アメリカ・ラスベガス2日目。
朝一番でセミナー。
まず、㈱マルト社長の安島浩さんの挨拶。
しっかり勉強して、
しっかり課題をクリアしよう。
そして結城義晴。
今回の参加者は、
マルトの成績優秀者。
若い人が多いし、
はじめてのアメリカ研修という人も、
3分の2ほどいる。
だから丁寧にていねいに語る。
体は疲れていて、
緊張感にさらされつつも、
よく聞いてくれた。
清聴を感謝しよう。
2時間の講義が終わると、
すぐに視察研修へ。
まずは、
ホールフーズの全員写真から。
入り口のプレゼンテーションは、
サンクスギビングデー対応。
11月第4木曜日からが、
サンクスギビング週間。
そこに向けて今から本格展開。
素晴らしい青果売場。
そして親切にドライエージド・ビーフを焼いてくれた精肉部門。
ここでは店内ツアーとインタビュー。
答えてくれているのは、
マーケティング・チームのヘンダーソンさん。
後ろがリーム・リーダーのケリさん。
通訳は五十嵐ゆう子さん。
店舗入り口付近で、
最初の企業紹介。
それから店舗内を巡回しつつ、
解説してもらう。
チーズ売場では試食。
店舗左翼のサービス・デリ部門。
新設の自家製ピクルス売場。
それから質疑応答。
今回の団長・阿部敏さんが積極的に質問。
「グッド・クェスチョン」だった。
最後に安島さんと二人、
ヘンダーソンさんとケリさんをはさんで、
感謝の写真。
この店で面白い目撃をした。
店舗レイアウト変更のミーティングが、
現場で行われていた。
リーダーを中心に、
積極的に意見が交わされていた。
そのリーダーは、
店舗デザイン・コンサルタントのイングリッシュさん。
いろいろ情報交換をした後で、
安島さんと写真。
ホールフーズときたら、
トレーダー・ジョー。
今回の参加者は全員、
月刊『商人舎』の6月号と7月号を読んでいる。
トレーダー・ジョー特集と、
ホールフーズ特集。
だから理解が早い。
安島さんがワインの試飲をして、
それを購入。
私もつられて購入。
実にまろやかでこくがあって、
美味いワイン。
この夜、たっぷり楽しんだからわかる。
この店ではマーク・キャプテンにインタビュー。
かつてはアルバートソンに勤めていた。
その頃は上意下達の命令態勢だった。
トレーダー・ジョーは、
すべて自己管理の目標管理型。
聞き入る団員。
マーチャンダイジングから、
プロモーション、
オペレーション、
マネジメントまで、
鋭い質問に全部、答えてくれた。
固い握手。
そしてここでも、
全員写真。
ユニークなポジショニングの企業といえば、
ウィンコ・フーズ。
スーパーウェアハウスストア、
ディスカウント・スーパーマーケットだ。
ザ・ウォール・オブ・バリュー。
「お買い得品の壁」。
この老夫婦は、
スマホの電卓で、
熱心に計算しながら、
買い物を思案していた。
ウィンコはこういった顧客を、
ターゲット・カスタマーにしている。
そして同じディスカウント・スーパーマーケット、
ウォルマート・ネイバーフッドマーケット。
入り口青果部門にピンポイント照明を導入。
輝くばかりの部門となった。
精肉はUSDAチョイス・グレード。
クリスマスの早仕掛けは、
ウォルマート各フォーマットに共通している。
一方、セーフウェイ傘下のボンズ。
プライベートブランドのOオーガニックを、
大々的に売り込んでいるが、
目立ったプロモーションもなく、
顧客の姿は見えない。
全米第2位のスーパーマーケット・チェーンだが、
現場の停滞は目を覆うばかり。
それに比べて、
クローガー傘下のスミス。
入り口にもう、
クリスマスツリー。
そして売場に入ると、
あでやかな花が迎えてくれる。
売場にはクリスマス・プレゼンテーションが、
徹底され、まさに「早仕掛け」。
この売場づくりを経費率19%台で、
こなして見せる。
この店でも調査に余念がない鮮魚チーム。
光り輝くスミスの店舗。
クローガーとセーフウェイは、
全米第1位と第2位のスーパーマーケット。
しかしその差はまた一段と開いた。
ウォルマートは安定した地位を維持する。
ホールフーズとトレーダー・ジョー、
そしてウィンコはそれぞれに、
ユニークなポジショニングを占める。
そしてオーソドックスというか、
コンベンショナルなスーパーマーケットの、
クローガーとセーフウェイ。
コンベンショナルが生き残る道は、
ひどく少ない。
その狭い地位には、
クローガーがイノベーションを繰り返しつつ、
どっかりと座る。
セーフウェイはどうするのだろうか。
サーベラスによる買収のうわさは、
このラスベガスの競争を見ていても、
現実のものとなるかもしれないと予感させられる。
(つづきます)
〈結城義晴〉