チラシが出来上がりました。
ロンドン&バルセロナ研修ツアー。
4月10日から17日。
いい季節です。
ロンドンは、
2012年のオリンピック以降、
ニューヨークを凌いで、
世界でも最も訪問したい都市となった。
その証拠にホテル代はロンドンが一番高い。
昔、東京の物価の高さが揶揄されたが、
その時は東京が世界で一番、
刺激的な街だった。
2020年の東京オリンピックは、
ロンドンに続いて、
東京の地位を再び、
世界トップに引き上げてくれるに違いない。
しかし今は、ロンドン。
街そのものにも魅力がある。
歴史ある観光名所は盛りだくさん。
ソーホースクェアのミュージカルは、
ニューヨークよりいい。
ロックミュージックもいい。
大英博物館は必見だし、
ナショナルギャラリーもいい。
食事も最近は、おいしくなった。
パブで飲むビールやスコッチは堪えられない。
英国小売業では、
なんといってもテスコがすばらしい。
アメリカ最大の小売企業は、
総合スーパーのウォルマート。
フランスも総合のカルフール。
ドイツの単体企業トップは、
小型ハードディスカウンターのアルディ。
日本はコンビニのセブン-イレブン。
しかしイギリスは、スーパーマーケットのテスコ。
そのテスコがマルチ・フォマット戦略を展開する。
さらにテスコ・コムとテスコ・ダイレクトで、
ネットスーパーでも成果を上げている。
さらにさらにダンハンビー社の威力によって、
CRMでも世界最高のマーケティグを展開している。
プライベートブランドに関しては、
世界の小売業のお手本となっている。
そのテスコに、
ウォルマート・アズダが対抗している。
こちらはエブリデーロープライス。
その間に挟まれて、
セインズベリーが、
ユニークなポジショニング戦略を進める。
高質スーパーマーケットのウェイトローズは、
ジョン・ルイス百貨店の傘下にあって、
こちらも多くのファンを捉まえている。
さらにマークス&スペンサーは、
英国王室御用達の総合スーパーだし、
ナイツブリッジのハロッズは、
世界最高峰の百貨店。
その宝石売場の如き食品フロアは、
ウェグマンズやホールフーズにさえ、
刺激を与え続けている。
ここにドイツからアルディとリドルが侵攻している。
いかがだろう。
ロンドン。
特にスーパーマーケットに従事する人々は、
ロンドンを見ずして、それを語るなかれ。
その後、バルセロナに行く。
こちらも1992年に夏季五輪が開催された。
日本勢の金メダルは、
柔道の古賀稔彦と吉田秀彦、
水泳女子200m平泳ぎで岩崎恭子。
懐かしい。
マラソンは男女ともに銀メダル。
森下広一と有森裕子。
そのバルセロナ、
リーガエスパニョーラのFCバルセロナの本拠。
アルゼンチンのリオネル・メッシ、
ブラジルのネイマールなどを抱えて、
2013年にはリーグ優勝。
街はアントニ・ガウディの建築物で彩られ、
それだけでも満足感は大きい。
ピカソ美術館もあるし。
食事も酒も旨い。
その上、小売業ではメルカド―ナ。
言うまでもない奇跡のスーパーマーケット。
地元のエロスキやディアが頑張るが、
隣国フランスから、
カルフールとオーシャンが進出。
ドイツから侵略したりドルとともに、
激しい競争を繰り広げるが、
我がメルカドーナはびくともしない。
サン・ジョセップの公設市場も、
スペインらしい商売を見せつけてくれる。
2014年現在、
ロンドン&バルセロナは、
ヨーロッパ随一のコースだと思う。
ご一緒しましょう。
30人の枠で検討中ですが、
20人の申し込みがあって、
だから枠を広げる予定。
いずれにしても、
お早めにお申し込みを。
豊かで、楽しくて、
大いに学べる研修会にします。
お約束します。
さて今日は、
「明治マーケティングレビュー」が、
送られてきた。
実にしっかりした編集がなされた機関誌。
㈱明治のマーケティング推進本部の企画編集。
実際の編集作業は津賀仁さんが担当。
㈱エムズスタッフオフィス社長だが、
私は本当に助けられている。
年4回発行の季刊誌だが、
私は今回で24回目の連載。
6年も書かせてもらっていることになる。
毎回、スーパーマンのイラストが、
狂言回しをする7~8ページの構成で、
「小売業のスーパーマーケティング」が、
その連載タイトル。
この連載を集めれば、
単行本が出来上がるくらい。
ご愛読にも感謝しておきたい。
今日は突然だが、
立教大学院の荻野祐太郎さんが、
商人舎オフィスを訪ねてくれた。
協和建設工事㈱専務取締役。
商人舎チーフエディターの渋木克久と、
三人で写真。
荻野さんは今春、
立教の社会人MBAを修了して、
修士号を取得。
埼玉県の坂戸市で、
地域貢献度の高い仕事に邁進する。
渋木君も立教大学院の修士で、
荻野さんの先輩。
みんな、学習したことを活かして、
社会の役に立ってほしい。
もちろんロンドン&バルセロナも、
彼の地で学んだことは、
地域社会と会社に大いに成果をもたらす。
さて、今朝の日経新聞。
「原子力と安保特集」
連載コラム『大機小機』では、
「原発即時ゼロの経済効果」。
中身には言及するつもりはないが、
東京都知事選に影響を与えはしないか。
ちょっと気になった。
その日経新聞の『企業総合』欄。
「ファミレス、メニュー刷新」の記事。
「4月の消費増税に伴い
ファミリーレストラン大手が
メニューを刷新する」
小売業は外税で大筋、
決まっているが、
外食産業はどうか。
「増税分を単純に価格転嫁すると
客離れがおきる恐れがある」
セブン&アイ・フードシステムズは、
大半のメニューを刷新する。
デニーズの2013年既存店売上高、
4月を除いて毎月前年を上回った。
社長の大久保恒夫さんは、
消費増税後を見据える。
「商品を変えずに増税分を価格に転嫁すれば、
常連客の反発を招く恐れがある」
だから、「大幅なメニューの刷新に向けて、
新商品の開発体制も強化」。
「従来のように商品開発部だけではなく、
営業部や仕入れ担当部署などを含む
組織横断のチームで取り組むように改めた」
さすが大久保さん。
クロスファンクショナルチームの発想。
日産のカルロス・ゴーンの改革手法。
一方、すかいらーくは、
消費増税以降、
「ガスト」のメニュー数を増やす。
現在の約100種類から1割程度。
谷真社長。
「2015年に再び増税する可能性があり、
消費マインドへの影響は避けられない」
そこでシニアや主婦層をターゲットにする。
主力の家族客以外にも顧客層を広げる。
現在約1300店あるガストは原則、
全国一律の価格。
しかし年内に
「地域別価格制度」を導入。
古典的なチェーンストア理論から、
脱しようと懸命だ。
デニーズは全品の刷新。
ガストはメニュー1割増と新客層狙い。
政策は極めて対照的だ。
大久保さんは『激流』1月号で、
インタビューに答えている。
タイトルは、
「高質レストラン実現の準備は
すべて整った」
大久保さんはデニーズ成長のコンセプトを、
明確に「高質レストラン」と定めた。
「高級レストランの味とサービスを、
お手頃価格で提供する店舗を実現する」
もちろん、初めは際立った挨拶の励行。
アウトスタンディング・グリーティング。
さらに高質レストランは、
ノンコモディティ・ニーズの獲得を意味する。
従って、ここが重要なことだが、
店ごとにカスタマイズした展開をする。
コモディティはマス・マーケティング。
ノンコモディティはカスタマイゼ―ション。
合わせて、
マス・カスタマイゼ―ション。
素晴らしい。
日経の記事を読む限り、
デニーズに軍配が上がりそうだ。
ファミレス市場は1兆円を超えた。、
外食産業のなかで最大の業態だ。
小売業にたとえると、
スーパーマーケットに似ていようか。
ファストフードがコンビニと位置付けられようか。
そのファミレス、
売上げは好調だが、
原材料費高騰が重荷。
したがって、増税分の吸収と価格据え置きは難しい。
記事は価格転嫁の可能性の高さを指摘する。
マクロミルの1000人調査。
増税後に節約をすると回答した人は、
全体の約7割。
その節約の対象では、
「外食・飲み会費」が約66%。
外食産業に厳しい4月以降が待っている。
そうはいっても、
日本の4月以降は、
経済どん底のスペインほどではない。
バルセロナのメルカド―ナは、
凄い。
〈結城義晴〉