一雨ごとに春が近づく。
今朝の東京タワー。
小雨にけぶった姿が、
これはこれでいいもんだ。
「一雨ごとに春」
常とう句のような表現だが、
誰が言ったのかはわからない。
梅一輪一輪ほどの暖かさ
こちらは江戸の俳諧師・服部嵐雪。
松尾芭蕉の高弟。
「一輪ほど」の言い回しが、いい。
梅といえば、横浜では、
三溪園が名高い。
私の出身高校の近くの根岸森林公園もいいし、
大倉山公園の梅林は特に有名。
梅なんぞを楽しみながら、
ゆっくりしたい気分です。
その時には、雨も許そう。
一雨ごと、
一輪ほど。
それが今です。
今朝は東京タワーのそばの大門。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱。
定例の役員会。
来年度、この会社は、
飛躍します。
何よりもCRMに追い風が吹いている。
ID-POSを活用したマーケティング。
コモディティは、
POSデータで把握できるが、
ノンコモディティはそれだけでは、
つかめない。
ノンコモディティ商品や、
ライフスタイル商品を、
全社、全店で確認しつつ、
マーケティングするには、
顧客情報付きPOSデータが有効だ。
この会社は、そのど真ん中にいる。
組織も充実してきた。
優秀な人材も増えている。
ご期待ください。
組織、人材といえば、
商人舎MagazineのWeekly商人舎に、
4500字の描き下ろし原稿を掲載。
週刊特別企画。
「3月1日、イオン機構改革と
新人事を解読する」
イオンは、グループ全体を、
4つのシフトに収斂し、それを加速する。
①「アジアシフト」
②「都市シフト」
③「シニアシフト」
④「デジタルシフト」
これまでの事業最高責任者のうえに、
それぞれにシフト推進責任者を配して、
責任の明確化と総括体制を強化する。
イオンでは2月20日、
インサイダー取引事件が判明した。
日経新聞にも取り上げられた。
その影響がこの機構改革にも、
反映されていると、私は見る。
しかしイオンはかねてから、
こういったマイナスを、
プラスに変える組織体質を持つ。
素早さが何より大切だが、
徹底も重要だ。
こまかく、
きびしく、
しつこく、
なかよく。
2014年度の商人舎標語。
組織も、人事も、
これに尽きる。
さて、この商人舎ホームページの巻頭。
ロンドン&バルセロナ
小売視察研修ツアー
締め切り迫る。
最後のチャンス。
4月10日~17日。
いいですよ。
「奇跡のメルカド―ナ」
そしてガウディの街。
バルセロナ。
もちろんヨーロッパなら、
世界のロンドン。
特にトップマネジメントは、
アメリカだけでは、
足りない。
ヨーロッパにも、
学んでおかねばいけない。
お申し込み、
お待ちします。
さて日経新聞のWeb版「経営者ブログ」。
星野リゾート代表の星野佳路さんが書く。
「日本には石油より価値ある『資源』がある」
昨2013年、日本への外国人観光客は、
1000万人を突破。
2003年の小泉政権の時、
政府は「観光立国」のコンセプトを
明らかにした。
しかし、伸び率で比較すると、
日本は世界平均を下回っている。
星野さんは指摘する。
「アジアには日本の上を行く観光立国が
少なくありません。
例えばお隣の韓国。
日本に先んじて、2年前に
訪問外国人客数が
1000万人を突破しました」
観光産業育成に向け、
韓国は日本を凌ぐ力の入れ方。
ただし、
「実際にアジアの人々を対象に
アンケートで『行ってみたい国』を尋ねてみると
日本が一番なんです」
「その大きな理由のひとつが雪です」
関東も東北も、
最近の大雪で難儀した。
けれど、雪は、
「アジアの観光戦略を考えるうえで、
とても重要な資源です」
「世界的に見ると、
北米ではロッキー山脈、
欧州ならアルプス、
アジアなら日本列島です」
「観光が経済に大きい影響を与える今の時代、
雪は石油より価値あると思います」
「石油はすごい資源で、
『いいなあ底から湧いてきて』と思いますが、
雪は空から降ってくる資源です」
観光資源を生かすために星野さんは、
「国を挙げての観光産業の生産性向上」を
提唱する。
その一つが、
「大型連休を地域別に分けて取得すること」。
フランスはこれを実施している。
結果として、年間に8000万人が訪れる。
日本の8倍の観光大国。
「様々な観光施設の需要が平準化し、
生産性も上がり、
設備投資も活発になります」
「新しい魅力的な施設が相次ぎ誕生し、
人がさらに集まるという好循環が期待できます」
ロンドンもバルセロナも、
もちろんパリも、
観光資源を活かし、
観光産業の生産性を上げることに、
必死だ。
最後にめざすのは、
「好循環産業」。
ハーバード・ビジネスレビューが、
メルカドーナを評したのが、
「好循環企業」。
星野佳路、鋭い。
かつて㈱商業界社長の頃、
売出し中の星野さんに、
対談で商業界会館に、
来社してもらったことがある。
あのころから数倍、
大きな経営者になった。
産業レベルで、
モノを考えるようになったからだ。
素晴らしい。
その星野さんに関する単行本が、
最近、増えている。
よく売れているのが、
日経トップリーダー副編集長・中沢康彦著。
日経BP社刊で、3冊ある。
『星野佳路と考える
ファミリービジネスマネジメント』
『星野リゾートの教科書』
『星野リゾートの事件簿』
そして、
フレッド・クロフォード&ライアン・マシューズ著、
星野佳路監修、
『競争優位を実現する
ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略』
これは私の『店ドラ』発刊元のイーストプレス刊。
星野佳路自身の著作は、
『賢人のビジネスリーダー力』
幻冬舎刊。
『プロフェッショナル仕事の流儀 星野佳路』
これは茂木健一郎編集、NHK制作班編集。
『星野リゾートの教科書』の中で、
星野さんが教科書の選び方、
学び方を語っている。
ステップ1・本を探す。
書店に1冊しかないような
古典的な本ほど役に立つ。
ステップ2・読む。
1行ずつ理解し、
分からない部分を残さず、
何度でも読む。
ステップ3・実践する。
理論をつまみ食いしないで、
100%教科書通りにやってみる。
自分なりの経営の方法、
自分なりの仕事の流儀。
安易な経営の方法、
安易な仕事の流儀。
それを否定している。
同感。
星野佳路の考え方がそのまま、
ポジショニング戦略である。
〈結城義晴〉