ヨーロッパに来ていて、
お知らせが遅れた。
何たることか。
昨日、
月刊『商人舎』10月号発刊。
商人舎magazineでは、
Monthly商人舎が、
10月号となった。
ご愛読をお願いしたい。
Daily商人舎も充実の2本記事。
「外食も本体価格 消費増税時の対応でJFが指針」
「コストコ、成長鈍るも出店・価格競争は加速」
こちらもご愛読願いたい。
さらに商人舎magazineでは、
PhotoGalleryが拡充してきた。
イオンリテール、イト―ヨーカ堂、ユニー、
つぎつぎに写真が追加されている。
こちらも活用願いたい。
さて『商人舎』今月号の特集は、
「小売業M&A異変!」
経営統合型「規模のメリット戦略」を結論づける
月刊『商人舎』には、
表紙の言葉がある。
「Cover Message」
日本小売業界のM&Aに、
異変が起こりつつある。
Mergers and Acquisitions。
合併と買収。
企業と名のつく存在は、どこの国、
どんな業種業態でも、
振幅の差はあれ、成長を志向する。
この時、M&Aは有力な手段である。
同じような規模の会社が統合すれば、
一挙に2倍に成長することができるからだ。
日本の小売流通業もある側面は
M&Aの歴史であったと見てよい。
小売業で最大年商のイオンがその筆頭であるし、
食品卸売業でも最大の三菱食品がその代表だ。
しかし日本には
合併や買収を嫌う風潮があった。
それに対する嫌悪感が残っていた。
暗いイメージがつきまとった。
しかし風が変わってきた。
北海道のアークスが巻き起こした
Mind and Agreementがその典型で、
世はまさに「M&Aブーム」。
ただしここで明白にしておかねばいけないことがある。
何の目的でM&Aするのか、
実態としてスケールメリットは生じるのか。
経営統合型M&Aを含めて、
日本小売業の「規模拡大ロジック」を結論づける。
そして今月のメッセージ。
[Message of October]
商人の本籍地に誇りを持て!
特集企画は、以下のように続く。
日本小売業M&Aの全構図
イオン、セブン& アイ、そしてアークスの3軸を中心に
アークス社長 横山清、
存分に語る
「Mind & Agreement」のセンチペイド経営
【図解】アークス History & Data
新生アクシアル リテイリング原和彦社長、
謙虚に答える
「TQMとチェーンストアのご利益経営」
[結城義晴の提言]
正しい「M&A」間違いの「合併・買収」
商業現代化の中の「経営統合」に条件と注文をつける
【誌上座談会】
「M&Aの幸せと不幸せ」
中小小売業の企業買収、その誤解と課題を明かす
商人舎magazineでは、
この後にインタビューと、
欧米レポートが加わる。
今月は来週月曜日に、
原稿が公開される。
さて私はスペインのバルセロナ。
Newsがこちらにも届いた。
ファーストリテイリングが、
売上高1兆円を成し遂げた。
2013年8月期決算。
前期比15%増の1兆780億円。
日本の衣料品専門店として、
初の大台達成。
現在の世界第1位のアパレルリテーラーは、
スペインのインディテックス(Inditex, S.A.)。
ブランドはZARA。
ここバルセロナでも、
ZARAは目抜き通りのいたるところに店を持つ。
年商191億5700万ドル。
第2位がH&Mのヘネス・アンド・マウリッツ。
スウェーデンの企業。
年商169億7400万ドル。
1位と2位がヨーロッパの、
しかもイギリス、フランス、ドイツではなく、
スペインとスウェーデン。
「ファッションは中心からは興らない?」
そして第3位がアメリカのギャップ。
年商145億4900万ドル。
中核ブランドは、
GAP(ギャップ)、
Old Navy(オールド・ネイビー)、
Banana Republic(バナナ・リパブリック)。
ファーストリテイリングは、
ギャップに続いて第4位に入る。
そして第5位がリミテッド・ブランズ(Limited Brands)。
かつての米国および世界トップのファッションチェーン。
現在の年商103億6400万ドル。
1兆円が金字塔であることは、
間違いない。
日経新聞がとり上げた。
やや否定的。
「真のグローバルブランド」をめざすユニクロ。
海外出店目標は年200~300店。
今期は下限の約200店。
中国・香港・台湾の極東アジアは約100店、
掲げる韓国・東南アジアは80店、
しかし欧米は20店。
ここに問題ありだと指摘。
さらに世界最大の衣料品市場アメリカでは、
赤字が続く。
世界1位、2位とファーストリテイリングの差を、
日経は海外展開だと書く。
海外売上高比率は、
ユニクロが約3割、
インディテックスは約8割。
86の国・地域に約6000店を展開。
H&Mも48の国・地域に約2800店。
そしてこちらにニュース性があるのか、
日経が気にするのが柳井さんの「引退撤回」。
「65歳が経営者の体力、気力の限界」
こう語っていた柳井さんだが、
「残念だが社長を続けなければならない」。
決算記者会見での発言。
「グローバル化を加速するなかで
社長を退くことは不可能」。
来年2月で65歳。
2020年の「売上高5兆円目標」に向けて、
社長であり続ける必要がある。
それがいいと、私も思う。
私よりも3歳上の柳井さん。
「まだまだです」
さて、バルセロナ3日目。
1日中、視察研修。
朝一番で、サン・ジョセップ市場。
バルセロナで最もにぎわう公設市場。
市場は市内に40カ所あるが、
ここが最も有名。
なぜなら観光客が多いから。
こういった公設市場は世界中にある。
それに近代小売業が取って代る。
そして公設市場のほとんどは、
観光資源となる。
サン・ジョセップがそれを示している。
高くて、不親切。
そばにあるカルフールマーケット。
フランスからでてきたカルフール。
ダブル・フォーマット。
そのスーパーマーケット。
こちらも観光客でにぎわっている。
市場を後に、市の郊外へ。
ハイパーマーケットのカルフール。
フランス資本ながら、
早くに隣国スペインに出店し、
この国で8.8%のシェアをもつ。
メルカドーナに次いで国内第2位。
新市街地にできたショッピングセンター。
その2階と3階に陣取る。
入口に青果売場をもってきた。
意欲的な取り組みを見せた店で、
お客も入っている。
フランスの店よりも洗練されている。
一方、Alcampo(アルカンポ)。
フランスのオーシャングループ。
フランス第2位で、
スペインでは第4位。
別の郊外ショッピングセンターの地下1階が入り口。
1階の非食品も大プロモーション。
来店客が多く、大繁盛店。
アルカンポは第4位ながら、
ハイパーマーケットとしての店の状態は、
最高峰にある。
中国・上海のRTマート、
タイはバンコクのビッグC。
オーシャングループは、
ハイパーマーケット業態で、
群を抜くレベルを示している。
次は、Eroski(エロスキー)。
シェア5.6%でスペイン第3位。
バルセロナのカタルーニア地方のCapraboを買収。
その店がこのスーパーマーケット。
M&Aはあまりうまくいっていないようで、
Eroskiブランドが積極的に売られていない。
その国もM&Aの原則を外すと、
絶対に失敗する。
今月の『商人舎』特集を読ませてやりたい。
そして、Dia(ディア)。
スペイン第6位。
小型ハードディスカウント・スーパーマーケット。
国内シェア4.6%。
フランスのカルフール傘下にあったが、
独自の道を歩き始めた。
しかし店はしっかり機能している。
「DIA%」のマークのプライベートブランドが、
しっかりしていて、
ドイツから参入したLidlと、
小型ディスカウンターの地位を競う。
と、ここまで来て、
最後の訪問はメルカド―ナ。
バルセロナでは闘牛が禁止されている。
マドリードに対抗しているから。
そのスペイン広場の元闘牛場が、
ショッピングセンターとなった。
その地下1階に、
メルカドーナが入っている。
1471店、年商184億7200万ユーロ。
2兆4014億円のスーパーマーケット。
素晴らしい。
これしかない。
俄然、興味がわいてきた。
次の月刊『商人舎』11月号は、
メルカドーナ特集にしようか。
迷うくらいだ。
そのメルカドーナの前で、
大収穫の全員写真。
この結集力、結束力。
今回の成果を、如実に表わしている。
みんな、ありがとう。
(つづきます)
〈結城義晴〉