今度は北海道を中心に、
北日本、北陸で大雪、猛吹雪。
私は雨の横浜から、
朝一番で、大阪へ。
残念ながら、
富士の姿は拝めなかった。
いつもなら、
このあたりに見えるはず。
しかし不思議なことに気がついた。
雨の日は、
新幹線の窓から電線がくっきりと見える。
写真にそれが表れた。
新大阪から堺駅前の、
アゴーラリージェンシーホテルへ。
万代ドライデイリー会沖縄報告会。
先月、17日から19日の3日間、
サンエーのみなさんの協力もあって
沖縄の競争実態を視察した。
その報告を兼ねた講演会。
㈱万代経営幹部と、
お取引関係者500名ほどを前に、
結城義晴なりの競争の本質を整理。
沖縄はサンエーが、
地域スーパーマーケットのリーダー。
イオングループ・イオン琉球が、
それに対峙する。
もちろん、金秀商事や、
リウボウストア、ユニオンなど
スーパーマーケットが、
それぞれの戦略を展開する。
画像をふんだんにお見せしながら
競争の本質を整理した。
そのうえで沖縄という範囲の経済の中で、
サンエーがいかに、
強みを確立しているかを解説。
90分のご清聴に感謝。
講演を終えるとすぐに、
西水啓介常務が控室に来てくれた。
西水さんはコーネル大学ジャパン奇跡の二期生で、
沖縄に同行してくれた一人。
その後、各分科会に分かれて
万代の前期下半期の実績報告と
2014年度の取り組みを発表。
大所帯のグロサリー部会。
冒頭に西水さんが方針説明。
稼ぎ頭のデイリー部会。
黒田久徳執行役員は、
マーケティングの視点でモノを語る。
これがいい。
黒田さんも沖縄参加組。
こちらは惣菜部会。
常務の阿部秀行さんがあいさつ。
阿部さんはスライドを使わずに、
取引先の皆さんに語りかける。
これも、いい。
その阿部さんと写真。
最後に㈱アドバンスの磯田雅人社長とポーズ。
磯田さんも沖縄視察に参加してくれた。
あぁ、疲れた。
あぁ、楽しかった。
万代の分科会でも語られたが、
4月1日からの消費増税前の特需対策は必須だ。
すでに様々な変更が決まっている。
昨日、国土交通省は、
全国の鉄道60社、バス196社に対して、
運賃引き上げ申請を認可。
上げ幅は原則2.86%。
ただし電子マネーと現金で、
運賃が異なる場合が出てきた。
つまり「二重運賃」。
電子マネーは1円刻みの運賃導入。
JR東日本や東京急行電鉄、東京メトロなど22事業者、
バスは27事業者。
JR東日本では、現行150円区間は、
電子マネー154円、現金払いは160円になる。
都営バスは区内均一200円の現行運賃が、
電子マネー206円、現金210円。
さらに普通運賃と定期運賃で上げ率が変わる。
京阪電気鉄道は普通運賃は3.062%、
定期運賃2.423%アップ。
東京都内のタクシー初乗り運賃は、
710円から730円に上がる。
小売業サービス業でも、
増税後の売価見直しは進む。
しかし交通手段は、
総額表示だから改訂もあろうが、
本体価格+税であれば、
本来、基本的に変える必要はないはずだが。
商品やサービスの価値が、
変わるわけではないのだから。
しかし、消費増税ほぼ1カ月前だから、
買い溜め需要への対応は様々だ。
先週末の日経新聞。
イオンは3月末まで、
電子マネー「ワオン」での買い物に
通常より多くポイントを付与するセールを実施。
これは顧客囲い込み作戦。
イトーヨーカ堂は既に1日~4日まで、
グロサリーのケース売りで2~4割引きセールを、
全店で実施。
3月末まで定期的に企画し、
買い溜め需要を取り込む。
「対象分野の売上げは、
合計で通常の3割増しを見込む」。
西友も3月いっぱい、
1900品目を2~3個まとめ買いで、
最大16%引きのセールを展開。
マツモトキヨシも3月末まで、
500品目程度で、
最大2割引きのまとめ買いセールを実施。
一方、販売促進策の原資確保作戦も出てきた。
ポイント還元率の見直しだ、
サミットは2月段階で、
ポイント付与率を従来の「100円1ポイント」から
「200円1ポイント」に変更。
ポイントによる割引コストを抑えて、
「増税後の販促や品ぞろえの強化に充てる」。
ニトリも2月からポイントの付与率を半減。
消費増税でポイント還元率抑制が、
進みそうだ。
消費税増税までの1カ月間。
社会インフラの変化もある。
競争環境も変容する。
それへの対応に、
細心の注意を払う必要がある。
買い溜め・駆け込み需要などは、
最大限、刈り取りしておくべきだ。
ここには顧客のニーズがあるし、
4月以降、確実にその反動が出るからだ。
特別の営業ではない。
商人ならばだれでもわかること。
顧客囲い込み政策をとる企業もあるだろうし、
販促原資を確保する場合も出てくるだろう。
しかし、本質は変わらない。
税額が変わるだけだ。
だから本体価格+税となる。
ここで、売価変更による利益盗みなど、
姑息な商略は断じて、
やってはいけない。
決して、その誘惑に負けてはならない。
顧客は必ず、それを見破る。
地域社会も、それを見ている。
顧客の生活は3%分だけ苦しくなる。
それを売り手側の努力で、
支えてやろう。
どれだけご奉仕できるかによって、
4月以降の雌雄は決する。
これだけは、
断言しておこう。
情ない商人にはなるな。
〈結城義晴〉