今日は、私の62回目の誕生日。
ずいぶん多くの皆さんから、
「おめでとう」の言葉をいただいた。
心から感謝して、
お礼申し上げたい。
facebookでも、
メールでも。
手紙でも。
西端春枝先生からは、
『致知』の誌上対談の記事が、
送られてきた。
お元気で何より。
これもうれしい。
すべてのお祝いや励まし。
ひとこと一言かみしめて、
心に刻みます。
しかし「体に気をつけて」だとか、
「無理をしないように」だとか、
そういった気遣いの言葉が多くて、
なんだか出征してゆく兵士のような気分になった。
ありがたく頂戴いたします。
ありがとうございます。
頑張ります。
無茶はせず、
無理をする。
まだまだ、このくらいの心持ちで、
前を向いてずんずん進んでいきます。
よろしく。
さて今日は、
午前中、横浜商人舎オフィス。
実は昨日が締め切りだったが、
それが伸びてしまった。
デザイナーさん、印刷所、
皆さんにご迷惑をかけつつ、
発行はきちんと守られる。
内容はその分だけ、
こってりとしたものにしなければいけない。
頑張ります。
ちょっと無理をしてでも。
午後は、東京・汐留。
電通本社ビル。
恒例の講演会。
入口のモニュメント。
35階に上がると、
ベイエリアが美しい。
午後1時半から3時まで。
今日はきっちり話しました。
電通社員が聴講者。
社内募集して、
すぐに定員が埋まり、
キャンセル待ちが出た。
立ち見も出て、
120人ほどで盛況。
テーマは、
「グローバル・チェーンストアの
最新動向とポストモダン戦略」
欧米と中国、日本のチェーンストア動向を、
一気呵成に語りきった。
ご清聴を感謝したい。
電通の皆さんは、
社内イントラネットで見ることができます。
こちらもご清聴をお願いします。
毎年、夏が終わって、
9月の頭に電通の講演。
もうOBとなった土井弘さんのお導きで、
この機会をいただいて、
5年ほど続けてレクチャーしている。
担当の望月裕さん(左)と中谷俊介さん。
望月さんは電通総研のプランニング・ディレクター。
ビジネスクリエーションセンターのシンクタンクグループ。
中谷さんは綜合データソリューションセンターの、
ナレッジ・マネジメント部マーケティングスーパーバイザー。
ときどき名称が変わるが、
仕事自体はそう変わらない。
お二人、口をそろえて言う。
それから聴講に来てくれたのが、
この人、渥美俊英さん。
わかる人には、わかるでしょう。
故渥美俊一先生のご長男。
㈱電通国際情報サービスの
エグゼクティブプロジェクトディレクター。
社団法人クラウド利用促進機構運営委員でもある。
俊英さんは大活躍中。
昨日も北海道大学で講演してきたとか。
今年59歳。
私とほぼ同年で、
長い付き合いになる。
俊英さんに、
世界のチェーンストアの話を聞いていただいて、
私は嬉しかった。
ありがとう。
電通を辞して、
すぐに横浜商人舎オフィスに取って返す。
そして夕方、
横浜駅前のベイシェラトンホテルへ。
8階の和食「木の花」。
乾杯をして、
打ち合わせをして、
食事が始まったら、
赤飯が出てきた。
さらに刺身をいただき、
寿司を握ってもらい、
赤だし味噌汁を楽しんで、
最後に、ケーキ。
ローソクまでついていて、
一息で吹き消した。
第一屋製パン㈱会長の細貝理栄さんと、
常務取締役の細貝正統さん。
ありがとうございました。
第一屋製パンは、
トヨタ生産方式を導入して、
目覚ましい成果を上げている。
そんな話も聞きながら、
楽しい会食となった。
さて、私にとっては嬉しい誕生日。
いつものように母と父に感謝したい。
誕生日はそんな日だと考えている。
その一方で、訃報。
松岡康雄さん、76歳。
まだまだ若い、残念。
私は、松岡さんが、
ダイエーの物流部長の頃、
初めてお会いしてインタビューした。
その後、㈱セイフー社長、
㈱ダイエーコンビニエンスシステムズ社長・会長。
この会社が現在のローソン。
その後、日本フランチャイズチェーン協会会長就任。
心よりご冥福を祈りたい。
もうひとつニュース。
日経新聞に、
「ネットスーパー、住商撤退」の記事。
昨日、住友商事が、
「ネットスーパー事業をやめる」と発表。
理由は、配送コストを吸収できないため。
至って簡単。
投資をしても回収できない。
「いまだ黒字化の見通しは立たない。
今後どれだけ我慢を続けられるか……」
「売れば売るほど赤字が広がる」
悲痛な声が上がる。
食品の宅配ニーズは確実にある。
しかし問題はコスト。
日本のネットスーパーは、
一般的に「店頭価格と同じ」。
これでは、「宅配箱に商品を詰め、
顧客宅に届けるコストが、
店頭販売よりも余分にかかる」。
「首都圏では一定額を超えた注文は、
無料で配送する例が多い」
顧客が店にやって来て、
商品を選んで買物して、
現金を払って、
自分で袋詰めして、
持って帰ってくれる。
これをキャッシュ&キャリーという。
ありがたい商売です。
それを店側、業者側が、
全部、引き受けて、
料金が同じでは、
これは理屈が合わない。
店に買い物に来てくれる顧客には、
もっともっと安く売らねば不公平だ。
住商のネットスーパーは、
1年間に10億円超の赤字。
事業からの撤退は、
正しい判断だろう。
記事にはセンターからの配送方式で、
トラックの移動距離が長くなり、
コストがかさむと指摘されている。
さらに生協も含めて、
10事業者以上が宅配事業で競合するとも、
書かれている。
特別のイノベーションか、
あるいは独占状態にでもならない限りは、
ネットスーパーの利益はあがりにくい。
矢野経済研究所の見通し。
2012年度のネットスーパー市場は940億円。
今後5年で2.5倍超。
新宿のショッピングセンター丸正総本店が、
移動スーパー「とくし丸」を始めた。
こちらは、地域の提携スーパーマーケットから、
個人事業主が商品を調達して、
冷蔵庫付き軽トラックで巡回して販売する。
個人事業主は約300万円を自己負担。
丸正はこれを直営で展開している。
商品の粗利益率は28%が想定され、
売れ残った商品は店に返品可能。
これは採算に乗る。
ネットスーパーと移動スーパー。
運営方式はまったく違うが、
はじめから投資回収が難しい事業を、
ビジネスチャンスがあるからと考えて、
試みても上手くはいかない。
ネットスーパーは、
イギリスのテスコが大成功させている。
テスコ・ドット・コムと、
テスコ・ダイレクト。
今日の電通の講義でも、
このテスコの戦略にはちょっと触れたが、
余分なことや無駄なことをしないのが、
テスコの「シンプル経営」。
トヨタ生産方式も、
余分なこと、無駄なことを、
徹底して省いていく。
これは学びたい。
人生もシンプルが一番。
いくら忙しくても、
シンプルに頑張っていれば、
苦にはならない。
今日のたくさんのお祝いと励ましの言葉、
みな、シンプルだった。
ありがとうございました。
〈結城義晴〉