シェアが3.9%で、
第5位。
売上高667億3900万ユーロ。
130円換算で8兆6761億円。
レアルは312店舗の展開。
日本でいう総合スーパー業態として、
それなりに機能している。
何だかダイエーの古い店を訪れたようで、
懐かしかった。
次に向かったのはケルン市南部の住宅地。
ここではドイツを代表するスーパーマーケット企業が、
わずか500メートルほどのところに4店舗、
軒を連ねて競合している。
はじめにREWE(レーベ)。
年商は489億5100万ユーロ(6兆3636億円)で、
食品小売業国内第3位。
シェアは13.0%。
この店はオーソドックスなスーパーマーケットで、
入口を入ると鮮度の良い青果が並ぶ。
店舗右翼には
ミート売場と冷凍食品売場が広く取られている。
隣接している酒ショップ。
こちらは、ローコスト運営方式を採用。
次は国内第2位の小売業Schwarz Group。
その小型ディスカウント・スーパーマーケットLidl(リドル)。
この企業の年商は664億5400万ユーロ(8兆6390億円)。
食品小売りでドイツ国内14.1%のシェア。
Aldi(アルディ)を完全コピーし、
ややアップグレードした店。
しかしPBは少ないし、
アルディのように徹底したローコスト運営ではない。
そしてNetto(ネットー)。
エデカグループ傘下の、
小型ディスカウント・スーパーマーケット。
グループ全体では
475億2100万ユーロ(6兆1777億円)で、
国内第1の食品小売業だが、
このネットーはつらい。
AKTIONののぼりで特売をアピールするが、
お客は入っていない。
ハイ&ロー作戦では、
エブリデーロープライスのアルディには、
まったくかなわない。
最後はそのAldi(アルディ)。
595億1400万ユーロ(7兆7368億円)で、
10.6%の国内食品小売市場シェア。
店舗導入部にはワインなどの酒が並ぶ。
ほかの店舗は青果から入るが、
ここで決定的なポジショニングの違いを出す。
お客が実によく入っている。
このエリアでは、アルディの圧勝。
ドイツの小型店の競合状況は、
『商人舎magazine』のウィークリーspecialで、
詳細にレポートしたい。
店舗視察を終え、フランクフルトの空港へ。
ルフトハンザ機で南欧のスペインへ向かう。
森深いドイツに別れを告げて、
一路バルセロナへ。
2時間ほどの快適な空の旅。
雲海がきれいだ。
そして見えてきました。
イベリア半島。
バルセロナの海岸線。
到着したメンバーたちも、
開放感いっぱい。
ホテルに到着したら18時30分。
この後は自由行動。
私は、三井食品㈱副社長の松本裕之さんに誘われ、
シーフードレストランで夕食。
この店、オリンピックベイサイドにある。
店内は明るくてカジュアルな雰囲気。
㈱万代常務の西水啓介さんもご一緒。
海老料理。
ムール貝。
パスタのパエリア。
ドイツの質実剛健な肉料理と違い、
魚介の素材を生かした美味しい料理に、
全員が大感激。
左から味の素㈱の白羽弘さん、
一番右は中央物産㈱の阿久智亮さん。
食事は南欧がいい。
満足感と満腹感でいっぱい。
バルコニーに出ると潮風が気持ちいい。
バルコニーからの夜景。
スペイン初日の夜は、
美味しい料理とワインで、
大いに満足。
ドイツからスペインへ。
いい笑顔が出る。
集中力も、平常心・我慢、
そしてなにより、ギアチェンジ。
いつもいつも、
仕事のスキルが、
私たちの成人力を高めてくれる。
(つづきます)
〈結城義晴〉