結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年04月30日(水曜日)

リクルートとPonta共通ポイント統合のビッグ・データと顧客分析

ゴールデンウィークの間の通常日。
しかし朝の電車の中は、
ガラガラ。

やはり飛び石でも、黄金週間。

朝から東京・大門。
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雨模様で、
東京タワーも上部は、
霧に隠れて見えない。

それでも芝公園の緑は、
逆にイキイキ。
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公園の彫刻も、
雨の中なのに躍動している。
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カスタマー・コミュニケーションズ㈱の、
定例取締役会。
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略称CCL。
このベンチャー企業、
すごいスピード感。

見ているだけで、
嬉しくなる。

期待してください。

さて、CCLのビジネスにも関連するが、
日経新聞一面トップ記事は、
「リクルート、『ポンタ』と統合」

「Ponta(ポンタ)」は、
㈱ロイヤリティマーケティングが運営。
同社は三菱商事の子会社で、
従ってPontaカードを活用して、
ポイントサービスの成果を上げているのが、
コンビニのローソン。

ローソンはデータと会員の年齢などを分析し、
商品開発と販促に活用している。

そのPontaと、
リクルートポイントが、
共通ポイントを統合する。

今夏、相互交換スタート、
来春、ポンタに一本化。

それによって、
宿泊予約のじゃらん、
飲食店予約のホットペッパーグルメ、
クーポン購入のポンパレが、
Pontaに統合される。

リクルートは従来、
じゃらんやホットペッパーグルメなど、
個別にIDを発行していた。
しかしそれを、
結婚情報の「ゼクシィ」や、
転職情報の「リクナビNEXT」などと
1つに集約。

今回さらに、Pontaに集約する。

ちなみに「ゼクシィ」の会員は、
数十万人規模。

Pontaは明らかに、
ビッグ・データ分析に向かっている。

Pontaは会員数6000万人超、
リクルートは1000万人超。
合わせて7000万人超。

Tポイントの4800万人を凌ぎ、
楽天スーパーポイントの9000万人に迫る。

カルチュア・コンビニエンス・クラブのTポイントは、
昨年、ヤフーとポイントを統合。
こちらはファミリーマートで使える。

楽天も今秋には、
共通ポイント「Rポイントカード」を発行予定。
楽天市場で使われる楽天スーパーポイントと、
実店舗のポイントを統合する。
こちらはサークルKサンクス。

つまり、ポイント統合は、
一大ブームで、
それぞれにコンビニ大手がくっついている。

日本国内での共通ポイント取引額は、
推定1兆円を超える規模。

TポイントとPontaの、
2陣営が競り合っていて、
加盟店舗数は、
合わせて9万店超。

しかしそれ以外にも、
イオンのワオンや、
セブン&アイのnanaco(ナナコ)は、
電子マネーにポイントがつく。

さらにブルーチップのBeamなど、
ローカルに徹した共通ポイントシステムもある。

リクルート・ホールディングスは、
ロイヤリティマーケティングに約15億円出資し、
出資比率約15%。
ロイヤリティマーケティングは今夏、
80億円規模の増資をして、
システム投資を図る。

ビッグ・データという概念。

もちろんここにも、
クリティカル・マスの仮説が当てはまるが、
そのスピードは、
有店舗ビジネスのネットワークづくりの速度とは、
比べ物にならない。

そして最初に、
クリティカル・マスを突破した者に、
特権が与えられ、
他の競争者を統合していく。

つまりはネットワークの網の世界。

しかしそれも私は、
リアル店舗での購買との融合が、
鍵を握ると考える。

スピードの速いものが、
速度の遅い者を引きずって、
囲い込み競争を展開する。

速度の遅い者が、
どれだけ多くのネットワークとなるか。

しかし最後はいかに顧客に迫れるか。
つまり顧客の幸せに貢献できるか。
そのためにもポイント還元だけでなく、
ID-POS分析でいかに、
顧客の行動を知ることができるか。

まさしくそこに、ポイントがある。

〈結城義晴〉

2014年04月29日(火曜日)

昭和の日に昭和生まれのリー・スコットと結城義晴の物語

「昭和の日」です。

それこそ昭和時代には、
「天皇誕生日」の祝日。

しかし昭和最後の64年1月7日、
その昭和天皇崩御。
1989年だった。

この後、バブル経済が崩壊していくが、
この1989年4月29日は、
「みどりの日」と名を改められて祝日となった。

さらに2007年の平成19年、
再度改定されて、
「昭和の日」となった。

『祝日法』の趣旨は、
「激動の日々を経て、
復興を遂げた昭和の時代を顧み、
国の将来に思いをいたす」。

何の日で今日は休んでいるんだろう
〈朝日川柳 大阪府・井丸昌紀〉

連休となると、
こんな気分になるのだろうし、
なぜか新聞もテレビも、
あまり「昭和の日」に触れる、
記事や番組は載せない、つくらない。

しかし私の生まれた激動の昭和、
復興を遂げた昭和を考えつつ、
この国の将来を思い続けたい。

昭和天皇崩御の1989年1月7日は、
土曜日だったが、
私は㈱商業界の社員で36歳。
その前日の6日金曜日、
『食品商業』編集長の辞令を貰った。

辞令の日付けは、
1月1日だった。

だから天皇崩御で、
国民が喪に服しているとき、
私自身は自分の雑誌をどう変えようかと、
燃えていた。

それから四半世紀が経過した。
三度の大きな震災がやって来た。

1995年(平成7年)1月17日、
阪神・淡路大震災、
2004年(平成16年)10月23日、
新潟県中越大震災。
そして2011年(平成23年)3月11日、
東日本大震災。

平成は震災の時代でもある。

関東大震災が1923年(大正12年)9月1日。
だから昭和の日に思い起こす昭和は、
震災から無縁の時代だった。

しかし太平洋戦争で、
日本は壊滅した。

そこから見事に復興を遂げ、
『Japan as Number One』を成し遂げた。
社会学者エズラ・ヴォーゲルの1979年の著作。

どこの国にも、
こういった復興の歴史はあるのだろうが、
私たち日本国民は、
何度も何度も復活した。

その復活の意志を確認して、
昭和の日を過ごしたい。

さて、昨日のDaily商人舎。
商人舎Magazineのなかの、
毎日のピックアップニュース。
ウォルマート第3代CEOリー・スコット引退

65歳での引退は、
極めて早いし、
私にはひときわ感慨深い。

私は85歳まで、
現役を貫徹することを表明している。

スコットは1949年3月生まれ。
1979年、ウォルマート入社。
1993年、上級副社長就任、44歳。
1998年、ウォルマート・ストアーズ部門CEO、
1999年、本社副社長兼COO、
2000年、51歳で社長兼CEO。

そして2009年、60歳で退任し、
今年2014年、完全に引退。

私のことを書かせてもらうと、
1977年、㈱商業界入社。
スコットよりも2年早かった。

そして1989年、編集長就任。
1996年、取締役編集担当、43歳。
2002年、専務取締役、
2003年、代表取締役社長就任。
50歳だった。

そして2007年、54歳で退任。

その後、2008年に㈱商人舎を創業し、
代表取締役社長として現在に至る。

この代表取締役は、
生きている限り、
85歳までは続けるつもり。

リー・スコットは、
同世代の3つ上。

ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんが、
1949年2月生まれだから、
本当に近い同じ年だ。

もちろんスコットや柳井さんとは、
比べ物にならないくらい、
私がかかわったのは小さな会社だ。

しかし、みんな昭和生まれ。

そのスコットと、
2005年4月27日に、
私は対面している。

そして一度、
このブログでも紹介したが、
「リー・スコットへの手紙」を書いて、
2005年5月『販売革新』誌の巻頭言に掲載した。

前略
4月27日、
西友沼津店では失礼しました。

まさか世界最大企業の最高責任者が、
完全なお忍びで、予告もなく、
新設店とはいえ、地方の店舗を訪れようとは、
私も全く想像できませんでした。
付き添うのはボディガードと通訳だけ、
ラフなジャケットとジーンズ。
そう言えば、故サム・ウォルトン翁が
店舗を訪問するときには、
いつもトヨタのピックアップトラックで、
ラフな格好だったと聞きます。
あなたもまったく、
そんな雰囲気を漂わせていました。

私は、沼津店の塩口永店長とは、
彼が、東京六本木ヒルズにある
西友のスーパーマーケット
「フードマガジン」の店長だったときに、
お会いしていました。

その塩口さんと、
沼津店のフードコートで話をしていたときに、
あなたは突然、やってきたのでした。

まず、4月末日の5000店突破、
おめでとうございました。
ブラジルでの100店を超える買収があって、
一挙に大台の5000店を超えたようですが、
苦戦の南米でもようやく
足がかりが着いたといったところでしょうか。

1月末日の2003年度決算も、
年商2563億2900万ドルと、
11.6%の成長。
1990年に買収した食品卸事業
『マクレーン』を売却した上での
120億ドル近くの売上高伸び率ですから、
依然、ウォルマートの勢いは止まらないと
表現してよいのでしょう。

私があなたと会って、
聞きたいことの最大のテーマは、
なぜ、ウォルマートは
成長し続けられるのか、
なぜ、ウォルマートに
大企業病は無いのか、という点です。

今回の突然の出会いでは、
そんな質問もできず、残念でした。
しかし、あなたは塩口店長に聞き、
指示しました。

「①店の営業状態はどうか。
②いつ黒字化するのか。
③この状態を1年間、維持せよ」

サムの質問やアドバイスとそっくりでした。
1992年にサムが亡くなり、
すぐにデビッド・グラスがCEOとなりました。
8年後の2000年、あなたは、
3代目のCEOに就任しました。
それから2001年、
世界最大の企業となり、
全米小売業の全部門で
シェアナンバー1の地位を獲得すると、
2002年、西友を買収して
日本進出を果たしました。

今年3月、私は、
『西友社員への手紙』の中でこう書きました。
「ウォルマートと西友は、
この微差の生存競争を拒否しようと考えています。
経費率が圧倒的に低い、
差異性のある流通企業をつくろうとしています。
その経費構造が
日本のマーケットに環境適応するか否かは、
それこそ歴史が証明することになります」

西友の社員の皆さんには、
こう問いました。
「あなたは、
この差異性のある企業づくりに、
意欲を感じられるか」

僭越ながら、
私があなたに期待することは
この点です。

是非、日本のマーケットにおいて、
「差異性のあるチェーンストア」を創ってください。
違いを持ち込むことこそ、
ニューカマーの役割であり、
責任でもあります。
それがマーケットの進化を生み出すのです。

ところで右手の骨折、
具合はいかがですか。
ミーハーなようですが、
あなたが右手を傷めているために、
左手で交わした握手は、今も力強く、
私の感触として残っています。 早々

尊敬するリー・スコット様

この誌面を通じたメッセージは、
当時の渡邉紀征西友社長の手で、
英訳されてスコットに送られた。

いま、西友は果たして、
「差異性のあるチェーンストア」になっているか。
ウォルマートに大企業病はないか。

引退したリー・スコットに、
聞いてみたい気もする。

商人舎主催で、
リー・スコット来日講演会など、
開催してみたいものだ。

昭和の日に、勝手に、
昭和生まれのアメリカ人のことを思う。

また、それもよし。

〈結城義晴〉

 

 

2014年04月28日(月曜日)

飛び石「安近短黄金週間」とトヨタの「つくるより売るが難しい」

Everybody! Good Monday!
[2014vol17]

2014年第18週。
4月の終りと5月の初めが同居する週。

8%への消費増税後の、
ゴールデンウィークの合間の月曜日。

名づけて「安近短黄金週間」。

今週の販促企画は、
商人舎Magazineの、
Weekly商人舎・日替り連載、
「月曜朝一」をどうぞ。

朝から横浜商人舎オフィス。
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新緑が美しい。

オフィス裏の遊歩道を見下ろすと、
光がまぶしい。
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1年で一番いい季節です。
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表通りはツツジが満開。
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精一杯、花弁を開いて、
まさに満開。
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いい季節です。

最長11連休だけれど、
今週の水・木・金曜日に休暇をとれない人は、
3・4・5・6日の4連休。

あるいは今日、休暇をとって、
4連休のあと3連労働、
そして4連休。

こんな人、こんな会社も多いだろう。

これが、いわゆる「飛び石連休」。

逆に商売をやる人たちは、
「飛び石書き入れ時」。

顧客の不幸は、
我が不幸。

顧客の喜び、
我が喜び。

中くらいなり我が連休。

早ばやと風をはらんで鯉幟
〈日経俳壇 茨木市・赤畑博〉

都会では見かけなくなったけれど、
こいのぼりこそ、黄金週間の象徴。

新茶汲む窓の全てを開け放ち
〈日経俳壇 大和市・杉浦正章〉

新茶とは、
その年の最初に摘み取られたお茶。
4月下旬から5月初旬。

「夏も近づく八十八夜♪」

立春から数えて88日目の夜が、
八十八夜。

ことしの立春は2月4日。
だから八十八夜は5月3日。

この日に摘み取られたお茶は、
一年間の無病息災を与えてくれる、
とされる。

味も良い。

葱種の三百粒をスパッと蒔く
〈同 安中市・入沢岳風〉

添え書きがある。
「苗箱に約三百粒の種を瞬時に蒔く、
私は葱農家です」

ゴールデンウィークのあと。
やってくるのはこの日です。

母の日の母の背丈の潜り木戸
〈同 尼崎市・池田誠喜〉

いいですね。
母親への温かい視線。

さて、スポーツの季節でもある。
プロテニスの錦織圭。
第62回バルセロナオープンで優勝。
世界の舞台のツアーで5勝目。

素晴らしい。

一方、日本のプロゴルフ。
44歳の藤田博之が、
つるやオープンで優勝。

一昨年の賞金王。

昨年は勝利なし。

勝負のかかった17番ロングホール。
ベテランの清水重憲キャディーと意見がピタリ。

「最後まで楽しみましょうよ」。

ここは刻んで、
第3打に掛けたが、
その精神的ゆとりが、
プレーオフの落ち着きに繋がって、
優勝。

勝利のコメント。
「勝つ姿だけでなくて。
同じ世代の人たちに共感してほしいし、
俺も頑張ろうと元気になってほしいから」

商売も同じだ。

売る姿だけではいけない。

顧客たちが、
俺も、私も、頑張ろうと、
元気になってくれなくてはいけない。

連休中も、
この意気で、
仕事に邁進してほしい。

錦織圭も藤田寛之も、
休日に仕事する、
プロフェッショナルである。

さてさて、
日経新聞最終面『私の履歴書』。
今月は豊田章一郎さん。
トヨタ自動車名誉会長。

今日のタイトルは「固い絆」。

「販売・製造は車の両輪。
トヨタの販売の礎を築いたのが
神谷正太郎さんだ」

章一郎さんの父・豊田喜一郎さんの考え。
「つくるより、売るほうが難しい」。

そこで日本GMの神谷さんをスカウト。
その神谷さんの哲学は、
「販売店の繁栄あって生産者の繁栄がある」、
「一にユーザー、二にデーラー、三にメーカー」。

小売店の繁栄があって、
メーカーの繁栄がある。

神谷さんは、
「地元の資本や人材を活用して、
各府県に1販売店を目標に、
販売網を築いていった」。

さらに、
「1950年の経営危機で工販分離後、
神谷さんはトヨタ自動車販売社長として
内外の販売・サービス網の拡充に全力を傾け、
その仕事ぶりは鬼気迫るものがあった」

これに関連して、
連載の4月19日は「工販合併」。

1950年に「工販分離」をして、
トヨタは自動車工業と、
自動車販売に分かれた。
「トヨタ自工とトヨタ自販」。

それが1980年代、再び合併する。

日本の自動車産業は、
大きな曲がり角を迎えていた。

「販売の神様」と言われた神谷さんは、
半年前に他界。

そこで、「生産・販売という表裏一体の機能を
総合的かつ機動的に発揮することが必要と判断」。

章一郎さんが、
新生トヨタの初代社長に選ばれた。

この歴史をみていると、
チェーンストアの誕生を思い浮かべる。

ゴドフリー・レブハーは、
その著『チェーンストア』の中で指摘する。

チェーンストアは、
「小売業と卸売業の機能を
併せ持つものだ」

トヨタ自工とトヨタ自販。
製造業と小売業の表裏一体の機能を、
総合的かつ機動的に発揮する。

チェーンストアは、
小売業と卸売業の表裏一体の機能を、
総合的かつ機動的に発揮するものだ。

だから章一郎さんが、
神谷さんから言われ続けたこと。
「とにかく販売店を回れ」。

これは小売業のトップも同じ。

「地域、販売店から、
きたんのない意見をうかがい、
車造りに生かす。
この愚直な取り組みこ
そトヨタの強みだ」

飛び石とはいえ、
安近短黄金週間。

とにかく、店を回れ。

「神は現場にあり」。
トップ、幹部、本部スタッフ、バイヤー。

トヨタに負けてはいけない。

では、みなさん、
月曜日には、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2014年04月27日(日曜日)

ジジとベランダ[日曜版2014vol17]

ジジです。
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ねむい。
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ユウキヨシハルのおとうさんも、
12時間もねてた。
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おうちのなかのあっちこっちで、
ボクも、ねむります。
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ちょっと遅いかもしれませんが、
春眠暁を覚えず。

チェンバロのうえ。
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ここはすきです。
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目がさめてきた。
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ゆうがたには、
日がさしてきます。
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ボクは日ざしも、
だいすきです。
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日ざしにあたって、
ベランダがきれい。
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空気もおいしい。
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のびのびできる。
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ほらね。
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そとは、きもちいい。
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ベランダは、
きもちいい。
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右をみても。
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おはな。
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左をみると。
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チューリップ。
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ベランダをみるのは、
きもち、いい。
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ベランダ、すきです。
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ベランダには、
ボク、でられないけど。
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おとうさんが、
いちにち、
おうちにいる。
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そうして、
ベランダをみる。
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それがボクの、
おやすみの日の、
すごしかたです。
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ありがとう。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2014年04月26日(土曜日)

高校寄せ書きの店「有薫酒蔵」の経験価値と黄金週間の安近短

12時間近く眠った。

バルセロナから帰って、
1週間以上も経過するのに、
時差ボケか。
それとも春眠暁を覚えずか。

それでも、良く眠れるというのは、
体力充実の証。

久しぶりによく眠って、気分爽快。

今日は、午後、
起き出して、
月刊『商人舎』の入稿などして、
夕方、出かけた。

行き先は、新橋。
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駅前に機関車。
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信号をわたって、
りそな銀行の地下。
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有薫酒蔵。
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九州料理の店だが、
有名な別のキャッチフレーズは、
「高校寄せ書きの店」。
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これがみんな、
全国の高校別の寄せ書き。
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店内にも、
図書館のようにずらりと、
寄せ書きノートが並ぶ。
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ありました。
844番。
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後ろは栃木県作新学院高等学校。

私たちの神奈川県聖光学院高等学校。
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博多料理と九州の焼酎を楽しんで、
その後で、名物女将・松永洋子さんを囲んで、
写真。
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聖光学院高校8期生の仲間。
全員が62歳と61歳。

楽しいひと時でした。
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新橋の宵も、
いい季節を実感させてくれました。

さて、『ほぼ日』の巻頭言。
糸井重里さんが書く。

「『ほぼ日』の仕事場は、
ひとつの部屋に全員がいます」

商人舎オフィスと同じ。

「同じ部屋に全員がいると、
いま真剣に集中してる人と、
同じ時間に余裕を持っている人とが
混じります」

「大きな部屋での立ち話は
奨励されているので、
あちこちで立ったり座ったりの
相談や雑談があります。
これを、じゃまに思う人もいるかもしれません。
本気でひとりで集中したい人は、
どこかへ逃げ出したりもしますし、
ある程度のうるささに馴れている人は
平気でいます」

私も同じ気分です。

「年に何度か、全員参加での
『席取替え』があります。
これは基本的に抽選なので、
仕事の種類のちがう人が
近くにいることになります」

小学校の席替えですね。

「じぶんの仕事に似ている分野については、
どんなふうに苦労するか想像ができるのですが、
別のタイプの仕事をしている人のことは、
よく知らないがゆえに、
気持ちの距離ができやすい。
そういうことがよくないと思ったので、
シャッフルをルールにしたのです」

「ぼくも、経理だとか総務だとかの人と、
編集や企画、デザインの仕事をしている人とかが、
なんとなく仲よくない会社も見てきています。
それは、互いの仕事への取り組みを知らないせいで、
『よくやってるなぁ』という雰囲気だけでもわかれば、
ある種の敬愛の念も生まれてくるものです」

ことしの商人舎標語をもう一度。
こまかく、
きびしく、
しつこく、
なかよく。

「いろんな仕事をしている乗組員たちが、
それぞれがお互いを支え合って、
互いに『ありがとね』と感じながら、
仕事をしていけるといいなぁと思うんですよね」

私もそう思う。

さてさて、日経新聞夕刊一面。
「大型連休、増税にも負けず」。

いいですねぇ、
こういった記事。

「飛び石連休となる影響で、
近距離の国際線が人気だ」。

羽田空港では26日、
1日で1万5400人が出国。

ゴールデンウィーク期間中に、
15万3900人。
前年同期比29%増。

JTBの発表。
「今年は短い日程の旅行が好まれ、
人気は大阪方面」

超高層複合ビル「あべのハルカス」や、
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどが人気。

JRグループ6社は、274万席。
前年同期比6%減。

後半の4連休だけみると、
前年4%増で、
国内旅行のピークは5月3日。

このときに、
国民の移動が起こる。

有店舗小売りサービス業で、
顧客の変化が起こる。

JR東日本のデータでは、
前回の消費増税の1997年は、
座席予約前年比20%減。
しかし今回は6%減。

落ち込みは少ない。

「安近短」のレジャーが、
2014年黄金週間の特徴。

あらためて確認したい。

一方、「楽天は役員を減俸」。
昨2013年11月、
プロ野球楽天イーグルスの日本一記念セールで、
社員18人が楽天市場出店者の28事業者に、
通常価格を引き上げたうえで、
割り引きしているような不当価格表示を提案。

担当役員は減俸処分。
同時に内部監査体制を強化し、
再発防止策を明示した。

心ある知識商人。

ゴールデンウィークには、
こういったことはもとより、
便乗値上げなども、
断じて許されるべきではない。

消費増税後の落ち込みが少ない、
「安近短の2014ゴールデンウィーク」。

「高校寄せ書きの店・有薫酒蔵」。
経験価値マーケティングそのものだが、
それぞれの店の価値をこそ、
本気で訴えたい。

良い週末を。

〈結城義晴〉

2014年04月25日(金曜日)

安倍オバマ首脳会談の成果と「セブンゴールド金のビール」評価

バラク・オバマ米国大統領が来日し、
防衛問題には一応の成果を見せた。

しかし経済問題は、
協議がまとまらず。

貿易や投資の自由化を目指すTPP協定。

甘利明経済財政・再生相は対面をつくろって、
「日米間の重要な懸案について道筋を確認した」。

しかし「大筋合意」には至らなかった。
「延長戦でも時間切れ」と日経新聞。

焦点は豚肉の関税と、
自動車の安全や環境規制緩和。

なかなか難しそうだ。

どちらかが得をすると、
どちらかが損をする。

「損得より先に善悪を」と言ったって、
ここでは通用しない。

ねばり強く、理解し合うしかない。
そのうえで、ここは譲るから、
ここは譲ってほしい、となる。

その際、日米両国民の幸せが、
一番の説得材料になる。

もちろん、環太平洋諸国諸地域の、
すべての市民国民の幸せも。

きれいごとではなく、
どれだけ真剣に、
そのことを考えるか。

自分の業界だけ、
自分の企業だけ、
自分だけ。

これが最もいけない。

甘利さんは、説く。
「ほかの参加国との協議を
日米が連携して加速していく」。

しかし日米首脳会談を、
そのほかの国々が注視している。

安倍晋三さんも甘利明さんも、
頑張ってほしい。
率直に、応援している。

日経新聞編集委員の秋田浩之さん。
Web刊で語る。

「いちばん大切なパートナーは日本」
東南アジア諸国連合7カ国の人々への、
最新世論調査。
香港の調査会社Ipsos社が、
計2144人から回答を得た。

第2位は中国、第3位がアメリカ。

「現在の重要なパートナー」の複数回答。
日本が65%、
中国が48%、
アメリカが47%。

2008年調査では、
中国が第1位、日本が第2位。

「将来の重要なパートナー」の回答も、
日本が60%、
中国が43%、
アメリカが40%。

その理由を秋田さんが、
外務省幹部にヒアリング。

第一の理由は、
安倍政権による活発なアジア外交と
アベノミクスによる日本経済の再建。

第二は、
「中国と離島の領有権争いを抱えている国ほど、
対日重視の傾向が強い」。
フィリピンやベトナム。

タイやマレーシアなど、
もともと親日的な国も多い。

「アジアの海洋安全保障」などに関して、
「日本の貢献」が期待されている。

しかしこの件については、
今回の日米首脳会談で、
日米安保条約の防衛体制が、
確認され、明らかになった。

オバマ大統領にも、
頑張ってほしいところだ。

さて今日は夕方、
東京・港区。
東京タワーが美しい。
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大門も落ち着きを払っている。
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朝から横浜商人舎オフィスにいて、
午後、来客。
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パール商事㈱社長の矢山良祐さんと、
営業部長の岡庭さん。
矢山さんには、㈱商業界時代に、
お父上の時代から、とてもお世話になった。

いま、創業49年の印刷関連業から、
業容を発展・転換させて、
教育映像の政策・販売業も。
どんな会社も蛻変がなければ、
生き残ってはいけない。

それをやろうとしている。
応援しよう。

さて、今週の話題のひとつ。
「セブンゴールド金のビール」。
今週火曜日22日発売。
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わが家のそばのセブン-イレブンでは、
大々的にプロモーション。

㈱セブン&アイ・ホールディングスと、
サントリー酒類㈱のコラボレーション。

グループ酒類取扱店舗は、
3月末現在で約1万6800店舗。

これまで両社の共同開発商品は、
新ジャンル「ザ・ブリュー」や、
数量限定ビール「サントリー 深みの贅沢」など。

今回の金のビールの特徴は7つ。
(1)4種の麦芽を贅沢に使用した豊かなコク
(2)国産ゴールデン麦芽一部使用
(3)麦の旨みを引き出すデコクション製法
〈糖化工程で麦汁を煮沸する製法〉
(4)副原料一切なしの麦芽100%
(5)素材の旨みを引き出す天然水100%仕込
(6)アルコール度数6.5%の力強い飲みごたえ
(7)アロマホップ使用による豊かな香り

要は「コクのあるビール」。

すぐに飲んでみたが、味よりも、
パッケージデザインとプロモーションが凄い。

鮮やかなゴールドとブラック。
麦穂のデザイン。

リーチインケースのゴールデンラインに、
ずらりと並べられると、
他のビールがかすんでしまう。

セブン-イレブンの店頭では、
500ml274円(税込:295円)、
350ml212円(税込228円)。

同じ500mlの高質ビールの価格を見ると、
サントリーのザ・プレミアムモルツ316円(税込341円)、
アサヒ・ドライ・プレミアムが308円(税込332円)、
サッポロ・ヱビスが308円(税込332円)。

当然ながら、
プレミアムモルツが、
大打撃を受ける。

ビール党で痛風もちの結城義晴。
ごく個人的な趣味を公開すると、
基本的にはヱビス党。
現在のところ、ドライ・プレミアムに浮気中。

2012年に期間限定で発売されたのが、
「セブンゴールド アサヒ ザ・エクストラ」だった。
その後、「アサヒ・ドライ・プレミアム」として、
ナショナルブランドになった。
私はザ・エクストラからファンになって、
ヱビスから浮気して、
ドライ・エクストラ派になった。

それがない時にだけ、
プレミアムモルツだった。

ここに今回の「金のビール」登場。
アルコール度数も6.5%。

まあ、大ヒットすることは間違いない。
品切れ続出を予言しておこう。

その後、サントリーは、
プレミアムモルツに変わる、
次のアッパー・ブランドにするだろう。

これも予言しておこう。

この手法において、
セブンはイオンに先行している。

きっと、イオンも巻き返しに出るだろう。

しかしそれ以外の小売業。
指をくわえて見ているのか。

自分の店頭から発想して、
マーケットをリードする。
それがマーケティング。

明日から私は、どのビールを飲もうか。
いま、ヱビスを飲みながら、
このブログを書いている。

結局、保守的なのです。
ビール党は。

では、みなさん、良い週末を。

〈結城義晴〉

2014年04月24日(木曜日)

大高愛一郎さんとの懇親とオバマ・安倍会談の「聞く力」

商人舎Magazineの、
Daily商人舎。
つまり毎日のNEWS。

ただしニュースという情報提供だけではない。
必ず結城義晴のニュースの見方が入っている。
つまり評論。
それが特徴。

ウィークデーに毎日、報道して、
一般公開しています。
ご覧ください。

昨日の日本版ニュースは、
セブン‐イレブン陸前高田市にオープン
チェーンストアのドミナントエリア主義、
その真髄がわかる。

今日のワールドニュースは、
ホールフーズの廃棄食品活用
ジョン・マッケイとウォルター・ロブの経営。
視野の広さと視点の高さ。
いつも敬服。

それからこのホームページ巻頭の告知。
第5回商人舎ミドルマネジメント研修会
6月3日~5日。
週中の火曜日から木曜日。
静岡県の湯河原で。

ドラッカー・マネジメントをベースにした、
幹部候補生向け16講座。
脱グライダー商人を養成する。

現在、55名の参加。

まだまだ募集中。

5月14日~20日のUSA研修会。
Basicコース・イン・ラスベガスは、
満員御礼。

今回は、初日に、
キッチン付きのホテルに宿泊して、
ホールフーズやトレーダー・ジョーの商品を、
試食する。

もちろんいつものハードな研修。
中日に理解度テストをする。

参加者のみなさん、
楽しみにしておいてください。

理解度テストは、自分のためのもの。
会社や上司からパワハラはさせません。

これに漏れた皆さんには、
ことしから特別に、
9月初旬のハワイ・ビギナーズ・ツアー。
3泊5日の格安研修会。
もちろん結城義晴が現地視察指導します。

告知と募集は、
5月に入ってすぐに。

よろしく。

さて、昨日の晩は、
大高愛一郎さんと、
恵比寿のイタリアンレストランで懇親。
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三井物産を退職して、
現在、休暇中。

コーネル大学RMPジャパンの、
創設時の事務局長。

副学長だった私の、
心から信頼するパートナー。

お父上は故大高善二郎さん。
ヨークベニマル前社長。
叔父上が大高善興さん。
現、ヨークベニマル社長。

だからあの、
ベニマル商店創業者の大高善雄さんは、
愛一郎さんのお爺様。

熱血知識商人の系譜だが、
謙虚で、勉強熱心。
コーネル大学MBAマスターで、
当然、英語堪能。

引く手数多の人財だが、
今週末、再就職する。

仕事のこと、
流通産業のこと、
家族のこと、
人生のこと。

私には妹がいるが、
弟がいない。

実の弟のような気分で、
語り合った。

心地よい晩餐だった。

心から活躍を期待したい。

さて、安倍・オバマ首脳会談の前夜。
寿司屋の暖簾の前や、
日本酒の杯を交わす写真が、
各紙一面トップを飾る。

そして今日は朝から皇居で、
天皇皇后両陛下による歓迎行事のあと、
赤坂迎賓館で日米首脳会談。

環太平洋経済連携協定交渉は、
大筋合意を目指して、
担当閣僚間の協議が続き、
共同文書が発表される。

中国との尖閣諸島問題には、
日米安全保障条約適用も確認された。

つまり、大統領として、
アメリカ合衆国に、
「防衛義務がある」
と明言。

やはり、直接のコミュニケーションほど、
ものごとをうまく運ばせるものはない。

そのコミュニケーションに関して、
『ほぼ日』の糸井重里さん。

「とてもまちがいやすいことなのですが、
人がなにかを語っているとき、
イニシアティブは、
聞いている側にあるのです」

「熱をこめ口角に泡をためて語ろうと、
よくよく吟味したことばを上手に組み立てようと、
なにかに役立つ重要なことを教えていようと、
聞いてくれるからこその、
コミュニケーションです」

安倍さんがいかに、
うまく言いくるめようと、
オバマさんが聞いてくれるから、
コミュニケーションが成り立つ。

逆もまた同じ。

「聞きたい人がいるなら、
その話は聞いてもらえる。
聞きたい人がいないところでは、
聞いてもらえない」

「コミュニケーションの、
これが原則です」

そのうえで、糸井さんは強調する。
「だけど、みんな、
聞きたい以上に
語りたいんですよね」

鋭い。

「さぁ、思いだしてみよう、
コンサートの客席にいるじぶんたちではなく、
カラオケをやりにいってるじぶんたちを」
このたとえは、わかりやすい。

「聞くことにお金を払うこと以上に、
歌うことにお金を払っているじぶんたちを」

だから、こうなる。
「人に話を聞いてもらうというのは、
実にまったく、たいへんなことなんです」

「お金を払ってでも
やりたいと思っている人がいっぱい」

そこで、オバマ・安倍会談でもそうだが、
「まったく、まことに
『聞く力』が求められている。
だって、語りたがる人は、
いくらでもいるんだもの」

以って自戒とすべし。

「聞く力」によって、
相手を制する。

大高愛一郎さん、
「聞く力」のある人です。

頑張ってほしい。

〈結城義晴〉

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