新田間川――。
横浜駅西口付近、
商人舎オフィスのそばを流れる。
その新田間川の川べりの桜も、
芽を吹き始めた。
川面の光も、
春を告げる。
ソチ冬季五輪が終わって、
間髪をいれずに、
いい季節がやってくる。
昨日は、その商人舎オフィスを、
山口毅君が訪ねてくれた。
㈱レゾーナ代表取締役社長。
立教大学大学院修士課程を、
優秀な成績で修め、
昨年2月22日、
会社を設立した。
立教では結城ゼミ3期生。
私の可愛い教え子です。
レゾーナは、
高級化粧品メーカー。
小さなベンチャー企業ですが、
必死の思いで起業し、
製品をつくり、
営業に回っている。
商人舎の女性陣が、
2セット購入。
高級化粧品ですので、
品揃えできる店は限られてきますが、
興味のある方はご連絡ください。
株式会社レゾーナ
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-35-9
03-6721-1193(代表)
03-6721-1194(FAX)
http://www.granatum.jp
商品のご注文は、0120-979-818
受付時間 10:00~17:00(土日祝休)
私の教え子。
宣伝をお許しください。
さて、日経新聞社説。
このところ小売流通業を取り上げてくれる。
その頻度が高まっている。
今日は「セブンイレブンに学ぶこと」。
日経は「セブンイレブン」と表記するが、
私は正確に「セブン-イレブン」と記す。
こうしないと、どこかむず痒い。
長い文章となると、
「セブン」と略してしまうが。
そのセブンの2014年2月期決算は、
営業利益、出店数とも過去最高を更新。
既存店売上高も2012年夏以降、
前年同月比でプラスが続く。
その秘訣を社説は、
「消費者の目線」と分析。
「消費者の目線で考えれば
社会や市場の変化にも敏感になる」
「小売りの王道は安売り競争」
「消費者の価値観は国ごとに全く違う」
こういった業界の常識に挑み、
生活習慣を提案し、
業種などの壁を崩す。
これを書いている記者は、
流通やマーケティングの専門家ではない。
だから、改めて述懐する。
「そうした姿勢には、
業界を超え
参考にすべき点は多い」
「日本の産業界では、今も
技術偏重の商品開発が目立つ」
「いたずらな高機能競争は、
使い方を習得するための
時間や手間を惜しむ
現代の消費者とすれ違う」
これが意味するのは、
「店は客のためにある」
倉本長治。
あるいは、
「お客に有利な商いを毎日続けよ」
これも長治先生の『商売十訓』。
ピーター・ドラッカーならば、
「カスタマーから始めよ」
「なぜ国境を越え
人々の心をつかめたのか。
学ぶべき点は学びたい」
まあ、初歩的な言説で、
マーケティングの重要性を強調したものだが、
セブン-イレブンが、
日経の社説に載ったことを、
喜ばしい現象としておこう。
一方、日経Webの経営者ブログ。
前伊藤忠会長の丹羽宇一郎さん。
「日本人はいつからこれほど
ウソつきになったのか」
「最近の日本では『ウソ』が
横行していますね」
百貨店、老舗レストランの食品表示偽装、
医薬品のデータ改ざん、
JR北海道のレール検査数値改ざん、
「全聾の作曲家」のゴーストライター事件……。
「次々に大掛かりで深刻な
『ウソ』が浮かび上がっている」
丹羽さんは嘆く。
「『日本ブランド』は
傷みつつあります」
そして「技術力」を定義する。
「単に技術を確立するだけでなく、
その技術を生かして
安全なサービスを継続的に
提供できる力までを含んだもの」
「安全なサービスを
継続して提供する力」
これが衰えた。
今年1年間の商人舎標語は、
こまかく、
きびしく、
しつこく、
なかよく。
「日本全体がウソに対して
不感症に陥っている」
「企業でいうと
経営者のタガが緩んでいる」
事態の悪化を食い止める方法。
「まずは企業経営者が
『ウソは決して許さない』と号令をかけ、
組織を締め直すほかありません」
経営者出身の丹羽さんらしい結論づけだ。
「企業のウソは自らを苦境に追いやり、
従業員を苦しめるだけではありません。
日本の将来をも毀損するのです」
倉本長治の商売十訓。
「損得より先に善悪を考えよう」
丹羽さんが言いたいのは、これだ。
そして日経社説が言いたいのは、
「客のためにある」
丹羽さんがIntegrity、
日経社説はMarketing。
この二つ以外に、
もう一つ付け加えると、
それはInnovation。
倉本長治の『商売十訓』では、
「創意を尊びつつ良いことは真似ろ」
レゾーナの山口毅君にも、
この三つの概念を、
いまさらながらに強調しておこう。
結城義晴の愛弟子なら、
忘れることはないか。
〈結城義晴〉