朝目覚めると、
窓いっぱいに秋の空。
そしてくっきりと彦根城。
スコットランドのエディンバラ城は、
住民から見上げられ、
住民を見下ろして、
キャッスル・ロックという大岩の上に、
デンと存在する。
そのスコットランドで今日、
世紀の独立住民投票。
新しい時代がくるのか、
それとも経済優先で国が続いていくのか。
アメリカ合衆国バラク・オバマ大統領は、
「結束を望む」とコメント。
最大の盟友国の国力維持を切望する。
フランス共和国フランソワ・オランド大統領は、
「イギリスのみならず
ヨーロッパの将来を決定づける」
昔から両国は仲が良いわけではないが、
欧州全体を見通す発言。
ロシア共和国のウラジミール・プーチン大統領は、
静観の模様。
ウクライナからクリミヤを編入したり、
二度のチェチェン紛争でその独立を抑え込んだり、
後ろめたいことがあるときには、
人間は口をつぐむ。
ここで有名なイギリスのブックメーカー、
「ラドブロークス」では、
独立派勝利の倍率が4.5倍で、
独立反対派勝利に分が上がっている。
いずれにしても世界中が、
まさに固唾を飲んで見詰めている。
昨日夕方から、
この滋賀県彦根市。
㈱平和堂のアメリカ視察研修会の、
事前講義兼報告会。
南彦根にあるビバシティ彦根内の大ホールに
まず11月視察のメンバーが集まった。
平和堂のアメリカ視察は
私が企画し、コーディネートを始めてから
今回で8回を数える。
毎年初夏と秋の2回、実施してきて
幹部およびバイヤー、店長・店次長、
総勢323名の参加となる。
ダラスとラスベガスの2都市で、
アメリカの競争の本質と、
各社のポジショニングを学ぶ。
それを323名全員が体験し、
共通の認識を持って、
自店、自部門、自社の、
イノベーションと向き合う。
平和堂がどうあるべきか、
平和堂のイノベーションはどう展開されるべきか。
どうしても私の見方、考え方がそこに入る。
そして熱が入る。
午前中に110分の事前講義。
午後は、前回7月の米国視察メンバーが、
再び三度参集してきて、
視察報告会。
夏原平和社長をはじめとする経営幹部、
エリアマネジャー、事業部長などが
その報告を精査する。
6班に分けられた参加者が、
アメリカで学んだこと、
その学習をもとに帰国後、実践したことを
スライドを使って次々に説明していく。
すかさず、
エリアマネジャーたちから
鋭い質問や指摘が飛ぶ。
その質問に代表者が答えていく。
時には代表者以外のメンバーも答える。
厳しい質問や指摘の中にも、
ウィットにとんだ発言がある。
班長たちも、ほっとする。
私もそれぞれの報告に対し、
一班ごとに講評。
そうして午後の時間は過ぎていく。
最後は団長を務めた福嶋繫さんの総括。
食品統括兼一般食品事業部長。
これがとてもよかった。
「本気で視察し、本気で仕事に取り組む。
11月に視察するメンバーには
自分の心をイノベーションしてほしい」
福嶋さんはコーネル・ジャパン実行の第3期生。
私も全体を総括して講評。
前回の参加メンバーも、
次回渡米するメンバーも、
意欲が高まってくる。
最後は、夏原社長から、
総評と叱咤激励。
「アメリカのスーパーマーケットが
どのように形づくられているか、
全体を見てきてほしい。
アメリカだからできる、
日本ではできない。
そう思うなら行く価値がない。
挑戦する気持ちを持って、
実行することが大事」
同じ目線で同じものを見る。
そして共通の「鳥の目と魚の目」を持つ。
それが平和堂のアメリカ視察。
現場にその成果がもたらされる。
だから平和堂の売場は、
どんどん良くなっている。
次回参加メンバーは、
事前講義と報告会の内容を踏まえ、
自分たちの視察課題を、
ディスカッションし、まとめる。
発表し、決意表明する。
それに対して再び、
私のコメント。
大事なことの一つは、
「セレンディピティ」。
つまり、何かを探求しようとするとき、
当初、目論んでいたものとは「別の価値」に、
遭遇することがある。
だから、一度決めた仮説や課題も、
現場を見て修正することは構わない。
マーケットは動いている。
顧客も動いている。
ピーター・ドラッカーは、
イノベーションの第一の種は、
「予期せぬことにある」という。
だからセレンディピティ。
これが事前講義のまとめの言葉となる。
一方、前回メンバーは、
本社の大食堂で懇親会。
私も参加。
もちろん夏原社長も。
私の帰り際、
最後にこの写真。
朝からの講義や講評で、
体中を疲労感が満たしていたが、
この写真でそれが吹っ飛んだ。
いい一日だった。
ありがとう。
〈結城義晴〉
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