今週を振り返ると何よりも、
FIFAワールドカップの開幕。
開催国ブラジルが開幕戦で、
順当の勝利を飾ったが、
4年前の前回大会優勝のスペインが、
オランダに5対1の大敗。
どこか波乱を予感させる。
日本にとって、
波乱万丈は期待が広がる。
明日の朝10時の、
コートジボワール戦。
まずはこの第一戦が、
すべての鍵を握る。
対戦相手のコートジボワール。
フランス語表記でCôte d’Ivoire。
Côteは「海岸」という意味、英語ではCoast。
d’は英語のofで、「~の」の意味。
Ivoireは英語Ivoryで「象牙」のこと。
すなわち「象牙の海岸」。
「Ivory Coast」。
小学生の頃だったか、
「象牙海岸」という国名で教科書に載っていた。
象を捕獲し、その象牙をとって、
運び出す海岸だった。
象牙だけでなく、
奴隷も運び出した。
こ国名には、
惨忍なニュアンスが残る。
しかしそれらを受け止めて、
国名とする。
国民の決意のようなものも感じられる。
アフリカの西側の、
人口2000万人ほどの国だが、
サッカーは盛ん。
いいゲームを期待しよう。
さて私は茨城県の水戸へ来た。
㈱セイブ前社長の荻澤誠さんが退任し、
その慰労会。
セイブは、茨城県の小売企業で、
水戸を中心にスーパーマーケット17店を展開。
2002年に㈱カスミと資本・業務提携し、
荻澤さんがカスミから社長として赴任し、
11年間、指揮を執ってきた。
セイブの「経営方針」。
「最良の企業になるのではなく、
地域の1店1店を最良にしたい。
たった1店しかなかったときのような思いで、
地域に根づかせたい。
『個』を最良にするためにだけ
『全体』が機能したい」
いいですねぇ。
私の考えと全く同じ。
その荻澤さんを慰労するために、
親しい人々が集まった。
バトンタッチした新社長の高橋政信さんも、
駆け付けてくれて、
こちらはみんなから励まされた。
真ん中で私が指差しているのが荻澤さん、
左から二人目が高橋さん。
右端がコンサルタントの鈴木國朗さん、
前列右がブルーチップ社長の宮本洋一さん、
左端が寺岡精工常務の山本宏輔さん。
荻澤さん、ご苦労様でした。
高橋さん、頑張れ。
さてさて、今週木曜日の日経新聞に、
「消費増税『影響ない』6割」の記事。
日経新聞の5月中旬から6月上旬の独自調査。
株式時価総額が大きい企業、
300社の最高財務責任者(CFO)に、
アンケートを実施。
250人から得られた回答。
ただし、こういった回答は、
「経団連」的な傾向が強くなる。
「生団連」的見解とはちょっと異なる。
増税後の消費の落ち込みと売上高への影響。
「出ない」と答えた企業が145社、58%。
「減収」の回答は94社、38%。
営業利益も「影響なし」は157社、63%。
「減益要因になる」は85社、34%。
収益環境に関して、
「現状は良い」の回答は合計168社、67%。
半年後の収益環境に関して、
「改善する方向」の回答は計140社、56%。
「横ばい」は95社、38%。
いずれも、消費増税の影響は、
それほど深刻ではなくて、
今後、回復する期待を抱かせる。
今週は私も、
ずいぶんたくさんのトップに会った。
この記事を読んだらしい経営者から、
安堵のような声も聞かれた。
しかし上場企業の今年度経常増益率予想は、
平均すると2%。
前期の2013年度は36%増の実績だった。
だから実に慎重な予想だった。
新車販売(軽自動車含む)は、
5月には1.2%減になった。
4月は5.5%減だった。
記事が指摘するのはまず、
大手百貨店の売上高。
それから消費者態度指数や景気ウオッチャー調査。
いずれも、消費心理の冷え込みが、
一時的なものにとどまる可能性を示す内容。
さらに経費・投資計画担当のCFOの現状認識が、
「明るい方向に変わってきた」。
ただし、このチーフ・フィナンシャル・オフィサーたち。
ほとんどが「経団連」的上場企業の人間。
小売りサービス業の中小・中堅企業の、
「生団連」的立場からすると、
「最悪を覚悟して、最善を尽くす」
この心構えは変わらない。
そのうえで「仕事を楽しむ」。
まあ、今回のサッカー日本代表と同じ心構え。
さらにセイブの経営方針流にいえば、
「個」を最良にするために、
「全体」が機能する。
サムライ・ジャパンと同じ心境で週末に臨む。
そう思えば、やりがいも出るに違いない。
〈結城義晴〉