日本列島は全国的に酷暑。
全国230の観測地点で猛暑日。
この気象庁の観測地点は、
927カ所あるから、
24.8%の地点が猛暑日。
猛暑日は、
最高気温が35℃以上の日。
ただし、夕方にちょっと涼しくなって、
優しい風など吹いてくると、
日本の夏を楽しむことができる。
サンフランシスコは、
今日の最高気温26℃。
今週火曜日まで、私は彼の地にいた。
ダラスは40℃だから、
日本でいう猛暑日。
そのサンフランシスコ地区で、
私たちは素晴らしい店を巡った。
その全米小売業協会からうれしい報告。
今年前半の全米小売業の売上高は、
前年度比2.9%のプラス。
そして後半の売上高予測は、
3.9%以上のプラス。
通年の予測は4.1%増だったが、
これは3.6%増に下方修正。
さらにEコマースは、
当初予測が9%〜12%増加で、
これは変更されてはいない。
つまりノンストアリテイリングは、
二桁前後の伸びを示す。
雇用の伸びは2005年以降で一番良く、
6月の失業率は6.1%。
国民の多くは、個人負債を減額し続けている。
要は、社会全体が消費生活に関しては、
健全方向に向かっている。
その証拠が、
小売店舗の活気に現れている。
投資会社サーベラスに買収されたセーフウェイ。
普通ならば店舗も落ち込む。
実際にダラスのトムサムは、
セーフウェイの傘下にあるが、
「死んだ店」だった。
しかしこのアラメダのセーフウェイは、
活気に満ちている。
息をのむ青果部門。
レジもフレンドリーに対応。
もちろんホールフーズマーケット。
ご存知、世界一のオーガニックスーパーマーケット。
例外なく、素晴らしいオペレーション。
チャイルドボックス。
「高い高い」と批判されていた同社だが、
コモディティはディスカウント。
もちろんホスピタリティにあふれている。
サンフランシスコの小型店も、
大成功。
青果部門もコンパクトに収まっている。
実験が成功したからこそ、
再投資して改装。
この部分はコンコースのルートを変えて、
広くとった。
回遊性が格段によくなった。
元気な企業は、
店に投資し続ける。
もちろんトレーダー・ジョー。
全店にアーティストが二人ずつ。
彼女はサンノゼ州立大学アート科卒業。
アシスタントを二人もって、
壁面やパネル、POPをすべて、
プロの技術で作り続けている。
ヘルムスの役を担ったベロニカさん。
首飾りを下げて、
1時間声掛け係に徹する。
アラメダのトレーダー・ジョーも、
活気にあふれている。
デモンストレーションのコーナーは、
店が開いているかぎり、
かならず試食提案をしている。
New Itemコーナー。
素晴らしいトップパネル。
グルテンフリーのトップボード。
「コトPOP」もプロのアーティストが、
ここまで芸術性を高めて完成させる。
ホールフーズもトレーダー・ジョーも、
いまや1兆円を超える企業。
しかし規模は大きくなくても、
アウトスタンディングな企業は多い。
平和堂はそれを、
「尖(とん)がる!」と表現して、
一昨年のスローガンにした。
代表はナゲットマーケット。
ファンタスティックな店づくり。
床はピカピカ。
そのダブルフォーマットのフード4レス。
スーパーウェアハウスのディスカウント型。
しかしこちらもファンタスティック。
入口のウォールも迫力満点。
ウィンコフーズは、
こちらもスーパーウェアハウス。
従業員持ち株会社。
だから、
安くてきれい、
安くてフレンドリー、
安くて良い。
アメリカのディスカウンターは、
日本とは別の次元に入っている。
最後にバークレーボウル。
そのウェスト店。
アメリカ最高の青果部門。
長い長い陳列線と、
選別値入れの多SKU化の技術。
これこそ模倣困難性を持った売場。
その第1号店イースト店。
こちらも圧倒するプロデュース部門。
イースト店とウェスト店、
2店舗しかないのに年商140億円。
つまり1店70億円。
年商47兆円ウォルマートから、
たった2店のバークレーボウルまで、
自分のポリシーやビジョンや、
ポジショニングを鮮明にして、
尖っている。
それがアメリカの競争。
コンテスト型競争。
日本で昨日一昨日と、
一期家一笑や、
てっちゃんの㈱かましんを訪れた。
日本も負けてはいない。
少なくともアメリカのリテーラーは、
彼の地の健全な経済に貢献している。
日本にもこういった競争が、
生まれてきてほしいものだ。
〈結城義晴〉