日本全国、猛暑。
明日からほとんどの学校が夏休み。
しかし暑い中の原田泳幸さん。
ベネッセ・ホールディングス代表取締役会長兼社長。
私は原田経営に対して、
やや辛口のコメントをしているが、
現在、顧客個人情報漏えい問題で、
お詫びに次ぐお詫び。
一方、古巣の日本マクドナルドも、
上海福喜食品の期限切れ鶏肉混入疑惑にさらされ、
中国製チキン商品の販売中止を決断。
ダブルパンチか、
往復ビンタ。
偶然にも不幸なことが続くが、
7月3日の日経web刊に、
「ベネッセに稼ぎ方を伝授」の記事がある。
「ベネッセホールディングスに商売を教え込む――。
会長兼社長に先月就任した原田泳幸氏が2日、
都内で開いた経営説明会で
『指導方針』を初めて明らかにした」
具体的には、こんなコメントを明かす。
「もうちょっと上手に商売をする、
売り上げに敏感になる、
といった点が足りない」。
記事のまとめは、
こんなフレーズ。
「細かな施策を積み重ねながら、
顧客をつかむノウハウを植え付けていく」。
私は、これらの発言には、
大いに違和感があった。
「商売」だからこそ、
顧客満足と従業員満足が、
大前提になければならない。
それ抜きに「上手な商売」を標榜すると、
かならず商売の神様から、
しっぺ返しを食う。
それが現在の原田泳幸への往復ビンタだ。
さて今日は、
Daily商人舎を2本公開。
WorldNewsは、
ウォルマート国内部門の立て直し急務?
発表から2週間でCEO交代
JapanNewsは、
4-6月期、アルバイト・中途採用は
3割の企業ができず、人出不足深刻化
さてさて今日は、
朝、新横浜から、
東海道新幹線ひかり。
新横浜の次に停まるのは、
愛知県の豊橋。
今日の最高気温は34度。
一級河川の豊川が流れる。
その豊橋市下地にあるユニークな店。
一期家一笑。
「いちごやいちえ」と読む。
「超ローカル」を理念にする、
インディペンデント。
そして典型的なファミリー・ビジネス。
この店の象徴は「笑ちゃん」。
お笑い地蔵。
そして経営者の杉浦國男さんと、
長男の杉浦大西洋(ひろし)さんに、
インタビュー。
杉浦國男さんは、
この店のオーナー兼店長。
ボランタリーチェーンのチューリップチェーンや、
スパーから、単独スーパーマーケットに転換。
商業界でも学んだことがある。
現在、「日曜日定休」を貫く。
大西洋さんは、
鮮魚・デリカ部門チーフ兼総合バイヤー。
私の講演を何度も聞いてくれていて、
私も実に熱心な知識商人だと、
認識している。
前々から、
一期家一笑には、
是非とも訪れたいと考えていた。
それが実現して、
私には感慨深いものがあった。
80坪の売場面積の小型店。
しかし売場のいたるところに、
独自のアイデアと工夫がある。
核になっているのは、
これも独自の手づくり惣菜。
昔ながらの調味料を使い、
材料を吟味して、
普通の家庭の味を出す。
バックヤードでは、
急ピッチで明日の仕込み中。
売場にはユーモアたっぷりのPOP。
全部門、全カテゴリーに、
こういったPOPが掲げられ、
「地産地消」をコンセプトにした店づくりが、
演出されている。
ドキドキ・ワクワク・ニコニコの店。
月刊『商人舎』8月号で、
詳細にレポートしよう。
一期家一笑は、
「ドキドキ・ワクワク」のうえに、
お笑い地蔵の「ニコニコ」を加えて、
顧客満足と従業員満足を、
最優先させた経営を続けていく。
決して「商売上手」ではないけれど。
〈結城義晴〉