帰国しました。
私自身の体調は、
申し訳ないくらい悪いけれど、
我々が得た成果は、
計り知れないくらい大きかった。
なんというか、
商業や食品産業に携わっていて、
良かった。
そんな気分だ。
商業・食品産業として、
中華人民共和国の人々と、
真の交流ができた。
民間交流だけれど、
互いに理解を深め合うことができた。
そして中国流通業のイノベーションを、
この目でしっかりと確かめることができた。
昨日は、まず、第一八佰伴百貨店へ。
かつてのヤオハンが1995年、上海に出店。
ネクステージといった。
1997年、ヤオハンが倒産して、
現地の資本に売却されたが、
店舗は百貨店として、
上海随一の店舗のまま残った。
残った理由は、立地と面積。
それが良ければ、資本が変わろうと店は残る。
それでも中国で百貨店は、
徐々に停滞気味。
代わって躍進しているのが、
永輝超市。
この店は「Bravo」というバナー。
まあ、都会型の洗練されたフォーマットだ。
青果部門は他を圧している。
鮮魚、精肉も、そして惣菜も、
驚くべき進化を見せる。
事務所の会議室で質疑応答。
水を用意してくれた。
そしてこのエリアの総経理のイェンさん。
福建省出身の33歳。
若いが14年のキャリアで、
永輝超市の幹部のひとり。
凄い話を聞くことができた。
心から感謝しつつ、固い握手。
そして全員で写真。
永輝の生鮮食品改革は、
日本のそれとは全く発想が異なる。
バーチカルインテグレーションそのものだ。
永輝超市スタディは、
商人舎magazineで報告する。
続いて、RTマートへ。
大潤発が展開するハイパーマーケット。
総合スーパーとしては、
ウォルマートよりも強いし、
ハイパーマーケットとしては、
本家本元のカルフールを凌ぐ。
もちろんテスコの大型店のエクストラにも、
中国では圧勝。
その秘密は生鮮食品部門。
さらに惣菜・ベーカリー部門。
もちろんグロサリーも、
中国の地元資本である有利さを、
十二分に生かして、
現在、この業態のトップ企業。
バックヤードに入って行って、
説明を受けた後、
ここでも事務所会議室へ。
歓待を受けた。
そしてエリアゼネラルマネジャーの胡さん。
自信満々の戦略と技術、
そしてモチベーションの秘密を、
聞き出すことができた。
この会社は小売業第4位ながらも、
862億元(1兆3792億円)、323店舗。
日本で言えばイトーヨーカ堂に匹敵する。
しかし伸び率は10.7%で、
完全にヨーカ堂を凌駕している。
そして全員写真。
店長のミンさんと握手。
お笑いコンビのTKOに似ている。
胡さんとも握手。
RTマート研究も、
商人舎magazineでお届けしよう。
この二つのインタビューは、
伊藤忠商事とその子会社の上海中鑫のみなさんに、
特に骨を折ってもらった。
お礼申し上げておきたい。
その後、ホテルに帰って、
㈱万代の加藤徹社長が、
流通専門誌のインタビューを受けた。
インタビュアーは、
『上海商情』のハン記者(左の女性)。
私は客観的立場から、
日本の流通事情を補足した。
万代が上海の雑誌に載る。
そして交流会には永輝超市の二人。
左が店長のチョウさん(27歳)、
右がイェンさん。
二人とも若い。
永輝超市はCEOも40歳そこそこ。
だから元気に乾杯の嵐。
日中友好商業者大会。
締めは関浩さん。
㈱日本アクセス執行役員大阪支店長。
交流の余韻が、いつまでも残った。
明けて今朝、9時から、
結城義晴の総括講義。
私は昨夜、熱を出したが、
薬を飲んで、水を飲んで、
一晩で、講義ができるところまで、
体力を回復させた。
中国の2014年時点の流通業を、
2時間にわたって整理総括した。
中国チェーンストアの動向、
百貨店とコンビニの動静、
Eコマースの躍進。
外資ウォルマート・カルフール、
そしてテスコの将来。
さらに永輝超市とRTマートのイノベーション。
最後には理念があり、
社会貢献ができる会社。
それが中国流通を制する。
つまり、まともな会社が、
消費社会から評価される。
私には、ほんとうに、
うれしいことだ。
商業はどんな国でも、
社会の健全化に役立つ。
それがうれしい。
講義の後は自由視察。
私は部屋のベッドで3時間ほど休息。
そしてバスで空港へ。
上海の街ともお別れ。
高速道路は渋滞。
しかしそれを乗り越えて、
浦東国際空港に到着。
全員写真の後、解団。
お疲れ様でした。
エアー・チャイナで帰国。
まだ体調は優れないが、
永輝とRTのイノベーションに触れて、
興奮が収まらない。
スペインのMERCADONA以来の興奮だ。
〈結城義晴〉