日経新聞が壱面トップで、
「小売業、7割が増収増益」
と言っても、2015年2月期の決算予想。
消費増税後の反動をものともしないらしい。
日経新聞が集計したのが、
2014年2月期決算の小売企業51社。
終了した2014年2月期は、
合計で増収8%、増益0.3%。
これに対して2015年2月期見通しは、
「7%増収、8%増益」。
36社が増収増益の見込み。
イオンの岡田元也社長。
「生活費の上昇を収入増で補えない人々は
日用品の節約に動く」。
そのイオンの2014年2月期連結決算の詳細は、
今日のDaily商人舎で、
つかんでおいてほしい。
総合スーパーやスーパーマーケットは、
新年度も予断を許さない。
百貨店やニトリなどは、
消費増税の反動が大きいと見る。
髙島屋木本茂社長。
「夏ごろまでに完全に復調するのは難しい」
Jフロント山本良一社長。
「百貨店事業を中心に
増税の反動減が出る」
しまむら野中正人社長。
「賃上げの動きが広がれば、
消費には追い風」
しかしニトリ似鳥昭雄社長。
「影響は9月まで続く可能性がある」
似鳥さんの発言、
物議を醸している。
この発言が全体のものだとすると、
来年10月のさらなる増税ができなくなるからだ。
セブン&アイ・ホールディングス村田紀敏社長。
「日常使いできる利便性で、
増税の影響はほとんどない」
セブン&アイはセブン‐イレブンに牽引されている。
そのコンビニは影響なしという判断。
ただしイトーヨーカ堂やヨークベニマルは、
岡田元也さんと同じような見解だろう。
ローソン玉塚元一最高執行責任者。
「増税後は消費者の選別の目が、
一段と厳しくなる」
玉塚さんの見解は、
すべての小売業に当てはまる。
挙句、小売企業の淘汰が進む。
私はこれを確信している。
さて、成田空港を飛び立って、
九十九里浜。
ブリティッシュエアライン006便、
10日10時50分発。
機体は向きを変えて、
北へ向かう。
そしてシベリア平原が、
延々と続く。。
さらにヨーロッパ大陸。
12時間ほどのフライトで、
イギリスのグレイトブリテン島へ。
最後にテムズ川が流れる大ロンドン市。
ヒースロー空港には、
現地時間15時20分に到着。
早速、専用バスに乗り込み、
市郊外の高級住宅地ケンジントン地区へ。
テスコのスーパーストア。
24時間営業の超繁盛店。
入り口を入ると真ん中に
ミールソリューションと、
デリカテッセンの対面売場。
青果売場はスポット照明を多用。
お客は実によく入っている。
テスコの2013年2月期の売上げは、
723億6300万ポンド。
伸び率0.5%、
純利益34億53300万ポンド。
こちらは伸び率マイナス11.8%。
英国内の店舗数は3146店で、
もちろん国内最大手。
一方、同じケンジントンにあるセインズベリー。
同じ高級住宅地に立地しながら
安さを打ち出すだけの旧来型店舗。
精肉や鮮魚は対面販売を取り入れるも、
お客からのオーダーは、
決して多いようには見えない。
この店、明らかに加工食品が多い。
テスコとは戦略が違うと言えば、そうも言えるが、
高級住宅立地で、デリが弱すぎる。
セインズベリーの売上高は、
256億3200万ポンド。
伸び率3.5%。
純利益7億5600万ポンド。
伸び率6.1%。
店舗数は小型店を含めて1106店。
イギリス第2位の小売業。
テスコとの格差が歴然としてきた。
アメリカのスーパーマーケット産業。
第1位のクローガーは絶好調。
しかし第2位のセーフウェイは、
投資会社サーベラスに買収されてしまった。
イギリスのテスコとセインズベリーも、
おなじような様相を呈してきた。
日本での小売企業淘汰も、
欧米に来ていると、
当たり前に感じられる。
着いて早々、
2店舗を比較視察して、
初日の学習は終了。
元英国首相マーガレット・サッチャー女史。
そのご愛用のシーフードレストランで、
懇親夕食会。
日穀製粉㈱社長の小山紀雄さんが
乾杯のあいさつ。
濃厚なエビのスープ、
サーモンのソテー、
蟹のフライなどを賞味しながら、
一人ひとりが、
自己紹介を兼ねてあいさつ。
関西スーパーマーケット常務の福谷耕治さん。
コーネル・ジャパン伝説の第1期生。
山本誠社長以下11名で、
大挙参加してくれた㈱万惣の皆さん。
それに聞き入るのは、
スーパーマーケット各社のトップ。
視察で何を学びたいか、
何を持ち帰りたいのかなどを語ってもらったが
その内容を聞いていると、
始まったばかりだが、
すごくいい手ごたえを感じる。
今日から3日間、
世界一訪れたい都市ロンドンで過ごし、
その後、バルセロナに向かう。
決してサッカー観戦ではありません。
始まったばかりだが、
いいツアーになる予感。
ひしひしと感じられる。
(つづきます)
〈結城義晴〉