甘糟章(あまかす・あきら)さん、
84歳で、老衰のため死去。
元㈱マガジンハウス副社長。
1970年、雑誌『an・an』の創刊編集長、
その後、1977年『クロワッサン』でも創刊編集長。
当時の社名は平凡出版㈱といったが、
実は私、この会社に、
入社しようと考えていた。
残念ながらその年は、
採用が行われず、
いろいろあって㈱商業界に入社した。
この77年、私が配属された『販売革新』誌では、
甘糟さんをゲストに呼んで、
城功先生と対談をしてもらった。
このとき、甘糟さんは語った。
「雑誌には、
右の極と左の極の両極が、
込められていなければいけない。
その極の落差が大きいほど、
面白い雑誌になる」
私の頭から離れない。
その後の㈱商業界での雑誌づくりに関しても、
現在の月刊『商人舎』に関しても、
私は甘糟章の「両極」を意識している。
世界で最も有名なWalmartを取り上げ、
誰も知らないMERCADONAを発掘する。
そしてこの両極の考え方は、
小売業としてはコストコに結実されている。
ダイヤモンドとトイレットペーパー、
この両極の商品を一つ屋根の下で売る。
コモディティとノンコモディティを、
見事にバランスさせた品揃え。
「トレーディング・アップ」という。
甘糟章のMagazineづくりのコンセプトは、
こんなところにも適用できる。
甘糟さんはその後、81年には、
『ダカーポ』の創刊編集長など、
意欲的に活躍し、
老衰で亡くなった。
ご冥福を祈りつつ、
世界は異なれど、
その遺志を継いでいきたい。
さて今日の午後は、
丸の内にある三井物産㈱本社へ。
9月開催の米国視察TOPセミナー。
三井物産が主催し、
私がコーディネーターを務めた。
その同窓会。
進行役は秋葉浩平さん。
食品流通部加工食品営業部長。
そして私の総括講義。
9月の視察以降、3回、
アメリカの視察研修会を行った。
その変化を含めて、
アメリカ小売業の一番重要なポイントを再整理し、
同時に最新動向を報告した。
年末商戦に向けての心構え、
フォーマットとポジショニング戦略の重要性、
そしてコモディティ論などを一気に語った。
アメリカで一通り、語っている。
それでも座学で聞く復習の内容は、
頭に沁みとおるはず。
総括講義の意味はそこにある。
最後までのご清聴に感謝。
私の講義のあと、
互いに写真交換会。
これも同窓会の意義。
同窓会を終えた丸の内。
街は冬のイルミネーション。
あぁ、もうすぐ一年が終わる。
東京駅へと人々が急ぐ。
東京駅の天井を見上げながら
今日一日に感謝。
それにしても甘糟章さん、
こころよりご冥福を祈りたい。
〈結城義晴〉
[追伸]
商人舎magazineの、
今日のDaily商人舎。
「ウォルマート後任CEOは
47歳の若きリーダー」
公開中。
面白いです。