結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年07月11日(金曜日)

ダイナムで〈続純粋渥美俊一批判〉講演し、米国百貨店動向を分析

台風8号。
千葉県の南をすり抜けて、
太平洋に消えた。

今日は、
その後のフェーン現象で、
ひどく蒸し暑い一日。

横浜の商人舎オフィスに出社して、
昼過ぎまで執務。

㈱商人舎代表取締役社長だから、
日本にいるときにはできる限り、
出社したい。

社長の腰が落ちつかない会社は、
絶対にうまくいかない。

自戒を込めて。

午後、蒸し暑い中を、
東京・日暮里へ。

㈱ダイナム本社。
6月の16日に続いて、
二度目の社内講演会。
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サブタイトルは、
21世紀チェーンストアのための
〈続純粋渥美俊一批判〉。

幹部がずらり、全員そろって、
今回はマーケティングの講義。
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㈱ダイナムジャパンホールディングスが、
一昨年の8月に、
香港証券取引所に株式上場。
パチンコホールとしては、
日本初のことだった。

そしていま、ダイナムは、
さらなる成長のための、
重要な時期に来ている。
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最新のマーケティング戦略に関して、
2時間15分ほどに延長して、講義。
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かつて渥美俊一先生は、
マーケティングを否定した。

それはそれで、
有効な時代と有効な産業が、
あった。

チェーンストア産業化の初期には、
それも必要だった。

いま、マーケティングを、
否定する者はいない。

しかしそれでもその呪縛から、
逃れられない産業や企業がある。

だから私がそれを指摘する。

「マーケティング3.0」の考え方も含めて、
サービス業のチェーンストアにとって、
必須の考え方をレクチャーした。
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ちょっと難しかっただろうか。
ちょっと情報量が多かっただろうか。

しかしそれが今、
絶対に必要で、
有効な時代に入った。

講義を聞いた後、
自分たちで考え、
自分たちで議論して、
ダイナムらしいマーケティングを、
展開してもらいたい。

講義終了後、
代表取締役社長の佐藤公平さんと、
意見交換。
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純粋渥美俊一批判と言っても、
その功績は少しも、
減じられるものではない。

渥美先生の二段階革命論は、
秀逸のロジックだった。

ダイナムにも、
少しだけそのことは、
指摘し、提案した。

公平さんのリーダーシップに、
あらためて期待したい。

さて、一昨日までのアメリカ視察研修。
ワシントンDCでの最終日。

食品分野では、ウェグマンズを中心に、
ジャイアント・フードと、
韓国系のフレッシュワールドを、
比較した。

それ以外にもセブン-イレブンの新しい試み、
ドラッグストアやダラーストア。

非食品分野でも、
ゼネラルマーチャンダイズストアを、
丁寧に検証した。

業態として整理すると、
これがちょっと込み入っている。

アメリカの商業センサスでは、
ゼネラルマーチャンダイズストアが、
452番の大分類。

その中にデパートメントストアがある。

そしてさらにそのデパートメントストアにも、
その中に二つの分類があって、
ディスカウントしないデパートメントストアと、
ディスカウントするデパートメントストア。

前者が日本で言う「百貨店」で、
後者が日本で言う「GMS」。

この前者の百貨店のトップが、
メイシーズ。
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年商279億3100万ドル(2兆7931億円)、
伸び率は0.8%。
純利益は14億8600万ドル(1486億円)、
こちらは11.3%伸長している。
現在、840店舗。

メイシーズは活発なM&Aを展開して、
840店舗の大チェーンストアになっている。

二番手は、
コールズ。
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こちらはジュニアデパート。

2013年度年商190億3100万ドル。
これは1兆9031億円。
ずっと好調で成長を続けてきたが、
伸長率はマイナス2.3%。
純利益も8億8900万ドル、889億円。
こちらはマイナス9.9%。

とは言っても1158店の4桁チェーン。

デュスカウント・デパートメントストアではないが、
コールズがGMSの地位を奪って、
成長してきた。

つまりシアーズとJCペニーから、
特に服飾衣料分野で、
顧客と売上げを奪取してきた。

しかしその勢いにも、
陰りが見えてきた。

なぜか。

シアーズとペニーから、
奪いつくしたというのが、
その第一の理由。

さらにメイシーズやノードストロームが、
コールズの価格帯に降りてきた。
同時にディスカウントストアのターゲットが、
やや価格帯を上げてきた。

つまりコールズのマーケットが、
狙い撃ちされている。

だから顧客数が減った。
その途端、現場が乱れた。

一番の問題は、
内側にある。

苦しくとも、店頭が乱れては、
すぐに競争の餌食にされる。
それがアメリカチェーンストアの競争だ。

三番手がノードストローム。
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しかしノードストロームの中で、
一番伸びているフォーマットは、
ノードストローム・ラック。

年商は121億6600万ドル、
1兆2166億円。
これは3.4%の伸び。

純利益は7億3400万ドル。
734億円で前年と変わらず。

総店舗数は260店だが、
百貨店が117店、ラックが143店。

店舗数は今や、
ラックの方が多い。

このフォーマットは通常、
アウトレットモールに出店する。
しかし最近は、
パワーセンターなどの、
新しいショッピングセンターにも、
店を出す。

四番手がディラード。
これはローコスト型百貨店だが、
最近の経費率は、
普通の百貨店並みになってきた。

年商は64億8900万ドル、
6489億円で4.8%の伸び。
店舗数は302で、2店舗閉鎖した。

そして五番手が、
超高級百貨店のニーマンマーカス。
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この店、ため息が出るほど素晴らしい。

年商は43億4500万ドル、4345億円。
8.6%伸びていて、百貨店業界随一。
店舗数は78で、1年間に1店だけ閉鎖した。

店数が減っても、
売上げは8.6%伸びた。

既存店が成長している証拠だ。

六番手が、
サックスフィフスアベニュー。

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これも素晴らしい。

それぞれ、
とてもいい売場写真があって、
素晴らしいが、
それはWeekly商人舎で、
特別企画を組んでお届けしよう。

日本の総合スーパーの改革には、
アメリカの商業統計の、
ゼネラルマーチャンダイズストアの解明が、
必須だ。

全体像を明らかにし、
その互いの力関係を、
鳥の目と魚の目で分析する。

結城義晴の独自の世界。
楽しみにしていてほしい。

アメリカのチェーンストアを語るとき、
エブリデーグッズとエブリバディグッズだけでは、
まったく片手落ちであることは、
このデパートメントストアの動向を、
垣間見るだけで明白だ。

20世紀の近代化チェーンストア理論は、
十二分に役目を果たして、
21世紀の現代化チェーンストア論に、
その座を譲りつつある。

〈結城義晴〉

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