日経新聞一面トップ記事。
「健康保険料、最高の8.8%」。
大企業の健康保険組合の話だけれど、
相次いで保険料を引き上げ、
2014年度保険料率が平均8.8%。
過去最高を更新。
一般に三保険といわれる、
失業保険、健康保険、厚生年金。
その保険料は月収に料率をかけた金額。
原則的には労使折半で負担し、
会社員は給与から天引き。
労使の契約で7対3もあれば、
100%会社負担という場合もある。
全国約1400の大企業健保組合のうち、
2014年度は500前後が、
平均0.2ポイント料率を上げる。
理由は高齢者医療制度への支援金増大のため。
その額、2013年度で3兆2000億円。
健康保険組合の赤字額は、
2014年度で3600億円強。
そこで政府は、
消費増税と保険料増額で対応する。
日本国民は消費税だけでなく、
保険料の増加で、
ますます苦しくなり、
さらに価格コンシャスは高まる。
小売りサービス業は、
それを受け止めねばならない。
さてバルセロナ2日目。
突然、痛風の持病が発症。
右足親指の付け根が、
赤く腫れて、ズキズキ痛む。
バルセロナ到着の夜に痛みだし、
何とか2日目の視察をこなすも、
痛みはよくなるどころか、
ますますひどくなる一方。
私の痛風体験の最初は2005年。
㈱商業界社長就任2年目。
連日連夜、会社改革に明け暮れて、
激務とストレスが溜まって発症。
このときは松葉づえをついて会社に通った。
休んではいられなかった。
第2回目が2010年10月末。
商人舎を発足させて2年。
立教大学大学院・結城ゼミ、
第2期生の秋の仮提出前合宿初日のこと。
この時も、米欧出張が2週間を超え、
コーネル大学RMPジャパン第3期を、
立ち上げたばかり。
さらに10月末の29日・30日には、
「関東16店駆け巡り」研修会。
これらはみんな、
このブログに記されていて、
結城義晴闘病記録となっている。
忙しい日々を送るとその結果、
食事は不規則になる。
食べる量は増え、
食べる内容もこってり系になる。
運動不足にも陥る。
今回は三度目の消費税ならぬ、
三度目の痛風。
前回は左足親指付け根で、
今回は右足親指付け根。
第1回目は覚えていない。
夕方、タクシーを飛ばし、
市内の「HOSPITAL CIMA」へ。
スペインの医療機関は約8割が公立。
私が行ったのは、
残る2割の中に入る私立病院。
スペインの社会保障保険制度は、
加入者の公立病院の診療費は無料となる。
たとえ違法の移民であっても。
薬はすべて病院で処方され、
ドラッグストアで購買するが、
これも大幅に割引された価格。
ただし、無料の公立病院は、
たいへん混雑している。
私立医療機関は空いていて、
医療内容も充実。
私はその空いている私立病院へ。
急患用の入り口はこちら。
地下に通ずる入り口。
地下に降りると案内版。
病院内の通路。
受付でパスポートを提示。
患者の手首には、
紙製の腕輪がまかれる。
バーコードが記載されている。
そして急患待合室。
オレンジやグリーン、ブルーの椅子が並ぶ。
私も待機。
持っているのは診察用の受付シート。
私の受付番号はYY0147。
壁には掲示板。
そしてYY0147の表示。
すぐに呼び出された。
待合室から診療室へ。
このベッドに寝かされて
ドクターの診療。
まず男性の看護士がやって来て、
ヒアリングを受け、
その後で女性のドクター。
ビニール手袋をはめて、
患部をちょいちょいと触って、
すぐにゴミ箱に手袋を捨てた。
それで診察終り。
痛み止めと尿酸の結晶を溶かす薬。
それらの処方箋をもらい、
100ユーロ也。
足は傷むが、いい経験をした。
現地コーディネーターのセニョール・ムッタには、
たいへんお世話になった。
ムッタさんが薬局を2軒回って、
薬を買ってきてくれた。
上が2ユーロ、下が6ユーロ、
合わせて8ユーロ。
安い。
夜は薬を飲み、
足を氷で冷やして、
おいしいものも我慢して、
横になりながら仕事。
おかげさまで、
ずいぶんはかどった。
さて、そんな右足の痛みを、
引きずりながらの一日。
朝から充実した視察だった。
バルセロナ視察の主目的は、
メルカドーナ。
通訳はセニョール・ムッタ。
広報ディレクターのジョアン・ジリさんが案内役。
店内を巡りながら、
メルカドーナの新しい施策を解説してくれる。
青果売場ではわれわれのために
スイカとオレンジの試食を用意してくれた。
これが実に甘くておいしかった。
整然と片づけられたバックヤード。
毎日必要な量が納品されるため、
在庫量は驚くほど少ない。
店内ツアーを終えると、
場所を隣のホテルに移して、
さらに質疑応答。
隣の女性は、
バレンシアから駆け付けてくれたバルバラさん。
青果ディレクター。
私が記者会見の筆頭質問者の如くして、
1時間以上のインタビュー。
メルカドーナのユニークな経営の本質が、
次々に明らかになる。
団員も熱心に耳を傾ける。
メルカドーナは取材を受けない企業として有名。
だから、団員たちからも質問が次々に飛ぶ。
これまでにないほど、
実にいいインタビューだった。
想像を絶する経営だった。
そしてそれがシンプルに徹していた。
店を見るだけでは、
絶対にわからないメルカド―ナの奇跡。
ジョアンさんやバルバラさんを囲んで、
店の前で記念写真。
ジョアンさんからは
メルカドーナの企業概要をもらった。
バレンシア語だけど。
ナイスガイで優秀なジョアンさんに、
心から感謝。
この内容は、
月刊『商人舎』か、
商人舎Magazineで。
残念ながら、ブログでは公開しない。
読者になってください。
凄い内容のインタビューです。
目から鱗です。
そして興奮のうちに、次の視察店へ。
ボックスストアのディア。
店内奥は核売場の冷凍食品。
そして再びメルカドーナへ。
闘牛場跡のフラッグシップ店。
円形のファサードが特徴的。
月刊『商人舎』11月号で紹介している。
インタビュー後の視察だから、
売場の各所の施策がよくわかる。
だから団員も一層熱心になる。
昼食はこの闘牛場ショッピングセンターで。
そしてアルカンポ。
フランス・オーシャンがスペインで展開する、
ハイパーマーケット。
箱型ショッピングセンターの核店舗。
地下1階が食品売場。
ワインとリカー売場が、拡大されている。
次に、車で10分ほどのショッピングセンター。
そこにカルフールが入っている。
こちらのショッピングセンターは最新型。
カルフールはフランスの香りを前面に出して、
核店舗の役割を演じようと必死。
1階が食品売場。
対面の精肉売場。
アルカンポもカルフールも
月曜の午後は閑散としている。
昨日の日曜日、
小売業は休日。
休日明けの月曜なのに、
客の少なさが気になる。
スーパーマーケットのメルカドーナは
2店舗ともに客が入っていた。
ハイパーマーケットとスーパーマーケット。
両業態の違いがくっきりと出た視察だった。
その後、ホテルに帰ってから、
さらに病院へ。
メルカドーナの奇跡を、
またまた新たに感じとった。
そのご褒美と反動のごとき痛風。
どちらにも感謝。
(つづきます)
〈結城義晴〉