今日は商業経営問題研究会。
私も久しぶりに参加。
東京・虎ノ門。
俗称「マッカーサー通り」を背景にして。
正式名称は、
「東京都市計画道路幹線街路環状第2号線」、
その虎ノ門から新橋に至る全長1.4kmの区間は、
正式には道路愛称「新虎通り」。
しかし今年3月29日の開通時、
複数の新聞報道で「マッカーサー」の名称がつかわれ、
俗称はそう呼ばれている。
この道路の左側に、
虎の門NNビルがある。
11階が日本チェーンストア協会本部事務所。
会議室には歴代会長の写真。
中内功初代会長(当時、主婦の店ダイエー社長)、
岡田卓也二代会長(同ジャスコ社長)、
伊藤雅俊三代会長(同イトーヨーカ堂社長)。
皆さん、若い。
中内さんは、1967年~1976年の9年間、
岡田さんは、1976年~1978年、
伊藤さんは、1978年~1980年。
それぞれ会長として産業を牽引した。
特に初代の中内さんの功績は、
ずば抜けていた。
中内さんはその後も二度、
1993年~1994年と、
1998年~1999年に、
会長の役を担って、
節目節目に業界に貢献した。
その中内さんだけ、故人。
岡田さんのジャスコはイオンに、
伊藤さんの方はセブン&アイホールディングスに、
名称を変え、組織を変えた。
ダイエーはイオンの子会社になった。
日本の二大流通業、
どちらも純粋持株会社。
イオンの2014年2月期営業収益は、
6兆3951億円で、12.5%の伸び。
経常利益は1768億5400万円で、
こちらはマイナス16.8%。
総合スーパーのイオンリテールは、
年商2兆1401億円。
ダイエーは8136億円、
スーパーマーケットでは、
マックスバリュ西日本が2652億円。
一方、セブン&アイの2014年2月期は、
営業収益5兆6318億円、成長率12.8%、
経常利益3391億円、伸び率14.6%。
傘下のイトーヨーカ堂は年商1兆3120億円。
百貨店のそごう・西武が8015億円、
セブン‐イレブン・ジャパン(全店)が3兆7813億円、
ヨークベニマル3809億円。
どちらも凄い会社です。
その三人のみなさんの視線を浴びつつ、
商業経営問題研究会例会。
リテール・マネジメント・ラーニング・サークル。
Retail Management Learning Circle。
RMLCと略す。
故杉山昭次郎先生を囲む杉山ゼミが始まり。
その後、故磯見精祐さんが代表となって、
研究会が続いてきた。
お二人が亡くなられて、
高木和成さんが代表世話人、
結城義晴が座長となって、
研究会は続けられている。
今日はコア・メンバーで、
テーマを出しあった。
軽減税率の問題、
惣菜マーチャンダイジングの問題、
JANコードとGDSNの問題、
モールSCとオープンエアーSC開発の問題、
小型店開発問題、
O2Oの問題、
etc.。
今後は、それぞれのテーマを設定して、
議論していく。
基本的にオープン参加とする。
つまり、誰もが参加し、研究し、勉強できる。
ちょっと理屈っぽい人ばかり、
揃っているけれど。
それが杉山ゼミ以来の伝統。
今後も、ずっと、続いていく。
よろしく。
暑いあつい東京。
二次会は焼き鳥屋。
それが終わって、写真。
飲んでばかりではありません。
さて、今日、
2014年版「情報通信白書」が発表された。
総務省の重要な調査報告。
日本の全産業の売上高は、
1335兆5000億円。
イオンとセブン&アイと合算しても、
年商12兆0269億円で、
全産業の0.9%。
2012年経済センサスでは、
商業の年商が450兆9276億円で、
小売業は110兆4899億円。
卸売業と小売業を合わせたものが商業で、
それは全産業売上高の33.8%、
小売業は8.3%。
情報通信白書は、
ビッグデータの活用が、
国内全産業の売上高を4.6%押し上げたという。
その額60兆9000億円。
商業はそのうち、
28兆1000億円を占める。
「情報通信白書」は、
今週のWeekly商人舎特別企画で、
詳細に分析報告する予定。
ご期待ください。
なお、この分野が苦手な人は、
総務省のホームページから、
「情報通信白書for Kids」を見てほしい。
小中学生向けホームページだが、
とてもよくできていて、
新入社員の勉強会など、
まずこれを使うと、いい。
さて、朝日新聞に、
「第72期将棋名人戦を振り返る」として、
羽生善治名人が登場。
43歳。
生涯のライバル森内俊之前名人を破って、
通算8期目の名人位。
現在、四冠王。
質問;
「『羽生善治』の強さって、
何なのでしょうか」
回答:
「う~ん、
こだわりがないところ、
でしょうか」
質問;
「どういう気持ちで
シリーズに臨んだのですか」
回答:
「例年よりはいい将棋が指したい
という気持ちが非常に強かったです」
質問;
「3連勝で奪還に王手をかけました・・・」
回答:
「自分自身が平常心をいかに保つかを、
考えないといけない。
ただ、平常心で臨もうという状態は、
すでに平常心ではないですね」
私は羽生善治、
好きだ。
「ヨシハル」という、同じ名前だし。
そして羽生の言葉をいつも、
小売業・サービス業や、
自分の仕事に当てはめてみる。
「いい店、いい売場、
いい商品をつくりたい、
という気持ちを非常に強く持つ」
そのうえで、
「こだわりがないことが強み」
「平常心で臨もうという状態は、
すでに平常心ではない、
ということを知って平常心を保つ」
43歳の天才は、
人間としても実に素直で、
優れ者だ。
〈結城義晴〉