今日は広島原爆の日。
長崎は土曜日の9日。
被爆から69年。
被爆した人たちの平均年齢は80歳に近い。
被爆し生存した人の数は20万人を割った。
世界史の中で、
核爆弾が使われた事例は、
広島と長崎しかない。
これは絶対に動かない事実だ。
そして今後、
二度と起こしてはならない事例だ。
今日はそのことを確認する日だ。
原爆を投下した当事国のアメリカ。
そのバラク・オバマ米大統領は、
「核なき世界」を唱える。
核兵器を持つ国と持たぬ国。
核保有国をnuclear clubと称するが、
現在、世界で8カ国。
アメリカ合衆国、
ロシア共和国、
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国のイギリス、
フランス共和国、
中華人民共和国。
そのほかにインド共和国と、
パキスタン・イスラム共和国。
そして朝鮮民主主義人民共和国。
イスラエル共和国も公式宣言はしていないが、
核保有国とされる。
この8カ国以外は、
「持たぬ国」となる。
持たぬ国のなかには、
「核の傘」に依存する国がある。
日本もその「傘に依存する国」。
「核の傘」は英語では、
そのままnuclear umbrella。
核保有国が同盟国に対して、
核兵器の抑止力を提供し、
安全を保障する。
それが「核の傘」。
北大西洋条約機構(NATO)、
日米安全保障条約、
米韓相互防衛条約、
米比相互防衛条約などなど。
アメリカは同盟国に加えられた攻撃に対して、
自国への攻撃と同様と見なして、
報復することを保障している。
そんな国々の思惑が絡む。
しかし、それは知ったうえで、
「最後は人間の英知が問われる」。
毎日新聞の社説は、
竹本成徳さんの証言を引用する。
広島原爆の被爆体験者。
この「英知」を、
私たちひとり一人が、
もたなければならない。
さて、訃報です。
ヨークべニマルの大高善兵衛さん、逝去。
79歳。
広島や長崎で被爆した人たちと同世代の経営者。
日曜日の8月3日、
福島県郡山市内の病院で逝去。
通夜・葬儀は近親者のみで行われ、
後日、お別れの会が開かれる。
1954年、福島県立安積高校を卒業。
すぐに、㈱紅丸商店に入社。
この紅丸商店の創業者が、伝説の大高善雄さん。
善兵衛さんはその長男だった。
1963年に改組していた紅丸商事㈱社長に就任、
1973年3月、イトーヨーカ堂と業務提携し、
その10月に㈱ヨークベニマルに商号変更。
1980年、東京証券取引所市場第二部に上場、
続いて1984年、東京証券取引所市場第一部に上場。
善兵衛さんは社長としてそれを実現させた。
それから10年後の1994年、
すぐの弟の善二郎さんに社長を引き継いで、
郡山商工会議所会頭就任。
2007年まで13年間、重職を務めた。
善二郎さんは2000年まで社長として、
現在のヨークベニマルの軌道を敷き、
その後、その次の弟の善興社長の時代となって、
現在に至る。
善二郎さんは2006年9月に、
惜しまれて68歳で早世。
善兵衛さんは79歳での逝去。
私も当然ながら、
何度かインタビューをした。
飄々とした人物で、
4人兄弟の力を合わせて、
ヨークベニマルを、
東北一のスーパーマーケットに育て上げた。
ご冥福を祈りたい。
さて日経新聞社の「第43回日本の卸売業調査」。
詳細は日経MJに掲載されている。
調査は卸売業全業種1021社を対象に実施。
回答は56.3%の575社から得られた。
前年と比較可能な企業数は515社。
その2013年度の売上高は36兆7710億円。
前年度比でプラス4.0%。
7年ぶりの4%成長。
その理由は、消費増税前の駆け込み需要。
時計・貴金属や家具など高額品が伸びた。
卸売業トップ10社には、
医薬品卸が4社、
食品卸が5社。
書籍卸の日本出版販売が1社。
卸売業全13業種のうち、
12業種で増収。
減収の卸売業は、書籍・CD・ビデオ・楽器。
第1位の日本出版販売がマイナス3.2%、
第2位のトーハンはプラス1.0%だったものの、
第3位の大坂屋がマイナス18.7%。
明暗くっきり。
比較可能な341社の営業利益は2.9%プラス。
医薬品卸売業が牽引し、
食品卸売業や繊維卸売業が足を引っ張った。
両者は10%を超える減益。
消費増税分を小売り側に転嫁できず、
自社負担したため。
そんな企業が21.1%。
林周二著『流通革命』発刊は1962年。
「問屋無用論」など展開されたが、
それから52年。
2兆円を超える卸売業が3社。
第1位のメディパルホールディングスは、
年商2兆9478億円。
4.9%の伸び率。
第2位のアルフレッサホールディングスは、
2兆5045億円、成長率4.9%。
第3位は三菱食品で2兆3882億円。
こちらは成長率3.0%。
1兆円を超える卸売業は、7位まで。
第4位スズケンの1兆9882億円。
なぜか医薬品卸上位企業の伸び率は4.9%。
第5位が食品卸の日本アクセスで、
1兆7140億円、成長率5.7%。
第6位が国分の1兆5668億円、4.3%。
そして第7位が医薬品の東邦ホールディングス、
1兆1896億円、4.3%。
問屋無用論は文脈の中で語られたロジック。
「無用」になるはずもなかったことは、
これらの数値が示している。
ただし小売業は、
業種から業態へ進化し、
さらにフォーマットへと変異している。
卸売業も多数の業種時代は、
とうの昔に終わって、
一応13業種に集約されているし、
商法上の「問屋」は卸売業とは異なる。
商法第551条の「問屋」は、
「自己の名をもって他人のために
物品の販売又は買い入れをすることを業とする者」。
つまり、商法でいう「問屋」は自己の名義で取引を行い、
取引の相手方に対する権利義務の主体となるが、
その取引による損益は委託者に帰属する。
その意味でも、
「問屋」という言葉や概念自体は、
有用性を喪失しつつあるのかもしれない。
〈結城義晴〉